2010年9月27日月曜日

ソーシャルネット時代の定性リサーチャー




《第35回》


今週のTOPICS


ツイッチャーの会の9月勉強会(第5回目)開催予定


今週9月29日(水)に渋谷で、


喜山荘一さん

(ぐるなび、元ドウハウス)をゲストにお迎えして、

「ソーシャルネット時代の定性リサーチャー」と題して、

1.変わる消費者行動、2.変わるリサーチ環境、3.ソーシャルネット時代の定性リサーチの可能性についてお話していただきます。


喜山荘一さんは、1963年、与論島生まれ。 東京工業大学経営工学科卒業後、株式会社西武百貨店入社。 1995年、株式会社ドゥ・ハウス入社。同社の常務取締役を経て、現在、株式会社ぐるなび総合政策室勤務。

●ツイッター・アカウント: @soichi_manyu

●ぐるなびのツイッター・アカウント:@gnavi_tweet   @gnavi_univ

●ご自身のブログ 与論島クオリア  


著者は多数。



 




●喜山さんの講演のあと、私の方から、グローバルで現在進行しています「デジタル時代の定性調査の新動向」についてもご紹介致します。

また、グローバルの定性リサーチャーの会

①QRCA:Qualitative Research Consultants Association http://www.qrca.org/や、

②GOMC:Global Online Moderator Community http://www.moderatorcommunity.com/

③QRWEB(Qualitative Research in Web 2.0)や、

LinkedInの中での定性リサーチャーのディスカッション・グループである

QRCA Qualitative Research Discussion

Online Qualitative Research: The Next Evolution

Qualitative Marketing Researchers and Professors


日本の定性リサーチャーの会「クオリの会」

もあわせてご紹介致します。


特に、定性リサーチャーの多くの方のご参加をお待ちしております。

参加申し込みはこちら。(無料)

勉強会終了後は、通例の「懇親会」もありますので、喜山さんとの歓談を楽しみにしております。



今週のHOSMR

Ray Poynter, ’The Handbook of Online and Social Media Research: Tools and Techniques for Market Researchers’の内容紹介メモ(著作権の侵害をしないように、独断と偏見によるポイントの要約)の第5回目です。

今回は、パートII 第7章の「オンライン・フォーカス・グループス」です。


7章 オンライン・フォーカス・グループ




・オンライン・フォーカス・グループ OLFGsあるいはOFGs(以下OLFG)



⇔伝統的なF2Fフォーカス・グループス(インパーソン・グループ)(以下IG)



・本章は、



①OLFG入門:特徴とIGとの違い

②OLFGの実施:準備とモデレータの役割

③OLGFソリューションの選択: 注意点

④OLFGを巡る賛否両論

⑤OLFGのリソース

⑥OLFGのまとめ



1 OLFG入門



1.1 モード



・参加者や、観察者、モデレータ、管理者モード



1.2 ディスカッション・ガイド



・ディスカッション・ガイドの提示



1.3 マルチメディア



・イメージやビデオの提示



1.4 参加者の対応



・参加者に事前に質問やメッセージ、リマインダーの送付や、

不適切な参加者の排除

発言の削除



1.5 マルティプル・ルーム



・対象者を分類するルーム機能、例えば男女別。



1.6 投票機能(Polling)






1.7 ウエブカメラ(Webcams)



・ウエブカメラによるビデオの視聴



1.8 マネジメント・インフォメーション・システムズ(IMS)



・参加者の参加・発言状況をモニター



1.9 分析オプション



・発言録(バーベイタム)や、タグ・クラウド、図など



2.OLFGの実施



・IGにもベスト方法について合意がないように、OLFGにも同様に存在しない。



2.1 手法の選択



・表7.1 ・オンラインの方が好ましいもの:事実のリストアップ

      ・オフラインの方が好ましいもの:2人での作業、図や製品の分類

      ・同じ            :言語連想、アイディア出し

      ・オンライン用に改善が必要なもの:ブレインストーミング、画像解釈



2.2 注意点



・すべての人が発言しているかどうかに注意

発言を記入している時は、提示物を見たり、他の人の発言を聞かない時があるので注意

発言を記入している間に、関心のある議論が先に進行して行く点に注意

発言は同時進行ではない点に注意



2.3 参加人数:少数の参加者



・オフラインよりも少数の参加者

・ある人は1グループ、4-6人を推奨。他の人は、6-8人や3-5人。

・ItrackのDoug Batesは、8-10人推奨。



2.4 セッション時間:短い



・オフラインよりも短い時間。

・OLFGは効率的。長時間の拘束が難しい。家庭ではいろいろな「邪魔」が入る可能性。

・標準時間は90分



2.5 2人モデレータ制



・1人はディスカッション・ガイドに集中。他の1人は、参加者やクライアント、その他の質問に集中する。



2.6 参加者の選択



2.7 言葉



・スラングは使用しない。



2.8 参加者のモニター



3. ソリューションの選択



3.1 専用ツールを使うかどうか



・Itracks社などの既存のパッケージ・サービスの使用-高価



・チャット・ソフトウエアやウエッブ・ミーティングサービスの利用-安い



・安価なチャット・ソフトウエアの使用は、クライアントと参加者のプライバシー問題が生じる可能性がある。



3.2 レンタルか購入か



3.3 操作の簡便さと、ツール(機能)の威力



・必ずしもトレードオフの関係ではない。



3.4 レポーティング



3.5 他のツールとの統合



・パネルや、顧客データベース、オンライン・コミュニティとのデータの連結



3.6 マルティメディア・ツールの利用



3.7 使用言語



3.8 費用



・トレーニング費用、IT費用、ソフトウエア費用、使用料など



4.OLFGを巡る賛否両論



OLFGが、定量のオンライン・パネル(安さが売り)のように成長しなかったのか。



4.1 費用



・費用節約の要素は、地理的条件-国土の広いUSではOLFGによって、旅行費用が節約できる



・一方、OLFGの2人モデレータや、少人数グループはコストアップにつながる



・さらに参加者のリクルートをオンライパネルから行わない場合さらにコストアップ



4.2 品質 

 

・OLFGの品質への不満・不安が大きい。特にOLFGの未経験者には。



・OLFGの問題点

①参加者の「相互作用」を生むことが難しい

②グルインのもつ重要な特徴である「ノンバーバル」な要素(表情など)を失う



・OLFGの利点

①セッション終了後に発言録を見ることができる

②広い地域のいろんな人々の意見を同時に聞ける



・OLFGと通常のグルインとの比較研究では、ビジネス上の提言の部分では同じであった。



・しかし、現状では、定性調査のバイヤー、プロバイダーの双方とも、OLFGよりも、通常のグルインの方を好んでいる。



4.3 著者見解



4.3.1 クライアント側の状況



・OLFGの利点

①オフィスや自宅から実施可能

②セッション中にモデレータにメッセージを送ることが可能



・しかし、それ以上に、クライアントとリサーチャーが時間と場所を共有して、プロジェクトについて直接議論ができる点をクライアントは重視。



4.3.2 ITの利用



・定性リサーチャーのIT利用への抵抗



4.3.3 リーチの問題



・OLFGの利点-地域的広がり



・グルインでは地域的広がりによる対象者の「代表性」アップは評価されない



4.3.4 スピード



・オンライン・パネルやオンライン・コミュニティからリクルートしない場合は、スピードでの利点はない



4.4 OLFGを巡る議論のまとめ



4.4.1 反対派



・OLFG反対意見

①グループダイナミクスが出せない-通常のグルインは同じテーブルでの議論

②インサイトの深さがない-モデレータが対象者との直接接触ではないので、深いインサイトが引き出せない

③ノンバーバル情報がない-モデレータがインサイトをさぐる重要な手がかりであるノンバーバルがない。さらに、対象者の表情やボディランゲージは、調査の質(対象者の調査への関与度などー直接顔が見えることの重要性)をも表す。

