2010年6月21日月曜日

ツイッチャーの会の6月MR勉強会を開催しました。





《第26回》


今週のTOPICS I


◆先週の6月14日(月)ツイッチャーの会の勉強会を開催しました案内


●テーマは、構造方程式モデリング(SEM)です。

講師は篠原 正裕さん(右写真: 早大学大学院文学研究科心理学専攻を修了。

豊田秀樹教授のもとで、SEMを研究。現在インテージ勤務)。

講師快諾ありがとうございました。

説明は非常にわかりやすく、業務の参考になるものでした。

場所も、インテージの会議室をお借りしました。

外部勉強会に会場を提供していただきありがとうございました。

当日はあいにくの雨でしたが、23名の方に参加

していただきました。ありがとうございました。

勉強の後は、恒例の「懇親会」で盛り上がりました。

勉強会スライド

さらにSEMの事例などを勉強したり、情報交換をする場を継続してもって行く予定です。SEMに御関心のある方はお問い合わせ下さい。

●Twitter上でのご感想。。。

@sakihirojp
11:55am, Jun 15 from HootSuite@ushido @Experidge 昨日の勉強会・懇親会ありがとうございました。今まであれば接点を持てなかった方々と接点をもてることはとても幸せです。同時にまだまだ勉強しないと・・といい意味での奮起をさせていただきました。 @inukai_jp という最終兵器?もよろしくです。

@ushido
9:08am, Jun 15 from Echofonご参加ありがとうございました。今後もリサーチャー同士、切磋琢磨して行きましょう。 RT @kaorin308 @Experidge 昨日の勉強会、ありがとうございました。あのような勉強会に参加することで、やばいまずは知識つけなきゃ、と危機意識を持つことができました。


@myenqcom
12:40am, Jun 15 from HootSuite本当に今日はありがとうございました!とっても楽しかったです。また来月も楽しみにしています!RT @szkMakoto: 今日は勉強会もさることながら懇親会の楽しいひとときもあり...@Experidge @ushido @slowtempo @shig_ono @myenqcom

@fujiokat
12:10am, Jun 15 from Twittelator#twittcherの会、お疲れさまでした。講師の @slowtempo さん、いつも刺激的な会を企画してくださる @ushido さん、 @Experidge さん、ありがとうございました!


●ツイッチャーの会では、5月には、以前にブログで紹介しました

福井遥子さんの出版記念講演会を開きました。

日頃、社外のリサーチャーの方とあまり交流の機会がない

リサーチャーの方のスキルアップのための情報交換の場として、

ツイッターをやっているリサーチャーが中心になって作った

のがツイッチャー(Twittcher)の会です。

 Connect→Share→Help→Happy (情報共有による助け合い)になることを目指しています。

参加費は基本、無料ですが、聞いているばかりでなく、

時には自分の得意とする分野の講義も行ったりして、情報共有を目指しています。

多くのリサーチャーの方々の御参加をお待ちしております。


●来月は、7月15日(木)19:30より、表参道の東京ウイメンズクラブで、

元ネットレイティングス社長、現トランスコスモス・エクゼクティブリサーチャー

/マクロミル・ネットリサーチ総合研究所所長の萩原 雅之さんをお迎えして

講演会を開催する予定です。

萩原さんは、現在、氏が主宰しているリサーチャーやマーケターなどのネットワーキングであるSurveyMLのLinkedIn版への登録拡大を目指しています。

開催の詳細は追って、ツイッターや本ブログでご案内致します。

●8月もMR勉強会を予定しております。




今週のTOPICS II 


◆2009年のUSとUKのMRの売上結果

●2009年のUSのMRの売上金額は、対前年比3.5%減の86億ドル(7826億円ー91円換算)

(By Inside Research’s Jack Honomichl :The Honomichl Top 50 Report of U.S. Marketing Research Firms )

●同じくUKは、4.7%減の20.76億ポント(2803億円ー135円換算) (By MRS)


●小さな調査会社やアドホック調査会社ほど、不況の影響を受けた。
(年間売上約5億以下の会社の減少率は8.5%)

●US revenue for the top 10 US agencies was as follows:


US Rank Organization US Research Revenues($ millions) % change from 2008

1 Nielsen                      2,298.0/3.0

2 Kantar                              850.9 /-10.4

3 IMS Health                             801.1   /-5.9

4 Westat                502.4   /7.0

5 Symphony IRI Group               441.7   / -0.7

6 Arbitron                                  379.1   /4.0

7 Ipsos                                       288.8   /-7.3

8 GfK USA                                288.5   / -11.7

9 Synovate                                214.5   /-12.4

10 J.D. Power and Associates   164.4   /-13.7

*USでの売上高。世界の売上高ではないことにご注意下さい。

Honomichl Reports Decline in US MR Revenues (6/16)

US research industry posts 3.5% decline in 2009 revenues (6/17)

UK MR down 4.7% in '09 – but this year's Q1 looks better both at home and abroad (6/7)





今週のMR情報源 IX



AMSRS The Australian Market and Social Research Society

●6月7日のブログで、MRIAというカナダのMR団体の紹介をしました。

今回は、オーストラリアのリサーチ関連団体です。

310社の調査会社リスト

Research News 月刊誌

● Qualified Practising Market Researcher (QPMR) リサーチャーの資格認定制度

業界リンク



GREENBOOK 


●調査バイヤーのためのガイドブックです。
guide for buyers of marketing research and focus group services.


