2014年12月26日金曜日

#142 第48回JMRX勉強会報告

<第142回>  2014年12月

● 
2014年12月17日(水)、株式会社ミクシィ会議室(住友不動産渋谷ファーストタワー7F) にて、第48回JMRX勉強会を下記の要領で開催致しました。
http://kokucheese.com/event/index/242408/

会場を提供していただきました(株)ミクシィ様に感謝申し上げます。
また年末のお忙しい中、ご参加いただきました皆様、有難うございました。


●「定性調査の変革:モバイル、ソーシャル、MROC
 ―QRCA会議、ESOMARグローバル定性会議、IIeX会議参加報告」

* QRCA(Qualitative Research Consulting Association) 世界最大の定性リサーチャーの組織の年次会議
* IIeX(Insight Innovation Exchange)MR業界のad:tech テクノロジーによるMRの変革を目指す会議


>写真は、IIeX-AP 会議で、Dive into SAMURAI Spirit: Unlocking the Japanese Consumers with MROCsと題して発表される吉田朋子氏。http://www.iiex-apac.org/agenda/

日時: 12月17日(水)19:00~21:00 (18:45開場)

19:00~19:30 QRCA2014年年次会議報告:定性調査のランドスケープの変化 
          By 岸川茂(MROCジャパン代表)

19:30~20:30 ESOMAR GLOBAL QUALITATIVE 参加報告: 
         定性のグローバル・リーダーたちによる挑戦と教訓 
         By 星晶子氏 (株式会社インテージ/マーケティングイノベーション本部リサーチソリューション開発室シニアアナリスト)&吉田朋子氏(フリーランス)

20:30~21:00 IIeX-AP 新しいリサーチの切り口:       
          ソーシャルメディアの活用、スマートフォン、フェイシャルコーディング
          By 岸田典子氏 (株式会社クロス・マーケティング/事業統括部クロス・マーケティング ラボ エグゼクティブ・




●プレゼン資料:

1)QRCA2014年年次会議報告:定性調査のランドスケープの変化 

Jmrx2014年12月 from MROC Japan

2)定性のグローバル・リーダーたちによる挑戦と教訓  

Esomar global quali'14参加報告 jmrx1217 from moderator_tomoko



3)IIeX-AP 新しいリサーチの切り口 

Jmrx i ie x報告1216nk from Noriko Kishida

●勉強会後は、JMRX勉強会の2014年忘年会を開催しました。
参加者15名で11時すぎまでリサーチその他の話題で盛り上がりました。

来年もJMRX勉強会をよろしくお願い申し上げます!!!

 

2014年11月4日火曜日

#141 アジア初のインサイト会議IIeX会議開催まであと1か月

#141 アジア初のインサイト会議IIeX会議開催まであと1か月

● #139でご案内しましたアジア初のインサイト会議IIeX 2014AP会議開催まであと1か月になりました。12月4日、5日にオーストラリアのシドニーで開催されます。

現時点で日本からは、海外のMRの最新動向に関心の高い5名のリサーチャーの皆さんが参加予定です。

● 極端に言えば、この会議に参加しないで、海外のMRの最新動向を語ることはできないといっても過言ではないでしょう。

なぜなら、以下で詳しく述べるように、世界のMRを牽引する世界のMRリーダーが多数参加するからです。

さらには、日本を代表する定性リサーチ・コンサルタントの吉田朋子さんが
Dive into SAMURAI Spirit: Unlocking The Japanese Consumers with MROCs
と題して、日本のMROC業界を代表して、日本のMROCの現状と課題についてプレゼンを行います。生のプレゼンを現地で聞けるのが非常に楽しみです。また海外のリサーチャーの人々がどのようなリアクションをされるのかも興味深いです。

プログラム内容:http://www.iiex-apac.org/agenda/

● 私がこの会議に参加する理由は、いくつかあります。

・ 1つは、今年の6月にアトランタで開催されたIIeX-NA(北米)会議に参加し、非常に有益であったからです。#123-126のブログ参照。
http://www.minnanomr.com/2014/06/iiex-na.html

ESOMARを始めとする海外のMR会議はたくさんありますが、最新動向だけにフォーカスしたものは、このIIeX会議だけです。その点で、今後のMRの動向を探るうえで非常に役立つプレゼンを聞くことができます。

・ 2つ目は、プレゼンされる内容です。

今回取り上げられる興味深いテーマは、

・感情分析で注目される「フェイシャル・コーディング」や、
・第2世代を向かえた「ニューロ・サイエンス」
・今最もホットな「モバイル・リサーチ」

近著Handbook of Mobile Market Researchの著者によるモバイル・リサーチのワークショップも行われます!

・感情分析と並んで注目される「行動経済学」
・レポーティング関連の「データ・ビュジュアリゼーション」や「ストーリーテリング」などです。
・関心が高まっているUXリサーチ
・もちろん、ビッグデータについてのプレゼンもあります。

この分野の世界のリーダー企業のスペシャリストがプレゼンを行います。
上記のテーマに関心のある方は必見かと思います。

また世界で最も革新的な調査会社と言われているイギリスのブレインジューサーからはAP地区のMDがプレゼンをします。

ぜひ一度、プレゼンのプログラムをご覧になってください。絶対に出席したくなるかと思います。
http://www.iiex-apac.org/agenda/

・ 3つ目は、上と関連して、世界のMRの革新リーダーの多くと、直接会うことが可能であり、意見交換をすることができるからです。

今回の場合ですと、

1)まずは、この会議の議長でもあります、お馴染みイギリスのレイ・ポインター氏。

2)次はソーシャル・メディア・リサーチの世界のリーダーであるカナダのアニー・ペティ女史。

彼女は、Chief Research Officer at Peanut Labsであり、Vice President, Research Standards at Research Nowであります。
3)Brand esSenseの著者であるニール・ゲインズ博士

3) その他のプレゼンターとして、
http://www.iiex-apac.org/speakers/

o   Dave McCaughan, McCann WorldGroup 昨年まで日本でおられたマッキャンのリサーチャー
o   Lynette Davies, Coca-Cola コカコーラのサウス・パシフィック地域担当

o   Sue York, 近著Handbook of Mobile Market Researchの著者

o   Peter Harris, Vision CriticalのAP地区代表
 
・ 最後に、オーストラリアのMR状況についても知るよい機会かと思っています。

● 今回の会議は、名門ニューサウスウェールズ大学(UNSW)
の広大なキャンパンスで行われます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E5%A4%A7%E5%AD%A6
● シドニーまで直行便で約9時間半。

現在の時差は2時間(夏時間)で、アメリカのように大きな時差に悩まされることはありません。

幸いシドニーまで直行便が東京から飛んでいます。

航空運賃は、日航ですと、今からですと往復約14万ぐらいです。直行便でなければもっと安い便もあります。

ホテル代は、高級ホテルでなければ、1泊1万円前後であります。

● それに会議参加費1、195オーストラリアドル(本日のレートは円安のため99円です)が必要です。

レイ・ポインター氏のご厚意で、

「JMRX」のプロモ・コード(pomotional code)を入力していただくと、15%の割引が受けられます!!!
http://www.iiex-apac.org/register/

● 12月のシドニーは夏です。17度ー26度だそうです。

観光地として有名なのは、世界遺産である「オペラハウス」や、夜景が美しいハーバーブリッジ、ランドマーク的存在のシドニータワーなどなど。非常に楽しみです。
http://matome.naver.jp/odai/2140789026667669501