④タイプ・スキルに依存-回答が対象者の入力スキルのレベルに影響される

⑤刺激物呈示の限界-味、接触、匂いを嗅ぐなどができない



4.4.2 賛成派



・OLFG賛成意見

①より正直な意見-特にセンシティブな内容について

②影響度の低い回答-他の参加者の意見の影響を受けない

③より効率的-参加者はより直接的に回答。モデレータもより直接的にプローブが可能

④より代表性がある-接触しづらい人や、広い範囲の人のリクルートが可能

⑤グループのコントロールが容易-進行を妨げる人や発言力の強い人のコントロールが可能

⑥簡便で安い-早くて安い



4.5 研究結果 



C.Chengら(2009)のOLFGとIGとの比較研究によると、



①参加の平等性や意見の開示(匿名で他の参加者の影響を受けないのでより正直に自分の意見が言える)の点では、OLGFが優れている、

②OLFGは情報量では劣る。なぜなら、偶発的な会話や事例などの会話の発展性がないゆえ、

③結果の品質については、どちらが優れているかは結論できなかった、

④インサイトの発見は、オンラインvs.オフラインよりも、モデレータのスキルに負うところが大きい。



7.5.OLFGのリソース



・OLFGサービスの提供企業の紹介



Itracks

Artafact

ChannelM2

QualMeetingなど



7.6.OLFGのまとめ



・定性のオンラインリサーチは、同時性のOLFG(通常のグルインと変わらないあるいは劣るという認識から、通常のグルインではつかめない点を発見できるだろうという理由で)から、非同時性の次章で説明するBBFGや11章のMROCの方向に焦点が移行してきている。





週刊リサーチ・ブロゴスフィア


Weekly Research Blogosphere


*1週間の世界中のリサーチ関連の主なブログ・テーマを簡便に
レビューすることができる「週刊リサーチ・ブロゴスフィア」です。
興味をもたれたブログの詳細は、リンク参照。

⇒は投稿に対する個人的コメントです。

◆先週(9月19日-9月25日)の1週間分の世界のリサーチ・ブロゴスフィア

今回は、23ブログの24投稿をレビュー


《海外編》


*今回からBlackbeard Blogは削除しました。


1.Jeffrey Henning 's Vovici

初めて1週間お休み。


2.Joel Rubinson on Marketing Research

お休み

3.Rearch Rockstar

1.Build A Virtual Market Research Department in 30 Days (9/23)

・クライアントの社内にバーチャルのMR部を作ることのすすめ。


4.Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research

2.Text Analytics Guru Interview (9/20)

・テキスト・アナリティクスのグルであるSeth Grimesとのインタビュー。


5.The Future Place Blog

3.Great Festival opportunity for students and junior researchers (9/21)

・12月6日ー10日に開かれるFestival of NewMRPoster competitionについて。

4.Jon Krosnick’s page – a key resource for all market researchers (9/22)

・スタンフォード大学のJon Krosnick教授のサイトが、リサーチャーにとってのキーソースの1つであるとの指摘。

⇒確かに調査関連の多くの研究テーマや文献が掲載されています(英語)。時間を見つけて読んでゆきたいと思います。これはおすすめです。

この投稿の中に、先日JMRAで講演されたミシガン大学のMick P. Couper教授の名前もでていました。このサイトも参考になります。

5.Thank you Nottinghamshire NHS (9/23)

Ray氏が体調を崩してイベントをキャンセルしたとのこと。

⇒早速、ツイッターでお見舞いのDMを送っておきました。


6.Random Sampling

お休み

7.Straight Talk with Nigel Hollis

6.The definition of brand equity (9/20)


・ブランド・エクイティの定義考。


8.LoveStats


・ソーシャル・メディア時代にふさわしいユニークなブランド名をもつべき。

9.The Survey Geek 

お休み

10.Insites Blog

8.Better than reality (9/20)

・バーチャルの情報と現実世界の情報を重ね合わせるAugmented Reality(拡張現実、AR)について。

Join the big social media research debate (9/20)

・ソーシャル・メディア・リサーチの妥当性をめぐる議論


10Get hijacked by your consumers now! (9/23)


・ESOMARの年次会議で発表されたイギリスのコーラのコミュニティ・スタディの紹介。

10代後半のコーラなどの炭酸飲料の消費量減少の課題解決のための調査プロジェクト。



11.The Researcher's Perspective

11.Flavor – So What? The Impact of Sensory Evaluation in Product Development (9/21)


・MRにおけるセンサリー・リサーチの活用について。


12.Future of Insight

お休み

13.Voices of CMB

12.The Dangers of Relying On A Single Market Research Question (9/22)

・「1つの質問」の回答結果で、ビジネス上の意思決定を行うことのリスクについて。

⇒1つの現象について、多方面から聞くことの重要性。シングル指標ではなく、多重指標の必要性。一方で、質問の簡潔性は求められるけれども。また、質問の聞き方によっても回答分布が変わってくる可能性も示唆。
13.Consumer Insights Show Consumer Uncertainty on Health Reform(9/24)

・CMBのPulse Study結果から。Health Reformの影響について。
 
14.Consumer Spending This Holiday Season- Shop Early, Shop Often (9/24)

・10月5日に行われるCMBのwebinarの予告


14.The Forrester Blog



Forrester's European Technographics® Benchmark Surveyから。


annual State Of Consumers And Technology: Benchmark Data Overview report より。

年齢区分:Gen Y(18-30歳), Gen X(31-44), Younger Boomers(45-54), Older Boomers(55-65), and Seniors(66歳以上).



Mobile Technographics®から。



《国内編》



15.MARKETING RE-SEARCH BLOG

お休み

16.Marketing Research Watch

お休み

17.マーケティング・リサーチの寺子屋

お休み

18.tanoue40's Blog

お休み

19.アウラなブログ

お休み

20.マーケティング・リサーチャーの生態

お休み

21.いまんとこの最適解


18.聞き方の技術―リサーチのための調査票作成ガイド― (9/19)

聞き方の技術―リサーチのための調査票作成ガイド― の書評。

「『尺度を合成すると誤差が相殺される』という記載がありましたが、ここは理解できませんでした。私の理解では誤差は累積する・・・と思うのですが。。。」

⇒本屋で最初に見た時は、「調査表作成で1冊の本を書く大学の先生」という印象。またそれを出版する出版社もあるのかと(日本経済新聞出版社)。


19.課題解決! マーケティング・リサーチ入門 (9/20)

課題解決! マーケティング・リサーチ入門の書評。

「疑似体験をしながら、リサーチャーとしての幅を広げるのによい本だと思います。」

20.JMRAトピックスセミナー:サマリ (9/21)

・9月21日行われたJMRAセミナー紹介。

「2003年以降、米国・ヨーロッパではアクセスパネル市場が急成長。現在は衰退期にある。(Japanはまだ衰退期ではないだろう)」


21.JMRAセミナーの感想 (9/22)

・「これからのリサーチ」についても語られていました。ソーシャルメディアを用いたリサーチ、MROCSなど。Couper教授にもまだまだ未知数のようでした。(なので『一緒に考えていきましょう』という発言が多くみられました)ここは我々も試行錯誤しながら、検討していく必要があるということでしょうね。」

⇒欧米リサーチの実務世界の良い点の1つは、研究者より先に進んでいる点があること。

22.モバイル空間統計 (9/23)

基地局データから“これまでにない”人口統計データを――ドコモの「モバイル空間統計」


22.みんなのMR.COM

23.リサーチ・スキルって、何だろう? (9/21)


23.Digital Consumer Planner's Blog

24.ブランド・リスニング(傾聴)の事例の紹介 (1)  (9/24)


************************************

《このBlogは毎週月曜日中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日中です。また臨時に更新されることがあります》

2010年9月21日火曜日

リサーチ・スキルって、何だろう?