●GreenBook includes 1500 market research firms and focus group facilities across 400+ categories of marketing research services

●MR各社から投稿されたMR関連記事



週刊リサーチ・ブロゴスフィア


Weekly Research Blogosphere


*1週間の世界中のリサーチ関連の主なブログ・テーマを簡便に
レビューすることができる「週刊リサーチ・ブロゴスフィア」です。
興味をもたれたブログの詳細は、リンク参照。
(土日前後でアップされたものは次週にまわすことがありますのでご了承下さい)

⇒は投稿に対する個人的コメントです。


◆先週(6月14日ー6月20日)のリサーチ・ブロゴスフィア

23ブログの39投稿をレビュー


《海外編》


1.Jeffrey Henning 's Vovici


1.The Karate Kid Weekend Mailbag(6/13)

●過去の投稿への質問について。

評価尺度や、回答率、マルチカントリー調査における翻訳の問題。


2.Credit Unions Deposit Surveys, Withdraw Insights (6/14)

●Dave Capuanoによる投稿。

Credit Union customersの調査について。

.I Was a Teenage Market Researcher (6/15)

●18才の大学生の時にMR会社で働いた経験から、インターンとして学生を雇うことのすすめ。

4.The Winds of Privacy (6/16)

●Facebookのプライバシー問題に関連して、インターネットのプライバシーについての人々の
意識を調べた調査について。

5.Market Researchers Are From Mars, NPS Advocates Are From Venus (6/17)

●顧客ロイヤルティ指標であるNPS(Net Promoter Score)をめぐる議論。

6.Response Substitution: "Answering the Unasked Question" (6/18)

response substitution(回答の代用)の問題について。

対象者は、聞かれていない質問内容について、回答する可能性がある。

例えば、あるレストランの食事満足しているけれども、サービスに不満なお客が、

サービスについて聞かれないで、食事について聞かれた場合の回答に、

サービスのネガティブ評価が反映する可能性がある。

●Journal of Marketing Research, David Gal and Derek D. Rucker,  "Answering the Unasked Question: Response Substitution in Consumer Surveys"から。


7.MR Webcast Opportunities (6/19)

●6月23日23:00-(日本時間)に開かれるAMAの無料Webinar:

Virtual Event: Unveiling Marketing Research's Future Online の紹介




2.Joel Rubinson on Marketing Research


8.Getting real about social media (6/17)

●ソーシャル・メディアは、ますます現実のものになり、マーケターやリサーチャーは、

ビジネスに対してその意味するところを理解して、有効な戦略を構築する必要がある。



3.Research Rockstar



9. What is Market Research Success? (6/13)
 
●先々週のMRAの会議である人が、リサーチは過去30年間、脇役(サイドライン)であったと

述べた。その理由は、マネジメントへの調査結果の報告の多くは、マーティング責任者が

行うから。

●それに対して著者は、MRの成功は、リサーチャーが重要な会議にでて報告する

ことではなく、調査結果によって、意思決定がなされ、有効なマーケティング活動が

とられたかどうかである。

調査結果がスターであり、リサーチャーがスターでなくてもよい。

逆に言えば、調査を行っても、何もアクションがとられない場合は、調査は失敗。

リサーチャーが重要な会議に出席できないとか、サブ的存在であると不満を言う前に、

調査結果をスターにするために、リサーチャーとして、すべきことをすべて


行ったかどうかを自身に問うべきである、と述べています。

⇒「調査結果を出す」「報告書を作成する」ことに焦点が当てられ、

調査を行うことによって、「何が意思決定され、どのようなアクションがとられるか」ということを

知らないで調査を行っていませんか?

企画書に必ずAction to be taken(この調査結果に基づいてとるべきアクション)の欄が

あるでしょうか?

とるべきアクションを知らなければ、マネジメントやマーティング担当者に説得力を持って、

調査結果を説明し、提言を行うことはできません。

説得するコミュニケーション力も発揮できません。

そのためにも、マーケティング課題の理解は不可欠です。


10.2 Questions You Must Ask Before Hiring a Market Research Agency (6/18)
 
●調査会社選定における2つの重要な質問

①どのリサーチ団体に加盟しているか?

②調査上のリスク(データ品質やタイミングなど)と、そのリスク減少の対策は?
 

●著者の本 How To Hire & Manage Market Research Agencies

 
4.Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research


11.Text and Social Media Analytics Info Update (6/15)

●social media and text analyticsのイベント情報


12.A Midsummer to Remember! (6/18)

●American Marketing Association から、40才以下のリサーチャーで、業界に貢献した4人

Tom Anderson,Kristin Luck, Tom De Ruyck and Nick Harringtonが選ばれたこと。
“Four Under 40″ winners

⇒日本ではどうでしょうか?40才以下のリサーチャーで業界に貢献しているリサーチャーを
ご存知ですか?


5.The Future Place Blog 

13.Check out the ESOMAR Prices Study(6/14)

●2010 ESOMAR Global Prices Study (100カ国の604社)結果の購読のすすめ。


6.Blackbeard Blog


14.Comments II: Search Audiences v Social Audiences (6/17)

●ブログへのコメントについての考察。

7.Random Sampling


お休み


8.Straight Talk with Nigel Hollis 


15.Yelling, story telling, selling (6/14)

●Yellingタイプの広告と、Story telling型の広告。

16.Making nostalgia work in uncertain times (6/16)

●ノスタルジを利用したブランド活性化について。



9.LoveStats


17.MRA Day 3 – Thanks and goodbye! (6/16)

●MRA会議3日目。


18.5.367 tips for presenting charts people will like(6/17)

●ここ数週間リサーチ会議でプレゼンを行ってきた経験からの

プレゼン資料の作成の5つのティップ。

①例えば正しい数はグリーン、正しくない数字はレッドにするとわかりやすい、
②折れ線グラフのラインは太く、
③フォント・サイズは大きく、
④図は大きく、
⑤3Dにはしない。


19.I won a Flip Ultra from the ARF! Thank you ARF, Google, and Wikipedia! (6/18)

●ARF会議参加応募で、Flip Ultraというpretty little video cameraがあたったことについて。


10.The Survey Geek


20.Some worthwhile advice on questionnaire design (6/16)

●調査デザインの2つの論文の紹介(内容には言及されていません)

1つは、IJMR, Petra Lietz,  "Research into questionnaire design: a summary of the literature."
(残念ながら、International Journal of Market Researchのメンバーしか論文が見れません)

2つ目は、Social Science Computer Review、 Paula Vicente and Elizabeth Reis.
 "Using Questionnaire Design to Fight Nonresponse Bias in Web Surveys."
(残念ながら、これもSocial Science Computer Review の講読がいるようです。)

