2010年4月26日月曜日

海外MR情報源その3: Facebook

◆ 昨日から3日間の日程で、ESOMAR Asia Pacific 2010 Eyes On Asiaが、

クアラルンプールで開かれています。Twitterのハッシュタグは、#esoaです。プログラム

◆ 先週は、海外MR情報源として、LinkedInをご紹介しました。

LinkedInがくれば、もう1つの大きなSNSであるFacebook

ご紹介しないわけには行きません。

しかし、他の国々と比べて、日本ではまだポピュラーではありません。

先週のTwitterで@surveymlさんがFacebookの参考資料をTweetされていました。

@surveyml アジアにおけるフェイスブックの利用者数データ http://ow.ly/1CzHT
 によればインドネシア2100万、フィリピン1170万に対して日本は97万、日本在住の外国人も含まれていることを考えると日本人はほんとに少ないのだろう。
約14時間前 HootSuiteから



LinkedInがビジネス利用が主ですので、専門的な情報収集には非常に役立ちます。

一方Facebookは一般向けですので、ファンページを使ったマーケティングや調査活用には

非常に有用ですが、MR情報収集の目的ではLinkedInよりは限定的な感じです。



しかし、企業(団体・個人)によっては、積極的にFacebookの「掲示板」や「イベント」に、

情報を掲載しているところがあります。

例えば、

● Tom H. C. Anderson

● International Journal of Market Research (IJMR)

● Marketing Research Association



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     週刊リサーチ・ブロゴスフィア 


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《海外編》

◆先週(4月19日ー25日)のリサーチ・ブロゴスフィアから

※ 私個人の独断と偏見で各ブログの講読おすすめ度を記入しましたのでご参照下さい。


  それぞれ関心のテーマや理解度などが異なりますのであくまでも参考です。


★★★ぜひ英文もじっくり読んで下さい。(非常に重要)


★★  時間があれば読まれても良いかと思います。(重要)  


★   別に読まなくても大丈夫でしょう。(あまり重要ではない)    


◆Jeffrey Henning 's Vovici   

Panel Recruitment Lessons from Panel Professionals(4/19)★★


⇒30のオンライン・パネルの提供会社のパネル(対象者)の

リクルート方法(WEBサイトやバナー広告、キャンペーンなど)について。

・以前の関連ブログ: Lessons from Professional Panel Providers

詳細な資料に入手先 

Panel Management Secrets: Lessons from the Professionals


Speak Marketing Research with a Management Accent(4/20)★★★


⇒4月19-21日の3日間フィラデルフィアで開かれた

アメリカ・マーケティング協会のAMA's 2010 Applied Research Methods conference

で行われた研修の中の

Richard Chay, of Chay McQueen LLC, discussed "Presenting Results: How to Speak Marketing Research with a Management Accent"の紹介。

プログラム これだけの内容を135ドルで聞けるのは、すばらしいと思います。

Jeffrey自身、Online Research Evolution: Panel Management and Community Research

のテーマで講義を行っています。


リサーチャーには、すぐれた「コミュニケーション」能力が必要であると言っています。

特に、C-level management (CEOs, CMOs, CIOs, CFOs, etc.)に対して

調査結果のプレゼンを行う場合、彼らの特性-財務諸表に関心があるーに

合わせた報告を心がけると良い。

例えば、1)財務的視点ーコストではなく投資としての調査、

この調査がどれくらい会社を救うか?とか、

調査が新製品の財務的リスクをどれくらい減らすことができるか、

リサーチ投資の回収はどれくらいかなどや、

2)対応は柔軟に、

3)簡潔に-重要な課題のあとその結論を述べる。そのあとそのサポート結果を説明。

4)エレベータ・スピーチを準備(要点をしぼる)、

→私の本 『図解入門。。。』の138頁参照

5)最悪の質問を想定する、

6)調査の結果に焦点をあてる、

7)マネジメントの思考のフレーム(例えば対前年比といった)に合わせて、

結果に比較の視点(・・・と比較して・・・といった比較の質問を聞く)を加える、

8)複数の指標を提示するなどの工夫をすると

調査結果がマネジメント・レベルの人に伝わりやすいと提案しています。


Analyzing Customer Satisfaction Surveys(4/21)★★


⇒同上会議でのSusan J. Devlin, of The Artemis Groupの "Tools for Analyzing Customer Satisfaction and Relationship Surveys"の紹介。

ビジネス上の意思決定へのリサーチの影響力を高める上での「顧客満足調査」の活用について。


Sampling Solutions(4/22)★★


⇒同上会議でのSteve Winkel of Survey Sampling Internationalの "An Introduction to Sampling"
の紹介。

サンプリングの方法をオンラインとオフライン別に、カバー範囲と、コスト効率の点から評価。


Employee Satisfaction Benchmarks(4/23)★★


従業員満足調査の3つの方法について:

1) Employee Net Promoter Score

2) Gallup Q12

3) Walker Employee Loyalty



◆Joel Rubinson on Marketing Research

●先週は掲載なし

◆Research Rockstar (By Kathryn Korostoff)

●なし

◆Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research


Dan Ariely - Market Research - Predicting The Irrational (4/20)★★ ★


⇒行動経済学者のダン・アリエリーDan Ariely 

(著書 Predictably Irrational 日本語訳「予想どおりに不合理―行動経済学が明かすあなたがそれを選ぶわけ」)とのインタビュー記事。



5 Upcoming MR Conferences & 1 Call for Papers(4/21)★

⇒これから開催予定で、著者が参加するMR会議について

①4月28日にマサチューセッツ州Tewksburyで開かれる

New England Marketing Research Association (NEMRA) 会議(参加費55ドル)

テーマ:The Impact of Social Media on the Market Research Industry Twittrのハッシュタグは#NEMRA


NEMRAは、ニューイングランド諸州(Massachusetts, New Hampshire, Vermont, Connecticut, Maine, and Rhode Island )のMR協会。裾野の広さを感じます。
日本で言えば、TMRA(東京)でしょうか?(存在しませんが。。。)


②6月2日に、スエーデンのストックホルムで開かれるSveriges Marknadsundersökare (SÖK)の会議。テーマは、Web and Screen Scraping

③12月の2-3日にベルリンでMerlien Institute の会議の発表論文の締め切り日が6月30日。

テーマは、Market Research in the Mobile World 2010: The Next Frontier

④9月7-8日にメキシコシティで開かれるMexican Association of Market and Opinion Research Agencies (AMAI)。Next Generation Market Research Techniques

⑤2011年にインドで開かれるESOMARの会議。Next Gen Market Research



The Recession is Over(4/23)★

⇒著者の経営するAnderson Analyticsの今年の業績がよく、必要最小限の調査しか

行わないといってきたクライアントも、競合他社に対して情報的優位性をつけるために

新しい手法にも関心を示してきたの現況報告。



◆The Future Place Blog (By Ray Poynter)


