2010年3月29日月曜日

2030年のリサーチ?




●まずは、Twitterの話題から、

先週の金曜日(3月26日)、Twitterをやってい

るリサーチャーが12人、新宿に集まり

「飲み会」を開きました。

Twitterのハッシュタグ#Twittcherでフォローでき

ます。ツイッチャーの会です。

次回は、4月(或いは5月)中に勉強会、

研究会を兼ねての

開催を考えております。ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。またTwitter上でご案内致します。


●我々が呑気に「飲み会」をやっている間に、先週お伝えしたように世界では、

3つの重要なリサーチの国際会議が開催されました。

ARF(22日ー24日NY)と、MRS(24日-25日ロンドン)と、定性(25日ー26日ベルリン)の

会議です。いずれも日本からは遠い場所です。出席者のリストを見ると、日本からは数人の人が参

加されたようです。

AFRとMRSの会議が一部重なったために、USの出席者はどちらに参加するか迷った人も
いたようです。

●Twitterでは、@surveymlさんが、

-Research2.0 の旗手レイ・ポインター氏が飛ばしてます「20年でサーベイはなくなる」>RT @RayPoynter: I said no commercial surveys in 20 years, no questionnaires #res10
1:56 AM Mar 24th HootSuiteから

- ポインター氏があらためてサーベイ20年消滅を主張>RT @RayPoynter: No commercial market research surveys in 20 years, read it here http://bit.ly/cpboOv
10:02 PM Mar 24th HootSuiteから

-サーベイ20年消滅説は現地でも物議を醸しているようだ>RT @researchlive: @RayPoynter sounds the death knell for a research staple http://bit.ly/9nHtHk
10:11 PM Mar 24th HootSuiteから

-調査業界のカリスマブロガーJHenning は別視点から>RT @JHenning Surveys in 20 Years- http://bit.ly/bV0H1F - interesting counterpoint to @RayPoynter
10:14 PM Mar 24th HootSuiteから

-JHenning "Qualitative Internet techniques will not replace surveys, but they will transform surveys" http://bit.ly/bV0H1F
10:18 PM Mar 24th HootSuiteから

といったTweetをされています。

ちなみに、、@surveymlは、Twitter上で、有益なリサーチ情報を発信されている、リサーチャーMUSTフォローのアカウントです。

これに対して、 next genリサーチャーである@fujiokatが、

-興味深い議論です。ポインター氏の「質問する→口コミ等の自発的な発言を傾聴する」流れと既存調査手法の組み合わせが重要になると思っています。 RT @surveyml ポインター氏があらためてサーベイ20年消滅を主張 http://bit.ly/cpboOv #j_mr
10:56 PM Mar 24th Twittelatorから

とTweetしています。

Ray Poynter No Surveys in Twenty Years? 

vs.Jeffrey Henning Surveys in 20 Years


前者が、2020年にはサーベイ・リサーチがなくなると主張。後者は、なくならないと反論しています。


私の結論は「なくならない」でしょう。。。読者の方はどのようにお感じになりますか?