⇒おもしろそうな論文ですので、どこかで入手できればと思います。


11.Insites Blog

21.If you want to be a winner, you’ll have to lose once in a while (6/17)

●Dutch Market Research Association MOAのDutch Market Research Awardsの受賞式について。

22. The big playing survey (6/18)
 
●フランドル地方(ベルギー北部とその周辺のオランダ・フランスの一部)に住む子供の遊びに

ついての調査結果。


12.The Researcher's Perspective


23.Market Research for Lead Generation (6/16)


●著者は、上のResearch Rockstar のブロガーであるKathryn Korostoff

●企業の商品やサービスへの関心を消費者に導かせ,見込み客を獲得するための

いわゆる“リード・ジェネレーション(lead generation)”の役割をリサーチにもたせることの議論。

●リサーチと営業は異なるということで、調査倫理上もよくないこととされています。

しかし、現実、調査によってその製品の認知を上げる効果があったりします。

リサーチの役割が変化し、コスト・センターから、プロフィット・ジェネレーションに

変化してきている。マネジメントの人々のリサーチ感も変化。

It makes researchers seem less ivory-towerish and more business-focused.

Market research could, potentially, even pay for itself.

と述べ、リサーチのリード・ジェネレーションの考察の必要性を示唆。

⇒リサーチは究極、売上アップのために行っています。そのリサーチが販売活動とリンクしない手はないでしょう。しかし、一方、オンライン・パネルとともに玉石混交のDIY調査が氾濫しているように、営業目的で、「リサーチ」と呼べない「リサーチ」が行われ可能性も高いと言えるでしょう。今でもよく行われているリサーチと称しての悪質な販売活動が行われ、消費生活センターへの苦情が増加することも考えられます。

24.Trading Game at MRA’s 2010 Annual Conference (6/17)

●先々週ボストンで開かれたMRA年次会議でのTrading up Disney Pin Gameについて。

そこで出された「質問」リスト。 



13.Future of Insight


25.MR Agency Futures (6/13)

●ARFのJoel RubinsonのブログEvolving the marketing research agencyで語られた調査会社の

3つの発展方向に対して、5つの方向を示唆。


26.Over at NGMR: What’s the Future of MR? (6/14)

●LinkedInのDiscussionにおけるNext Gen Market Research (NGMR)でのWhat's the future of marketing research?の議論に関連して。


27.MR Evolutionary Stages (6/15)

ビデオ1 インタビューw/Simon Chadwick

ビデオ2 インタビューw/Dave Lundahl


28.One Possible Research Future: Epidemiology (6/15)

●ミーメティクス-ミーム(人間を媒体として増殖する思想的因子)を研究する学問の適用の可能性について。


14.Voices of CMB

29. More important for quantitative market research, mobile surveys or mobile friendly surveys? 
(6/15)

●今後の定量調査は、モバイル・フレンドリーでなければいけない。

15.The Forrester Blog


30.Marketing To Latin Americans Is A Long-Term Commitment (6/14)

●Understanding Latin American Online Consumersレポートについて。


31. Good Forecasts Deliver More Than Just Numbers (6/15)

●顧客満足の調査を行った場合、クライアントは顧客満足スコアがほしいのではなく、

売上を上げるインサイトがほしいのである。

単に調査の結果の「数字」をリサーチャーは語るのではなく、


クライアントのビジネス成長について語ることが重要。

そのためにはWhyのインサイトが必要。

調査は、株主のお金を「投資としての調査」に使うことであるので、


その投資へのプラスのリターンをえることが調査の究極的な目的である。


32.Market Researchers: Help Us Benchmark “Social Maturity” (6/16)

●ソーシャル・テクノロジーについてのFprrester社が企画する調査への協力依頼。


33.The Data Digest: What Makes Leisure Travelers Feel Valued? (6/18)

●Forrester's Technographics® research結果から。

顧客が評価し、ロイヤルティが上がる旅行会社のポイント:価格とその透明性




《国内編》


16.MARKETING RE-SEARCH BLOG


34.ESOMAR APAC でのTwitterを使ったリサーチ発表事例 (6/6)

→先週に掲載すべきところ抜けておりました失礼致しました。



17.Marketing Research Watch

お休み


18.マーケティング・リサーチの寺子屋

お休み



19.tanoue40's Blog


35. 新聞記事:セブン&アイ 海外でPB生産・販売 (6/16)


「これまで、小売各社はほぼ国内だけでPBを販売してきた。


日本の有力メーカー各社と協力して海外で生産販売するのは日本の小売大手で初。」


 
20.アウラなブログ


36.統計学より脳科学 (6/15)

「マーケティングリサーチのエッセンスも対象者の記憶を調査すること、と言っても大きな間違いではないだろう。」
「どのようにブランドを認知し、どういうイメージを得て、消費という行動につながっていくかが消費者行動のプロセスでるなら、その基本は記憶であろう。

最近思うのはリサーチャーは統計学を勉強するより脳科学を勉強すべきなのかもしれないということである。 」



21.マーケティング・リサーチャーの生態


37.マーケターとリサーチャーの関係 (6/14)

「リサーチャーはマーケターの参謀であり、強力なサポーターである。


リサーチャーは参謀になるために、リサーチ技術を高めることはもちろんのことマーケティング知識

も高める必要があります。

マーケターはプロフェッショナルです。リサーチャーも当然プロフェッショナルでなければ

サポーターにはなれません。」

「でも「プロフェッショナリズム」を求めなくなったら自分に価値がないと


言っているのと同義だと思います。

リサーチ技術を高めるにはどうすればいいか。

優秀なマーケターと仕事をする

だと思います。」

⇒調査会社のリサーチャーの方がお付き合いするのは、メーカーやサービス業の

マーケターあるいはリサーチャー。

前者の場合、調査を理解し、仮説構築力のあるマーケターは

調査の有用性を認めているけれでも、

そうでないマーケターの場合は、リサーチの共通言語が通用しない分、

有効なインサイトを発見できないことがあります。

後者のリサーチャーの場合、リサーチの共通言語は通じるけれども、

リサーチャー側にマーケティング課題の理解不足があると、

最終的に有効なインサイトにならない場合があります。



22.みんなのMR.COM


38.リサーチャーを育てるうえで、上司の方の役割は重要 (6/14)