What is ethical market research?(4/23)★


⇒倫理的なMRとは?ここでいう「倫理」とは何をすべきかであり、

それを正しくやっている場合は「質」が保証されると主張。

知識や思想の体系に基づいた方法を用いて、反証・検証が可能でなければいけないと議論。



Do you need a 101 on how to use social media for market research?(4/24)★


⇒6月8日にMRSで開くRayのトレーニングSocial Media and Market Researchの紹介。


◆Blackbeard Blog (By Tom Ewing)

●なし

◆Random Sampling (By Ed Erickson)

●なし


◆Straight Talk with Nigel Hollis (Executive Vice President and Chief Global Analyst of Millward Brown)


Research Results: The allure of certainty(4/19)★

⇒調査結果に「確実性」が求められる。しかし、それを「確率」で表すと

受け入れられることが難しいことの問題提起。

Saving the planet: Whose responsibility is it? (4/22)★

⇒AdAgeの “Marketers Blame the Consumer in New Save-the-Planet Pitches” に関連して、

環境問題への企業と消費者の責任問題について言及。


◆LoveStats (By Annie Pettit )

I don’t give a rat’s ass about probability sampling(4/19)★

⇒確率抽出法 probability sampling なくても調査が可能であることを主張。


Bursting my market research bubble(4/23)★(Annieのプレゼン資料は★★★)

American Society for Testing and Materials (ASTM)のworkshop on sensory evaluation

に出席した感想。いつもリサーチの専門会議と比べて新鮮な印象。Annieのプレゼン資料。



◆The Survey Geek (By Reg Baker )

●なし


◆Insites Blog (By Insites Consulting)


Best of ESOMAR in Belgium(4/2)★

⇒5月19日にベルギーで予定しているESOMAR - BEST OFという会議のお知らせ。

From Asking to Listening: the new research paradigm?のテーマはおもしろそうです。


The Next Web Conference(4/23)★

⇒4月28029日にオランダのアムステルダムで開かれるThe Next Web Conferenceのお知らせ。

会議の詳細


◆The Researcher's Perspective by MRA  

Beyond Traditional Data Collection By Jeffrey Henning  (4/21) ★

⇒VoviciブログのJeffrey Henningの出張ブログです。

おきまりのデータ収集方法に固執しないで、解決しなければいけない課題に応じて

柔軟にデータ収集を考えることが重要であると提案。

例えば、婦人衣料の全国チェーン企業に対して、新たなデータ収集を行わず、

既存の売上データや顧客カードデータを使って、店舗の配置と従業員の

年齢構成の提案の成功事例を紹介。  


◆Future of Insight  by Robert Moran

MR in 2020 (4/21) ★★★

⇒Alastair Gordonのブログ記事 “who’ll own MR in 2020?”についての考察。

現在の下請の業者が主役になる可能性を示唆したGordonに対して、

Moranは興味深い仮説を提起しています。

現在の「マーケッティング・リサーチ業界」の枠組みが固定された場合、

下請業者の可能性もあるけれども、業界自体がさらに多様化する可能性が大きいと予想。

例えば、その場合、「マーケティング・リサーチ」とか「リサーチャー」と呼ばれるかどうか。

さらに、分析会社やコンサル、MROCsの会社、ニューローマーケの会社、

ソーシャル・メディアの会社などの参入が業界を変革する可能性がある。

また、GoogleやFacebookなどがパネる提供者になり、調査業務を展開する。

リサーチャーの職業も流動化する可能性などを示唆しています。



◆Voices of CMB: The Chadwick Martin Bailey Research Blog

●なし


番外編: イギリスのリサーチ・コンサルタントのBen Hickmanが,

彼のブログThe death of the respondent…で「対象者の死」と言っています。

20年後にはサーベイが消滅する議論の延長線です。

対象者は、collaborator協力者や参加者、対等者になると議論しています。




《日本編》 



◆MARKETING RE-SEARCH BLOG by @fujiokat

●なし

◆Marketing Research Watch by @shig_ono


顧客満足で経済成長? ~ACSIとマクロ経済指標~(4/23)

⇒顧客満足が経済成長に与える影響についての論文の紹介。

Fornell, C., Rust, R.T., Dekimpe, M.G. (2010) The effect of costomer satisfaction on consumer spending growth. Journal of Marketing Research, 47(1), 28-35.



マーケティング・リサーチの寺子屋 by @ats_suzuki

●MMとYVIが経営統合へ向け協議開始?!(4/19)

⇒皆さまご存知のマクロミルとヤフーバリューインサイトとの経営統合について。


◆みんなのMR.COM by @Experidge

●海外MR情報源その2: LinkedIN(リンクトイン)のグループ(4/19)




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20日のTwitterでご案内したのですが、Experidgeでは、5月から、次のような研究会を
企画しております。お気軽にご参加ください(無料) 

お申し込みは、Twitterやinfo@experidgejapan.comから



1) 商品インサイト・マイニング研究会

商品のコンセプトやパッケージ、ネーミング、広告、販促、店頭、ソーシャル・メディア活用などの

観点から研究し、コンシューマー/ショッパー・インサイトを探る会)の開催を予定。


2) ウッフィー研究会

「ツイッターノミクス」の著者タラ・ハントの新刊The Power of Social Networkingを読みながら

ウッフィーの拡大を考える会


3) ソーシャル・メディア・リサーチ研究会

RayPoynterのThe Handbook of Online and Social Media Researchを読みながら

MR2.0の可能性を考える会

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《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります》

2010年4月19日月曜日

海外MR情報源その2: LinkedIn(リンクトイン)のグループ

●Twitterに関連した話題として、Twitterを使っているリサーチャーが中心となった

Twittcher(ツイッチャー)の会ができました。お気軽にご参加下さい。

リサーチで有名な@surveymlの荻原さんや、

ソーシャル・メディアで有名な@tokurikiの徳力さん

などが参加されています。。。


●またTwittcherの会のオフ会として、

ツイッチャーメンバーの福井遥子さん『インタビュー調査のすすめ方』出版記念講演会

(無料)が、5月10日(月)19:30より表参道「東京ウィメンズプラザ」にてあります。(懇親会あり)


