《第81回》
"カスタマー・ディライトとディスアポイントメントが顧客ロイヤルティ形成にあたえる影響の研究"
(株式会社電通マーケティングインサイト 古口 敏道氏)
●なかなかの力作です。プレゼンではシンプルにわかりやすく説明されていましたけれでも、提出ペーパーは、アカデミックの研究論文になっています。青山学院の教授との共同研究であることが頷けます。
CS調査の欠点を補う「カスタマー・ディライトCD」と、「カスター・ディスアポイントメントCDIS」の新しい変数を発見され、顧客ロイヤルティ・モデルの改善を目指しています。
プレゼンでは触れていなかったかと思いますが、共分散構造分析を用いて、顧客ロイヤルティ・モデルも提示されています。
ここではその詳細結果を記入することができませんが、ぜひ会議当日配布された「発表論文集」をご覧ください。出席した同僚の方か、JMRAに直接問い合わせされることをお勧めします。一読の価値は十分あります。
●CDとCDISのCSやロイヤルティへの影響の仕方が異なることを検証し、これらがロイヤルティやWOM(口コミ)の形成要因の説明力を高めることを説明しています。
「CSが高くてもCDIS体験がある場合にはロイヤルティが低い」。つまり顧客満足が高くても、失望体験があるとロイヤルティが低くなるといったこれまでCS調査で見られた矛盾点をCDとCDIS変数ですっきり説明しています。
●これまでのCS調査や、顧客ロイヤルティ・マネジメントにおいて、このようなCDやCDISという新たな変数を付加することのRenovationの意義を強調されています。確かに意義は大きいと思います。
●(所感)
①CDやCDISの測定項目がそれぞれ25項目(プルチックの感情立体モデル)があるので、質問数が多くなっていると思います。
②ロイヤルティモデルの中に、「顧客経験」変数が含まれていませんので、ロイヤルティ向上・強化の具体的アクションの提案がしづらいのではないかと思いました。「感動」や「失望」といった態度レベルで測定していますので、それらがどういう「経験(行動)」からきているかといった視点が不足しているのではと感じました。企業が欲しているのは、具体的な行動(顧客経験)レベルの改善提案でしょうから。
③「ロイヤルティ」指標の測定にも議論があるところでしょう。今回は、「推奨」はロイヤルティとは個別に測定されていますが、推奨を継続的利用などと同じように、ロイヤルティ指標の測定変数として扱う意見もあります。さらにNPSのように、実際の売上との関連性や、よりアクション志向からいって、ロイヤルティ指標ではなく、ご存知のように推奨を「究極の」指標と考える意見もあります。
いずれにしても、過去10年のロイヤルティ研究は、顧客満足指標の有効性の否定と、売上と相関の高い「ロイヤルティ」指標の開発と、それに影響を与える「顧客経験」変数の発見(構造方程式モデルの開発)にありました。それらを超えるものが出現することが現在求められています。
④その意味で、ペーパー最後のソーシャルリスニングデータへの拡張の示唆の意義は大きいと思います。但し、現状のセンチメント分析の精度の改善が大前提になると思われます。
*********************
以下、プレゼン中の私の個人的ノートです:
カスタマーディライト
ディスアポイントメント
顧客体験:スタバ、GREE
顧客体験のマネジメントの重要性の高まり
満足度
感動指標、失望指標
CSのおける課題
指標の考え方
20-59才1,000人
感動指標、失望指標FAからアフターコード
4件法、因子分析
顧客体験:旅行
満足、リピート意向、推奨意向、感動、失望
満足度は「失望体験」をとらえていない
「感動体験」が推奨意向に影響を与える
満足Xリーピート:満足が高いがリピートが低い人のかい離を「失望指標」で説明できる
満足が高く推奨が低い人のかい離を「感動体験」で説明できる
感情体験の感情因子:感情因子
失望体験の感情因子
感情の動きも組み込み、インサイトを高めた施策立案が可能
活用領域
満足+失望=リピート
満足+感動=推奨
●15:20-15:35発表全体に対する質疑応答
●15:35-休憩
"カスタマー・ディライトとディスアポイントメントが顧客ロイヤルティ形成にあたえる影響の研究"