23.Digital Consumer Planner's Blog

39.リスニング・ソリューション: テキスト分析ソリューション・キー (6/17)



************************************

《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります》

2010年6月14日月曜日

リサーチャーを育てるうえで、上司の方の役割は重要




《第25回》




今週のTOPICS


◆若手のリサーチャーさんが自分の失敗談を述べたりする場合があります。

例えば、報告書の枚数が多くなったとか、

企画書や報告書が、クライアントの意図にあっていなかった、

調査デザインが間違っていた、

調査結果がクライアントが求めていたものではなかった、

などです。

若手のこのような失敗談を読んだり、聞いたりして思うのは、

その時の上司の方は何をしていたのかな?ということです。



結構、リサーチャーという人種は、職人的に自己完結的に業務を行う場合があります。

上司や周りの先輩にアドバイスを仰がないで、独断で報告書を完成させようとすることがあります。

上司や先輩が忙しそうなので遠慮するケースもあります。

上司や先輩の方も自分の担当業務で忙しかったり、自分の負担を増やさないように、

手を差し伸べない場合もあります。

フリーで1人でやっている場合はしょうがないでしょうが、会社組織でやっている場合、

会社全体のMRの「集合知」を利用しない手はないと思います。


前々回のブログで、「リサーチのビジネスへの貢献度アップ」に向けての提言を

いくつかまとめてあげました。


最終的には個々のリサーチャーの実力アップに帰する部分が大きいところもあります。

そのリサーチャーの実力をあげる上で、「上司」の役割が大きいように思います。

あるいは会社全体の体制や、研修制度も重要でしょう。

上司の方は、それだけ社歴やリサーチャー歴も長く、MRについての知識や経験も多くあります。

クライアントの課題を理解して、プロジェクト全体を俯瞰する実力もあります。

部下の方は、上司の知識や経験を尊重して、素直な気持ちで、アドバイスを

受けた方がよいでしょう。

他方、上司の方もお忙しいでしょうが、これまでの知識と経験を生かして、

適切な指導や指示が求められます。

もちろん、上司として求められるコミュニケーション能力やモチベーションづけなどの

基本的スキルも必要です。


でも現実は、時には、指導・指示不足、まかせっきり、上司の知識・経験不足の場合もあります。

メーカーにいた時、担当調査会社は、ジュニアの部下とその上司で、

クライアント対応をしていました。

明らかに上司の人がチェックしていないと思われる企画書や報告書が

提出されることがありました。

ジュニアの人は一生懸命頑張って、それらを作成したのでしょうが、

やはり知識・経験不足で満足のゆくものではありませんでした。

クライアント側は、その会社、あるいは上司の人の実力に期待して仕事を

お願いしています。ジュニアには多くは期待していません。

ジュニアの人は、1人前になるまでは、忙しい上司に代わって作業を行う要員であるので、

最終納品物には、必ず上司の方のチェックを期待しています。


新人やジュニアの人が自分で創意工夫をすることは自己成長にとっても大切でしょう。

しかし、経験の浅いジュニアの人が企画書や報告書をどのような形式で書いたらよいかなどに

悩む時間ー経験不足ゆえに作業時間を多くとり、残業になったりしますーを

もっと有効に活用した方がよいように感じます。

先輩や上司が適切に指導を行うことが必要です。

企画書や報告書のテンプレート化がなされている会社はさらにベターです。

文書だけでなく、調査課題解決のソリューションも、マニュアル化や、標準化、

共有化されていると、ジュニアの方の成長も早いでしょう。


もっともっとこれまでの知見を有効活用して、新人やジュニアの方の業務の効率化、

ショートカットをはかり、もっと他に学ぶべきことにその時間を振り替え、

実力アップを増進させることが、本人にとっても、上司にとっても、

また会社にとってもハッピーではないでしょうか?



週刊リサーチ・ブロゴスフィア

Weekly Research Blogosphere


*1週間の世界中のリサーチ関連の主なブログ・テーマを簡便に

レビューすることができる「週刊リサーチ・ブロゴスフィア」です。

興味をもたれたブログの詳細は、リンク参照。

◆先週(6月7日ー6月13日)のリサーチ・ブロゴスフィア

23ブログの34投稿をレビュー


《海外編》



1.Jeffrey Henning 's Vovici


1.Closed-Loop Feedback Process (6/7)

CASRO Technology ConferenceでのDerek Bildfellの発表
"Merge Customer Research with Online Reporting to Maximize ROI"の紹介。


2.Multi-Country Projects: Many Languages, Many Categories, Many Challenges (6/8)

同じくCASRO Technology conferenceでのJeff Thompsonの発表
challenges of managing multi-country survey projects の紹介。


3.Top 5 Lessons for Managers of Private Panels (6/9)

①Sample Sourcing

②Panel Recruitment:プロフィール・サーベイの実施

③Panel Management: 月に1-2回の頻度

④Data Quality & Validation :質問の長さや調査票に注意

⑤Policies & Compliance: リサーチ・ガイドラインの作成

4.Market Research in the Groundswell #MRA_AC (6/10)

MRA年次会議でのGroundswell.の共著者であるJosh Bernoffの発表の紹介。


5.Researcher, Heal Thyself: How NEJM Made Market Research Strategic (6/11)

MRA年次会議でのAnn Boyleの発表
 “Shifting to a Customer Focused Strategy, Our Experience”の紹介。

6.Marketing Research Association Annual Conference 2010 (6/12)

MRA年次会議のTwitterより。

2.Joel Rubinson on Marketing Research


7.Evolving the marketing research agency (6/7)

調査会社の進展の方向性について。


3.Research Rockstar   


8.YouTube Preview of Online Market Research Training (6/6)

Research Rockstar オンラインMRクラスのYouTubeでのプレビュー。


4.Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research

9.The Market Research Industry’s First Internet Meme Competition! (6/7)

Next Gen Market Research (NGMR) “Make Research Meme-ingful” Contestについて。

10.1st NGMR Internet Meme Contest - Follow Up (6/10)

9の続き。

11.Sneak Peak of Largest Ever MR Survey (6/11)

Research Industry Trends Monitoring Group (RIT MG) Surveyについて。


5.The Future Place Blog 

12.What is the role of a set of ethics? (6/9)

調査における倫理行動規範やガイドラインのポジとネガ。


13.Should we ask Overall Satisfaction at the Start or End of a Survey? (6/10)

全体満足や全体評価の質問を前に置くか最後に置くか?