サーベイ・リサーチ(サンプリングを行い、調査票を使って対象者に面接や電話などの方法で


調査を行う)の歴史は、戦前のアメリカに遡ります。


大統領選挙でのギャラップの功績があり、戦中に心理学や統計学、社会学などの「学際研究」


の発展によって、その基礎が完成されました。

それ以後、データ分析の方法が大型コンピュータからパソコン利用に変わり、


データ収集方法がインターネットを使ったオンライン調査に変化しましたが、


65年をへた今日でも(いろいろな問題点は指摘されながらも)、


学界・実業界の第一戦で活躍しています。


●レイ自身も、本気でそうは思っていないような気がします。


彼が推進しているMR2.0の進展を加速させる意味がこもっているように感じます。


現に、サーベイのかわりに、listeningやMROCなどへの転換を予想しています。

個人的には、認知率や利用率など代表性がのぞまれる一部の調査では残るでしょう。


しかしそれも1社単独ではなくオムニバス的に行われ、その数は減少すると思います。


レイは、マーケティング調査でのサーベイはなくなるけれども、


社会調査ではそうではないと断っています。


オンライン調査が発展している市場においてと限定しています。

というのは、発展している欧米では、サーベイは、オンライン・パネル(アクセス・パネル)によって


行われるからです。特に、10分以上もかかるような「調査票」はなくなると考えています。


また、自由回答方式の調査が多くなると言っています。


ランダムサンプルもできないと言っています。


確かに現状でも、ほとんどの調査が「代表性」をみたしていません。


インターネット調査もRDDも難しくなってきています。回収率の低い訪問面接も同様です

(これに対して、ジェフが、技術の発展などで、逆に今後「代表性」が脚光を浴びる時がくるか

もしれないと述べています。これは興味深い指摘です。

特に市場全体ではなく、あるユーザー間では可能であると述べています。)

さらにジェフはI think that surveys are the single superpower of the research world.

と言っています。

確かにプロジェクトの数的にはそうでしょうが、必ずしもベストの方法ではないと

多くの人は感じていると思います。世界中、同一の方法で、人間の意識や意見を数字に変

換できます。しかし、コストもかかるし、対象者や調査員のエラーも含む。

記憶にたよる回答なので、リアリティに欠け、本当に人間の感情を測定しきれているのかどうか

などの疑問もあります。だから、エスノやニューロなどが出てきたりして、模索が続いています。

In 20 years, surveys will have changed.とジェフもサーベイの変化は認めています。

しかし今後の新しい方法がそれにとって代わるのではないと述べています。

MR1.0とMR2.0は、インサイト発見において、相互補完的な役割を果たすものだと思います。 

また、レイは、all their previous responses are stored in data warehouses, we only need to ask genuinely


 ‘new’ questions – not whole surveys.と興味深い指摘を行っています。


確かに現状では、過去のデータの有効活用があまり行われていません。


今後の課題の1つです。


調査会社にとっては、プロジェクト数が減る可能性がありますから、


あまり歓迎すべきことではないかもしれませんが。。。


レイ曰く、

Remember, clients do not need surveys, they need insight and guidance.

これらの調査方法はあくまでも「手段」です。手段は長所・短所があります。

正しいか正しくないかではなく、課題解決にとって、有効かどうか、

効率的かどうかで判断され、活用されるものと言えます。



ARF会議では、
 
’Transformation is Not an Option’と題して、USコカコーラの




Stan Sthanunathan – VP Marketing Strategy & Insights, The Coca-Cola Companyが


2日目のセッションで興味深い指摘を行っています。


-"We have way too many insights,"  "Insights are only a means, not the end."

Researchers need to focus on delivering ROI for the business, not insights.


ここ数年は日本でも、インサイト!インサイト!と言われています。


スタンが言うように、確かにインサイトは、マーケターにとっては、最終ゴールではありません。


ちょうど12-3年前ぐらいから、USのメーカーのマーケティングから、リサーチャーに対して、


データではなく、「インサイト」が求める声が上がりました。


リサーチャーは、リサーチのROIすら、いまだに達成できていませんが、

マーケティングのROIまでも考慮に入れたリサーチを展開することは


なかなか難しいような感じです。


顧客の創造と維持に向けたマーケティング課題の発見と解決のための


マーケターの意思決定を有効にする情報・データ・インサイトを提供することが


マーケティングのROI向上に寄与すると言えます。


リサーチャーに対して、企業のマーケティング活動へのアカウンタビリティ(結果に対する責任)が、


インサイトよりもさらに要求される時代になってきたのかと思います。


不況下では当然のことでしょうか。

(不況下はリサーチがより有効なものに生まれ変わるチャンス!)


ビジネス機能の1つとしての「リサーチ」のROI機能が弱かったことが、


ビジネスにおけるリサーチのポジションに影響を与えていると思われます。




その他ARFについて、

Top 10 Takeaways from ARF's Annual Convention

ARF Re:Think 2010

-アドホックで調査を終わらせない。継続して聞く。
-最先端のツールを使っても、リサーチ・デザインがまずいとダメ
-N=1の中に有効なインサイトがある場合がある
-サンプルは数より質

ARF Re:Think ‘10: Welcome to the Future


最後のベルリンでの定性調査の会議については

DAY 1

DAY 2

を参照。

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2010年3月23日火曜日

MRについての情報共有や勉強会、議論ができる機会がもっと多くあってもいいのでは?