(株式会社電通マーケティングインサイト 古口 敏道氏)
●なかなかの力作です。プレゼンではシンプルにわかりやすく説明されていましたけれでも、提出ペーパーは、アカデミックの研究論文になっています。青山学院の教授との共同研究であることが頷けます。
CS調査の欠点を補う「カスタマー・ディライトCD」と、「カスター・ディスアポイントメントCDIS」の新しい変数を発見され、顧客ロイヤルティ・モデルの改善を目指しています。
プレゼンでは触れていなかったかと思いますが、共分散構造分析を用いて、顧客ロイヤルティ・モデルも提示されています。
ここではその詳細結果を記入することができませんが、ぜひ会議当日配布された「発表論文集」をご覧ください。出席した同僚の方か、JMRAに直接問い合わせされることをお勧めします。一読の価値は十分あります。
●CDとCDISのCSやロイヤルティへの影響の仕方が異なることを検証し、これらがロイヤルティやWOM(口コミ)の形成要因の説明力を高めることを説明しています。
「CSが高くてもCDIS体験がある場合にはロイヤルティが低い」。つまり顧客満足が高くても、失望体験があるとロイヤルティが低くなるといったこれまでCS調査で見られた矛盾点をCDとCDIS変数ですっきり説明しています。
●これまでのCS調査や、顧客ロイヤルティ・マネジメントにおいて、このようなCDやCDISという新たな変数を付加することのRenovationの意義を強調されています。確かに意義は大きいと思います。
●(所感)
①CDやCDISの測定項目がそれぞれ25項目(プルチックの感情立体モデル)があるので、質問数が多くなっていると思います。
②ロイヤルティモデルの中に、「顧客経験」変数が含まれていませんので、ロイヤルティ向上・強化の具体的アクションの提案がしづらいのではないかと思いました。「感動」や「失望」といった態度レベルで測定していますので、それらがどういう「経験(行動)」からきているかといった視点が不足しているのではと感じました。企業が欲しているのは、具体的な行動(顧客経験)レベルの改善提案でしょうから。
③「ロイヤルティ」指標の測定にも議論があるところでしょう。今回は、「推奨」はロイヤルティとは個別に測定されていますが、推奨を継続的利用などと同じように、ロイヤルティ指標の測定変数として扱う意見もあります。さらにNPSのように、実際の売上との関連性や、よりアクション志向からいって、ロイヤルティ指標ではなく、ご存知のように推奨を「究極の」指標と考える意見もあります。
いずれにしても、過去10年のロイヤルティ研究は、顧客満足指標の有効性の否定と、売上と相関の高い「ロイヤルティ」指標の開発と、それに影響を与える「顧客経験」変数の発見(構造方程式モデルの開発)にありました。それらを超えるものが出現することが現在求められています。
④その意味で、ペーパー最後のソーシャルリスニングデータへの拡張の示唆の意義は大きいと思います。但し、現状のセンチメント分析の精度の改善が大前提になると思われます。
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以下、プレゼン中の私の個人的ノートです:
●14:56-15:20
カスタマーディライト
ディスアポイントメント
顧客体験:スタバ、GREE
顧客体験のマネジメントの重要性の高まり
満足度
感動指標、失望指標
CSのおける課題
指標の考え方
20-59才1,000人
感動指標、失望指標FAからアフターコード
4件法、因子分析
顧客体験:旅行
満足、リピート意向、推奨意向、感動、失望
満足度は「失望体験」をとらえていない
「感動体験」が推奨意向に影響を与える
満足Xリーピート:満足が高いがリピートが低い人のかい離を「失望指標」で説明できる
満足が高く推奨が低い人のかい離を「感動体験」で説明できる
感情体験の感情因子:感情因子
失望体験の感情因子
感情の動きも組み込み、インサイトを高めた施策立案が可能
活用領域
満足+失望=リピート
満足+感動=推奨
●15:20-15:35発表全体に対する質疑応答
●15:35-休憩
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