前の質問の回答は、自然に出る回答で、行動を予測する場合に向く。

最後の質問の回答は、合理的、考慮した回答。



6.Blackbeard Blog

なし

7.Random Sampling

14.Social media mining can replace focus groups (6/7)

ソーシャル・メディア・マイニング(SMM)が、グルインのような定性調査にとって代わるかどうか?

銀行とクレジットカード会社について、グルインとオンラインフォーラムの結果を比較するために

実験調査を実施。結果は、同様な結果を得た。

しかし、SMMは、一般的な感情や、意見の広がりを見たいなどの探索的リサーチ

に向いているが、説明的リサーチに向いていない。

ゆえに、SMMは、早くて安くできる、グルインの有効な代替手段になる場合と、

そうでない場合があることに留意する必要がある。


8.Straight Talk with Nigel Hollis

15.Why advertising pretesting is both similar to and different from visiting the dentist (6/7)

広告コピーの事前テストは、虫歯予防に歯医者に行くようなもの。


9.LoveStats

16.3 tips to force consumers to be more loyal to your brand (6/7)

消費者からロイヤルティを得る方法

①リスニング
②結果の基づく行動
③尊重し、共有

17.MRA Boston Day 1 – Tweeple save the day! (6/9)

6月9日ー11日、ボストンで開かれたMRA年次会議の報告①

Twitterハッシュタグ MRA_AC 


18.MRA Boston Day 2 – More good stuff! (6/10)

MRA年次会議の報告②


10.The Survey Geek

19.MROCs to the rescue! (6/12)

MROCが助ける番?

11.Insites Blog


20.Delivering Happiness (6/8)

ZapposのCEOのTony Hsieh の近著

Delivering Happiness: A Path to Profits, Passion, and Purposeの紹介。

21.CBC Training at SKIM Conference (6/10)

Choice-based conjoint (CBC), Adaptive CBC and MaxDiffの研修報告。

12.The Researcher's Perspective

なし

13.Future of Insight

 なし

14.Voices of CMB

22.Fame or shame…It’s all in the industry (or the household) (6/7)

MSN Money Hall of Fame(顧客サービスでトップ10の会社)と

MSN Money Hall of Shame (ワースト10の会社)について。


23.The perils of benchmarking: Are you measuring against yesterday's realities or today's?(6/8)

MRAの年次会議でChadwick Martin Bailey's chairmanである John Martinが行った発表、
 "The Perils of Benchmarking: 10 things to consider when deciding how you should benchmark against the market." について。

ベンチマークを盲目的に使うことの危険性について。特にマーケットリーダーにとって。


24.Content Reigns- Netflix Positioned to be King (6/9)

消費者は、ディバイスよりもコンテンツに関心がある。

15.The Forrester Blog

25.Are Cell Phones The Key To Reaching Latin American Consumers? (6/9)

ブラジルとメキシコの都心部の住民の56%は、いまだオンラインと繋がっていない。

それゆえ、企業は消費者と繋がる場合、ソーシャル・メディアツールを使えない。

他方、75%の住民は携帯電話を持っている。しかし、5%が携帯からインターネットに接続可能。

将来は、携帯が企業と消費者を結ぶ有力なツールになる可能性。

26.The Data Digest: Interest In Mobile Content In APAC (6/10)

アジア・パシフィックのモバイル・サービスの利用状況について。

Ring tones and ringback tonesサービスがトップで、ゲームや音楽が続く。




《国内編》


16.MARKETING RE-SEARCH BLOG

なし

17.Marketing Research Watch

なし

18.マーケティング・リサーチの寺子屋

27.2010年5月の twitter から

この記事を読まれて、リサーチャーの中で、Twitterをされる方が増えることを期待しています。
そして、Twittcher(ツイッチャー)の会にもぜひ参加して下さい。勉強会やセミナーを行っています。リサーチャーの会社を超えたネットワーキング作りを行っています。

19.tanoue40's Blog

28.新聞記事:「納得消費」広がる (6/2)

「お金を払ってでもきちんと試し、納得したうえで商品を買う人が増えている。」


「有料お試しが広がる背景:「買い物で失敗したくないという消費者の気持ちが強い。品質を確認できる安心感にお試しの支出より価値を感じる人が増えている」と分析」


「お金を支払ってでも品質を確かめたいという消費者のニーズの高まりと、企業側の収益源確保(少額でも、多くの人がお試しを利用すれば結構大きな金額になる)の思惑が一致した結果「有料お試し」が存在しているのだろう。」

29.新聞記事:ビール系飲料 スーパーよりドラッグ店安く (6/9)

「ドラッグストアでビール系飲料の割安感が強まっている。」


「ルール(薬事法)が変わると、プレーヤー(ドラッグストア、スーパー、コンビニ各社)の動きもずいぶんと変わるのだということを感じた記事であった。」

→インテージの流通パネルデータでも検証されていますか?

20.アウラなブログ

30.切歯扼腕 DaybyDayインタビュー (6/9)


同一対象者に、同一インタビュアーが、同一テーマで、2日間連続で1on1インタビューを行う」


31.サイパンの米軍滑走路(6/9)


21.マーケティング・リサーチャーの生態

32.リサーチレポート(6/11)


22.みんなのMR.COM

33.リサーチャーの皆さん、SPEAK OUT !  (6/7)

23.Digital Consumer Planner's Blog


34.リスニング・ソリューション: テキスト分析ソフトウエア・ベンダーの4タイプ (6/10)


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《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります》  

2010年6月7日月曜日

リサーチャーの皆さん、SPEAK OUT !