先週ご案内したように、今週は、海外ではMRのビッグイベントがあります。

●1つ目は、March 22 - March 24、2010 ARF 56th Annual Convention + Expo, New Yorkです。


USの権威あるARF(Advertising Research Foundation)の56回目の年次会議です。
プログラムをご覧いただくとわかりますが、興味深いセッションが多く含まれています。

Onlien research qualityや、social media, online engagement, research transfromation, netnography, WOMとviral markeitng, listening workshopなどの興味深いテーマが取り上げられています。

昨年の会議について。関連ブログ Facebook ビデオ① ビデオ② ビデオ③

Twitterのハッシュタグは、#rethink10です。

http://search.twitter.com/から入ってください。昨日から会議が始まっていますので多くの書き込みが既にされています。

例えば、
Globalspeak: RT @pblackshaw: 10 Essential Rules for Brands In Social Media
http://adage.com/u/b3aZOb  #rethink10 といったおもしろい資料などもアップされています。



MaartenFM: ARF reception just ended, catching up with some cool people. #rethink10 と2時間前の記述があります。1日目の夜のレセプションが終了したようです。
(NYとの時差は、夏時間が既に始まっていますので13時間遅れです。)


ARFのTwiterアカウントは、The_ARF


●2つ目は、March 23 - March 24 2010 MRS Research 2010: The Annual Conference, London


MRS(Market Research Society:世界70カ国以上からの加盟団体をもつリサーチ団体。本部ロンドン)の年次大会。


プログラム The research company of the futureのセッションもあるようです。


Twitterハッシュタグは、#rest10です。

●最後は、March 25, 26 2010 Qualitative Research in Web 2.0: The Next Leap! Berlin


サブタイトルが、Tackling issues and opportunities of integrating Web 2.0/3.0 into qualitative research

Merlien Institute (オランダ・ロッテルダム)定性調査の専門団体主催

Twitterのハシュタグは#QRWEB

定性リサーチャーも、グルインばかりやっていられない状況です。デジタル革命により、
さまざまな新しいツールが出てきています。

例えば、online communities, online focus groups, blogs, netnographies WEB semioticsその他social networking platforms

以上のような会議では、Social mediaの時代に合わせて、セッションとセッションの間の休憩を

Networking Breakとよんだり、ランチタイムをNetworking Lunchと名付けるなど、

ネットワーク作りが盛んなようです。


●3月は、USでは主なリサーチの会議シーズンの幕開けです。

USの@ResearchRockstarが、

Mar 1 2010 Market Research Conferences: Do In-Person Events Still Matter?

のブログを書いています。

それで気付いたのですが、先週のリサーチ・イベントのリストで、

The AMA’s annual Market Research Conference(Atlanta in September)

アメリカ・マーケティング協会のリサーチ会議)と、

IIR’s The Market Research Event(San Diego in November) 