12月の寒い日本を離れて、真夏のシドニーでMRの最新動向についてじっくり学習してきたいと思います。皆さんもぜひご参加下さい。
 

2014年10月23日木曜日

#140 QRCA会議報告(1) QRCA加入のお勧め


<第140回> 定性リサーチャーの世界的団体であるQRCAの年次会議(2014年)に出席して  2014年10月

● 2014年10月15日(水)ー17日(金)の3日間、アメリカ南部のニューオリンズ(NOLA)で、QRCA年次会議が開かれました。

QRCAは、Qualitative Research Consultants Associationの略で、31年前にアメリカで誕生した定性リサーチャーの団体です。

もともと個人の会社やフリーランスとして、独立して働くアメリカの定性リサーチャーやモデレーターの人が、定性調査の知識や経験の共有を目的として設立された組織です。

現在815人の世界の定性リサーチャーが参加しています。

● 今回、QRCAへの加入資格を個人的に得たことを記念して初参加しました。

250名強の世界の定性リサーチャーが参加していました。

アジェンダなど会議概要は、以下を参照してください。
http://www.qrca.org/event/2014registration

● 初参加者には、QRCAのベテラン・リサーチャーが、「アンバサダー」として、3日間お世話係りをしてくれます。私のアンバサダー役を務めてくれたニューヨーク州で定性リサーチ会社を運営するKris Hodges女史は、QRCA組織や今回の会議について親切に案内をしてくれました。これは他の会議ではない大きな特典です。

おかげで、どのプレゼンに出た方がよいかのアドバイスをもらったり、ぜひ個人的に話してみたいリサーチャーに会えるようにマッチングをしてくれたりのサービスを受けることができ、非常に有益な参加ができました。

具体的には、数多くの定性リサーチャーの方々とネットワーキングを行い、世界の、特にアメリカの定性調査の現状について有意義な意見交換をすることができました。

● このQRCAは、イギリスの同様な定性リサーチャーの団体であるAQR(The Association for Qualitative Research)と2年に一度、ジョイントの世界会議を開催しています。
http://www.aqr.org.uk/members/

今年はちょうど開催年で、ハンガリーのブタペストで第7回大会を開きました。
http://www.qrca.org/?page=2014_Worldwide_Confe

今回の会議に、AQRの会員の方もイギリスから参加していたのですが、彼によりますと、AQRはQRCAよりは規模が小さいそうで、年次会議などは開いていないとのことでした。
どちらの組織にも参加している定性リサーチャーも結構いるとのことでした。

● 残念ながら、日本にはQRCAやAQRのようなフリーランスの定性リサーチャーや独立の個人会社を経営するもの同士が、それぞれのスキルアップのための情報交換や、お互いのビジネスをサポートしあう組織はありません。

日本で一からこのような組織を作るのは大変かと思います。

しかし、QRCAに加入することによって、世界の定性リサーチャーとの情報や意見交換を通して、同じような機能を日本でも実現することは今回会議に参加して可能かと思いました。

● QRCAに加入することの特典として、

1) 世界の定性リサーチャーとのネットワーキング: 組織の中に、関心領域別のグループ(SIGsースペシャル・インタレスト・グループと呼ばれています)があったり、地域別のサブ・グループ(Chapterと呼ばれています)などがあり、それぞれ活発な活動を展開しています。オンラインのトレーニングを開催したり、フォーラムを作って、意見交換や、質問を投げかけたりしています。また国際調査などのプロジェクトの依頼の可能性もあります。

2) 定性調査の知識や経験の共有: 定性手法についてのトレーニングを受けたり、WEB上にある数多くの資料を無料で入手できます。定性調査の最新手法の情報入手や、毎月行われるオンライン・トレーニングへの参加も可能です。過去のトレーニングや会議の資料や ビデオなどの膨大な情報アーカイブにアクセスできます。

オンライン掲示板を使って、業務や調査手法についての質問や意見交換が可能です。

年4回発行される機関誌VIEWSは、有益な記事が満載です。

3) 定性リサーチャーとして登録: 加入すると、QRCAメンバー・リストに掲載されますので、ご自身の定性リサーチャーとしてのプレゼンスを世界に示すことができます。同時にビジネスの拡大にもつながる可能性があります。海外でのプロジェクトの実施にあたり、各国のモデレータや定性リサーチャーにコンタクトをとることができます。

4) 各種ディスカウント: 外部のトレーニングや会議、本の購入、プラットフォーム使用などの割引が得られます。例えば、IIeX会議への参加費が35%オフ。

などなどです。さらに活用の方法はたくさんあるかと思います。 

定性リサーチャーとしてのスキル・アップの手段として最高の組織かと考えます。

● QRCAにご興味のある定性リサーチャーの方は、ぜひ下記アドレスまでご連絡下さい。
より詳細な加入方法についてご説明致します。
shigeru.kishikawa@mrocjapan.com
 

2014年9月14日日曜日

#139 IIeX APインサイト・イノベーション・エクスチェンジ会議が初めてアジアで開催

#139 アジア初開催のIIeX APインサイト・イノベーション・エクスチェンジ会議

● 世界の最先端のマーケティング・リサーチのテクノロジーを紹介するIIeX会議 (Insight Innovation eXchange Asia Pacific)が、今年12月の4日(木)ー5日(金)の2日間、オーストラリアのシドニーで開催されます。

新しいMRテク会議です。

次世代リサーチャー待望のアジア初の開催です。

● この会議への参加が、インサイト・イノベーションの新しいムーブメントが日本で起こる「きっかけ」になればと思います。

将来、アジアから、可能であれば、日本から、新たなNewMR方法論が数多く提案されることを強く期待します。

●1人でも多くの日本のリサーチャーの方が参加され、NewMRテクを直接経験されることをお勧めします。

http://iiex-ap.insightinnovation.org/

● 9月末まで、2日間の会議参加費は、early bird特別価格で、956オーストラリアドル(約93、000)です。


2014年9月11日木曜日

#138 JMRA国際若手フォーラムの講演


#138 JMRA国際若手フォーラムの講演

2014年9月10日、JMRA(一般社団法人 日本マーケティング・リサーチ協会)会議室で上記の講演を行いました。

● 講演で重要なことを1つ言い忘れました。

定性調査のセッションの時に、「日本の定性調査のレベルが、欧米に比べて高くない」と、レイ・ポインター氏が講義のあとで言っていました。

4月に行われたESOMAR BEST OF JAPANの中でも、クライアント側から、定性調査の品質の標準化や、定性リサーチャーの資格化などの問題提起が行われたのを聞いていましたので、ポインター氏の指摘は気になるところです。

この点については別途、ブログを書きたいと思っています。

日本の定性リサーチャーの方からの異論・反論をおまちしております。

● なお、資料中のESOMAR の質問213はその一部です。
次に内容を修正する時に、省略分の質問を追加をして、213すべてを掲示する予定です。
ご了承下さい。

● 以下は、プレゼン資料です。


2014年9月8日月曜日

#137 第47回JMRX4周年記念勉強会報告

<第137回>  2014年8月

● 2014年7月22日(火)、楽天タワー会議室にて、JMRX勉強会設立4周年記念勉強会を
開催致しました。

会場を提供していただきました(株)楽天リサーチ様に感謝申し上げます。また運営にご協力いただきました社員の皆様、有難うございました、

また、4周年記念勉強会にご参加いただきました方々、およびこれまでの勉強会に出席していただきました数多くのリサーチャーの皆様に心より感謝申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
http://kokucheese.com/event/index/194485/