.


《第25回》




今週のTOPICS 



●リサーチャーの皆さんも、リサーチ・ブログを書いてみませんか?

本ブログでは、毎週、世界のリサーチ・ブロゴスフィアをご紹介しています。

リサーチの最新動向や、さまざまなリサーチ関係の議論を知ることができます。

今週のタイトルのSPEAK OUTとは、

「大声で言う、はっきり言う、正々堂々と意見を述べる」という意味です。

リサーチャーの皆さんも、リサーチ・ブログを書いて、SPEAK OUTしませんか。


●日々の調査業務の中で、体験したこと、学ん

だこと、初めて知ったこと、気付いたこと、

疑問に思ったこと、解決したい質問、業務の

改善点、プロジェクトの反省点、

実査の現場ー会場テストやグルインのこぼれ話、クライアントやサプライヤーの対応、

調査業界に対する意見、将来のキャリアプラン、調査の面白い点、好きな点、嫌いな点、

リサーチ課題解決の成功事例、方法論の議論、データ分析手法、

上司や同僚の話、会社の話、出席したセミナーや研修のメモ、

最近読んだリサーチ関連の本などなど、

ネタはいくらでもありそうです。

プロジェクトが終了するごとに、その学びを次回に生かすために、

良かった点や、反省点や課題などをリサーチ・ブログで整理するのも良いのでは。

もちろん、「守秘義務」を履行して、固有名詞などは省略して。。。

また日々の業務や、お店や街で見つけた「インサイト」を発表したり。。。

●さまざなリサーチについての「知識」と「経験」を共有する(集合知)ことによって、

自分の考えをブラッシュアップすることにもなり、

また、他の人のスキルアップにも貢献します。

何よりも、リサーチャーとしての貴重な日々の「記録」にもなります。

●CSHH (CONNECT⇒ SHARE⇒ HELP⇒ みんなHAPPY)の精神です。

良いことを1人の頭の中だけ、或いは会社の中だけに留めないで、ぜひ共有してください。

リサーチャーのノウハウの共有が、リサーチの進歩にもつながると思います。


今週のMR情報源 VIII 
 


MRIA: The Marketing Research and Intelligence Association (カナダのリサーチ組織)


●Canadian not-for-profit association representing all aspects of the market intelligence and survey research industry, including social research, competitive intelligence, data mining, insight, and knowledge management.

●カナダのリサーチ関係の3つの団体:Canadian Association of Market Research Organizations (CAMRO), the Canadian Survey Research Council (CSRC) and the Professional Marketing Research Society (PMRS)が2004年に統合して発足。

●先週、カナダのトロントで、5月30日ー6月2日まで、第50回年次会議を開催。

プログラム    

Twitterのハッシュタグは、#MRIA_AC 或いは、#MRIA

●ブロゴスフィアに登場する

Joel Rubinson, Chief Research Officer, The ARF「The Future of Marketing Research」、

Nigel Hollis, Executive Vice President and Chief Global Analyst, Millward Brown.「The Future of Researching Advertising Effectiveness」

がワークショップに参加したり、

Annie Pettit, CRO, Conversition Strategies Inc. 「Social Media Research: From Buzz To Biz
が発表を行いました。


●興味深いのは、業界団体がリサーチャーの能力を証明する資格試験を実施していること。
Comprehensive Marketing Research Exam (CMRE).

リサーチャーに対して、

high level of knowledge and capability in marketing research theory and practiceを保証するもの。

試験を実施し、合格者にCertified Marketing Research Professional (CMRP)の証明書を交付。


業界ニュース

マーケター・ニュース

マーケティングにおけるリサーチの価値:

リサーチのないマーケティングは、空中に矢を放ってから、的を探すようなもの。



週刊リサーチ・ ブロゴスフィア

Weekly Research Blogosphere



*1週間の世界中のリサーチ関連の主なブログ・テーマを簡便に
レビューすることができる「週刊リサーチ・ブロゴスフィア」です。
興味をもたれたブログの詳細は、リンク参照。

◆先週(5月31日ー6月6日)のリサーチ・ブロゴスフィア

23ブログの31投稿をレビュー



※ 私個人の独断と偏見で各ブログの講読おすすめ度を記入しましたのでご参照下さい。
   それぞれ関心のテーマや理解度などが異なりますのであくまでも参考です。

★★★ ぜひ英文もじっくり読んで下さい。(非常に重要)
★★  時間があれば読まれても良いかと思います。(重要)
★    別に読まなくても大丈夫でしょう。(あまり重要ではない)   

⇒は私的コメント。


《海外編》



1.Jeffrey Henning 's Vovici 



1)Don't Ask, Don't Know (5/31)★★

「Don't know(わからない)の選択肢を含めない方がよい」と主張しています。

「わからない」の回答が増えて、データ量が減ることと、

データに偏りを与える可能性があるからだと述べています。

⇒調査票の作成で、選択肢は網羅的でかつ排他的と習います。

その意味で、「わからない」という人もいるので、通常は「わからない」の選択肢は

入れるようにと教わる場合が多いと思います。

しかし、Jeffreyの主張は、選択肢に「わからない」があると、

多くの場合、人々は何らかの意見をもっているにもかかわらず

考えることを放棄させ、安易に「わからない」の回答を助長させる危険性があるということです。

確かに、これには一理あります。

逆に、「わからない」の選択肢がないので、無理やりどこかに丸をつけて、

逆にデータに誤りを与える可能性もあります。

これは意見が分かれるところでしょうか。

訪問面接調査で調査員が聞く場合は、「わからない」を「回答カード」に、

記載しないことによって、この問題を解決していましたが、

自記式のオンライン調査ではこの操作は難しいかもしれません。

音声対話式のオンライン調査では可能かもしれませんが。

調査課題や質問文の内容に応じて、「わからない」の意味を検討して、

入れるか入れないかの判断をする必要があると思います。

ただ事実を聞く場合に、「わからない」の割合を知る必要がある場合はいれた方がよいでしょう。



2)The Carnival and the Amusement Park: A Tale of Two MROCs (6/1)★★


MROCS(エムロック: market research online communities)は、長期なものより、

アミューズメント・パークやカーニバル型の短期的なものが主流に。


3)Social Media Monitoring Tools by Department (6/2)★★


ソーシャル・メディアのモニタリング・ツールは、企業の部署ーマーティング部やリサーチ部、

カスタマサービス部のニーズによって異なる。


4)Self-Reported Data: Point/Counterpoint (6/3)★★

下のResearch Rockstarの投稿Self-Reported Data is Problematic, or Worseに対する反論。

さらにVoices of CMBの投稿で、

Cathy HarrisonDebating the Usefulness of Self-Reported Market Research Dataが2人の議論を論評。
  