Institute for International Research

の大きな大会が抜けていましたので補足しておきました。

これらと、MRA’s big conference (Boston in June)Marketing Research Association)が

USでの3大イベントです。



これらについては、また開催時に紹介できればと思います。


●上のブログのポイントは、いまやWebinar(ウエブとセミナーの合成語)のような

オンラインで行うトレーニングや、Twitter+USTREAMなど同時放送などある中で、

わざわざ高い参加費を払って、宿泊費と交通費をかけて、

上のような会議に出席する意義があるかどうかについて述べています。

●そのようなin-person events に参加する意義として3つ上げています。

ネットワーク作り-確かに参加している人々に直接あって、話をして知りあいになる価値はあります、

予期せぬラーニングがある-やはり生の話を聞いて、リアルの場で得るものは大きいと思います、
議論ができる-会議で質問をしたり、参加者と議論をすることができます。

逆に言えば、話を聞いて資料だけもらってくるのではなく、

これらの3つを行うこと(何人の人と知り合うことができたか、思わぬ発見があったか、

質問や議論によって、理解を広げたり深めることができたかどうか。。)が

できれば参加した意義があったと言るでしょう。

特に直接会ってのネットワーク作りは重要だと思います。


●このように、アメリカやヨーロッパでは盛んにMR関係の会議や研修などが、
毎週のように各地のどこかで開催されています。

日本の場合、このような機会が少ないので、直接参加する意義があるかどうかを

考える以前の問題のようです。海外の会議に参加するのは費用面でも大変です。

もっとこのような機会が国内でもあればと思います。

そうすれば、日本のMRがさらに発展する可能性があるかと考えます。

●また、消費者の実態は国によって異なるかもしれませんが、リサーチの方法自体は

グローバルなものだと思います。それゆえに海外の団体との交流も

より多くあってもよいかと思います。

特に、日本のMRの「次世代を担う若きリサーチャー」の皆さんの間で。。。



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2010年3月15日月曜日

Mobile Research Conference 2010と、今後のMR関連イベント予定

●寺子屋さんが、この「みんなのMR.COM」が、

海外の調査情報を伝えていると紹介してくださって以来、

ブログの内容が結構、「海外ネタ」が続いています。

「製品開発」や「ブランド」、「顧客経験・ロイヤルティ」、「ショッパー・インサイト」などの

調査方法や、さまざまな分析方法などについても、ご紹介したいと思っているのですが、

今回も海外ネタです。。。

●先週(3月8日ー9日の2日間)、ロンドンで開かれた

Mobile Research Conference 2010

のご紹介です。

-この会議については、Twitterでフォローされていました。

この会議では、発表中に、参加者がみんなiPhoneなどを使って
Twitterでつぶやいたり、モバイル機器を使用したり「しないこと」が、逆に失礼な状況であったと報告されています。

普通は、一見発表を聞かずに携帯やパソコンを使っていると
発表者に失礼な感じですが、この会議では逆にTwitterなどで発信されないほうが(内容がおもしろくない?)失礼な感じと言っています。

また先週の私のTwitter:Experidgeでも少し「つぶやき」ました。



モバイル・リサーチは、欧米での今年のリサーチ・トレンドの1つです。

テーマとプレゼン資料スケジュール)を参照。

●「モバイル・リサーチ革命」と呼ばれ、対象者にアプローチする

理想的なプラットフォームとしてのモバイルが注目されています。

スマートフォンの普及によるモバイル・リサーチの可能性が
 
探求され、単にデータ収集以上の可能性が期待されています。
 
この動きは、ソーシャル・メディアの動向(TwitterなどモバイルによるSocial mediaの普及)
 
とも密接に関連しています。
 
-Mobile social networking の発展は、スマートフォンのユーザーの増加から来ています。
 
オンライン・パネル(インターネット調査)のモバイル版だけでなく、
 
オンライン・コミュニティへの応用も期待されます。
 
この意味でも「定性調査」における活躍も予想されます。例えば「エスノ」などにも。


◆ ここではコカコーラのシュウェップスSchweppesの事例を紹介したいと思います。

●イギリスのMesh PlanningのHeval Ceylan (Experience Director) と、

コカコーラ(イギリス)の Linda Neville (Portfolio Planner) が、

シュウェップスSchweppes炭酸飲料のキャンペーンについて昨年

行ったモバイル・リサーチの結果を報告しています。

⇒日本でも、業務で行った調査事例がもっと積極的に、外部の会議で発表され、
共有されることを期待したいと思います。


●コカコーラのシュウェップス・ブランドのさまざまなタッチポイントを理解する目的で、

モバイルをリサーチ・プラットフォームとして使用。

低迷傾向のシュウェップス・ブランドの活性化のため、

TVを除く屋外や新聞、オンライン上で、キャンペーンを実施。

●従来のU&Aによるブランド・ヘルス調査⇒現在進行中のブランド経験を測定

⇒今後のブランド戦略に生かす (従来はU&Aから将来のブランド施策へ)

●まず、対象者は、事前にブランド認知やイメージ、オンラインへの理解などの質問に回答。

●そのあとモバイルを使用して、

-シュウェップスSchweppes

-スミノフSmirnoff

-エビアンEvian

-トロピカーナTropicana

の4つのブランドについて、

ブランドごとに、1週間、オンライン日記をつける。

それぞれのブランドについて、①誰かに話したかどうか、②誰かから聞いたか、

③話題にしている会話を聞いたか、

④どこでブランドを見たか、⑤ブランドのタッチ・ポイントについて、どう感じたか、

⑥それによってブランドをどう思ったかなどを聞く。

利点は、

-リアルタイムでデータを収集

-同時進行中のキャンペーンへの迅速なフィードバックを行う(施策の変更など)