● プログラムは、以下の通りです。

18:30-18:45冒頭御挨拶 By森学(楽天リサーチ株式会社代表取締役社長)

18:45-19:15 「リサーチャーが一緒に創るUX(ユーザーエクスペリエンス)とは?」 
By古賀由希子(株式会社レアソン)&牛堂雅文(株式会社ジャパン・マーケティング・エイジェンシー)

19:15-19:45 2014年上半期MR国際会議報告:ESOMARエイパック会議
By 吉田朋子(フリーランス定性リサーチャー)

20:00-21:00 モバイル・リサーチの最新動向:
The Handbook of Mobile Market Research: Tools and Techniques for Market Researchers出版記念講演 By レイ・ポインター(ビジョン・クリティカル・ディレクター)  ※通訳付

● 最初に、森社長の方から、楽天リサーチ社の業務内容や、タイムリーな話題の(株)AIP社の株式譲渡問題に関連したお話しを頂きました。

続いて、事務局の方から、JMRXの活動について説明いたしました。

その後、本講演としまして、

(株)レアソンの古賀氏と、(株)JMAの牛堂氏から、UXについて、VC社のレイ・ポインター氏から、モバイル・リサーチについて、それぞれご講演をしていただきました。

● UXは、MRのアップグレードにとって、非常に示唆深いテーマかと思います。

モバイル・リサーチは、単にPCによるネット調査が、スマホやタブレットへのデバイス変更だけを意味していません。スマホによる調査は、瞬間の調査や位置情報など、これまで不可能であったり、不完全であった方法論の課題を解決してくれる新たな調査の可能性を拡大しました。モバイル・リサーチは、定性・定量とも、現在急激に進化中です。

●来年、2015年のJMRX発足5周年記念に向けて、JMRXの活動のさらなる充実を図ってゆきたいと思っています。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。


●以下は、それぞれの講演資料です:

*古賀さんの資料は、すいませんが、著者の都合で未公開とさせていただきます。



Ushido from MROC Japan  

2014年7月17日木曜日

#136 JMRX特別勉強会:「レイ・ポインターと英語で学ぶMR」第5回の予習ノート


<第136回>  第5回のプレビュー 2014年7月

● 第5回 <7月17日(木)>

(10) コミュニティ           (8章)
(11) ソーシャル・メディア・リサーチ    (9章)

(12) 新しく登場している調査方法      (17章)


今回も、テキストに掲載されていない用語や内容が多くでてきます。つまり、それだけ新しいリサーチの分野がどんどん進化しているということかと思います。その変化の内容を世界のMR会議に参加することによって、キャッチアップしている数少ないリサーチャーであるレイならではの講義になるかと思います。

以下の内容メモは、テキスト内容の概略を知る目的で、一読即訳での作業によるものですので、不十分な日本語である点について、ご了承いただければ幸いです。


****************************************

質問:


● 第8章 コミュニティ


Q1 オンライン・コミュニティとは?
Q2 リサーチ・コミュニティとは?

Q3 MROCとコミュニティ・パネルの違いは?
Q4 リサーチ・コミュニティのリクルートの方法は? 

Q5 多くのリサーチ・コミュニティがプライベイトである理由?
Q6 多くのリサーチ・コミュニティが顧客をベースにしている理由?
Q7 多くのリサーチ・コミュニティがブランド明示である理由?
Q8 ブラインド・パネルの動機づけの方法は? 
Q9 短期ー長期のリサーチ・コミュニティとは?
Q10謝礼の方法は?

Q11コミュニティにおけるリサーチの種類は?

● 第9章 ソシャル・メディア・リサーチ

Q1 ソーシャル・メディア・リサーチ(SMR)とは?
Q2 SMRができることは?
Q3 センチメント分析とは? 
Q4 コンテント分析とは?

5 SMRの妥当性は?
Q6 クレーマーが多いSMR結果の偏りについて?

Q7 SMRのベネフィットは?
Q8 SMRは定性調査あるいは定量調査?
Q9 オンライン上で意見を共有する人とかかわることが可能かどうか?
Q10プライバシー問題は?

 
 ● 第17章 新しく登場している調査方法

Q1 モバイル・リサーチとは?
Q2 行動経済学とは

Q4 ニューロサイエンスとは? 

Q5 バイオメトリクスとは?
Q6 フェイシャル・コーディング(表情分析)とは?
Q7 インプリッシット・メジャメント(潜在的測定)とは?
Q8 エスノグラフィーに注目が集まる理由とは? 
Q9 マス・エスノグラフィーやオート・エスノグラフィー、WEリサーチとは?

Q10ゲーミフィケーションとは?
Q11ビッグデータとは?


 ***************************************

解答:

第8章 コミュニティ 

コミュニティは、消費者や、顧客、その他の関係グループとの双方向の会話を促進する注目を集めているアプローチです。

コミュニティは、他の新しい方法と同様、ユニークで進化しつづけている特徴を持っています。

Q1 オンライン・コミュニティとは?

1.ソーシャルネットワークや、掲示板、MumsnetやPatientsLikeMeなどのトピック・コミュニティなどのオンライン・システム上のコミュニティ

2.コミュニティの3つの要素

①プロファイルを語る能力:コミュニティ・ネームやアバターの使用。暗号的オンライン名やFacebookのようなプロファイル

②自分の意見を述べる能力:コメントの投稿や、場の設定、画像のアップ

③コミュニティ内の他のメンバーとの相互活動(会話)を行う能力:他のメンバーの投稿へのコメントや、接触や友人づくり、サブグループづくりなどの活動

Q2 リサーチ・コミュニティとは?

1.リサーチ・コミュニティ(RC)は、リサーチのためのコミュニティです。

特定の目的をもって作られたり、誰かがお金を支払って作るようなものです。

2.MROCsや、コミュニティ・パネル、掲示板グルインbulletin board focus groupsなどの形式があります。

3.RCは、次のような特徴を持っている点で、調査で使われる他のグループとは異なります。

①継続的である:数か月や数年に及ぶ

②非同期(asynchronous)である:同時に参加する必要はない

③継続的なエンゲージメントによって、結果が生まれたり共創される

④情報の蓄積を活用する


Q3 MROCとコミュニティ・パネルの違いは?

1.MROC(market research online community)
①主に定性調査
②メンバー数は、30-900人ぐらい

2.コミュニティ・パネル(Community Panel: CP) =Insight community
①定性と定量調査の両方が可能
②メンバー数は、通常は3、000-500、000人


Q4 リサーチ・コミュニティのリクルートの方法は? 

1.顧客のコミュニティの場合は、クライアントの顧客リスト

2.そうでない場合は、

①ウエッブからの招待

②広告や雑誌などのパートナーとの取引関係から

③パネルからの購入

④他のベンダーからの購入

⑤広告からの購入

⑥他のソース(製品にリンク、ゲーム、電話や郵便、店頭などで直接)

⑦口コミ、友人、そのつながりを利用

 3.エンゲージメントやクリエイティビティは、リクルートの時点から始まるので、エンゲージがあり創造性のある人をより積極的にリクルートする努力をする必要があります。

Q5 多くのリサーチ・コミュニティがプライベイトである理由?

