2012年11月25日日曜日

「MRCOのすべて」セミナー開催のお知らせ


≪第111回≫



(株)MROCジャパンでは、「MROCのすべて: MROCの理論と実践(ソーシャル・メディア時代の新しい消費者理解の方法)と題して、下記内容の有料セミナーの開催を予定しております。時間は午後半日を予定しております。

日時や会場の詳細が決定次第、告知申し上げます。

よろしくご検討お願い申し上げます。

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 現在、マーケティング・リサーチは、数十年に一度の大変革期を経験していると言われています。その背景には、4つの環境変化があります。第1は、コトラーのマーケティング3.0に描かれた参加・協働型マーケティングの台頭といったマーケティング環境の変化です。第2は、ITの進歩です。2004年のWEB2.0以降、ブログなどのCGM(消費者生成メディア)の普及や、さらにその後のFacebookTwitterなどのソーシャル・メディアの拡大です。第3は、それに伴う消費者の変化です。マーケティングにおける企業と消費者の力関係が、消費者エンパワーメントといわれるように、消費者の方にその主導権がシフトしています。共創(コ・クリエーション)に象徴される現象です。最後に、2008年のリーマン・ショック以降、調査予算の削減に伴い、調査のROI(投資対効果)、つまりマーケティング活動に対する有効性が強く求められるようになったことです。

 このような背景から出現した新しいリサーチの動向は、MR2.0とか、NewMR、次世代マーケティング・リサーチと呼ばれるものです。昨年2011年3月に萩原雅之氏の「次世代マーケティング・リサーチ」(ソフトバンク・クリエイティブ)が出版されて、リサーチ業界だけでなく、マーケティング業界にも大きな反響を呼びました。MR2.0のキー・テーマは、AskingからListeningです。マーケターの仮説を検証するために事前に用意された調査票やグループディスカッション・ガイドにそって消費者に一方的に尋ねることの限界やネット調査の信頼性の低下により、調査票を用いたサーベイ調査やグループインタビューといった従来の調査手法に対して、大きな疑問が投げかけられました。20年後にはサーベイが消滅するとまで論じるリサーチャーも現れました。

一方、調査を行わなくても、ソーシャル・メディア上の膨大な消費者の声を傾聴すべきであるというリスニング・リサーチが出現しました。さらに、オンライン・コミュニティ内での消費者の声を傾聴するというMROCs(エムロック:Market Research Online Communities)という新しい調査手法が誕生しました。昨年2011年に日本に初めて導入されて、マーケティングや広告業界で最も注目されるバズワードになりました。しかし、MROCは、欧米では、消費者インサイト発見におけるその有効性が認められて、数多くの欧米企業に活用されているにもかかわらず、残念ながら日本では、いまだその定義や実施方法についてすら共通理解がなされていない状況です。

 本セミナーでは、次世代MRのプラットフォームとして現在最も注目されているMROCを日本に初めて紹介・導入した日本におけるMROCエバンジェリストによる日本初のMROCの理論と実践を解説したMROC実務セミナーです。本セミナーにより、日本版MROCの企画、運営、分析方法が広く日本市場に普及し、マーケティング活動の意思決定をサポートするためのマーケティング・リサーチの有効化に役立つことが期待されます。

内容の概略

 はじめに

<理論編>

1.  マーケティング・リサーチとは

1-1 マーケティングとマーケティング・リサーチ

     ・マーケティング活動の意思決定をサポートするマーケティング・リサーチ

     ・有効なマーケティング活動には、有効なマーケティング・リサーチが必要

1-2 マーケティング・リサーチの役割

・有効なマーケティング・リサーチには、正しくて深い消費者理解と、失敗のリスクを

下げるリスク低減が必要

・消費者理解とリスク低減: 正しくて深い消費者理解と、マーケティング活動の失

敗を最小限にし、成功の可能性を最大にするリスク低減

・消費者理解を行う定性調査と、リスク低減を行う定量調査

・世界と日本のMRの市場規模(主要調査会社と売上金額)