-ターゲットである25-49才へアクセスする理想的なプラットフォーム

-写真を含めて、起こったことのブランド経験を把握できる。

つまり、顧客経験のタッチ・ポイントのリアルタイム評価が可能になる。

イベント評価や、広告、販促、口コミやオンラインでの接触など、

ブランドと消費者の接触ポイントのすべてを理解できる。

チャネルやメッセージの効果を把握することによって、

迅速にメッセージやメディア計画を変更しながら対応できる。

後日の記憶に頼る(信頼性が低い)リコール・データではなく、

リアルタイムの経験のトラッキング(Real Time Experience Tracking)が可能になる。

といったモバイルを有効活用した調査です。結果の詳細はプレゼン資料参照。


●会議で紹介されたその他の事例として、

1.製品(パッケージ)に電話番号を入れて、携帯で回答してもらう。

2.キャンペーン評価

-ブランド・イメージ
-キャンペーンへの参加と評価
-キャンペーンの伝達メディアの認知
-デモグラなどを聞く。

3.使用時でのブランドへのemotionを聞く。同時に、後日グルインで補足

⇒モバイルリサーチは、質問数の限界はあるけれども、

‘moment of truth research’に向いており、

感情や行動の瞬間を把握できる大きなUSPを持っている。

4.3日間、子どもの生活状況を30分ごとに回答してもらう。写真も転送。


その他の報告として、

●モバイル画面デザインへの回答への影響の研究

-機種によって画面イメージがさまざま
-選択肢は少ない方がよい
-グリッド回答方式は避けた方がよい
-質問と回答選択肢が1画面上に同時にはっきり見えた方がよい
-オンライン調査と同じ調査票デザインでは良くない、など。

●モバイル調査の測定誤差の研究 Research on research: 

調査において、調査票や、面接、対象者、データ収集方法によって、さまざまな測定誤差が起こるけれども、今後モバイル調査ではどのような測定誤差が生じるかのリサーチを重ねる必要がある。

●日本でのモバイル・リサーチの動向も今後フォローできればと思います。

現行では、製品カテゴリーやターゲットによって使い分けるインターネット調査の
携帯電話版が最も多いと思われます。インターネット調査の際に携帯で購入商品などの店頭での情報の収集などが行われています。

●関連資料:

Mobile research – are we engaged?

Mobile Research Conference 2010 – Final Thoughts

会議参加者の議論を集めたPodcast:

podcast: The entrepreneurs tale - Liz Nelson & Liam Corcoran, Fly Research

テーラーネルソンの創設者Dr. Liz Nelson(70歳、現Fly Research)への
インタビュー

podcast: wrap-up chat with Manfred Marek (esomar) & Tom De Ruyck, Insites Consulting


●日本では、リサーチャーが一同に集まって、いろいろなテーマについて発表したり、

討論をする機会は、学会を除けば、JMRAの年次会議ぐらいでしょうか?

欧米では、あちこちで大小さまざな会議が活発に開かれています。


******************************
今後のリサーチ関連イベント予定
******************************

1月>

2月>

3月>

 
March 22 - March 24、2010 ARF 56th Annual Convention + Expo, New York
 
March 23 - March 24 2010 MRS Research 2010: The Annual Conference, London

March 25, 26 2010 Qualitative Research in Web 2.0: The Next Leap!  Berlin


・March 25, 2010 Feedback Panels & Online Communities,  London


4月>

・ April 13, 2010 GRT Webinar with Andrew Vincent -- From Insights to Action: Maximizing the Impact of Research from 9am to 10am – www.revelationglobal.com/grt

April 13-14 2010 Advanced Social Media: Philadelphia

・April 16, 2010 Free ESOMAR webinar: "An Introduction to narrative workshops" with Jochum Stienstra

from 3pm to 4pm

・Apr 22 2010 Digital Research and Social Media 2010

ASC One-Day Conference: Embracing the Social Media Revolution, London

Apr 26-27 2010 ESOMAR ASIA PACIFIC CONFERENCE: Eyes on Asia、Bangkok, Thailand


5月>
・May 04 2010 International Perspectives on Qualitative Research...