1.RCの多くは、プライベートです。つまり、招待された人のみが参加できます。

参加には、パスワードの入力などの手続きが必要です。

2.プライベートである主な理由は、

①競合の関与を排除

②メンバーに特別感を与える

③第3者の介入からメンバーを保護する

④顧客の代表といったコミュニティの特別の参加資格を生み出す

⑤コミュニティを乱す人の排除を行う

Q6 多くのリサーチ・コミュニティが顧客をベースにしている理由?

1.過去1年間におけるMRの変化

顧客満足やNPS,ビッグデータ、CRMにみられる「代表サンプル」(general population)から顧客(customers)へのシフト

2.顧客フォーカスの理由(顧客コミュニティが人気になった理由)

①価値は、顧客の新規獲得よりも、顧客の維持にあるという事実から生じます。

②顧客は、関心のあるブランドのコミュニティに参加する傾向があります。

ブランドXが提供するサービスを改善するために、ブランドXの顧客が努力することは、結局その便益を享受することになります。

2-8週の短期コミュニティは、現金などの外的インセンティブで維持することができる一方、長期コミュニティは、目的の共有や相互評価などの内的インセンティブが必要です。

Q7 多くのリサーチ・コミュニティがブランド明示である理由?

1.コミュニティは、ブランディッド(ブランド明示)とブラインド(ブランド非明示)の2つに分類できます。

前者は、スポンサーの所有であり、ブランドのルック&フィールの特徴をもっています。

後者は、母親とか食べ物の種類、活動などのテーマやジャンルをもっています。

2.ブランドの顧客の重要な参加の動機の1つは、ブランドに自分たちの声を聞いてもらい、変化を起こしたいという欲求です。

この目的の共有は、ブランドのコミュニティへの参加ー聞いたり、反応したり、かかわったりの行動によって強化されます。

自分たちの声がブランドに聞かれるということは、コミュニティに、透明性や誠実さ(正直さ)、よりよい回答率をもたらします。

Q8 ブラインド・パネルの動機づけの方法は? 

1.ブランドを改善しようとする共通の目的を共有することによっておこる参加動機に期待できないブラインド・コミュニティの場合、次の3つの動機づけがあります。

①テーマによる動機づけ:共通の関心の醸成

②インセンティブによる動機づけ:アクセスパネルに近似

③楽しさやエンゲージメント、ゲーミフィケーションによる動機づけ:プロセスを楽しくしたり、ゲームを提供したり、タスクを楽しいものにすることは重要である一方、メンバーを誘導したり、より敏感にさせるようなバイアスに注意する必要があります。

Q9 短期ー長期のリサーチ・コミュニティとは?

 1.短期コミュニティ: 基本2-8週間程度。

いろいろな種類があるー数日や数か月

長期コミュニティ:予算的には年ベースの契約。無期限も可能

短期コミュニティのメンバーは長期よりも、少なくて同質の傾向

2.短期コミュニティは、長期よりも謝礼に依存する傾向:共通の目的意識の共有が難しいゆえ

この意味で、コミュニスペースCEO(現在はチェアマン)であるDiane Hessanは、短期のものは、コミュニティではないと主張しています。

3.短期コミュニティは、他の伝統的な調査方法の代替えとして、単一のリサーチ課題の解決のために使われる傾向。

長期コミュニティは、ブランドとメンバーが共通の目的意識を醸成し、深いコミュニティ意識が共有されます。

単にリサーチ問題解決の一部ではなく、リサーチのプラットフォームとして利用され、顧客とブランドがコンタクトするリソースの場として活用されます。

Q10謝礼の方法は?

 1.外的インセンティブ(extrinsic)と内的インセンティブ(intrinsic)

内的:賞賛や、傾聴、エンターテイメントや興味深い情報の提供(リサーチ結果のフィードバック、他のメンバーの意見の共有)

2.主な動機づけのトレンドは、内的になってきています。

外的は、短期コミュニティの基準に。

内的が、短期、長期ともに主な動機づけになるべきだと多くのリサーチャーは考えています。

3.外的インセティブの主要なタイプ

①懸賞、宝くじ

②週間ベスト投稿賞などの実績ベース

③現金:作業負荷が高く、謝礼額も高い場合

④ポイント・システム:収集後、商品や現金と交換

4.内的インセンティブの4つの動機づけ

①影響力

②名声や地位

③帰属意識

④情報: 企業の内部情報などを知る

Q11コミュニティにおけるリサーチの種類は?

1.短期、長期、コミュニティ・パネル別に考えると、

                 短期MROC    長期MROC       CP
市場分析              △       △      △
アイデイエーション                 ◎       ◎      ◎
顧客の声              △       △      ◎
広告制作              ◎       ◎      ◎
広告テスト               △       △      〇
コンセプト・スクリーニング                 ◎       ◎      ◎ 
コンセプト予測                  △       △      △ 
U&A                  △       △        〇
価格調査                  △       △        〇
顧客満足                     △       △        〇
 
ミステリー・ショッピング                   〇       〇        〇

◎ 非常に適切
〇 適切
△ 不適切

2.従来の調査を併用することによって、その応用範囲を拡大する方向にあります。

 

第9章 ソーシャル・メディア・リサーチ 

SMRは、ビジネスの情報源の1つであり、リサーチ方法として、その役割や応用はさまざまです。

Q1 ソーシャル・メディア・リサーチ(SMR)とは?

1.SMRは、MR目的のソーシャル・メディア・ウッブサイト上で、自然発生した会話から得たデータを活用するプロセスです。

それらのサイトは、
①Facebookや、
②Twitter(マイクロブログ
③WordPress(ブログのホスティングサイト)
④YopuTube(ビデオサイト)
⑤Flickr(写真サイト)など

2.SMRに、オンライン・グルインや、SMウエッブサイトからのリクルート、サイト上での世論調査、SM内でのコミュニティの活用なども、SMRに含める人がいます。

3.SM上で創造された自然発生したコメントや意見、メッセージの収集や分析と、
それらのデータを使ったブランド・トレンドや満足度、他のMRの測定のレポート作成と、
SMRの狭義の定義をとる人もいます。

Q2 SMRができることは?

1.SMRは、他の調査に置き換わる場合がありますが、多くの場合はそうではないです。

2.SMRのキーポイントは、SM上で既に述べられたことに限定されていることです。

仮定的なことや、実験的なこと(2つのコンセプトの比較評価など)、ブロービングが必要なこと、一般の人々の間で話題にならないことは、SMRでは難しいか或いは不可能です。

3.サーベイは代表サンプルに焦点をあてますが、SMRの強みは、多くの人の声を聞くことができる点です。

グルインは、パーセプションや個人の意見について深く掘り下げることができますが、SMRは、数千や数万の人の意見を収集することが可能です。

4.SMRは、長期にわたる消費者の意見を調べる場合や、簡単に意見をトラッキングする場合、多くの変数を集める場合などに向いています。

Q3 センチメント分析とは? 

1.センチメンタル分析は、その発言内容が、肯定かあるいは否定かを決めるために、言葉やフレーズを評価するプロセスです。

量が少ない場合は、マニュアルで可能。多い場合は、コンピュータ利用。

2.2つの方法

①辞書分類

②自然言語処理(NLP:natural language processing system)

3.両社はそれぞれ弱点をもちます。

皮肉な内容は認識が困難
新しいスラングやアクロニム(頭字語)が理解されない
文法の間違いやミススペルも解釈が難しくなる

一般的には、機械によるスコア酔いも、人間によるスコアの方が妥当だと考えられています。

4.重要な問題は、結果が妥当かどうかです。

Q4 コンテント分析とは?