お申し込みは http://ow.ly/1z9iNです。こちらもお気軽にお申込み下さい。


●先週のTwitterのその他の話題として、


『ツイッターノミクス』 (文芸春秋1571円+税)の著者である


Ms.タラ・ハント

(Twitterのユーザー名は@missrogue)が来日し、

本の解説者である@tsuda津田大介さんと対談を行いました。

その模様はUstreamでも実況されました。ハッシュタグは、#twnomics


●12日の私のtweetから、

『ツイッターノミクス』Twittcherには、特に第5章(顧客セグメンテーション不用論)と
顧客ロイヤルティを考える第10章がおすすめ。NEXT RESEARCHのアイディアが満載! #twnomics
6:34 PM Apr 12th HootSuiteから

 『ツイッターノミクス』(個人的な)キーワード:SMMの11のコツ(207頁)、贈り物(ギフト)、
社会貢献、博愛主義、顧客ロイヤルティをえるための5行動(224頁)、コミュニィ意識、
ウッフィーチェックリスト(255頁)、市場調査は不用、(続く) #twnomics
6:27 PM Apr 12th HootSuiteから

 『ツイッターノミクス』(個人的な)キーワード:顧客の意見や要望に耳を傾ける、
ウエブ上で顧客を増やす8秘訣(84頁)、ソーシャルグラフィクス、生身の人間・
本物の顧客とのつながり、敵に塩を送る、ウッフィーを増やす行動(148頁)、差別化(154頁)、(続く) #twnomics
6:19 PM Apr 12th HootSuiteから

『ツイッターノミクス』(個人的な)キーワード:信頼、尊敬、評価、影響力、人脈、好意、
誠実、ソーシャルキャピタル、ウッフィー・マーケティング(を増やす5原則57頁)、
オンラインコミュニティ、ソーシャル・ネットワーキングツール、口コミ、ミレニアム、対話、(続く) #twnomics
6:09 PM Apr 12th HootSuiteから

 『ツイッターノミクス』題名はツイッターになっていますが、
ソーシャル・メディア・マーケティングの必読書だと思います。
多くの人に読んでもらうために注目を集めるこの題名は
タイムリーだと思います。あとは「ウッフィー」をいかに浸透させるかが課題。 #twnomics
5:47 PM Apr 12th HootSuiteから

RT @suijou ツイッターノミクスという本を読んだ。すごく感動した。
信頼が連鎖していくツイッターは世界を穏やかにしていくのではないでしょうか。
7:49 PM Apr 11th mobile webから

 『ツイッターノミクス』本屋の店頭にあふれるTwitterのマニュアル本がまた出た、
と思っている方も多いと思いますが、この本は@tsudaさん が解説でおっしゃってるように
「マニュアル本とはまったく違った大きな価値を日本の読者に運んでくれる本」だと思います。 #twnomics

 
ぜひぜひ一読をおすすめ致します。
 
ソーシャル・メディア・マーケティングの入門書としても参考になります。
 
●@surveymlさんも次のようにTweetされています:

RT @surveyml 『ツイッターノミックス』を読み終えた。原題は "The Whuffie Factor " で、ツイッターに限らずソーシャルメディア全般のビジネス活用をカバーしている。『グランズウェル』の読後感に近いがより易しく実践的にした内容。 #twnomics



Twitterについてはこのブログでも再三にわたり取り上げています。

本屋に行くとTwitter関連のいろいろな本が出ています。

でも、これは単なるブームではないと思います。

既に登録されましたでしょうか。登録はしたけれども、、、という方も多いかと思います。

「何がおもしろいのか分からない」とか「つぶやいている内容がくだらないので時間のムダ」と

いったご意見をよく聞きます。

でも、情報収集や、情報交換、自分の考えのシェアや議論に役立つツールだと思います。



●楽天の三木谷会長・社長がおっしゃっていた言葉が印象的です。

「ソーシャルメディアの中で簡単でわかりやすいからTwitterを始めることを社員に進めている」と。

確かに登録をすればその瞬間から、Tweetできます。


●Eメールが浸透して10年以上になりますが、いつも感じるのが、

社員間や、社員と顧客とのすべてのメールが、社員全員に共有になれば、

その集合知が、どれほどリサーチャー個人の能力アップと

会社全体のパワーアップにつながり、業務の軽減とサービスの質の向上が

はかれるかと、、、2人の間のメールのやりとりの間にすごいノウハウが

含まれている時があります。それをみんなで共有しない手はないと思うのですが。。。


社内では、自分の存在価値を示したり、上司ー部下といった「利害関係」がありますので、

それぞれの会社での各自のポジションが、それを促進させない部分もあるかもしれませんが、

もったいないことだと感じます。

各自が自分のすべての知識と経験を全員共有すれば。。。


●Twitterはある意味、この「集合知」形成をサポートしてくれる強力なツールです。

従って、上記のタラの本『ツイッターノミクス』が主張しているように、Twitterでは、

積極的に人の役に立つ情報や考え方の発信・共有・議論を行うことによって、

個人・全体のレベルアップを加速することが可能だと思います。


●例えば、リサーチャーの方が、午前に1回、午後の1回、仕事が終わったら、

今日1日の業務の反省や、思いつき、気づき、学んだ知識などを1回、

プロジェクトが終了したら、まとめのTweetを1回などなどを行えば、

飛躍的にリサーチの集合知が形成されると思うのですが、、、いかがでしょうか?


●ところで、先週のTwitterの中で以下のTweetをRT(リツイート)しました。

Twittcherの皆さんご参考に RT @IHayato RT @kyocorin 会社の中で役立つスキルを身につけて頑張って来た、重宝されたけど外ではそのスキルがまったく使えない。終電帰宅、週末は疲れて寝ている。新しいことに取り.. http://ow.ly/1ybbl
1:29 PM Apr 14th HootSuiteから

この添付ファイルのブログにさらに

「就職氷河期世代が30代までに居場所を模索するための5つの習慣」

というブログが紹介されていました。いずれも自分のキャリアについて考察するものです。


●そこで、LinkedInが紹介されていました。

LinkedIn(リンクトイン)は、ご存知にように、USで、

2003年5月にサービスを開始したソーシャル・ネットワーキング・サービスです。

2007年9月には、Twitterを導入したデジタルガレージから、

日本進出に向けてLinkedInとの協力に基本合意したことが発表され、

2008年にもサービス開始かとされましたが、現在頓挫しています。


というのも、ヤフーも人脈管理・人脈拡大を支援するビジネス向け

SNS「CU」 サービスのベータ版を日本版LinkedInとなるかと期待され、

2008年11月から1年間トライしましたが、結局6500人ぐらいしか登録されず、

収益の面の理由から、2009年10月09日にサービスを中止しています。

日本では、会社に帰属するビジネスパーソンが、個人情報を外部に出したがらない、

あるいは出せない状況ですので、採算的に難しいのかもしれません。。。



同様なサービスでは、SBIビジネス

(SBIホールディングスの子会社で次世代金融サービス開発を行うSBI Robo社が、
2007年12月26日に公開したビジネスに特化した人物検索サービス)というのがあります。