《第34回》



今週のTOPICS


◆リサーチ・スキルって、何だろう?

ある知人が、「我々のアドバンテージは、高いリサーチ・スキルを持っていることである」とよく言っています。またIT専門の友人も、リサーチ・スキルという言葉をよく使います。

リサーチャーではない人から見て、リサーチャーは、この「リサーチ・スキル」を持っていると思われているようです。
「スキル」を辞書で引くと、「〔経験や訓練によって得られる〕技能や腕前」と書かれています。


「技能」とは、「あることを行うための技術的な能力。腕前」。

スキルの一部として、企画段階では、標本理論や調査票の作成など、分析段階では、統計論や解析論、定性調査では、インタビューやプロジェクテイブ手法などがあげられるでしょう。リサーチャーはこれらの習得に非常に多くの時間を割いています。

リスクの低減や定量的実態把握のための調査において、正確な結果を得るには、これらのスキルの理解が必須です。誤差や偏りのない回答を得るための「質問文」の作成や、一般化できる結果を得るための代表性のあるサンプルの抽出が必要です。さらに、クロス集計や平均値の差の検定など統計解析の理解も要求されます。


これらの理解の重要性を示す例として、次の「認知率の相違」の例をご紹介したいと思います。

以前、リサーチにも詳しいと自負するマーケティング・ディレクター(その企業にはリサーチャーがいなかった)から、深刻そうにある相談を受けました。メインのサプライヤーであるA社と、営業に来たB社で行ったブランド認知率調査の数字が異なっているのでどうすればよいかというものでした。

報告書を見ると、調査対象地域と対象者の年齢条件が少し異なっていました。A社は1都3県、B社は関東、年齢も60歳以下までとそれ以上を含む点が異なっていました。

リサーチャーであれば、答えは簡単です。

対象の母集団が異なるので、当然結果(この場合、ブランドの認知率)も異なってきます。

従って、A社(年1回の定期的なU&A調査で認知率を測定)と異なる結果、それもA社の結果よりも、低い認知率を出した(マーケティング・ディレクターにとって、認知率は自身の業務の成績表でもあるので、これは大きな問題)B社の調査が間違っていたわけではありませんでした。B社の信用問題にもかかわる問題でした。

この調査を発注したディレクター側も、それを受注した調査会社側も、「調査条件」をちゃんと確認していない点が問題と言えます。もっともB社の調査は、自社独自の調査条件が固定の「オムニバス調査」でした。オムニバスが通常のU&Aよりも安いという理由と、直近の認知率を調べたいという理由でディレクターが発注したものでした。

結果的には、A社のU&Aが行われた半年前よりも、TVコマーシャルの効果で、認知率が上昇したかどうかの検証はできませんでした。数十万が調査予算がムダになりました。

これは「標本調査」を理解していないことから生じた基本的なミスの例です。

現在、ソーシャル・メディアを賑わしている新聞社の行うRDDの世論調査(内閣支持率)とネット調査結果との違いの議論なども、このあたりの理解の有無によって生じている部分があります。

10年ほど前ぐらいまでは、リサーチャーの要件としての「リサーチスキル」は、以上のような内容で十分でした。


しかし、マネジメント側からのビジネス活動における「調査」の役割のグレードアップ要求、すなわち、データ供給から、「インサイト」の提供へのニーズの高まったこの10年間に、「リサーチ・スキル」の中身が変化してきたように感じています。

有効なインサイトの発見には、リサーチャーのビジネスやマーケティングの理解のグレードアップが必要です。標本理論や統計論の理解だけでは、有効なインサイトの発見ができません。また、良い質問の作成によって、必ずしも役立つインサイトを探し当てることはできません。

これまでのリサーチ・スキルは、リサーチャーにとって「必要条件」ですが、「十分条件」ではなくなってきています。

さらに、マーケティングの理解だけでなく、ソーシャル・メディアによる消費者の意見の爆発によって、「定性データ」の重要性が高まっています。定性データから有効なインサイトを引き出す「リサーチ・スキル」の習得がますます重要になってくると思われます。

定性リサーチャーの方が従来から、グルインや面接、観察で行ってきたスキルです。言い換えますと、定量リサーチャーが定性リサーチからもっと学ぶ必要があります。定性リサーチャーの方も、デジタル・マケーティング時代に対応した「定性調査」や、ソーシャルメディアから学ぶ必要があります。

今後は、課題発見や課題解決、マーケティングのドライブとしてのインサイトの発見、それを施策につなげる消費者プランナーの養成には、定量、定性の区別なく、ハイブリッドな「リサーチ・スキル」が要求されてくると考えられます。

*私の『マーケティング・リサーチがよーくわかる本』の第1章もご参照下さい。




今週のHOSMR

Ray Poynter, ’The Handbook of Online and Social Media Research: Tools and Techniques for Market Researchers’の内容紹介メモ(著作権の侵害をしないように、独断と偏見によるポイントの要約)の第4回目です。

今回は、パートI 「第2章 ウエッブ・サーベイ・システム」の予定でしたけれども、

パートII 定性調査の「第6章 オンライン定性調査の概観」を先にご紹介します。

オンライン定量と定性の個別手法の説明に入る前に、両手法の概観を先にした方がよいとおもいますので。


パートII 定性調査


・オンライン定性調査と言えば、オンライン・フォーカス・グループスや掲示版(ブリティンボード)フォーカスを指していたけれども、2006年前後のソーシャル・メディアの台頭により、eエスノグラフィやテキスト分析、オンライン・リサーチ・コミュニティに拡大した。



・パートIIには以下の4つの章が含まれる。



第6章 オンライン定性調査概観

第7章 オンライン・フォーカス・グループス

第8章 掲示版グループスとパラレルIDI

第9章 その他のオンライン定性調査と、オンライン定性調査のまとめ



第6章 オンライン定性調査概観



6.1 定性調査と定量調査の定義



・リサーチの結果の違いが、データや方法によって生じ、リサーチを行うリサーチャーによるものではない場合が「定量調査」。

・それ以外で、分析が広く認められた研究理論や知識に基づいている場合は「定性調査」。



・定性調査には次のようなものが含まれる:

-フォーカス・グループス

-詳細面接(IDI)

-掲示版グループス

-セミオティクス(サインやシンボルの研究)

-観察定性調査(オフライン:買い物動向、オンライン:ブラウジング)

 *観察定量調査(スキャナーデータ、フットフォールのカウンティング、ウエッブ・サイト分析)

-エスノグラフィ(人々の生活観察/オフライン:ビデオ・エスノグラフィ、オンライン:ソーシャル・メディアやバーチャルの世界での人々の活動や、ウエッブカメラや携帯、PDAなどによって捉えられる人々の生活)

-ブログやバズ・マイニング

-オンライン・ディスカッション(オンライン・コミュニティ)



*ワード・カウントやタグ・クラウドは、限られた定量方法。



6.2 オンライン定性調査の成長と規模



・ESOMARのデータによると、オンライン定性調査は、定性調査の約4%



6.2.1 オンライン定性調査が発展しなかった理由



・過去15年間、オンライン定性調査がオンライン定量調査よりも成長が遅れた理由

①コストとスピードのメリットが定量ほど出せなかった

②グルインの非言語的、物理的なメリットがなくなることを懸念した定性リサーチャー達が積極的に推進してこなかった(オンライン定量調査は主要なリサーチャーやクライアントも推進)