1.コンテント分析(CA)は、メッセージに含まれるトピックを評価するプロセスです。

「会議は、学習のよい場所です」の場合:「会議」と「学習」がトピックになります。

2.センチメント分析と同様、CAもマニュアル式と、機械による自動式があります。

人間によるコーディング作業(human coding)の方が、自動(automated system)よりも、精度が高いです。

3.メッセージの量が少ない時は、マニュアル方式の精度は高いですが、数千とか百万のように数が多い時は、自動化によって、早さや効率化が必要です。

4.同様に、重要なことは、できる限り、妥当であることです。

5 SMRの妥当性は?

1.SMRは比較的新しい手法です。

それゆえ、妥当性の測定や評価、改善が重要な課題

2. ベンダーがいかに妥当性を測定しているかを理解することが重要

Q6 クレーマーが多いSMR結果の偏りについて?

1.TwitterやFacebookは、非常に不満の人と、非常にハッピーな人の集まりです。

しかし、大量にデータを収集した場合、極端な意見は、中庸な意見や中立な意見によって中和されます。

同様に、あるブランドについて、数千や数百万のメッセージを集めた場合には、ここのメッセージの感情も、広範囲な見方を表すものになります。

Q7 SMRのベネフィットは?

1.ブランドや会社、カテゴリー、人々について、SM上で十分な数の発言がある場合、SMRから便益があります。

2.大きなブランドであっても、消費者向けでない場合、測定するためのSM上で十分な発言がありません。消費者向けでも、認知がない小さなブランドも同様です。

3.SM上で発言がない家族経営の小さなコーヒーショップの場合でも、コーヒーショップのカテゴリーから有益なデータがえられるかかもしれません。

Q8 SMRは定性調査あるいは定量調査?

1.答えは両方です。

発言録の形のデータ:定性調査が可能

センチメンタル分析やコンテント分析が装備されている場合:定量調査が可能(発言数や平均スコア、トピックや日付別など)

Q9 オンライン上で意見を共有する人とかかわることが可能かどうか?

1.SMRも他の調査と同様、多くの基準を順守しています。

SM内の人と特定して関与することは可能ですが、許可なくそうすることはできません。

2.メンバーとかかわるために、コミュニティに入る場合は、存在とその目的を明らかにして許可を得ることが必要です。

ESOMARのガイドラインを参照。
http://www.esomar.org/uploads/public/knowledge-and-standards/codes-and-guidelines/ESOMAR-Guideline-on-Social-Media-Research.pdf

Q10プライバシー問題は?

1.SMRの場合、別のプライバシー問題が発生します。

調査において、個人が特定されます。

2.発言を引用する場合は、プライバシーを侵害しないように注意することが必要です。

引用する場合は、レポートに含めないか、マスキングをすることによって、検索によって、個人が特定されないようにする必要があります。

第17章 新しく登場している調査方法 
現在、注目を集めているトレンドについて説明します。

Q1 モバイル・リサーチとは?

1.過去10年間、MRにおける次の大きな出来事は、モバイルの拡大だと言われ続けてきました。

しかし、それは既に現実のものになっています。調査金額ベースで、モバイルは既に郵送調査なみになっています。またパネル会社によりますと、PCで実施される調査のおよそ10%がモバイルで行われているそうです。

2.モバイルの過去における問題点

①安くなった。実際、PCよりもわずかに高かった
②20-30分調査には向いていない。ブランド・トラッキングや、広告トラッキング、顧客満足度調査などの規模の大きな調査の調査票は長い

3.モバイルによる革新

①短い調査票: 特に若年層向け
②その瞬間(in the moment)の調査:購買時点、行動時点など
③スマホによる調査:対象者が協働者になり、自身や他の人の生活の一部を把握

Q2 行動経済学とは

1.行動経済学(behavioral enonomics:BE)は、以下の業績から脚光を浴びるようになりました。

①Nudge (Richard Thaler and Cass Sunstein)
②Predictably Irrational (Dan Ariely)
③Thinking Fast and Slow(Daniel Kahneman)

キーポイントは、多くの決定は、意識や合理的な思考に基づいていないということです。

これは、調査で対象者が真剣に回答していたとしても、
人々が行おうとすることと、
実際行ったこと、その理由とが一致しないということを意味しています

2.BEは、過去のMRの知見を検証するとともに、新たな発見をもたらしました。

前者には、
①場所や、精神状態、社会的状況などの行動のコンテキストが、選択を変える可能性がある。
②質問の仕方が、回答を変える可能性がある(質問順序やアンカリングなど)
③人々は、決定の背後にある動機を語ることができない

後者には、
①製品評価のプロセスは、対象者の製品の味方によって変化する
②人々は、他人のマネをする傾向がある:無意識による市場での将来の行動は、調査での質問の意味を失わせる
③ある行動は、単に自動的な習慣(auto-programmed habit)の場合がある:ある製品の購買に深い意味がない

Q3 ニューロサイエンスとは? 

1.ニューロサイエンス(ニューロ)は、ブレイン・サイエンスとも呼ばれ、ニューロ・マーケティングと関連します。

MRにおけるニューロの考え方は、fMRIのようなデバイスによって、人々が考えていることを推測することが可能であり、質問をする必要がなくなるということです。(行動経済学の問題提起を解決できる)

2.ニューロの初期の関心はなくなり、現在は、広告テストの分野に焦点をあてています。

3.ニューロは、覚醒(arousal)とバレンス(valence)の2つの次元の認識や解釈に重点を置いています。

覚醒とは、脳が活動的か、受動的などうかを測定  ( 感情の興奮度合い)
ヴァレンスは、魅力と嫌悪を測定(感情のpositiveとnegativeの度合い)

4.ニューロの問題点

①デバイス使用が割高や不便
②反対推定(reverse inference)問題
③脳の働きが未解明

参照: http://wpedia.goo.ne.jp/enwiki/Issues_in_fMRI

Q4 バイオメトリクスとは?

1.バイオメトリクス(バイオ)は、アイ・トラッキングやGSR(galvanic skin responseー発汗の程度を測定する/嘘発見器)や、fMRIスキャナーや、EEGSなどのニューロサイエンス・デバイスなど、多くの測定方法を使います。

2.バイオは、対象が、刺激への反応を測定するようなニッチの場合に使います。

例えば、広告テストーアイトラッキングを使い、どこを対象者が見るかを調べたり、ニューロで、広告のどの箇所が反応を起こしているか調べます。

同様に、ウエッブサイトのテストーアイトラッキングで対象者がどこをみているか、GSRで、サイトの反応をチェックします。

Q5 フェイシャル・コーディング(表情分析)とは?

1.フェイシャル・コーディングは、ニューロやバイオの他の選択肢です。

刺激への反応を測定します。

顔の表情は、反応を反映することをごまかすことは難しか、あるいは不可能であるという考えに基づいています。

2.多くは手動で行っていますが、機械化もされています:ビデオカメラやウエッブカメラの使用

Q6 インプリッシット・メジャメント(潜在的測定)とは?