現在登録者数が9万人突破といっています。

ご覧いただくとわかりますが、そうそうたる人々が登録されていて、

普通のサラリーマンが登録するには少し敷居が高い感じです。

また情報が、親会社の北尾 吉孝氏に筒抜けではないのかなという感じもします。

やはり日本の会社の場合、「個人情報」がどのように扱われるかという危惧があります。


LinkedInの創業者で会長であるReid Hoffman氏とは何の関係もないので登録はしやすいです。



●前置きが(いつも)長くなりましたが、海外MR情報源の第2回目は、

このLinkedInの中にあるGroups機能の活用です。

そこでは、議論に参加したり、質問への回答をえたり、

他のリサーチャーとのネットワークを築いたり、イベント情報や

その他のニュース、仕事を探したりなどが行われます。

この中には、世界中のいろいろなグループが登録されています。

登録すると、メールが送信されてきて、更新情報がわかるようになっています。

登録は簡単です。LinkedInに入り、必要情報を入力すればOKです。


GroupsメニューのGroups Directoryの中のSearch Groupsで検索すると、

登録されていりるグループ名が出てきます。Joinボタンを押せば加入することが可能です。

例えば、

●ESOMAR

● Online MR

●Qualitative Marketing Researchers and Professors などなどのグループがあります。

リサーチャーの誰かのプロフィールを除くと、後の方にGroups and Associations:という欄が
ありますので、そこから選択も可能です。
 
しかし残念ながら、多くは英語です。



●この「みんなのMR.COM」では、英語を読まれる時間がないっとおしゃる方のために、

以下の「週刊ブロゴスフィア」とともに、Groupsでの議論をできるかぎりご紹介して行く予定です。


●私が登録している「NewMR - Co-creating the future of Market Research」という

LinkedInのグループのDiscussionでは、

Ray Poynter氏が「マーケティング・リサーチ・オンライン・コミュニティ(MROCs)では、

将来、定性調査が主であるというRay氏の意見についてどう思うか(定量なのか、その両方なのか」

という問題提起に対して、45のコメントが寄せられ議論が深められています。。。



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★週刊ブロゴスフィア★

《海外編》

■先週(4月12日ー18日)のリサーチ・ブロゴスフィアから


※ 私個人の独断と偏見で各ブログの講読おすすめ度を記入しましたのでご参照下さい。
  それぞれ関心のテーマや理解度などが異なりますのであくまでも参考です。

★★★ぜひ英文もじっくり読んで下さい。(非常に重要。参考になる)
★★  時間があれば読まれても良いかと思います。(ある程度重要)  
★   別に読まなくても大丈夫でしょう。(あまり重要/緊急性はないかと)    



Jeffrey Henning 's Vovici おみごとです。今週は月曜日から日曜日までアップがありました。  


Respondent Satisfaction: Post-Survey Assessments(4/12)★★★

⇒調査票が短いほど対象者の調査への満足度が高くなり、自然と協力率も高くなる。

回収率の低下にお悩みのインターネット調査担当者に示唆深い内容です。


Debating the Ethics of Social Media Research(4/13)★★

⇒下で紹介するブログで取り上げられたテーマ「Social Media Researchの倫理はどうあるべきか


Successful Surveys FAQ - Part 1(4/14)★★


⇒私も参加したvovici社のwebinar「The Seven Habits of Highly Successful Surveys」

(前回の12日のこのブログで紹介)への質問に回答。調査票作りの参考に。

Successful Surveys FAQ - Part 2(4/15)★★

⇒上に同じ。



Survey Coding: Categorizing Answers to Verbatim Questions(4/16)★★

⇒コーディング方法について。コーディングは大量の自由回答データを構造化してくれる。
自動コーディングソフトAscribeにも言及。

生の声をよむ(バーベイタム)或いは、テキスト・マイニングによる構造化や関連性の方法もあり。


Sentiment Analysis Symposium 2010(4/17)★★★

⇒先週NYで開催されたセンチメント分析についてのシンポジウムをレビューしています。

Henning氏自身は用事で参加できなかったようです。

Twitterのハッシュタグは、#sas10

下のTom H. C. Anderson - Next Gen Market Researchのブログでも言及されています。

このようなイベント情報も、LinkedInのEventsを追っていると掲載されています。
詳しいAgenda 

詳細は追ってフォローする予定です。。。



Projective Techniques in Online Qualitative Research(4/18)★★

⇒23日金曜日の深夜1:00-2:00(US東部時間お昼の12:00-1:00)に
私も聞いていましたこのタイトルのウエビナーの早速の紹介です。

私もメンバーになっているGlobal Online Moderator Communityが行っている一連のウエビナーです。

写真やコラージュなどのイメージの使用や、物語や文章といった言葉を使用した

「プロジェクティブ・テクニック」(投影法)のオンライン調査での利用方法についての

チャレンジングなウエビナー内容の紹介。


Joel Rubinson on Marketing Research

Marketing insights into how we decide (4/16)★★

ARFのチーフリサーチオフィサーであるJoelは、ショッパー・インサイト(SI)の専門家でもあります。
シノベイト時代に一緒にSIの企画書を作成していました。

ここでいう意思決定というのは、消費者の購買意思決定のことです。
消費者は、あまり時間やコストを掛けずに購買意思決定を行う傾向があります。
このような「2次的な意思決定」の考察の必要性を行動経済学と関連づけて言及。


Research Rockstar (By Kathryn Korostoff)

DIY Research Article a Marketing Research Association Winner!(4/12) ★

⇒このブログの著者であるKathryn Korostoff (@ResearchRocks)が書いたDIY Researchについて
書いた記事が賞を受けたお話。



Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research

Sentiment Analysis Symposium Tomorrow!(4/12)★

⇒13日の会議への登録を呼びかけた内容です。

Market Research Firm Launches Merchandise Line(4/15)★

⇒調査会社が衣料のブランドを立ち上げたお話。

Model Questions ROI of Paid Tweets ★★

⇒TwitterのROIについて。


The Future Place Blog (By Ray Poynter)

ESOMAR move APAC Conference from Bangkok to Kuala Lumpur(4/12)★

⇒ESOMARのAPAC会議がバンコクの騒乱により、クアラルンプールに変更になった
ことに言及。

Is it just me or is it getting really busy?(4/14)★

⇒Rayは最近忙しくなったけれでも、ほかの人や会社はどうかを聞いています。
アンケートもとっています。今年になって忙しくなったと回答した人が多かったようです。

Twitter and the election, voyeurs, participants, or distraction (4/16)★

⇒イギリスの総選挙におけるTwitter利用について。


● What happens if the ash stays over Europe for a year?(4/17)★

⇒アイスランドの火山噴火のフライトへの影響について。
Rayは今週の日曜に、ASOMARの会議で、ロンドンからクアラルンプールに
来なければいけないので心配しているようです。