自己申告の回答(Self-Reported Data)について、下でResearch RockstarのKathryn Korostoffが、

正確ではないと述べているのに対して、グループ全体として見た場合は、

正確性はあり問題はないと反論。

従ってリサーチで使用することは可能であると主張。

●この3人が参加するAMAの無料Webinar: Unveiling Marketing Research's Future Online

6月23日夜11:00-(日本時間)

USのWebinarは日本時間では深夜になることが多いですが、めずらしく夜11時スタート。


⇒Self-Reported Dataの例でよく使われる例として、体重と身長の例があります。

人々は、実際の測定(direct measured data)よりも、 身長はより高く、体重はより軽く回答する

可能性があるということです。それゆえに自己申告のデータの信頼性が問題になります。

このような傾向がランダムに起これば、つまり、身長をより高く回答する人もいれば、そうでない

人もいる結果、全体の傾向は大きくはブレないということです。

サーベイ・データには、この他、対象者が「ウソ」を付いたり、

過去のことで記憶があいまい(リコール・データ)であったりなど、エラーが混在する

可能性は多くあります。


5)Consumer Attitudes towards Social Media Market Research #casrotech      (6/3)★★

JeffreyがNYで開かれたCASRO Annual Technology Conferenceで発表した内容について。

ソーシャル・メディアをリサーチに使うことについての消費者調査の結果発表。(n=426)

95%がプライバシー問題に関心が高い。

この調査の結果は、ソーシャル・メディア・リサーチの倫理を考える上で参考になります。

⇒ソーシャル・メディアは消費者の本音を知る上で参考になると言われているけれども、

ブログを書く時も、Twitterでつぶやく時も、やはり読者を気にしての発言、つまり

書きたくないこと、言いたくないことは、書かれていない点に

留意するという点が個人的には参考になりました。


6)Sentiment and Text Analysis: Man, Robot or Cyborg? 
(6/5)★★

センチメント分析関係の話題

肯定、否定、中立に分類するセンチメント分析は、中立の意見が多いので、その精度に問題

ありとするMatt Rhodesの研究などの紹介。Brian Tarran Mike Daniels Conversition iModerate

大量のデータの時は自動分析で、少数の時は、人間による分類作業が必要。


7)Market Research No Longer as Popular as Miley Cyrus 
(6/6)★★

MR業界の将来を展望。

コンサルティング大企業や、Cognitive neuroscienceからのMRへの脅威。


2.Joel Rubinson on Marketing Research



◆先週の新規掲載はなし


3.Research Rockstar (By Kathryn Korostoff)


8)Self-Reported Data is Problematic, or Worse (6/3)★★

上のJeffreyのSelf-Reported Data: Point/Counterpoint で述べたように、

自己申告データの信頼性に問題ありと主張。

特に、社会的に望ましい回答が想定される(歯のケアの質問など)場合や、

調査で回答することがその後の行動を変化させるような質問(購入意向の質問など)の場合には、

自己申告の回答の信頼性はより低くなると主張。


9)Conducting Online Surveys Using Online Research Panels (6/2)★★

オンラインパネルについてのwhite paper

オンライン調査の7つのリスク

1.対象者条件を絞り込みすぎない。スクリーニング条件は2つぐらいが妥当
  ー市場機会を見過ごす可能性あり

2.長い調査票は避けるー短く簡潔に。15分以内。

3.謝礼目当ての詐欺行為によるサンプル(incentive huntersやprofessional respondents)の排除
  ーdigital fingerprintingによるチェック。

  Intellectual sweatshops (労働搾取会社)による大量の無効サンプルの創出

4.調査参加の頻度をチェック

5.対象者のプロフィールの更新状況をチェック

6.ダイレクト・マーティングのリストをパネルとして使用するケースがあるので注意

7.データ収集プロセスについての情報開示の程度

⇒発注側でコントロール可能な部分もあるけれども、上記③ー⑥などは、発注側自らでは
検証できないーつまり業者側が適当に回答する可能性ー問題点が残る。


4.Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research


10)Week in Stockholm Starts Interestingly (6/1)★


ストックホルムでのハプニングについて。



5.The Future Place Blog 
(By Ray Poynter)


11)Would abandoning democracy save the planet? (6/1)★

気候変動について。


6.Blackbeard Blog (By Tom Ewing)


なし


7.Random Sampling (By Ed Erickson)


なし


8.Straight Talk with Nigel Hollis 


12)Why Dunkin Donuts lures Colombians away from local brands (6/1)★

コロンビアのボゴタ空港でのDunkin’ Donutsの販売について。



9.LoveStats (By Annie Pettit )


13)MRIA Day 1: The Best Was Yet To Come? (6/1)★


上記のMRIA年次会議に出席しての感想。


14)I’m smarter than all of you put together (6/4)★


調査において、対象者(人間)が常に理性的であるとは限らず、

非論理的存在であることを考慮する必要性について。


15)New blog post: Down with quant! Long live qual! #li 
(6/5)★


マーケティング・リサーチにおける測定の限界。

体重や身長のように事実を計量的に測定するような正確性をもって、

MRでは、意見やアイディア、記憶を測定することはできない。

言いかえれば、(究極的には)MRは定量ではなく、定性?