・May 3-5 2010 Social Media & Community 2.0 Strategies in Boston

May 5 2010, Retail Research Conference, London

・May 10 2010 CASS The Psychology of Survey Response

May 13 2010 AAPOR 65th Annual Conference

・May 19 2010 CASS Essentials of Survey Design and Implementation...

May 19-21 2010 The Worldwide Conference on Qualitative Research Inspiration In Action 2010
Prague, Czech Republic

May 23-25, 2010  ESOMAR LATIN AMERICA CONFERENCE: The Innovation Journey、Cartagena, Colombia


May 26 2010 GOR 10 - General Online Research 2010

・May 30-Jun 3 2010 2010 MRIA Conference 2010 & 50th Anniversary Celebration, Toront


6月>

・Jun 03 2010 CASRO 15th Annual Technology Conference

Jun 09 2010 MRA Annual Conference and RIF 2010

・Jun 13 2010 International Total Survey Error Workshop 2010

・Jun 16 2010 CASS Applied Multilevel Modelling

・Jun 30 2010 CASS Longitudinal Data Analysis


7月>

・Jul 11 2010 XVII ISA World Congress of Sociology

・July 11-14 Shopper Insights in Action

・Jul 31 2010 2010 Joint Statistical Meetings


8月>

・Aug 30 2010 International Workshop on Household Survey Nonresponse...


9月>

・Sep 08 2010 The Second International Workshop on Internet Survey...

Sep 12 2010 ESOMAR Congress 2010

・Sep 19 2010 Applied Statistics 2010

Sep 26-29 2010 AMA'S 2010 Marketing Research Conference

Sep 27-29 2010 Category Leadership Conference: From category management to shopper engagement.


10月>

Oct 17 2010 ESOMAR Online Research 2010

・Oct 21 2010 Internet Research 11.0 – Sustainability, Participation...



11月>

・Nov 2 2010 IJMR Research Methods Forum, London

・Nov 8-10 2010 IIR's The Market Research Event 2010

・Nov 10 2010 MRA's First Outlook Conference & Expo

・Nov 16 2010  Online Qualitative Research 2010
 
12月>

 
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2010年3月8日月曜日

WPPグループの決算速報

●リサーチ分野に新たなBlogが追加されました。

@Fujiokatさんの『MARKETING RE-SEARCH BLOG: 

マーケティングを再考していくために、マーケティング/マーケティングリサーチ
/ソーシャルメディアについての意見や事例を書き綴っています』

第1回目は、2010年3月3日水曜日


「"Do You Need All That Data? "という問題提起から考える必要なデータの条件とは?」
 
まだお読みでない方は、参考になると思いますので、ぜひお読みください。
 
 
●Blogと言えば、MRの寺子屋さんが、先週3日に、
 
Twitterで、マクロミルの決算についてTweetされていました。
 
「@ats_suzuki ついでに、マクロミル半期決算も(2010.2.15)~単体売上なんとか維持。QPRが効きはじめてるか?業界別売上では、調査会社・コンサル▲13%、広告代理店▲17%。MMの業績より、こちらが深刻かも??? http://bit.ly/bpGDKu  1:13 AM Mar 3rd via Tween」


●不況で少しは影響を受けたようですが、逆に、クライアント企業の不況⇒予算削減で、
既存の調査会社のシェアを食ったようです。連結で通期売上81億円を予想。

それゆえ既存の調査会社の売上減は、より深刻のようです。

一度、インターネット調査会社に移ったプロジェクトは、取り返すことは難しいでしょう。
クライアント側もこの金額で調査ができるのであれば。。。ということになるでしょう。

●マクロミル社が、前年と今後の予想を次のように総括しています。

(詳細は、「2010年6月期第2四半期決算説明資料」参照。業界状況がみえて参考になります。)

以下、引用:

 市況がゆるやかに回復することを想定し、前年比110%程度の売上を見込む

→11月より前年比100%超えのトレンドが続いており、復調の兆し

→組織変更により担当業界を細分化。よりきめ細かな顧客対応が可能に

→好調予測:大手企業/食料品・日用品・薬品など

→不調予測:中小企業/自動車・調査・コンサルなど

⇒不況時では、食品や飲料などの業界は、比較的ダメージが小さいようです。

やはり車などの耐久消費財部門は影響が大きいようです。

味の素やヒルズ・コルゲート(ペットフード)の時も、あまり不況の影響を感じませんでした。

他の業界より影響を受けるのは遅い感じです。タイムラグがあります。

それゆえ不況が長引かないことを祈りたいと思います。

マクロミルは、年間売り上げが1,000万円以上のVIP企業が、150社近くあるとのこと。



 QPRと既存事業のシナジーを軸に、売上拡大を計画

→QPR導入企業からは、ネットリサーチの売上高が増加する傾向

さらに、社内対応として、

顧客起点の組織体制の構築

組織体制変更(2010年1月)により、

迅速できめ細かな営業体制を構築

 一般事業会社を担当する事業部を3分割し、

それぞれにトップマネジメントを配置

 担当業界を固定化することで、業界知識や

専門性が蓄積でき、顧客起点に立った提案を提供

⇒これはクライアントにとっても、よりよいサービスを受けられる点でよいことです。

調査しか専門をもたない「マーケティング・リサーチャー」よりは、

いずれかの製品カテゴリー分野の専門性をもっているリサーチャーの方が

良い提案ができると思います。

これまでの調査会社はこの辺の蓄積・教育を疎かにしてきたように感じています。

また、リサーチャーの能力アップのための社内ナレッジの共有体制の強化もよいことです。


●これと関連して、先週の金曜日(3月5日)、ジャパン・カンター・リサーチの親会社である

WPPの決算報告(オーディット前の最終報告ではないもの)が、

WPPのHPに載っていましたので、その中からリサーチ関連の箇所を少し紹介したいと思います。

詳しくは、WPP 2009 Preliminary Results

WPPグループは、御存じCEO Sir Martin Sorrell (写真右)率いるイギリスに本部をおく
広告・コミュンケーションの大グループ会社です。

(以前、ソレル卿が、日本で来られた時に、業界での超有名人ですので、
名刺をもらって握手をしてもらった経験があります)

(1)Advertising, Media Investment ManagementーここにOgilvy & Mather Worldwide, JWT, Y&R Advertising, Grey and Unitedなど有名広告会社が含まれます。

(2)Consumer Insight、ーカンターやTNSが含まれるリサーチです。

(3)Public Relations  Public Affairs、ーBurson-Marsteller, Hill &Knowltonなどの有名PR会社があります。

(4)Branding Identity, Healthcare Specialist CommunicationsーLandorやThe Brand Union、Ray + Keshavan、FitchAddison and The Partnersのブランド会社、Sudler; Hennessey(ヘルスケア)、OgilvyOne(プロモーション、DM)などが含まれます、

の4つのマーケティングやコミュニケーション・ビジネスに分かれています。


●報告の骨子は、


2009年のWPPの調査関連ビジネスの売上高は、対前年比(2008年)9.5%減少

(粗利で7.7%ダウン)。(買収などによる増加を除いた既存ビジネス・ベース)

●一方、買収などを含んだ調査ビジネスの売上は、対前年比63%増加で、WPPの売り上げの26%を占める:

2008年13億ポンドから、2009年23億ポンド(約3151億円)へ増加

-これは2007年のTNSの買収よるもの。。

●粗利は、カンターとTNSの統合費用や不況の影響で8.5%減少。

●調査部門(Consumer insight)は、Kantar, TNS-RI, Lightspeed Research、Added Valueを含む。

2009年後半は回復傾向を示した。

●2009年は、11億ポンドのTNS買収を受けて、7%の人員削減および、ボーナスカットを行った。

●WPPグループ全体では、16%売上増加(87億ポンド)