・過去10年間で急成長したオンライン定量調査(ネット調査):全売り上げの64%

・MR売上に占める定性調査の割合はわずか13%

・GIGO(ギーゴ:ガーベッジイン・ガーベッジアウト): 仮説が有効でないと高度な

 定量調査も無意味

・有効なマーケティング・リサーチにおける定性調査の重要性

・今後期待されるオンライン定性調査の拡大

2.  消費者理解の方法

     2-1  消費者インサイトとは: 市場の理解ー消費者・顧客理解ーニーズの理解

            ・消費者理解(深い消費者の理解)とは、消費者ニーズを理解すること

・インサイトの定義: 人によってさまざまなインサイト定義

・消費者インサイトとは、消費者ニーズを理解すること:ウイニング・コンセプト(勝

利する製品コンセプト)と消費者インサイト

          ・マーケティングで最も重要な概念は、「ニーズ」(コトラー)

          ・ニーズを無視した製品開発が多い。ゆえに失敗する(コトラー)

・マーケティングのキーとなる4つの活動: 製品開発(P)、販売促進(C)、ブラン

 ディング(B)、顧客ロイヤルティ(L)の核としての消費者理解(図)

・インサイトの分類:肯定的インサイトvs否定的インサイト/感情的インサイトvs合

 理的インサイト(図)

・インサイトの解決策としてのソリューション(製品やサービスのアイディア)

2-2  イノベーションとニーズ

     ・企業におけるイノベーションの重要性

・イノベーションにおけるマーケティング・リサーチの役割

       ・マーケターの先人によるマーケティング・リサーチ(MR)の否定:「我々は、MRを決して行わない。なぜなら消費者が何を望んでいるかを知るのは消費者の仕事ではないからである。」(スティーブ・ジョブズ)「消費者に彼らがほしいものを聞いても消費者は知らない」

   ・新しいイノベーションの方法としての共創(コ・クリエーション): 消費者参加

型イノベーション

・「企業のアドバイザー」としての消費者との「構造的協働」によるマーケティング活

 動

     2-3  消費者の建前、本音、潜在意識

          ・消費者の意思決定の95%は潜在意識で決まる(図)

          ・従来のリサーチは残りの5%を調査

          ・従来の調査は、その信頼性や妥当性の向上に努めてきたが、本当に「消費者理

解」を正しく行っていたか?

             ・購買(第1の瞬間FMOT)や消費(第2の瞬間SMOT)の瞬間の測定ができな

かった従来の調査:リコール(記憶に頼る回答)データの分析の問題点

     2-4 従来の調査の欠陥を補うMRの新動向

          ・非合理的人間としての消費者理解: 「行動経済学」からのMRへの示唆

          ・脳科学やニューロサイエンス、バイオメトリクスの方法:アイトラッキングやフェース

分析

・エスノグラフィー調査:行動観察の方法

・ モバイル・リサーチ: 購買や消費のコンテキスト(文脈)の把握と、リアル・タイ

ム・リサーチの実現

・ソーシャル・リスニング・リサーチ: ソーシャルメディア・マイニングとMROC

3. MROCの理論

3-1 MROCとは

     ・共通の関心・興味を持った消費者を招待制(プライベイトでクローズ)でオンライ

ン上の「コミュニティ」に、調査を目的に集めて行う新しい調査手法

     ・MROCは基本的には定性調査

     ・2008年、フォレスター・リサーチのブラッド・ボトナーによる命名

3-2 MROC登場の背景

     ・マーケティング3.0、ITの進歩(WEB2.0,ソーシャルメディア)、消費者エンパワーメント、DIY調査の拡大、サーベイの終焉、インサイト調査の時代、リサーチのROI

3-3 MROCの3つの価値: 早くて、安くて、より有効なインサイトの発見

3-4 MROCの3要素: 参加者と、MROCプラットフォーム、コミュニティ・マネジャー(CM)(図)

3-5 MROCのプラットフォーム

・掲示板、ブログ、日記、デプス、チャット、サーベイ、投票など(図)

3-6 MROCのキー: グループではなく「コミュニティ」と、エンゲージメントの醸成

    ・コミュニティ・マネジャーによるファシリテーションー相互作用―親密性―本音―潜在意識がより有効なインサイトの抽出を可能にし、リサーチのROIを向上させる

    ・参加メンバーによる自発的課題提起

    ・4Pから5P(参加:Participationの付加)へ

3-7 MROCの方法

 ・オンライン360°ハイブリッド定性調査: オンライン上で複数の定性調査手法の

活用

・オールウエイズ・オン調査(1日24時間、1週間7日、1年365日、いつでも、どこ

でも調査が可能)