6.3 オンライン定性手法入門



・次章からの具体的な手法の説明の前に、オンライン定性調査で使われる次のような

「用語」の確認



①オンライン・フォーカス・グループス(OLFGs):チャット・ソフトウエアの使用によるウエッブ・サイト上での議論

②掲示版グループス(BBGs或いはBBFGs):表面的考えだけでなく、より考慮された考えがコメントとして書き込まれる

③eメール・グループ(MEGsモデレイティッド):eメールによるグループ・ディスカッション。初期に人気があった

④バーチャル・ワールド:例「セカンドライフ」。現在は主流ではない

⑤パラレルIDI(インデプス・インタビュー):複数の詳細面接が同時進行。モデレータが複数の詳細面接を同時に行う。各参加者は他の参加者の意見を見ることはできない。

⑥定量サーベイの定性的解釈:オンライン定量調査での定性データの収集(オンラインによるイメージの解釈や、オンライン・カメラによるコメントの収集、サーベイ後のポータルの利用など)

⑦グループの遠隔地からの観察:ストリーム・ビデオの利用によるグルインの遠隔地からの観察



6.4 同時的、非同時的アプローチ



・シンクロナス・アプローチ(リアルタイム手法):リサーチャーと回答者がオンライン上に同時に存在



・アシンクロナス・アプローチ:同時に存在しなくてもよい。掲示板やeメール。日記も。

今後の主流。非同時性手法は、思いつきや表面的な回答(top of mind)から考慮した考え(considered responses: consideration, reflection, mturation)の分析を可能にする。



6.5 国際的プロジェクトと相違性



インターナショナル調査をオンライン定性手法で行うことはコスト、スピード面で魅力的。しかし「一般化」する上で、以下の点を留意する必要がある。



6.5.1 主要国と文化的相違



6.5.1.1 ヨーロッパとアメリカ



・ESOMARの調査によると、世界のMR(金額)の内の49%がヨーロッパ、30%が北米(AP14%)



6.5.1.2 参加者のリクルート



・オンライン・パネルからのリクルートついての賛否両論(USはパネルからのリクルートが多い)



6.5.1.3 オンラインとオフラインでの「正直さ」



・オンライン調査は「うそ」の回答が多いと思われるかもしれないが、逆に社会的に望ましい回答を考慮したりする必要がないので、より正直な本音の回答が得られるという調査結果がある。



6.5.1.4 グループのサイズ



・USの方がヨーロッパよりも1グループのグルインの参加者数が多い傾向。



・オンライン・グルインの参加者数は、オフラインよりも少なく、所要時間も1時間程度。



6.5.1.5 計画との一致性



・USのグルインの方がヨーロッパよりも、ディスカッション・ガイドに従って進行する傾向。

・オンラインでは、ガイドに従う傾向。



6.5.1.6 グループにおけるカウンティングと投票



・グルインで、多数決をとるのはUSの傾向。ヨーロッパでは行われない。

・オンライン・グルインでは投票は含まれる。





週刊リサーチ・ブロゴスフィア


Weekly Research Blogosphere


*1週間の世界中のリサーチ関連の主なブログ・テーマを簡便に
レビューすることができる「週刊リサーチ・ブロゴスフィア」です。
興味をもたれたブログの詳細は、リンク参照。
⇒は投稿に対する個人的コメントです。

◆先週(9月12日-9月18日)の1週間分の世界のリサーチ・ブロゴスフィア

今回は、24ブログの19投稿をレビュー


《海外編》


1.Jeffrey Henning 's Vovici


1.Industry Attitudes towards Social Media Research Practices (9/13)

ソーシャル・メディア・リサーチに対するリサーチャーへのアンケート結果。①対象者のプライバシーや、②コメントした人の特定、③コメント引用の許可、④コメント対象とのつながりの問題について。



2.Joel Rubinson on Marketing Research

お休み

3.Rearch Rockstar

お休み


4.Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research


2.More World’s Coolest Market Researcher (9/16)

・NGMR memes 応募作品


5.The Future Place Blog

3.TARSK 13 The Adoption Curve (9/12)

・TARSKの13回目。Adoptionカーブについて。

4.Social Media and Ethics (9/16)

ソーシャル・メディア・リサーチにおける倫理問題について。

6.Blackbeard Blog

お休み

7.Random Sampling

お休み

8.Straight Talk with Nigel Hollis

5.Are the trends toward localization still apparent? (9/13)

ローカリゼーションとグローバリゼーションの動向と、ブランドのとるべき方向について。

9.LoveStats


6.Geico chucks wood (9/12)

・早口言葉とコマーシャル

10.The Survey Geek 

7.Privacy continues be a major issue for our industry (9/15)

・ESOMAR会議の報告第1弾。プライバシー問題について。


11.Insites Blog


8.How to talk the talk of your customer? (9/14)

・オンライン・リサーチ・コミュニティで、参加者と話す場合には、専門用語ではなく、消費者の使う言葉で話すべき。

9.MOAbout – The Great Debate (9/15)

MOA (the Dutch Market Research Association)のMR業界の将来についての議論。

10.InSites awarded as most innovative company in Belgium (9/15)

InSite Consulting社が、マーケティング・コミュニケーション・メデイァ部門で、ベルギーの中で最もイノベイティブな会社に選ばれたことの報告。

11.New Dutch office is now officially open! (9/16)

InSites Consulting社のオランダ新オフィス・オープンのイベント報告。


12.The Researcher's Perspective

12.I'd Like an Order of Research Please (9/15)

ソーシャル・メディア・リサーチにおける「目的」設定の重要性。


13.Future of Insight


お休み


14.Voices of CMB

13.Tax Free Holiday Savings Moved Consumers off the Beach and into the Stores (9/15)

CMBが10月5日に行う無料のウエビナー「Engaging Consumers and Growing Market Share in the “New Normal”」の案内。


15.The Forrester Blog

14.Got Time For A Coffee? Come And Meet the Market Research Team In Person (9/17)

・今後のForresterが実施する会議の紹介と、そこでのコンタクトのリクエスト。



《国内編》



16.MARKETING RE-SEARCH BLOG

お休み

17.Marketing Research Watch

お休み

18.マーケティング・リサーチの寺子屋

お休み

19.tanoue40's Blog

お休み

20.アウラなブログ

お休み

21.マーケティング・リサーチャーの生態

お休み

22.いまんとこの最適解

15.「これも自分と認めざるをえない展」と属性 (9/13)

16.データ解析、基本の「き」は何か?(9/15)

・「さらに、「仮説を作り、それを検証するデータフォーマットを具体的に記述すること。私の中ではこれが最も重要なように思います。」

・「こういったデータフォーマットの記述とそのデータの分析プランを事前に作ること。
慣れてくると当然なのですが、これが私が最もデータ解析の基本と思うことです。」

17.ロジカルに考えることと問題解決 (9/17)

・「こういう気づきが得られるのが研修の醍醐味、なんですね。」

⇒ロジカルシンキングの研修さすがI社ですね。私も前職で「ロジカルシンキング」の研修を受けました。テキストは『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』バーバラ ミント (著),  山崎 康司 (翻訳)。講師は翻訳者のコンサルタントの山崎氏でした。欧米では論理的思考は大学までにきっちり教えられる非常に基本的なことですが、わざわざビジネスの世界で研修を実施しなければいけない日本の状況に疑問を感じています。私の本でも144頁に「ロジカルライティング」として紹介しました。

23.みんなのMR.COM

18.リサーチのROIを常に意識しよう! (9/13)

24.Digital Consumer Planner's Blog

19.The ARF Listening Playbook 書評の紹介 (9/16)


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《このBlogは毎週月曜日中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日中です。また臨時に更新されることがあります》

2010年9月13日月曜日

リサーチのROIを常に意識しよう!