Blackbeard Blog (By Tom Ewing)

●なし


Random Sampling (By Ed Erickson)

Social Media and Qualitative Research (4/12)★★★

⇒ソーシャル・メディアリサーチの可能性について、特にMROCsとネットノグラフィーの考察。


Straight Talk with Nigel Hollis (Executive Vice President and Chief Global Analyst of Millward Brown)

Build your brand before it is too late(4/12)★★

⇒玉石混交のコンテンツが氾濫するデジタル時代におけるブランド・ビルディングについて。


LoveStats (By Annie Pettit )

So you think you have a probability sample(4/13)★★

⇒著者の持論の「代表性」を得ることの困難さについて。

Research, MeSearch, WeSearch, YouSearch by Dr. Seuss(4/15)★
⇒ソーシャル・メディアのリスニングについて。

●Using Social Media Research to Predict the Future: That’s me saying yes you can! The future… in 140 characters or less(4/16)★★

⇒ソーシャル・メディア・リサーチについて。



The Survey Geek (By Reg Baker )

●今週は掲載なし


Insites Blog (By Insites Consulting)

●なし


The Researcher's Perspective  

The Economic Squeeze (4/14) ★

⇒経済記事で、直接リサーチ記事ではありません。



Future of Insight

What’s In a Name? (4/15)
 
⇒インサイト発見に主眼をおいた現在のMarket Researchのネーミングが適切であるかどうかの
問題提起。MRはデータ収集プロセスの意味が強いので、例えば、“Data-Driven Strategy” や、
 “Strategic Foresight”などを提唱。
 
私のタイトルのDigital Consumer Plannerもこの意味が込められています。

リサーチからの結論→インサイトではマーケティングは完結しません。
マーケティング課題の達成のための戦略や具体的な施策(戦術)に変換されて
アクションを示してはじめて有効になります。
 
リサーチャーは、消費者のプロとして、リサーチ方法とマーケティングに精通したうえで、
具体的なアクションを行う施策のプランナーでもある必要があります。
 
ソーシャル・メディア時代には、それらの基盤がデジタルです。

 
Voices of CMB: The Chadwick Martin Bailey Research Blog

●なし



《日本編》 他にもありましたらご紹介下さい。「講読おすすめ度」は勘弁してください。。。


MARKETING RE-SEARCH BLOG by Twittcherメンバーの@fujiokat


Social Media Researchの倫理はどうあるべきか?(4/15)

⇒Henningのブログ紹介。SMRの倫理問題を提起。


Marketing Research Watch  by これまたTwittcherメンバーの@shig_ono


イエスマンたちの本音 ~評定データにおける回答スタイルの補正~(4・16)

⇒回答スタイルの影響について論じた読み応え十分のブログ。今後が楽しみです。。。


マーケティング・リサーチの寺子屋 by  @ats_suzuki

●なし (来週はよろしくお願いします)


みんなのMR.COM

●海外MR情報源その1: リサーチ・ブロゴスフィア(4/12)


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★姉妹ブログDigital Consumer Planner's Blog (今週から木曜日の更新になりました)
よろしくお願い致します。

なるべく多くの情報を提供する方針から本ブログは長くなっています。
情報の中から、興味あるトピクスを探索するのにお使い下さい。

また、周りのリサーチャーの方にもご紹介いただければ幸いでございます。

掲載希望のテーマなど、本ブログに対するご意見やご要望などございましたら、

お気軽にどしどしお寄せ下さい。よろしくお願い申し上げます。

《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります》

2010年4月12日月曜日

海外MR情報源その1: リサーチ・ブロゴスフィア



●先週のExpeidgeのTwitterで、オンライン調査や調査関連のソフト

会社である Vovici (ヴォヴィシーと読みます)Corporation の

Chief Strategy OfficerであるJeffrey Henning (ジェフリー・ヘニング)

によるWebinar(Webによるセミナー)

’7 Habits of Highly Successful Surveys’ 

(成功するオンライン調査の7つの習慣)

をご紹介しました。(プレゼン資料は、http://ow.ly/1ws1G )


●対象者の調査満足度を考えて、調査票を作成する視点は勉強になりました。

クライアントの担当者の満足のみを考えていたことを反省。。。

生活者(消費者)の「リサーチ」への参加動機を上げる工夫が必要です。


●これは、Vovici社が顧客開拓を兼ねて定期的に行っているものです。

過去のWebinarのついては、http://www.vovici.com/about/research-webcasts.aspx 参照

次回は4月21日午後1:00(日本時間22日午前2:00)

Earn your Customers’ Rave: 5 Decisions that Drive Extreme Customer Loyalty in Good Times and Bad

と題してです。顧客ロイヤルティは、Vovici社の得意分野です。


●USの会社ではこのような無料のウエビナーを開催しているところが多いようです。

それも全世界に発信です。営業目的とは言え、提供される情報は役に立ちます。

単に自社の商品説明ではありません。なぜなら役立つ情報を提供しなければ

営業効果がないからでしょう。

日本の調査会社では、時々セミナーや講演会を開催するところはあっても、

このような無料公開ウエビナーを定期的に開催しているところは皆無なのでは。。。

言語の問題があるので、グローバルとは言わないまでも、日本国内だけでも。

同様に、自社のHP上でWhitepapaerなど研究調査資料などを公開しているところも少ないです。

残念!


●ちなみに、Jeffrey Henning氏は、顧客満足の調査ソフト作成の会社であった

Perseus Development Corporationの共同創業者で、その会社売却後、

PerseusとWebSurveyorとのM&Aにより2007年に 設立された

現在のVovici Corporation

(ワシントン近くのバージニア州ダレスーワシントン・ダレス国際空港の近くに本社がある)で、

CSOを務めています。

Henning氏の詳しい経歴は、こちら。

(アリゾナ州立大学でコンピュータサイエンスを専攻していたのでWEBに強いようです)