1.IMは、直接質問に頼るのではなく、内的モチベーションに近づこうとするものです。

1つの方法は、回答の速度をみるものです。

これは、メッセージがアピールするものであれば、素早く答え、そうでなければゆっくりと答えるとという前提によるものです。

2.https://implicit.harvard.edu/implicit 参照

Q7 予測市場とは

1. PMは、James SurowieckiのThe Wisdom of Crowdsのアイディアに基づいています。

Iowa Electronic Marketsの事例が有名です。

PMの基本的な考え方は、「人々は、自分のことよりも、他人の行動をよりよく予測することができる」というものです。

2.テストの方法:

複数のコンセプトが提示された時、それぞれのコンセプトの

販売する割合と、購入する割合のような「取引き」について聞かれます。

3.PMの利点は、代表サンプルで調査を行う必要がないということです。

Q8 エスノグラフィーに注目が集まる理由とは? 

1.エスノは新しいトピックではありませんが、近年注目を集めています。その理由は、

①録画機器の操作の簡単かと低価格化:録画の方がクライアントへの影響が強い
②従来の定量調査や伝統的な定性調査よりも、より深い理解を求めるクライアント・ニーズの高まり

2.エスノは、あるがままの人々の生活を研究するものです。

エスノの主要なツールは、観察observationです。

観察手法が、質問や議論などのMRの他の方法と区別する点です。

3.家庭での食事における新鮮な食べ物や準備された食べ物を理解するプロジェクトにおいて、エスノでは、家庭を訪問し、食事の方法を観察します。

ビデオ録画がエスノのデータになります。分析を行い報告書を書きます。

4.エスノは、他の方法よりも、より割高で、時間もかかります。

他の手法が当該のリサーチ課題を解決できない時に活用されます。

行動経済学やニューロサイエンスなどの知見が、どの行動が観察によって、よりよく調査することができるかの示唆を与えてくれます。

5.ネットノグラフィーnetnographyは、エスンの応用の1つです。オンライン上でのエスノです。

例えば、オンライン・コミュニティに参加した人を対象に、彼らのオンライン上での相互作用を通して、人々の生活を探索するものです。

Q9 マス・エスノグラフィーやオート・エスノグラフィー、WEリサーチとは?

1.これらの3つの方法は多くの部分が重複しています。

リクルートされた対象者が、リサーチャーや、協働者、情報提供者の役割を果たします。

2.マス・エスノグラフィーは、参加者の周りの世界の探索に参加者を巻き込みます。

オート・エスノグラフィーは、参加者の生活の一部を把握するのにスマホのようなツールを使います。

イギリスにおけるMass Observation projectの例:500人の市民の生活ノートを1937年から1950年代まで収集

3.WEリサーチは、伝統的なトップダウン方式の調査(MEリサーチ)から、より協働的な調査への変化を表します。

WEリサーチは、オート・エスノやマス観察を含みます。

またクラウドソーシングやある種のコミュニティも含みます。

Q10ゲーミフィケーションとは?

1.ゲーミフィケーションは、それまでもアイディアや実践がありましたけれども、2011年にMRにおける主要なテーマになりました。

ゲーミフィケーションの主なアイディアは、

リサーチは、しばしば退屈なものであるので、サーベイへのエンゲージメントを上げ、対象者の経験を改善し、回答率を上げ、データの品質を向上させることをゲームの世界から学ぶべきであるということです。

2.多くの場合、サーベイやグルインをゲーム化することを意味していません。

ゲームの世界からの学習を意味しています。

GMIのVice President InnovationであるJohn Pulestonは、次のような発見をしています。

単に思いつくすべてのブランドを上げてもらうよりも、「60秒で」思い出すブランド名を自由にあげたもらった方が、より回答が得られた。

3.ゲーミフィケーションのキーとなる要素は、

①より良いデザイン
②より良いワーディング
③ナレイティブ・フローの改善
④ユーザー・フィードバックの改善

4.Bernie Malinoff(President element54) やJon Pulestonは、ゲーミフィケーションは調査の結果を変える可能性があるので、注意が必要であると指摘しています。

Q11ビッグデータとは?

1.ビッグデータは、市場の全体像と消費者の全体像を構築するための大規模なデータセットの複合体です。

例えば、ウエッブ・トラッキングデータた取引データ、ロイヤルティ・カードデータ、CRM情報と、MRデータとを結合したものです。

2.ビッグデータを所有し活用することは、組織が調査を行い、コミュニケーションをし、消費者に販売する方法を変える破壊的なチャレンジであると考えられています。それゆえ、MRに大きな影響があるかもしれません。

ビッグデータは、会計からMRや、ソフトエウア開発や評価など広範囲なフィールドやプロセスに関連しています。

しかし現状では、ビジネス・インテリジェンス(BI)に大きな影響を与えると考えられます。
 
 

2014年7月15日火曜日

#135 JMRX特別勉強会:「レイ・ポインターと英語で学ぶMR」第4回の予習ノート


<第135回>  第4回のプレビュー 2014年7月

● 第4回<7月15日(火)>

(8) リサーチの応用分野           (16章)
(9) モバイル・マーケット・リサーチ (19章)


* 今回の講義用スライドには、テキストで言及されていない項目ーNPSやジオフェンシングなどーが含まれますので、ご注意下さい。


● MR用語

customer satisfaction research 顧客満足度調査
face validity                                  表面的妥当性
construct validity                         構成概念妥当性
predictive validity                        予測妥当性


***************************************
質問:


● 第16章 リサーチの応用分野

Q1 インターナショナル・リサーチの特徴は?
Q2 医療調査の特徴は?

Q3 広告トラッキングの特徴は?
Q4 顧客満足度調査の特徴は? 

Q5 広告テストの特徴は?
Q6 コンセプト・テストの特徴は?
Q7 ユーザビリティ・テストの特徴は?
Q8 アイディエーションの特徴は? 
Q9 子供調査の特徴は?
Q10ソーシャル・リサーチとの違いは?


● 第19章 モバイルマーケット・リサーチ

Q1 モバイル・マーケット・リサーチとは?
Q2 スマートフォンでリサーチを行うことは可能か?
Q3 フィーチャフォンとは何か、またモバイルリサーチでどのように使われるか? 
Q4 どのような時に、モバイルだけの調査を行うべきか?

5 すべてのオンライン・リサーチはモバイルで可能か?
Q6 定性調査におけるモバイルの主な使用方法は?

Q7 モバイル・サーベイをデザイんする上での注意点は?
Q8 リサーチ・アプリとは?
Q9 パッシブ・データとは?
Q10モバイ・リサーチのリクルートの方法は?
Q11モバイル・リサーチは、オンライン・リサーチと同じ回答を得ることができるかどうか?
12モバイル・リサーチにおける位置データの使用方法は?
Q13モバイル・リサーチにおける法的、倫理的問題点は?

 
 
****************************************


解答:

第16章 リサーチの応用分野: 

マーケットリサーチの特定の活用方法の主な特徴を見ます。インターナショナル調査や、医療調査、広告トラッキング、顧客満足度調査などが含まれます。

Q1 インターナショナル・リサーチの特徴は?

1.10-15年前までは、インターナショナル・リサーチ(IR)と言えば、ヨーロッパやアメリカ、日本で調査を行うことであった。

最近では、多国籍企業が、発展途上国でのマーケット・ポテンシャルの大きさに気づき、IRが拡大している。

例えば、BRIC(ブラジルやロシア、インド、中国)である。その人口の多さや、急激な経済成長ゆえに注目されている。

直近では、アジアや南米、中東、アフリカなど、多くの国にIRが拡大されている。

2.IRの5つの課題

①方法論:欧米での方法が、開発国で使えるかどうか。
②文化的違い:調査票作成や、定性調査の方法において考慮する必要がある。
③データ収集:多くのベンダー間や、時差の調整。
④サーベイやディスカション・ガイド:翻訳の必要。
⑤コストや標準化、協働の問題:国によってさまざまの実態。

Q2 医療調査の特徴は?