《第33回》



今週のTOPICS


◆リサーチのROIを常に意識しよう!


・先週、業界の違う知人と話をしていた時、「どのようにしてお金を儲けるのですか」と聞かれました。その知人は、こちらが市場調査の業界と聞いて、「何かを調査をして、結果がでればそれに応じて報酬として受け取るのですか。例えば、どれだけ売れたから売り上げの何%をもらえるとか」と尋ねてきました。

・それに対して、「多くの調査の場合、調査の案件(プロジェクト)を受注して、調査を企画して、データを集めて集計・分析を行い、報告書を納品してお金をいただく」と答えました。すると、相手は「随分良い業界ですね」と言っていました。

・確かに言われて見ればそうかもしれません。調査の結果がクライアントのビジネス結果(売上)に貢献するかどうかは直接的には問われません。売れなかったので、クライアントから調査費用を返せとは言ってきません。極端に言えば、「やり逃げ。やりっぱなし」です。

・売上が悪かったから、「調査のどこがわるかった」などの後日の検討などはほとんどありません。ただ、クライアント側の各プロジェクトごとの「顧客満足度調査」(フィードバック)を気にするか、次の発注があるかどうかを気にします。

・パッケージ・デザインを変えて売上が下がった場合、確かに調査結果(現行パッケージよりも新パッケージの評価が高かった)から、新しいパッケージ案への変更を推奨したのは調査部ではあるけれでも、新しいパッケージ案への変更を企画し、新しいパッケージをデザインし、テストを依頼したのはマーケティング部である。マーティング部も調査部が悪いとは言えません。(両パッケージの差があまりない時は、調査の方は、売上アップのためのパッケージ・リニューアルといったマーケティングの熱意・意向を汲んで、そちらに強く反対できない場合もあります)

・まあだからこそ、不況下のマーケティング予算の中で、真っ先に削減されるのは「販促」ではなく、「調査」予算と言われるゆえんでもあります(現実には最も金額の大きい「広告」予算が削減の対象になりますが)。

・確かに、調査の結果のビジネスへの貢献度を数字で表すのは少々難しいです。新製品のアイディア出しのような調査は、そこからヒット商品がでれば大きな貢献ではあるが、調査の多くを占める製品テストやブランド・トラッキングなどなどの「リスク低減型」と「実態把握型」の調査では難しいです。

・失敗の「リスク低減」といっても現実、何%リスクを下げたかを算出しているメーカーのリサーチャーはいないのではないでしょうか。

・メーカーのリサーチャーの期末の人事評価について同様なことが言えます。年間これだけの調査を行い、マーティングに対して、これだけの有効なインサイトの提供、施策の提案を行ったなどと若干あいまいな評価項目になります。評価者がマーケティング・ディレクターである場合は、信頼関係を築くことが重要で、あまり反対ばかりもしてられません。

・調査会社のリサーチャーの場合、「受注金額」の多少によって、数字で評価できる部分もあります。とはいっても、ご存知のように多くの場合は、新規獲得ではなく、既存クライアントの対応で、プロジェクトを期限までに「処理」をする点に重点が置かれます。

・デザイン会社であれば、良いパッケージ・デザイン、よく売れるパッケージ・デザイン、販促会社であれば、有効な販促施策の企画書、広告会社であれば、有効な広告の企画書、いずれも具体的なデザインや施策案、広告案がクライアントに提示・評価され、受注に至ります。しかし、調査の場合、おもしろいことにコンペでは「調査結果」を競いません。競うのは「調査の企画案」です。結果ではありません。この時点では結果はわかりません。課題解決にとって、最もよさそうな調査方法が選ばれます。このあたりも同じマーケティング業界の中でも調査が異なる点です。

「投資」としてのリサーチを考える場合、リサーチのROI(投資収益率)ー売り上げ(正確に言えば「利益」)にどれだけ貢献するかーを常に念頭に起いて、企画、報告をすべきです。


・売上高に占める「調査予算」の比率を見るだけでなく、その中身の吟味ーその有効性を検討する必要があります。そのためには、製品開発であれ、販促開発であれ、マーケティングの有効なドライバーである「インサイト」の発見こそが、リサーチのキーだと言えます。

逆に言えば、リサーチのROIを意識すると、有効なインサイトの発見を意識することになります。



今週のHOSMR

Ray Poynter, ’The Handbook of Online and Social Media Research: Tools and Techniques for Market Researchers’の内容紹介メモ(著作権の侵害をしないように、独断と偏見によるポイントの要約)の第3回目です。

今回は、パート1 「第1章 オンライン定量調査の概観」です。


第1章 オンライン定量調査の概観




・ESOMARのGlobal Market Researchレポートによると、2008年におけるオンライン定量調査は全世界の調査の売上げの約20%で65億ドル(電話が18%、面接12%、定性14%)。



・オンラインでの定量調査は、解決する課題や尋ねる質問、分析において、他の定量調査とは基本的には変わらない。



1.オンライン・サーベイ・プロセス



・図1 オンライン・サーベイ・プロセス

①質問文の作成とクライアントの承認

②オンライン調査票の作成

③調査票のサーバーへの移動

④テストと承認

⑤対象者の招集

⑥データ収集と管理

⑦終了、データのダウンロード



・オンライン調査は、⑥のプロセスでの時間節約が特徴。

・自記式なので、郵送調査と同様、調査票のレイアウトやワーディング、体裁がデータ収集に影響を与えるので重要。



2.サーベイとインターネット様式



2.1 ウエッブ・サーベイ



・ウエッブ・サーベイの多くは、Confirmitや、Nebu、Voxcoといった企業のオンライン・サーベイ・ソフトウエアによって運営される。



2.2 Eメール・サーベイ



・オンラインーリサーチの初期によく使われたEメールを利用したサーベイ。



(1)Eメールの中でサーベイ



テキストEメールとHTML Eメールに分かれる。



(2)添付ファイルでのサーベイ



2.3 ダウンロード可能なサーベイ



・スマートフォンのようなモバイルで行われる。



3.インタビューする対象者の発見



・インターネット使用者のディレクトリーが存在しない。



・対象者との接触方法

①オンライン・アクセス・パネル

②クアイアントのデータベース

③マーケティングのデータベース

④クライアントのパネル

⑤ウエッブ・サイトの訪問者

⑥リバー・サンプリング



3.1 オンライン・アクセス・パネル



・アクセス・パネルや、オンライン・パネル、パネルとも呼ばれる。



3.2 クアイアントのデータベース






3.3 マーケティングのデータベース



・マーケティングの目的のため



3.4 クライアントのパネル






3.5 ウエッブ・サイトの訪問者



・ポップアップの利用あるいは募集の掲示



3.6 リバー・サンプリング (River sampling)



・リアルタイム・サンプリングとも呼ばれる。



・「ランダム・サンプリングに近似」と主張。

・ポイントは、代表性よりも「フレッシュ」性にある。

―「アクセス・パネルの対象者は年間100ぐらいの調査に答えている」と批判

―ARFの品質調査では、対象者が回答する回数はデータの質に影響しない



・リバー・サンプリングの方法

①バナー広告

②ポップアップ

③すきま広告(インタースティシャル広告interstitial advertising)