・リアル・タイム調査(購買行動や消費行動が起こった瞬間に調査が可能)

3-8 MROCとその他の定性調査方法との比較

 ・グループ・インタビュー(グルイン)や、詳細面接(デプス、ワンオンワン)、エスノとの

比較

         ・完璧な調査手法は存在しない: 調査課題や、予算、タイミングにより、よりベター

          な1つ或いは複数の調査手法を使い分ける

3-9 短期MROCと長期MROC: 戦術的共創コミュニティ(TCC)と戦略的共創コミュ

ニティ(SCC)

      ・短期少人数のMROCと長期大人数のMROC

      ・30人3週間から、500人1年以上のMROC 

3-10 インサイト・コミュニティとイノベーション・コミュニティ、オンライン・リサーチ・コミュ

ニティ(ORC)

     3-11 グローバルのMROCリーディング企業であるコミュニスペース社(アメリカ)のMR

     OC

・常設型大人数長期型

・月間平均参加率64%、投稿しないで読むだけのラーカー率8%、月間投稿率

7.6回

            ・成功事例

3-12 インサイト・コンサルティング社(ベルギー)のMROC

少人数短期型

・成功事例

3-13 ブレイン・ジューサー社(イギリス)のMROC

      ・イノベーション・コミュニティ: 製品開発アイディア開発のためのMROC

3-14 世界のその他のMROCサービス提供企業

      ・MROCプラットフォーム販売企業と、MROCフルサービス企業

・ラティテュード社(オーストラリア)、マーケット・ツールズ(アメリカ)、ダブ社(イギ

リス)、プラグド・イン社(アメリカ)、アイトラック社(カナダ)、20/20(アメリカ)、

ゴンゴス社(アメリカ)など

3-15 MROCと、コミュニティ・パネル

 ・ビジョン・クリティカル社(カナダ)や、トルーナ社(フランス)(パネル・ポータル)、

イプソス(フランス)(ソーシャル・スペース)

 ・2,000人から5万人規模で行うコミュニティ・パネル: 定性と定量が可能である

けれども定量調査が主

3-16 日本のMROC事情

     ・2011年に日本に初めて紹介・導入

     ・主なキープレイヤーとその特徴

     ・国産プラットフフォーム提供企業

     ・MROCの現状と課題

  3-17 MROCとマーケティング・リサーチ: 企業にとって、なぜ今MROCが必要か?

    ・リサーチROIの向上(MR1.0-MR2.0と、MRの有効性/既存定性調査の限界

    ・ソーシャル・メディア対応

・消費者の(空間的・時間的)深い理解

・生活者の声をマーケティング戦略の中心に!

・コンサルタント/アドバイザーとしての消費者

・消費者を役員会議へ

・ 「インサイト」をビジネス意思決定の中心に!

リサーチの有効性のアップと、顧客(消費者)中心

 

<実践編> 

4. MROCとマーケティング・リサーチ課題

     4-1 MROCが向いているリサーチ課題

         ・製品開発、ブランドコユニケーション、顧客経験、ショッパー・インサイト

4-2 製品開発とMROC

    ・イノベーション、生活者ニーズの探索、生活実態や、製品購入・使用実態把握、生活者の意識や態度、感情、習慣、行動の理解、新製品アイディア創出・スクリーニング(可能性の低いアイディアの特定)・改善、製品・サービスコンセプトの作成や評価、改善、製品評価、製品テスト

     4-3 ブランド・コミュニケーションとMROC

         ・既存ブランドの評価、ブランド経験の把握、ブランド・イメージ評価、広告評価、コミ

ュニケーション開発・評価、キャンペーン評価、販促アイディア出し、売上低下・

不振理由の探索

     4-4 顧客ロイヤルティとMROC

         ・顧客経験の評価・改善点把握、顧客満足・不満の理由、改善点探索

     4-5 ショッパー・インサイトとMROC

         ・店頭施策評価、購買意思決定、動機の把握

     4-6 オンライン・ハイブリッド・リサーチの可能性

5. MROCの実施方法

     5-1 企画書の作成

         ・調査課題と調査目的

         ・MROCデザイン:期間、人数、使用プラットフォーム、参加者のリクルート方法、ス

ケジュール、見積もり(投資)