1.2つの種類

OTC(over the counter)薬の調査:消費者が対象

Rx(処方薬)調査:医者が対象

2.Rx調査の目的:医者が処方するドライバーを理解する

効果や副作用、投薬量などの薬の特徴や、製薬メーカーに対する医者のイメージ、過去の投薬行動、販売戦略の効果などを調査

3.Rxの2つの視点:

①非常に技術的:医学や薬学の科学的な用語やコンセプト

②医者からのデータ収集に焦点:接触や調査が難しいグループ

近年、オンライン・パネルや、謝礼(非常に高額な謝礼)の工夫を通して、医者の調査への協力問題を解決しようとする試み。

Q3 広告トラッキングの特徴は?

1.広告トラッキンク調査の目的:広告キャンペーンの効果の理解

基本的に、定量調査

継続調査

どの広告が特定の視聴者(オーディエンス)の到達しているか
どのチャネルか(TVやラジオ、印刷媒体、メール、オンラインなど)
広告が購買の可能性にどのように影響を与えているか

広告予算のROI最大化を助ける

2.広告トラッキング調査は、各企業がもつセグメンテーション・モデルとリンク

Q4 顧客満足度調査の特徴は? 


1.CSATとかCSM(customer satisfaciton measurement)と呼ばれます。

満足度だけでなく、満足度をドライブする製品やサービスの特徴の理解も行う。それによって、企業は、改善点を知ることが可能。

CSATは、多くの場合、継続調査: 満足度をトラッック可能。満足度向上の企業の成果をトラック可能。

対象者(サンプル)は、通常の場合、企業側が提供。

2.CSATの2つの方式

①製品やサービスについての一般的な経験や、印象、感情についてインタビュー

②トランザクション・リサーチ:直近の企業との接触(最近の購買や、サービスセンターへの電話、苦情、修理の要求など)について、フィードバックをえるための簡単なインタビュー


3.CSATデーダは、多くの場合、高度な数学モデル手法によって分析される:製品やサービスのさまざまな特徴の満足度への影響を測定することが可能。

5 広告テストの特徴は?

1.広告テスト: オンエアーの前に、広告についてテスト

広告テストの2つの役割

①広告の市場への影響を測定する: 定量調査

②広告がどのように機能するかを調べる:定性調査

2.広告の機能については大きな議論があります。

リコール(思い出させる/想起)や、認知、好き嫌い、特定などにおいて、広告は重要であるという主張。

定量の広告テストや、グルイン、ニューロ、バイオ、表情分析(facial coding)、潜在的測定法(implicit measurement)などのさまざまな手法が使われています。

3.特定の結果が、現実世界にどのように影響があるかを解釈する上で役立つベンチマーク(過去の結果のデータベースなど)の存在が、市場での予測を成功させます。

Q6 コンセプト・テストの特徴は?


1.多くのコンセプト・テストは、アイディアやプロトタイプをテストしたり、それらの市場での成功を予測したりします。

あるコンセプト・テストは、どのようにコンセプトが作用し、どのように改善すればよいかに焦点をあてています。

2.広告テストとコンセプト・テストとの間では、方法論で大きな共通点があります。

市場予測では、テストでの結果を市場予測に変換するためのモデルやデータベースに依存しがちです。

コンセプトがどのように機能し、どのように改善の評価には、適応型サーベイ(adaptive survey)や予測市場(prediciton markets)といった定量的手法に加えて、広範囲な定性やバイオメトリクスの方法が含まれます。

Q7 ユーザビリティ・テストの特徴は?

1.ユーザビリティテスト(UT)とは、製品やアイディアをみて、そのユーザービリティを評価するものです。

この分野は、HCI(human compter interface)やユーザビリティ専門的職業などの他の専門と、MRとが重複しているところです。

2.UTのMRにおける主な領域は、ウエッブサイトですが、製品やサービスのあらゆる分野に利用可能です。

3.UTでは、広範囲の技法やアプローチが使われます。グルインや、観察、ユーザビリティ・ラボ、専門家による評価、アイトラッキング、必要であればサーベイなどです。

Q8 アイディエーションの特徴は? 

1.アイディエーションは、何かを創造する点において、他のリサーチ方法(発見したり、解釈したり、将来の何かの影響を評価したりする)とは異なっています。

アイディア創造や精緻化のために使用されるアプローチに含まれます。

2.アイディエーション手法には、グルインやコミュニティに代表される定性手法や、思考を柔軟にしたり、参加者間の競争意識を刺激するためのゲーミフィケーションが含まれます。

Q9 子供調査の特徴は?

1.子供を対象とした調査には次のような問題点があります。

①親の同意:多くの場合、書面
②年齢グループにふさわしいコンセプトや言葉の使用
③子供問題に精通した専門家によるデータの解釈
④誘導や影響を与える質問の回避
⑤子供を危険にさらさないために、調査に従事するリサーチャーの背景や信用の重視

2.多くの国では、親を困らせたり、子供の健康を害するような製品についての子供を対象とする調査は行うべきではないとする意見が増加してきています。

Q10ソーシャル・リサーチとの違いは?

1.ソーシャル・リサーチ(SR)は、マーケット・リサーチャーではなく、ソーシャル・リサーチャーが行うものであると思っている人がいます。

しかし、政府やNGOが、マーケット・リサーチャーに調査を委託する機会が多くあります。

2.SRでは、表面的妥当性(face validityー常識的かどうか)や構成概念妥当性(construct validityー証明された理論に合致しているかどうか)が、MR(予測妥当性predictive validityー結果を正確に予測しているかどうか)より重視されます。

3.表面的妥当性や構成概念妥当性を追求すると、大きなサンプルサイズで、高い回収率を求められます。特に高齢者や、ホームレスなどの弱者、過去に軽微な犯罪例がある無職の若者などの出現率の低いグループの場合がそうです。


第19章 モバイル・マーケット・リサーチ: 


モバイルリサーチは、データ収集の新しい方法を提供し、パッシブや、協働型の新しいタイプのリサーチを創造しています。  
Q1 モバイル・マーケット・リサーチとは?

1.モバイル・マーケットリサーチには以下のようなことが含まれます。

①セフル式サーベイ(self-completion):対象者がモバイルフォンやタブレットでサーベイを完了する

②ウエッブベースのサーベイ:モバイルフォンやタブレット上のサーベイを完了する

③パッシブ・データの収集:対象者に聞くことなく、モバイルデバイスから直接彼らの情報を得る

④参加型リサーチ:リサーチプロセスにおいて、対象者が、積極的な役割を果たす。例えば、自分の周りの情報を収集する。

⑤モバイル・デバイスの使用:オンライン定性に参加する。

⑥CAPI:インタビュアーが、mCAPIと呼ばれるモバイルデバイスを使用する。

⑦CATI:mCATIと呼ばれるモバイルフォン上で、接触される。

Q2 スマートフォンでリサーチを行うことは可能か?

1.該当母集団に近似したサンプルを確保することができるかが問題

2.定性調査の場合は、サンプルの適切性の問題

定量調査の場合は、スマホの普及率が少なくとも50%以上があるかどうかの問題

Q3 フィーチャフォンとは何か、またモバイルリサーチでどのように使われるか? 