オーバーレイズ

⑤ソーシャルネットワーク内でのインターラクション・デバイス



・USのDMSリサーチが推進。

・多くのサイトをカバーする時は有効な方法。



3.7 サンプリングのその他のソース



①電話リクルート

②SMSリクルート

③ビルボードなどの屋外広告

④新聞や雑誌の広告

⑤郵送

⑥製品やレシートへのURLの掲示

⑦サイバーカフェやキオスクなどでの掲示



4.オンライン調査への移行



・従来の面接や電話、郵送調査をオンラインの変更する場合(データ収集方法の変更において生じる)の問題点

―ブランドや広告、顧客満足などのトラッキング調査:現象の変化を追跡する上で問題(真の変化なのか、データ収集方法の違いによる変化なのか)

―コンセプト・テストや広告コピーテスト、世論調査などにおいて、結果の解釈の上でノルム値を利用している場合:ウエイトづけの場合のウエイト値の変更の必要性



・オンラインへの移行上の留意点

①オンラインでも正しい対象者(サンプル)に調査を行うことが可能か

②オンラインのサンプル集団は、調査目的に照らして、十分に大きいかどうか

③オンラインのサンプルは既存のサンプルと異なっているかどうか

④既存の質問のすべてをオンラインでも聞くことができるかどうか

⑤既存の質問をオンラインで聞いた場合、異なった回答を得る可能性があるかどうか

⑥オンライン調査が、既存の調査との違いを最小にし、かつ最大の改善をもたらすかどうか

⑦オンライン調査をパイロット調査として行うか、あるいは既存の調査と並行して実施する

⑧結果の相違をモデル化することができるかどうか



・データ収集方法変更で生じる「違い」の原因

①オンラインと既存の方法で、母集団が異なるpopulation effects

②オンラインに集まる人とオフラインに集まる人が異なるsample effects

③回答の仕方が異なるmethod effects



4.1 オンラインでも正しい対象者(サンプル)に調査を行うことが可能か



・オンライン調査が不適切な例:①インターネット使用率、②飛行機の予約の方法



4.2 オンラインのサンプル集団は、調査目的に照らして、十分に大きいかどうか



・例えば、週間ブランド・トラッキング調査では大きなサンプルサイズが必要



4.3 オンラインのサンプルは既存のサンプルと異なっているかどうか



・デモグラフィック属性が同じでも、態度や信条、経験が異なる場合がある。



4.4 既存の質問のすべてをオンラインでも聞くことができるかどうか



・自記式回答の限界(例:使用・購入ブランドの非助成・助成想起質問)



4.5 既存の質問をオンラインで聞いた場合、異なった回答を得る可能性があるかどうか

・自記式の方が対象者はより正直に回答する(調査員がいると社会的に望ましい回答をする傾向)

・この問題は考慮検討(両者の回答の比較)する必要がある。



4.6 オンライン調査が、既存の調査との違いを最小にし、かつ最大の改善をもたらすかどうか



・オンライン調査への移行の利点

①電話調査よりも良い刺激物(提示物)を使える

②面接よりも、ランダム性や複雑なことが可能

③調査員がいないことによる回答の正直さがアップ

④移行を機会に従来の調査を抜本的に見直す(調査方法の変更による結果の断続性を受け入れ、重複質問や有効でない質問を削除したり、新たな質問を付加する)



4.7 オンライン調査をパイロット調査として行うか、あるいは既存の調査と並行して実施する



・実施費用の問題



4.8 結果の相違をモデル化することができるかどうか



・既存のデータを使ってモデル化を行う



4.9 移行によるパラダイムの変化や、結果の信頼性の問題、結果の変化のマネジメントへの示唆



・無作為確立標本抽出のパラダイムの変化

・割り当て法によって母集団のクロスセクショナルへの調査が可能という前提

・妥当性(母集団を代表しているかどうか)と信頼性(サンプル集団に同じを質問をした場合同じ回答が得られるかどうか)を考察する必要がある



 



週刊リサーチ・ブロゴスフィア

Weekly Research Blogosphere


*1週間の世界中のリサーチ関連の主なブログ・テーマを簡便に

レビューすることができる「週刊リサーチ・ブロゴスフィア」です。

興味をもたれたブログの詳細は、リンク参照。

⇒は投稿に対する個人的コメントです。


◆先週(9月5日-9月11日)の1週間分の世界のリサーチ・ブロゴスフィア

今回は、24ブログの24投稿をレビュー




《海外編》


1.Jeffrey Henning 's Vovici


1.Employee Satisfaction Overview (9/6)

・「従業員エンゲージメント」(従業員の合理、情緒、行動の状態)は、「従業員満足」よりも広い概念で現在ではより一般的。

・良い従業員満足調査は、単に満足度を調べるだけでなく、売上アップや顧客ロイヤルティ、従業員の定着のキードライバーは何かを探っている。
・従業員満足は、売上や利益、株価と関連している。

・転職意向は、従業員定着の予測指標。



2.Joel Rubinson on Marketing Research

2.Supermarket shopping in the real world (9/9)

・先週の投稿で、ブランド認知が購買につながっていないことを指摘した筆者が実際のスーパーでの買い物で検証。

・全く知らなかった商品を店頭で見つけて買ったり、価格が安かったから買うケースがある。

・ブランド・ロイヤルティのゆえに買った商品は非常に少なかった。

・ブランド名を言えないブランドも多い。

・購買は、ブランドの意味(受容性ニーズの充足)や、店頭での活性化(activation:製品タイプや、ディスプレー、製品特徴、セール)、店頭での探索の複合で行われる。

・ブランドは購買意思決定を簡素化してくれる役割。



3.Research Rockstar


3.Market Research Online Communities: 3 Key Questions (9/7)

・顧客アドバイザー委員会の提案


4.Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research


4.Best Conference I’ve Never Spoken At! (9/10)

・the Mexican Association of Research and Public Opinion Agencies (AMAI)での筆者の講演中止に関連して。

5.The Future Place Blog


5.A Festival of NewMR (9/10)

・12月6日ー10日開かれう予定のオンライン・バーチャル会議Festival of NewMRの紹介。

6.Can market research dominate business intelligence? (9/9)

・ネットワーク分析の拡大の可能性。

・現在の世界のMR市場規模300億ドル。に対して、IBM(SPSS)のネットワーク分析ソフトの2015年の市場予測は150億ドル。
7.If we broaden the boundaries of Market Research, does it cease to exist?(9/7)

・20年後サーベイ消滅説を唱えたレイ・ポインター氏が今度は、マーケティング・リサーチの領域が広がれば、MR業界の境界がなくなると主張。

8.Reflexivity – TARSK 12 (Things All Researchers Should Know) (9/5)

・リサーチャーが知っておくべき項目の12回目。Reflexivity(再帰性)について。

・定性リサーチャー特にエスノグラフィの分野でよく使われる。

・リサーチャーとリサーチャーが調査対象としているものとの間の原因ー結果の循環関係を意味する。

・我々が行うマーケティング・リサーチは、我々自身や我々のの経験や感情、期待によって行われる。

・定量のリサーチャーは、極力その「主観性」を排除し、「客観性」を維持しようとするけれども、リサーチャーの主観が解釈の一部を形成している。

・客観性には限界があることを認識し、主観性の積極的活用がソーシャルメディアの時代には必要である。


6.Blackbeard Blog

9.Two Blog Posts (9/10)

占星術とMR

7.Random Sampling

お休み

8.Straight Talk with Nigel Hollis


10.Curing an unhealthy fascination with viral video (9/7)

バイラル・ビデオ(クチコミで広がった動画)をめぐって。


9.LoveStats

お休み

10.The Survey Geek 

11.More signs of the Apolcalypse (9/7)