彼のTwitterは、http://twitter.com/JHenning


●その彼が精力的にリサーチ・ブログを書いています。彼のブログは、http://blog.vovici.com/

ちなみに、彼を含めて、「リサーチ・ブロゴスフィア」(blogosphere)と呼ばれています。

ご存知のように、ブロゴスフィア(ブログ圏)とは、全てのウェブログ(ブログ)とそのつながりを包含

する総称で、ブログを行う人たちにより構成されている世界、空間を意味します。

Twitterでの活躍は、「リサーチ・ツイートスフィア」(tweetosphere)と呼ばれています。

Twittcherではありません。。。


日本でも、このリサーチ・ブロゴスフィアが増えることを期待しています。

最近では@fujiokat http://ow.ly/1pCOTJ

@shig_onohttp://elsur.jpn.org/mr_watch/2010/04/post-1.htmlが誕生しました。


欧米のようにブログで問題提起を行い、議論することによって、

リサーチャーのレベルアップがはかられることを期待します。

さらに将来、日本から英語でリサーチ・ブロゴスフィアにチャレンジする人が

でてくることを期待します。


●よく引用されている欧米のリサーチ・ブログスフィアとしては、


1)Jeffrey Henning 's Vovici  

2)Joel Rubinson on Marketing Research
 
3)Research Rockstar
 
4)Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research
 
5)The Future Place Blog
 
6)Blackbeard Blog
 
7)Random Sampling
 
8)Straight Talk with Nigel Hollis
 
9)LoveStats
 
10)The Survey Geek
 
11)InSites Blog
 
12)The Researcher's Perspective
 
13)Future of Insight
 
14)Voices of CMB: The Chadwick Martin Bailey Research Blog

15)The Forrester Blog: For Market Research Professionals 
 
などがあります。
 
有名ですけれど、最近、更新されていない
 

Market Research Deathwatch
 
Research Reinvented
 
などは除いています。
 
また、マーケティングや、ソーシャル・メディアなどのブログも参考になるものがたくさんあります。


******************************
 

■先週のリサーチ・ブログスフィア(4月5日ー11日)から

Jeffrey Henning 's Vovici 1週間に6つの記事をアップ  

The Backlash against Voice of the Customer Research(4/5)

Surveys: The Swiss Army Knives of Market Research(4/6)

Lessons from Professional Panel Providers(4/9)

Sample Sourcing Lessons from Panel Professionals(4/9)

DIY Research in a Social Media World(4/10)

Surveying the World on 16 Dollars a Day(4/11)


Joel Rubinson on Marketing Research

What Marketing Research needs to learn from Behavioral Economics(4/5)


MRが一貫した信頼性のあるデータを提供するには、代表性にこだえあるのではなく、

人間の心理を対象とした「行動経済学」から学ぶべきであると主張。


Research Rockstar (By Kathryn Korostoff)


Apr 1 Out-tasking Comes to Market Research: Why In-House vs Outsourced Is No Longer the Only Choice (4/6)
 
 
Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research


LinkedIn Customer Service Net Promoter Survey(4/6)

ESOMAR Offshoring Transparency Debate(4/7)


The Future Place Blog (By Ray Poynter)

Are MROCs essentially qual or quant, and does it matter? (4/8)

Books about online conversations (4/5)

以前にこのブログでも紹介したRobert Kozinetsの Netnographyと、


Mike ThelwallのIntroduction to Webometricsの2冊が推奨されています。


Blackbeard Blog (By Tom Ewing)

Ten Ideas From #Res10 3: Field Choice Analysis (4/7)

Ten Ideas From #Res10 2: The Limits Of Sentiment Analysis(4/7)


Random Sampling (By Ed Erickson)

Market research sample from social networks? (4/5)


Straight Talk with Nigel Hollis (Executive Vice President and Chief Global Analyst of Millward Brown)

Was I wrong in predicting that a Turkish global brand is a long way off? (4/9)


LoveStats (By Annie Pettit  )

How to upset me by generating leads with market research surveys (4/11)

Tagxedo for colorful shapeable saveable word clouds (4/9)


The Survey Geek (By Reg Baker )

Comparing apples (4/8)

@surveymlさんがTweetされていたAAPORの結果について。

@surveyml 米世論調査協会のネットリサーチへの見解をNYT紙が論評。代表性のないことはわかってる、活用法を考える時期<Internet Polls Found to Be Unrepresentative http://ow.ly/1wOGM #j_mr
10:17 PM Apr 10th HootSuiteから


Insites Blog (By Insites Consulting)

AMMA Award nomination (4/7)

Limited access to social media at work (4/7)


The Researcher's Perspective

Why DIY Research is Good for Everyone


********************************


★RSSやemailでの講読によって、上記のBlogの更新をフォローできます。

また、Twitterでよく登場する65人のリサーチャーのTLをフォローしていると、

ブログの更新がTweetされます。@MR21C/market-researchers


リサーチ・ブロゴスフィアをフォローすることによって、

欧米の最新のリサーチ動向を知ることができます。


★姉妹ブログDigital Consumer Planner's Blogもよろしくお願い致します。


《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります》

2010年4月5日月曜日

リサーチは変われるか?

●桜満開の春です。(株)エクスピリッジのロゴは桜です。

●まず、訂正から。。。

前回のBlogで「2020年のリサーチ?」と題して、「2020年にはサーベイ・リサーチがなくなる」というRay PoynterとJeffrey Henningの議論を紹介しました。

これに対して、5,000人以上のリサーチャー・コミュニィティを率いる@SURVEYMLさんが、メールで、

*******************

Subject: [surveyml:12482] サーベイ20年消滅説


Date: Tue, 30 Mar 2010 00:17:06 +0900 (JST)

From: 萩原 雅之 masashi.hagihara@gmail.com

Reply-To: surveyml@freeml.com

To: surveyml@freeml.com

萩原@TCI/MNRIです

昨日のツイートサマリーの前振りに書いた

個人的には、先週行われた Marketing Research Society のコンファレンス

で飛び出した「サーベイ20年消滅説」について、海外のリサーチャーの間で

議論がされていたのが興味を惹きました。

英語のブログなのでもやもやしてた方も多いと思いますが、エクスピリッジ

の岸川茂さんが、海外でのブログやツイッターでの経緯や議論を

◆2020年のリサーチ? (みんなのMR.COM)

http://www.minnanomr.com/2010/03/blog-post_29.html

http://www.minnanomr.com/

でまとめていらっしゃいます。

岸川さんは『図解入門ビジネス最新マーケテティング・リサーチがよーくわ


かる本』というご著書があり、海外の動向も詳しいようなので今後とも日

本の事情も踏まえた海外の情報提供をぜひお願いしたいです。

今気づいたのですが、20年で無くなるのだから2030年ですね>岸川さん(笑

なお、この Marketing Research Society については、岸川さんのブログに

も出てくるリサーチ業界の有名ブロガー Jeffrey Henning 氏が、

◆The New New, Old New & Old Old at Research 2010

http://blog.vovici.com/blog/bid!