1.フィーチャホンは、スマホ以外のフォンの名称です。

フィーチャーホンの特徴は、多岐にわたっています。

カメラやネット機能がない非常に基本的なものから、大きなスクリーンやネットへのアクセスなどスマホ並みのものまであります。

2.スマホは進化し続けています。それゆえ、今日のスマホは、明日のフィーチャホンかもしれません。

現在のフィーチャホンによるリサーチは、SMSだけとか、ネットへの接続ができないものをさします。

Q4 どのような時に、モバイルだけの調査を行うべきか?

1.MRにおける現在の傾向は、対象者に回答するデバイスを選択してもらう方向です。それゆえ、モバイルのみということは、そのような必要性が生じたときになります。

2.モバイルのみのリサーチを行う時

①その瞬間in the momentを調査する時:位置や、タイミング、活動時

②パッシブ・データ収集にデバイスを利用する時:対象者の位置をトラッキングする

③PCでは通常できない特徴を活用する時:動きの写真をとるカメラや、行動を録画するビデオ

④CATIや面接、ネット調査が非常に高かったり、遅かったり、不可能である時:特に、発展途上国でフィーチャフォンを使って行うケースが多い。

5 すべてのオンライン・リサーチはモバイルで可能か?
1.基本的にはYesです。PCよりも、モバイル・デバイスの使用が増加しています。

しかし、大きなスクリーンや、モバイルで参加する場合、大きな処理能力を要求するような調査は不可です。

2.もし調査がモバイル・デバイスに適切でない場合は、調査指示は明確に行う必要があります。参加者のモバイル・デバイスが適切でない場合は、調査を中止し、丁重に参加協力を断ることが必要です。

Q6 定性調査におけるモバイルの主な使用方法は?

1.現状の主な使用は、

①ダイアリーの収集
②自身や周りの人の生活情報の収集
③オンライン定性調査とのリンク(オンライングルインやディスカッション、インサイト・コミュニティなど)

Q7 モバイル・サーベイをデザインする上での注意点は?

以下の6つです。

①使用デバイス:フィーチャフォン、スマートフォン、タブレット
②スクリーン・サイズ:スクロールを最小に。水平移動を避ける
③器用さ:タッチスクリーンの小さなボックスはクリックしづらい。データ入力の手間を減らす。
④長さ:サーベイは短く。5-15分程度。
⑤ネットのカバレッジ:ネット接続を考慮
⑥デザインの最適化:ユーザビリティと同時に、モバイル・デバイスの特徴を最大限に生かす

Q8 リサーチ・アプリとは?

1.アプリ(mobile applicaiton)は、モバイル・デバイスにダウンロードするソフトウエア

サーベイや、パッシブ・データ収集、定性調査に利用

ネットへの接続が必要なものとそうでないものがあります。

2.アプリの長所

①ネット接続が不要なアプリでは、必要な時に調査を行い、のちにデータをサーバーにとりこむことが可能
②モバイル・デバイスや外的シグナルによって、調査の開始が可能:事前のプログラムによって、対象者が特定の店を訪問した時に、サーベイが開始される
③アプリによって、センサーや電話の機能にアクセスが可能:電話使用や位置、環境などの情報の収集
④リマインダーや告知が可能:対象者の回答を促す

3.アプリの短所

①対象者がダウンロードしなければいけない:対象者のスキルの問題にも関係
②アプリは、それぞれのオペレーティング・システム(OS)用に作成されるので、OSの進化に応じてアップデータする必要あり

4.ESOMAR/MMRAのCommitment to You as a Research Participantガイドライン

  ダウンロードの費用やアプリの除去の方法などの調査会社と参加者間のガイドラインの設定

http://www.mmra-global.org/?KeyRequirements

http://www.mmra-global.org/news/130025/New-Sample-Our-Commitment-To-You-As-A-Research-Participant.htm

http://www.esomar.org/uploads/public/knowledge-and-standards/codes-and-guidelines/ESOMAR_Guideline-for-conducting-Mobile-Market-Research.pdf

Q9 パッシブ・データとは?

1.パッシブ・データ(PD)は、対象者が調査参加の同意以外、何もすることなく情報が収集ができるデータです。

例えば、アプリが参加者が、モバイル・デバイスで、電話をしたり、ネットを使ったりするたびに
その位置を記録することができます。これは自動継続的に行われます。

2.PDの大きな利点は、参加者が記憶に頼って入力するデータより、より正確であるということです。

Q10モバイ・リサーチのリクルートの方法は?

1.主な2つの方法: ①顧客リスト、②アクセス・パネル

限界: 現状、すべてのアクセス・パネルがモバイル・サンプルを提供していません。
また顧客リストも、顧客の所有するモバイル・デバイスのタイプや、メールアドレス、電話番号を所有していません。

2.これら以外では、定性調査のリクルートや、メール、電話、ソーシャル・メディア、店頭などがあります。

Q11モバイル・リサーチは、オンライン・リサーチと同じ回答を得ることができるかどうか?

1.リサーチ・オン・リサーチの結果は、現状、暫定的なものです。

2.次の2つの問題があります。

サンプルフレームの問題

・モバイルのサンプルは、若年層、社交的な人、より現在的な人に偏る傾向

逆にPCはこれらの人のリクルートが弱いので、モバイルがその弱点を補うことが可能

②方法の違いの問題(mode difference)

・この違いは少ない。例えばグリッド質問のケース。

12モバイル・リサーチにおける位置データの使用方法は?

1.ジオロケーションは、電話の特徴を活用した位置情報を扱う一連の技術です。

電話の位置は、さまざまに利用されますが、次の2つが主な活用

①人々がどこにいるかをトラッキングする:
マクロー自宅からオフィスやお店など
ミクローどのお店を訪問

②ある調査の開始を促す:対象者があるお店に入店、退店したタイミングで、小売店での調査を開始する

2.ジオロケーションは、次のようなアプローチがあります。

①GPSの利用:
②セル・タワー・ロケーションの利用:モバイルフォン・プロバイダーの協力が必要
③SRC(short range communications)の利用: Near field communication近距離無線通信技術

3.ジオロケーションの限界

①アプリが必要:ユーザはアプリを電話やタブレットに、ダウンロードする必要がある
②バッテリーの問題や技術の正確性の問題

Q13モバイル・リサーチにおける法的、倫理的問題点は?


1.新たなインフォームド・コンセント(説明と同意)問題が存在

①リサーチに参加することを同意した時、対象者は、どのような情報が共有されるかを理解しているかどうか?特にパッシブ・データが収集される時

②どのようなデータの使用に対象者は同意しているか?例えば、国外で使用されることがある点

③第3者のデータが収集される時、同意がとられているか?例えば。他人の写真やビデオが収集される時に、顔写真公開の同意があるか。

2.その他の問題として、

①コスト問題:ある国では、モバイルの使用によって、費用が発生する場合がある。その場合の補償をするかどうかの問題

②安全性問題:以下のようなリスク

・機器を操作しながら、サーベイに参加する
・歩きながら、ある活動に参加する
・写真撮影禁止の場所で、写真をとらなければいけない
・他人の子供の写真など適切でないテーマの写真やビデオをとらなければいけない
・安全でないコミュニテケーション・プロセスや、参加者のデバイスへの不適切なアクセスによって、センシティブな情報によって傷つけられる       
 

#150 レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告

<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...