・リサーチャーへの脅威: オンライン調査の出現、DIYの拡大(とくに不況下におけるクライアントの予算カット)さらには、リサーチャーの力量の低下

12.Balancing risk and reward in survey incentives(9/8)

・オンライン調査の謝礼として、「宝くじ」を使うことの問題。

・謝礼なしよりはましであるけれども、全員謝礼よりは効果は低い。


11.Insites Blog

お休み

12.The Researcher's Perspective


13.LinkedIn is Dead, Long Live LinkedIn…. (9/7)

LinkedInを利用しての定性調査の対象者のリクルートについて。

14.Research Questions Without Answers (9/9)

電話調査における対象者の回答についてのインタビュアーの記録ミスの確率について。

13.Future of Insight

お休み

14.Voices of CMB

15.Measuring Marketing Effectiveness By Understanding Your Customer Engagement Spectrum (9/7)

・顧客エンゲージメント・スペクトラム
①認知、②ポジティブ・イメージ、③購入意向、④購入、⑤購入満足・再購入、⑥他の人への推奨

16.Customer Experience Makes Domino's 4th Largest e-tailer (9/8)

Domino’s new Pizza Trackerがオンライン注文の利益を23%増加させた:顧客経験の改善の重要性

15.The Forrester Blog


17.The Data Digest: Consumers Show Interest In Tablet PCs (9/10)

iPadのヒットの影響で、Tablet PCの今後1年間での購入意向が増加。

《国内編》


今回からまた1つ日本のリサーチ関連ブログがデビュー。

mshino55 データ解析屋さんのブログ

『いまんとこの最適解』です。

NG(次世代)リサーチャーとして、新鮮な視点のブログを期待します。


16.MARKETING RE-SEARCH BLOG

お休み

17.Marketing Research Watch

お休み

18.マーケティング・リサーチの寺子屋

お休み

19.tanoue40's Blog

お休み

20.アウラなブログ

18.グループインタビュー3.0はネクサスインタビューhttp://www.blogger.com/post-edit.g?blogID=198687575410747480&postID=663401452747929321(9/9)

「グループインタビュー3.0は対象者数人とモデレーターの『協働』によって、ネクサス(きづな)を作っていく。」

⇒さらに進めると、対象者同志、クライアントと対象者の『協働』が進展し、エンゲージメントが強化される。まさにソーシャル・メディア的に、グルインは、コミュニィ化へ。

21.マーケティング・リサーチャーの生態

お休み

22.いまんとこの最適解


19.統計とデータマイニング (9/3)

「共通して重要なのは分析者の仮説設定能力、検証構成能力でしょう。」

⇒調査は「仮説力」が命。

20.「KISSの原則」の妄信 (9/7)

「やはりビジネスで顧客がいる状況においては「単純である」ことが優先されることが多いと思います。。。。しかし、私に限って言えば、ここ数年やや妄信的に「単純化」を選択しすぎたように思います。やはり、何事もバランスが重要。少し、計量的アプローチで本来とるべきスタンスを見つめなおさなければいけない時期に来ているのかな、と思います。」

⇒「単純化」とか「わかりやすさ」と、「低レベル化」とは異なる。低レベルでの競争は個人や組織の発展を阻害する。下に合わせるのではなく上に会わせたいもの。大は小を兼ねる!大学院で専門の訓練を受けた若いリサーチャーの活躍に期待します。またそのような人材をさらに成長させ、活躍させる組織(会社)で会ったもらいたいもの。

21.Designing Effective Web Surveysを見て思うこと (9/9)

「一番違うのは知見がPaperで刊行されているか否かでしょう。・・・とはいえ、調査リテラシーが必ずしも高いと言えない日本においては着実な検証の実施と公開こそが重要なように思います。」

⇒日本のビジネス界にも「科学サイエンス」が根付くことを切望します。


22.報告書のデジタル化 (9/10)

「次世代リサーチも興味深いけど、次世代レポーティングも価値ありそうですね。」

⇒もう一歩進めると、そのレポーティングの共有・データベース化、ソフトの標準化・共有化も望まれます。

23.みんなのMR.COM


23.The Handbook of Online and Social Media Researchの紹介始めました(9/6)

24.Digital Consumer Planner's Blog

24.プライベイト・ブランド・コミュニティ  (9/9)


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《このBlogは毎週月曜日中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日中です。また臨時に更新されることがあります》

2010年9月6日月曜日

The Handbook of Online and Social Media Researchの紹介始めました




《第32回》



今週のHOSMR



Ray Poynter, ’The Handbook of Online and Social Media Research: Tools and Techniques for Market Researchers’の内容紹介です。

今回は、「イントロダクション」(xi-xix)です。


1.この本を買うべきか?

1-1.対象読者

リサーチャーや、オンラインやソーシャルメディア(SM)リサーチの専門家、MRの利用者(バイヤー)

1-2.本書が必要な理由

オンラインMRの事例や、MRにおけるSMの活用についての本がないので。

インターネットやSMの利用のベストプラクティスのガイダンスをリサーチャーに提供。

1-3.本書の構成

5パートからなる。(前回ブログの「目次」参照)

2.MRとインターネット

2-1.進化と革命

進化:定量調査のデータ収集がオンラインに変わったという調査手法の変化

革命:①無作為確立サンプリング法から、オンラインアクセスパネルの利用へ
    ②SMやWeb2.0によるMRの変化

リサーチャーは、この進化と革命の新たなツールとルールを理解する必要がある。本書はそのための本。

2ー2.オンラインMRへの背景

1995年ごろからインターネットがデータ収集の手段として使用され始め、1999年以降その成長が加速し、過去3年ぐらい優位な地位を築く。


当初は、調査手法の1手法として位置づけられ、MRへの重要な意義は認められなかった。しかし、サンプリング理論のような調査の前提に挑戦したり、ブログやオンライン・リサーチ・コミュニティなどの新たな可能性を開く点において、MRを変える動きが出てきた。

2-3.オンライン・リサーチの規模

ESOMARのグローバルMRレポートによると、オンラインの売り上げシェアは、2005年の13%から2008年には20%に増加。(電話21%→18%、面接24%→12%、郵送6%→5%)。予想では今後も伸長。

2-4.インターネットがMRで急速に広がった理由

インターネットは、現在では最も重要なデータ収集の方法。急速に広がった理由は、出現率の低い人への調査や、都合のよい時に回答できる利便性以外にも、スピードがある。最も大きな理由は、コストセービング。電話が面接より約40%安く、インターネットは電話よりさらに40%安い結果(ESOMARのグローバル・プライス調査2007年)。

2-5.アクセス・パネルの登場

オンライン・アクセス・パネル(オンライン・パネル→パネルと略して呼称)の登場が普及を決定づけた。

USには郵送パネルが存在。これがUSのインターネット調査の普及を促進。ヨーロッパのクライアントの保守性がその普及を遅らせた。

早くて、安くて、ベターなものという3つの要求を同時に実現することは難しい。可能なのは、このうち、せいぜい2つ。アクセスパネルによって、早くて、安いの2つを実現。

2-6.オンラインMRにおける関心事

課題/問題点

①代表性

②サンプリング:抽出リストが存在しない

③自記式記入

④技術的限界:触感、嗅覚、実サイズ、刺激の量など

⑤非言語的内容:ジェスチャーや表情など

⑥プライバシー問題:セキュリティー問題

⑦自主的参加(自己選択)

⑧プロ的参加者の問題:インセンティグ狙い

3.本書の利用(直接内容の説明ではないので以下省略)