●2010年の予想として、既存ベースで、2009年並みで、上半期の回復は少し弱いけれども、

下半期は強く回復すると予想。

今後の戦略として、new markets, new media and consumer insight

と報告しています。

●以上、2010年は、回復するとの展望は、業界関係者にとってはGood Newsです。◆


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2010年3月1日月曜日

CASRO Panel Conference 2010

Council of American Survey Research OrganizationsCASRO) が、
USニューオーリンズ(NO)のJW Marriottホテルで、
先週の2月24日(水)と25日(木)の2日間、

Panel Conference “Back to Basics in Online Panel Quality”

を開きました。

(残念ながら今回は、「出席報告」ではなく、公開されている資料の報告です。ご了承下さい。)

●いきなり余談で恐縮ですが、2年前の4月にNOで、前職会社のグローバル会議がありました。
留学時代を含めて2度目の訪問でした。

その時のホテルは、マリオット前のシェラトン・ホテルでした。
ジャズ発祥の地NOは、フレンチ・クオーターやバーボン・ストリートなど
昼・夜とわず、すばらしい観光スポットがたくさんあります。

その当時、2005年に襲ったハリケーン・カトリーナの被害の爪痕がまだ残っていました。。。

●さて、CASROは、ご存知のように1975年に創立された
300以上の調査関係の企業によって構成されている
USを代表する調査関連団体です。

日本の企業も多く加盟しています。(80%がUSでその他が海外企業)

●CASRO Panel Conferenceは、過去2回に続く3回目の開催で、
インターネット調査(オンライン・パネル)の品質について議論をしています。
 
●今回の2日間の会議の詳細プログラムはこちらです。
 
●2日間の内容は、Twitterでも報告されていました。ハッシュタグ#CASPAN
 
 
●元P&Gのリサーチのヘッド(VP、Global Consumer and Market Knowledge)として
有名なMs.Kim Dedeker(昨年5月からUSカンターの会長)が、
 
「クライアントのビジネスのリスク低減の役割を担っているゆえに、
調査会社が行うリサーチの正確性が重要である」点について、スピーチを行っています。

●彼女は在職中の2009年に次のように述べています:’In 2009, P&G will ... focus on listening. Our goal is to reduce the amount spent on traditional research by half and to devote the remaining 60% to "listening" research.’
 
●その後、インターネット調査(オンラインパネル)の正確性を
検証するパネル会社によるresearch on research結果の発表。
 
例えば、通常のオンライン・パネルと、リバー・サンプリングによるパネル、
SNSからのサンプルによる結果の比較や、
ARFによるオンラインパネルの品質調査の結果報告、
オンライン画面上にインタビュアーの顔を掲示する効果の検証結果の報告など。
 
主な結果として、
 
-パネルの種類によって、調査結果は異なってくる。
 
-購入意向の回答は、パネルの対象者の加入年数に影響を受ける。
 
-インタビュアーの顔を調査画面に掲示することは回答の精度を上げる。
さらに女性のインタビュアーの顔の方が効果が高い。
 
(あとはよく言われることですが。。。)
 
-調査時間は17-20分が限度。短い方がよい。
 
-マトリクス回答方式は問題を含んでいるが、調査時間を短くする効果はある。
 
-複雑で難しい質問よりは、答えやすい質問が望ましい。
 
-悪いオンライン調査のサインとして、①途中で調査をやめる人が多い調査、
②あいまいな質問、③くりかえしの質問、④関係のない質問、
⑤「わからない」の選択肢やや自由回答などがない質問、⑥細かい質問、
⑦クリック数が多い調査など。
 
-対象者の調査への満足度と謝礼金額には正の相関
 
-満足度と調査時間は負の相関など。
 
 
●ここで注目したいのは、この会議の主な目的が、オンライン・パネルの品質ですが、
 
1日目の終わりにPanel Discussion: The Research Value of Online Communities
含まれていることです。
 
コミュニティ・パネルは、調査ツールとして、オンライン・パネルの次に来るものとして、
ソーシャル・メディアの台頭とともに現在、注目を集めています。
 
MROCsマーケティング・リサーチ・オンライン・コミュニティ)の
調査における価値を討論しています。

単に対象者のリクルートや、消費者の声を聞く場だけでなく、
以下の図のように、今後あらゆる調査のハブ(中心)となると予想しています。
今後のMROCの動向に注目したいと思います。



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<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...