/26939/The-New-New-Old-New-Old-Old-at-Research-2010

というエントリーにまとめています。変わったタイトルですがマーケティン

グリサーチ業界の将来に関して最新のオーバービューになっていますし、関

連リンクも多数紹介されていました。

萩原 雅之 masashi.hagihara@gmail.com

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トランスコスモス株式会社エグゼクティブリサーチャー

マクロミルネットリサーチ総合研究所所長

********************************
 
*このメールは、@shigeru_ONOさんから提供していただきました。
 
** @SURVEYMLさんの影響力は絶大で、先週1週間のBlog延べ閲覧数は

400近くになっています。 400人の方が読んでいただきありがとうございます。

いつも書きたてですので、文章的にも、内容的にも十分遂行されていませんので恐縮です。
 
 
 
●つまり2020年ではなく、2030年にサーベイがなくなるというわけです。
 
●10年延びても、やはりサーベイはこの世から(Rayの主張を厳密に言えば、
マーケティング・リサーチから)消滅することはないと思います。

関係各位の方、ご安心を。。。
 
●消滅説では、マーケターの意思決定のためのデータから、サーベイ・データがなくなる
ということを意味します。
 
例えば、U&Aのデータや、ブランド・トラッキングデータ、その他購入・使用の実態調査データ
(これらのデータは「代表性」が求められる)によって、マーケターは日々意思決定を行っています。
 
また、製品開発関連の調査(コンセプト・テストやプロダクト・テストなど)も、調査票を使って
消費者に尋ねるという意味でサーベイ・データになります。

新製品をどれにするか、改良品候補の中からどれを選ぶか、
またデザイン会社が作成したパッケージ案からどれを最終案にするかなどなど、

「選択」の意思決定のためのサーベイ・データは最も多く収集されています。
 
これらを「インターネット」を使って、つまり「オンライン・パネル」を使って行っている場合も、
データ収集方法は異なりますが、やはりサーベイです。
 
もし2030年にサーベイが、マーケティングの意思決定のためのデータから消滅すると、
現在、主流の「インターネット調査会社」はどうなるでしょうか???
 
レイは、「アクセス・パネル」(或いは、コンビニエンス・サンプル)ー事前にプールされた対象者であり、調査を行う場合、まさに便利な存在ですーと呼んで、消滅するサーベイには含んでいません。

代表性やフレッシュ・サンプルを重視するサーベイ・サンプリング法と長い調査票を使う
調査がマーケティング・リサーチでは使われなくなると言っています。

 
●人々の意見や態度・行動を100人以上の規模で、ある程度短期間で、

リーズナブルなコストで、共通な方法で収集(測定)できる手段(データ収集方法)として、

「サーベイ」が確立して以降、サーベイにとって代わる方法は

発明されていません。グルインもデプスも、ニューロも、実験も観察も

置き換わることができていません。

サーベイでは、人間の感情の強さを正確に測定できないといって、
脳波や脈拍を測定しても、やはりサーベイに置き換わることができませんでした。


●意思決定を行う場合、組織のトップを説得する上で、データ(結果)の「信頼性」が問われます。

つまりサンプルの代表性=結果の一般化がこれまでは強く求められてきました。

●N数の少ない定性的データは、仮説作り(売れるためのストーリー作り)には適しています。

レイが言う、調査の今後の方向性としての自由回答式の調査や、ソーシャル・メディア・データ、
オンライン・コミュニティのデータなどがこれに当てはまります。

●他方、最終意思決定のためには、結果の一般化が保証されているサーベイ結果が必要です。

しかし、今後の考え方として、速さや低コストゆえに、定性データに基づいた仮説により
意思決定を行い、素早く軌道修正を繰り返す(仮説⇒検証⇒仮説⇒・・・)ことがあります。

また、同時に消費生活が非常に多様化した現在、平均値的な「一般化」の意味も
問い直されています。

市場の「多数派」を見つけ、その最適製品を開発・販売してゆく考え方が

機能しなくなっている面もあります。

少数派やニッチに向けての製品がヒットを生む場合もあります。

N=1の意見も、貴重なインサイトの発見につながる場合もあるわけです。

この意味でも、従来の伝統的なデモグラ属性や心理的特徴などによる

消費者セグメントの分析手法の限界、その有効性が問われています。

分析発見したセグメントが実際の市場では存在しない、あるいは特定できない場合も
起こっています。 
 
ペルソナ手法によるユーザー像の分析の方がより実際的な場合も起こっています。

●ところで、2030年と言えば、これから20年後です。

逆に考えれば、今から20年前は、ちょうど私がマーティング・リサーチャーのキャリアを
スタートした時期です。

あの時点では、インターネットは影も形もありませんでしたので、あの当時、

レイ流に言えば、「20年後には訪問面接調査がなくなる」(インターネット調査が主流に)
となったのでしょうか。
 
その後、広告代理店、メーカーで働き、その後およそ15年ぶりに古巣のリサーチ業界に
戻ってきました。
 
データ収集や、集計処理、グラフ作成、報告書などの書類作成などは、
パソコンとソフトの進化により、調査会社の作業は変わりましたが、
基本的には、企画ー実査ー集計ー報告書の作業の流れはほぼ同じでした。
 
また残業の多さ、退職者や、肉体的・精神的病気になる人の存在といった
労働集約的業界体質や、
 
メーカーのリサーチャーと比較して、同じ年齢で100万から200万の年収差や、
福利厚生といった待遇面(これは大手と中小零細といった会社によって状況が異なるでしょうが、
平均値的に考えた場合)
 
さらに、マーケティング意思決定への関与度(あるいはインパクト)の低さは感じます。
 
私がメーカーに在籍していた時は、調査会社は平等なパートナーとして、
その有効活用を心がけました。  モチベーションを上げるためにも、できる限り、
企業側のマーケティング情報の共有と、調査結果のフィードバックを行いました。

逆の立場になると、その対応はクライアントによってさまざまです。

●マーケティング関係業界において、「調査」のビジネスにおける有効性を高め、
そこで働く人々が、自己実現と自己成長、社会貢献(人々の生活の充実)を目指して、
平均以上の待遇で、誇りとやりがいをもって働ける、自由で楽しい会社になるように、
リサーチャーの方々のスキルアップにこれまでの経験が少しでもお役に立てればと思っています。

●少しでも良くするために、調査、リサーチャー、調査会社の現状を以下のような点で
評価すると。。。以下、思いつくままにリストアップしました。。。

皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

良い点(もっと伸ばす点): (少なくてすいません) 

①リサーチを実践的に学べる、
②・・・

現状はそうではないけれども、今後新たにこうしていった方が良いと思われる点:

①もっと議論や勉強会があればよい、
②リサーチについてのブログももっと多くあってもよい、
③・・・

中止すべき良くない点:

①・・・

改善すべき(良くない)点:

①会社、リサーチャーによって質・レベルがバラバラー個人的な仕事スタイル、
② 残業が多い、
③待遇がよくない?、
④研修・教育体制が不十分、特にマーケティング教育、
⑤転職者が多い?、
⑥作業の合理化が進んでいない、
⑦マーケティング活動の現場との距離感がある、
⑧一人前のリサーチャーになるのにようする期間をもっと短縮できないか、
⑨リサーチャーのキャリアプランがもっと明確にならないか、
⑩リサーチャーの課題解決能力や調査スキルをさらにアップさせる方法がもっと明確にならないか
⑪1つのプロジエクトが終了したならば、そのレビューを徹底させる(次に生かす)
⑫速さ、コスト
⑬レポート作成の時間
⑭もっとリサーチをやることがエキサイティングに感じるようにするには?
⑮調査結果について、もっと社内で議論する機会が増えれば。或いは調査方法や結果の社内共有。ークライアントに報告する前に社内で結果のプレゼン・議論を行っている会社はどれくらいあるでしょうか?
⑯業界や製品カテゴリーの専門分野を持っているリサーチャー(メーカーのリサーチャーレベル)はどれくらいいるでしょうか?
⑰好奇心や向上心が高い若い優秀なリサーチャーのリクルートと、彼らが辞めてゆかないようにするには?
⑱グローバル化、海外交流
⑲・・・

コメント欄や、Twitterを使ってご意見をお願い致します。

これについて、ツイッチャーTwittcherの会でブレーンストーミングでもやってみたいです。


●しばしば紹介しています前の会社の同僚で、現在ARFのCROであるJoel Rubinsonが、

最近のブログでFifteen issues Marketing was not discussing 15 years agoと題して、

先々週のAFRの会議と関連付けて、20年ではなく、現在と15年前とを比較しています。

マーケティングにおいて、15年前にはなく、現在話題になっているものとして、

①モバイル
②トップボックスのデータ
③ソーシャル・メディア
④消費者よりも「人間」を対象に考えた方が画期的なアイディアが生まれる

これは、コカコーラのStan Stanunathanの意見で、when you focus on consumers you get incremental ideas. When you focus on humans you get breakthroughs.

⑤リスニング
⑥インサイト
⑦ストリーテリング
⑧潜在意識
⑨ショッパー
⑩ロングテール
⑪インターネット調査の品質
⑫We リサーチ(人間間の相互作用の意思決定への影響を考慮する)
⑬オンラインやモバイル・ビデオ
⑭多文化
⑮人々の生活スタイルを変えたもの:Google, Facebook, Twitter, My Space, LinkedIn, Flickr, Apple iTunes/iPhone/iPad/stores, Hulu, Youtube, Foursquare, Huffington Post, Techcrunch, Zappos, Fox News, Skype, Wikipedia, Firefox, DirecTV, Tivo, XM radio, NetFlix, Pandoraなどをあげています

そのあとに続くビデオもUSの有力なリサーチャーなどが登場しておもしろい内容です。

これらの新しい動向にもリサーチは進化対応する必要があります。

リサーチが変わるには、リサーチャーも変わる必要があります。より責任が重くなります。

株主から、「御社のリサーチャーは、ビジネス成長、売上・利益増加にどれだけ貢献しているのか」と、いつ尋ねられてもよい状態にしておく必要があります。。。

JoelのSix marketing research wake-up calls in 2009も参照。


●メーカーのリサーチ部門で、現在行われている

①配荷や販売などの流通データや、世帯での購入・使用などの消費者データなどの時系列のシンジケート・データの分析と、

②定性・定量のアドホクの消費者調査データの分析、

③生活や消費・社会動向などのトレンド・データの分析に加えて、

④ソーシャル・メディアを利用したリスニング・データの分析も

今後は重要な課題になってくると思われます。


①は消費生活の多様化により、実態を把握しきれなくなっています。

すべての購入・使用が、家庭だけで起こりません。

90年代初めからの、「個食」や「中食」の傾向などがそうです。

また、流通業態の多様化も、主要なチャネルのトラッキングだけでは、販売の実態をとらえることができなくなっています。特にネットによる販売など。

②については、レイが指摘したように、サーベイは消滅はしないでしょうが、確実に減少してゆくでしょう。

④の動向によって、インサイト発見のためには、定量よりも定性調査の重要性が増加するでしょう。それもオンラインの活用がより盛んになって行きます。


●リサーチの変革については、2月1日及び8日のブログもご参照下さい。

●昨年のESOMARの出席者に、10年後の2019年のリサーチが、

どのようになっていると思うかのインタビューも参照。

Market Research 2019 and Fresh talent 上記のRay Poynterも登場しています。

interviews with industry thought leaders to discuss the future of Market Research( their vision on research in the year 2019)and attracting talent to our industry.



*********************************
 
●最後に、上記と関連するものとして、ド゙ウ・ハウスさんが、
先週おもしろい調査をされていましたのでご紹介します。
 
ビジネスマンが見るマーケティングリサーチ業界のイメージ調査
 
-マーケティングリサーチ業界のイメージとしては、「成長性がある」「IT技術力が高い」
「コンサルティング能力が高い」等が割合として高くなっている。


-マーケティングリサーチ業界はネットリサーチで身近な業界に。
消費者と企業をつなげる役割としてイメージされている。


●調査方法:インターネットリサーチ調査対象:全国20~59歳のフルタイム勤務の男女(myアンケートモニター)調査時期:2010年3月29日~2010年3月30日 有効回答数:3,333サンプル


調査項目:・マーケティングリサーチ業界 23社の認知

・マーケティングリサーチ業界に対するイメージ(FA)

・マーケティングリサーチ業界及びそこでの従業員に対するイメージ(SD法)

調査会社: myアンケート(株式会社ドゥ・ハウス)
 
●ただ残念なのが、一般のビジネスパーソンに聞いているので、調査会社に対する
企業イメージ回答の多くが、40項目あるうち、2-3を除けば「どちらとも言えない」と
回答した人の割合が50%前後(最大で76%)と多くなっています。

つまり、あまりクリアなイメージを持っていないと言えます。これは予想できたことでしょう。
 
●さらに、対象者の多くは、インターネット調査への参加経験に基づいて回答しているようです。

現に、マクロミル(認知率77%)や楽天リサーチ(69%)の企業認知が高くなっています。
 
●調査会社の認知者だけや、あるいは調査参加経験者に絞ってみると、
よりクリアなイメージが出るかもしれません。。。
 
●個人的には、調査では、BtoBの取引が多いので、一般消費者よりも、
企業のマーケティング関係者の調査会社へのイメージ・評価も知りたいところです。。。
 
●ここでも、調査のOTQ(調査目的Objectiveに応じて、対象者ー誰にTarget、何を尋ねるかQuestion)のポイントが重要になってきます。
 
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#150 レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告

<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...