3-1.アイコンの説明

3-2.本書での説明の繰り返し

3-3.品質と倫理問題

3-4.事例とインタビュー

3-5.変化のスピード

3-6.参照

3-7.用語解説

 
次回は、パート1 「第1章 オンライン定量調査の概観」です。



週刊リサーチ・ブロゴスフィア


Weekly Research Blogosphere


*1週間の世界中のリサーチ関連の主なブログ・テーマを簡便に
レビューすることができる「週刊リサーチ・ブロゴスフィア」です。
興味をもたれたブログの詳細は、リンク参照。
⇒は投稿に対する個人的コメントです。


◆先週(8月29日-9月4日)の1週間分の世界のリサーチ・ブロゴスフィア

今回は、23ブログの20投稿をレビュー


★今週のお奨めブログは、2番目の「デジタルやショッパーマーケティングの時代に、従来からのブランド認知は、リサーチにとって、有用な指標なのか」という既存のMRの方法に問題提起しているJoel Rubinson氏のブログです。

前回のブログでも指摘しましたけれども、既存の手法の有効性や効率性に、疑問の視点をもつ創造性が、現在のMRに求められていると思います。リサーチのROIを改善するためには必要です。それが、マーケティング、さらには企業の生産性を上げることにつながるからです。


《海外編》


1.Jeffrey Henning 's Vovici


さすがのJeffreyさんも夏休みのようです。めずらしく1投稿のみ。

1.Social Media, Is It Too Distra . . . SQUIRREL! (8/31)

ソーシャル・メディア活用の是非についての議論。

2.Joel Rubinson on Marketing Research


2.Is brand awareness a useful research measure in an era of digital and shopper marketing? (9/1)

「ブランド認知」指標(Aided awareness助成想起)の有効性と問うブログ。

ブランド認知とブランドシェアの間には関係性はない。

リサーチがビジネスに影響をあたえるものであるならば、ビジネスが知る必要があるものを測定すべき。

ブランド認知が必ずしも「購買」の前提ではない。特にブランド力が低下しているときは、意味がない指標。

ブランドを知っていても、店頭で見つけられ、そのブランドの特徴が理解されなければ購買につながらない。そのためコミュニケーションが重要。

⇒Chief Research Officer at The Advertising Research Foundationを8月31日に辞め、 現在President at Rubinson Partners, Inc.であるJoel Rubinson氏の既存のリサーチに疑問を呈する創造的問題提起です。

確かにU and Aでブランドトラッキングを行った場合、高い認知率のブランドがトップシェアというわけではありません。しかし、一方、STM販売予測モデルにおいて、認知率は、販売量を予測する上で最も重要な指標です。つまり、「人々はそのブランドを知らなければ、買うことができない」からです。ゆえに、認知率は、配荷率とともに、マーケターが最も気にかけ、認知率アップのために、多くの広告予算を投入する指標です。

ある一定のレベルを超えた場合、認知率は購買の必要条件ですが、十分条件ではなくなり、その他の要因ーブランド価値、店頭要因などーが重要になると考えられます。


3.Research Rockstar


お休み


4.Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research


3.DIY Market Research is Often Creepy (8/30)

DIY調査批判。

4.Worlds Coolest Market Researcher (9/1)

NGMR Meme応募作品

5.Next Gen Market Research Job Networking (9/3)

The Next Gen Market Research group (NGMR) on LinkedIn(9,000人の加入)のメンバーである
Ben FowlerがVimeoを使って、自分の売り込みをしているビデオの紹介。

6.World’s Coolest Market Researcher - Part Deu (9/3)

NGMR Meme応募作品

5.The Future Place Blog


7.You’re never alone with a Strand – TARSK 11 (Things every researcher should know)(8/30)

リサーチャーが知っておくべき知識紹介の11回目:

UK tobacco company Wills の1959年のthe Strand cigarette導入時の広告の失敗例

目立って記憶に残ったテレビコマーシャル(レインコートを着た男性がたばこをくわえながら、物思いにふけりながらロンドンの雨でぬれた路上を歩くCM)だったけれども、人物のイメージ(「たばこ」しか友達がいないような寂しい感じ)が良くなかった。すぐにたばこは市場から消えてしまった。

8.NewMR 2010 – the plan moves forward (8/31)

online virtual conferenceの開催、12月8日の提案。参加を有料にする提案。


6.Blackbeard Blog

お休み

7.Random Sampling

お休み

8.Straight Talk with Nigel Hollis

9.Today’s consumer: mindful or conflicted?(9/2)

物を買うことによって幸せは得られないとする、物を買わなくなった「mindful consumer注意深い消費者」の登場というアメリカの新消費者論に対する反論。

単に経済状況が影響しているからではないかと。

9.LoveStats

10.Venn Diagram of Deep Fried, On a Stick, Sweets I Ate (8/30)

べん図について。

10.The Survey Geek 

お休み

11.Insites Blog

11.Dutch office expands and moves to new base (8/30)

InSites Consulting 社のオランダ・ロッテルダムオフィスの移転について。

12.MM Marcom Innovation Ranking (8/31)

Media Marketing (Belgian Marketing and Communication magazine) で、InSites Consulting 社がベルギーで最もイノベイティブな会社のトップ10に選ばれたというお話。

12.The Researcher's Perspective

お休み

13.Future of Insight

お休み

14.Voices of CMB

13.Four Keys to a Successful Customer Engagement Strategy for the Insurance Industry (9/2)

保険業界における顧客エンゲージメント戦略の4つの成功ポイント

①顧客エンゲージメントの概念を明確にし、ビジネス結果と結び付ける:具体的計画と目標の設定、
②他の業界の成功例をそのまま適用するのではなく、そこから学ぶ、
③事実に基づいた消費者インサイトをえるツールとしてリサーチを活用する、
④推奨といったような前向きな正しい指標を用いる。


15.The Forrester Blog

14.Insert Market Research Here... (8/31)

Summer’s Eve ad の失敗例をあげて、調査の必要性を強調。

なぜ広告を出す前に広告コピーテストをしなかったのだろう。

していればこのような失敗はしなかったはず。

あるいは調査をしたけれども、どこに問題があったのか?


15.The Data Digest: Brands Cannot Ignore Offline Conversations (9/3)

不満足な顧客サービスに対する文句を言う相手が、47%の人が家族や友人でトップ。

ゆえにオフラインの会話のリスニングの重要。


《国内編》



16.MARKETING RE-SEARCH BLOG

お休み


17.Marketing Research Watch

16.消費者が死を想うとき ~恐怖管理理論からみたブランド選好~(9/2)

久々の登場。今後に大きな期待。。。

「死に関連するメディア文脈が自国・外国ブランドへの消費者の選好に与える影響」について。

18.マーケティング・リサーチの寺子屋

17.メモ的に新しい動きをいくつか (9/2)

・博報堂、専門チーム「ETHNOVISION」発足
・インテージ、CSコンサルティングサービス提供
・国土交通省、道路交通データ収集を抜本改善
・ネットレイティングによる「日本のオンラインメディアの現状」
・慶應大学による2つの実験


19.tanoue40's Blog

お休み


20.アウラなブログ

18.ネクサスインタビュー(8/31)

「つながりが消費(者)行動にどんな影響をおよぼすかという分析視点が重要」

⇒まさにソーシャル・メディア・マーケティングの課題。

21.マーケティング・リサーチャーの生態

お休み

22.みんなのMR.COM


19.次世代リサーチャーの方には、創造力の発揮と、英語による情報や意見の発信を期待します(8/30)


23.Digital Consumer Planner's Blog


20.バズ・エージェンシーとクチコミ促進プログラム (9/2)


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#150 レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告

<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...