16)I’m a speaker! Wed, 2pm, Boston, MRA – Are YOU listening? (6/6)★

6月9日(水)にMRAの年次会議で発表することの告知。




10.The Survey Geek (By Reg Baker )


17)Guest Post: Social Media Conference Part 2 (6/3)★★

IIR Social Media/Communities conferenceの報告その2


18)Staying connected to reality(6/5)★

CASROのISO 20252の検討会議に出席して。


11.Insites Blog (By Insites Consulting)


19)Worldwide recognition for pioneering social media research technique (5/31)★★

●InSites Consulting’sのNetnography調査について。

●オンライン上の会話のリスニングが必要な理由

①ソーシャル・メディアは今日多くの人が読む→重要なコミュニケーション要素→

購買意思決定に影響を与える広告の役割

②調査の協力率が低下する中で、自発的に発言された重要な情報源

③従来の調査では得えられなかった新しくて品質の高い情報をえることができる。

moment of truthを観察し、新しいインサイトを生み出すblind spotsの発見につながる可能性がある。



12.The Researcher's Perspective 
Thoughts and Opinions of the MR Industry by MRA  



20)The Survey is Dead, Long Live the Survey (6/2)★★★

Jerrey Henningsの出張ブログ

以前このブログでもご紹介したRay Poynterのthe survey will be dead in 20 yearsへの反論。

only bad survey practices are dead. Long live the survey!と予測。


13.Future of Insight  by Robert Moran


21)Measuring the Future of Market Research (6/3)★★★

「現在調査会社が行っている調査業務に半分は、3年後には不用になっているだろう」という

議論をめぐって。

●クライアントが現在MRに求めていること:

1. 戦略的提言(レコメンデーション)

2. 簡便な報告書(Concise Deliverables)

3. 消費者全体についての深いインサイト(Deeper Insight into the Whole Consumer)

4. スピード 

5. 情報空間の統合的理解(An Integrated Understanding of the “Infoverse”)

6. Truly Understanding the Role of Emotion in Human Behavior 
(人間行動における情緒の役割の理解)

7. インサイト・マネジメント (Insights Management)

8. 価値 (Value) 

スピートへの対応: ソーシャル・メディア・リサーチの可能性(listeningの改善と代表性の問題)
Listening EpochからSimulation Epochへ


22)“Street Interviewers with Jetpacks”? 
(6/4)★

Jetpacks(右図)で街頭調査?


14.Voices of CMB:
The Chadwick Martin Bailey Research Blog



23)Debating the Usefulness of Self-Reported Market Research Data (6/3)★★

上のJeffreyとKathrynのself-reported dataの議論に対して、

データを相対的に解釈するなど、いろいろな状況を考慮すれば、

自己申告データを使って、全体として、

マーケティング・リサーチの結論を導くことは可能。

このようなデータのバイアスを考慮し、データを解釈、結論を導くのが

リサーチャーの役割の1つである。


15.The Forrester Blog : 
For Market Research Professionals

24)The Data Digest: How Choosing A Financial Company Differs By Age (6/4)★

年齢による金融機関の選択理由の違いについてのデータ紹介


25)The Theme Of The Week: Getting Social (6/4)★

6月9日(水)からボストンで始まるMRA年次会議の予告。

Market Research in the Groundswell



《国内編》


◆今週から、2つのブログが加わりました。

1つは、@auraebisuこと『図解 インターネット・リサーチのことがわかる本』や

図解でわかるマーケティングリサーチ―リサーチ理論と実務の進め方が図解でわかる基本書』で

おなじみの業界の大先輩である石井栄造氏の『アウラなブログ』です。

もう1つは、@sakihirojpで、「1979年生まれの典型的なB型系マーケティングリサーチャーとリサーチシステムの設計エンジニア」さんのブログ『マーケティング・リサーチャーの生態』です。



16.MARKETING RE-SEARCH BLOG by @fujiokat

なし


17.Marketing Research Watch by @shig_ono

なし

著者からのメッセージです。Take it easy...

『新規投稿が順調に遅れております! ご愛読の皆様(って誰だ?),何卒ご容赦くださいませ。次回記事は「死の恐怖とブランド選択」(仮題)であります。面白そうですよね? 実際に面白いといいんですけど。』


18.マーケティング・リサーチの寺子屋 by @ats_suzuki


26)「母数」と「サンプル数」の本来の意味は? (5/31)

インテージの篠原 正裕氏(早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修了)の寄稿。

分母の意味で使う「母数」と、対象者数を「サンプル数」と呼ぶ

ー正解は「サンプル・サイズ(サンプルの大きさ)」誤用の指摘。

アカデミックから見て、業界で慣習的に誤用されている「専門用語」は気になるところ。

篠原氏曰く

『市場調査に携わって、かつその道のプロを標榜するならば、

統計学における正しい使い方を最低限「知っている」実務家であるべきなのではないかと

個人的には考えています。

調査を円滑に、適切に実施・分析するために重要なのは、

非学術的なスキルが圧倒的に重要であるように思います。

上述の用語の使い方などは瑣末な問題なのかもしれません。

しかし、科学的に仮説検証、評価を行う市場調査では、統計学の知識も重要です。

正しい統計学の知識を学び、更新しつづけることが、

実務家が信頼性を獲得していく上で必要なのではないか。

そう思うのです。』

まったく同感です。



●Twittcherの会では、篠原氏を講師にお迎えして、

6月14日(月)7:30からSEMの勉強会を開きます。

ご参加をお待ちしております。


19.tanoue40's Blog by @tanoue40

なし


20.アウラなブログ by @auraebisu


27)「グルト!」のインサイト (6/3)

インサイト=消費の暗黙知



21.マーケティング・リサーチャーの生態


28)リサーチはおもしろい (5/29)

10年リサーチ業務に携わっての感想。。。

29)マーケティング・リサーチ業界って1800億円 (5/29)

リサーチの限界を乗り越えて。。。




22.みんなのMR.COM by @Experidge


30)リサーチのビジネスへの貢献度アップを目指して・・・ 
(5/31)


23.Digital Consumer Planner's Blog by @Experidge


31)リスニング・ソリューション: メディア・モニタリング (6/3)




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#150 レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告

<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...