         ・コミュニティ・ガイドの作成

      5-2 MROCの実査: コミュニティの運営

         ・招待メールの発信

         ・ログインと登録 

         ・コミュニティ・マネジャーの役割

         ・ファシリテーションの方法

         ・コミュニティ管理をいかに効率よく行うか

  5-3 MROCの分析方法: いかに膨大な投稿発言や写真などの定性データを効率よく

分析するか?: MROCデータの分析方法であるICR-IS法(インサイト・コミュニティ・リサーチーインサイト・ソリューション法)について

       ・インサイトの抽出―ソリューションの創出―コンセプト・メイキングと評価(図)

       ・インサイトのレベルと分類: 明示的インサイト(ニーズ)と暗示的インサイト(実態

―意識や行動)

            ・インサイト評価とキー・インサイトの特定: 共感度と新奇性に評価

・キー・インサイトからソリューションの創出:オンライン/オフラインによるワークショ

ップ

          ・スーパー・コンシューマーの発見:イノベータ、インフルエンサー、フォロアー(図)

          ・インサイト・マップの作成(図)

          ・ペルソナ(Mソナ)の作成: Mソナーコンテキストーニーズ

          ・コンセプトの最適化: コンセプト・メイキングとコンセプト・クリニックの方法(価値

(肯定点)、バリア(否定点)、疑問、改善点の4視点からコンセプトを評価して

最適化を行う)―否定点の改善点と価値の最大化

     5-4 MROCのレポート作成

           ・インサイトの可視化(ビジュアル化)レポート

           ・ストーリーテリングのレポート

           ・マーケターを鼓舞し、行動に向かわせるレポート

     5-5 MROCとその他の調査とのハイブリッド・リサーチ

     ・オフライン(リアル)リサーチによる補完

・ ソーシャル・(メディア)・リスニングによる補完

 6. MROCの活用と、MROCの新動向

6-1 時系列の態度変容/行動変化の(定性)トラッキング

・トラッキングデータの変動の理由測定

6-2 従業員エンパワーメント

6-3 B to B MROC

 6-4 CRMの進化: 顧客リストの活性化

 6-5 ファン強化: MROC参加後、ロイヤルティ向上

6-6 コールセンターの補完機能:ポジティブ強化

 6-7 社内MROC: 顧客マインドの社内醸成・共有

          ・開発部門がMROCに参加して消費者の声を聞く

6-8 MROC(クローズ)はソーシャルの実験場

6-9 顧客ロイヤルティのキー指標: NPS

  ・NPSの時系列測定とその理由の測定

  ・顧客経験(コンタクト・ポイント)のトラッキング

  ・NPSと顧客経験の相関を時系列測定: 態度変容のトラッキング

6-10 MROCは、共感(共通の感動)の発見

  ・「商売とは感動を与えることである」(松下幸之助)

 6-11 MROCの新動向: MROCの価値の強化

    ・リアルタイム・リサーチ/コンテキスト、エンゲージメント

      ―モバイル

・エンゲージメント強化(活性化)

       -ゲーミフィケーション 

・定性+定量の統合

       -コミュニティ・パネルとビッグデータ

まとめ: ニュー・マーケティング・リサーチの今後
      New(Old MR)+NewMR=NEWMR
      OldMRの革新とNewMRの進化の統合
 
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ビジョン・クリティカル社の日本進出


≪第110回≫

●11月21日(水)にカナダ・バンクーバーに本社をおくMRテクノロジー・カンパニーであるビジョン・クリティカル社の東京オフィス開設のプレス・リリースが世界で発表されました。

コミュニティ・パネルの世界におけるリーディング・カンパニーであり、現在世界で14オフィスでMRサービスを提供しています。

世界のトップブランド100のうち、3分の1が活用しているコミュニティ・パネル手法の日本上陸です。

VC社HP:
http://www.visioncritical.jp/
http://www.visioncritical.com/news/vision-critical-announces-launch-new-tokyo-office

海外メディア:
http://www.research-live.com/news/by-region/vision-critical-opens-new-office-in-japan/4008709.article
http://www.mrweb.com/drno/news16439.htm

日本メディア:
http://www.asahi.com/business/pressrelease/JCN201211210004.html
http://bizex.goo.ne.jp/release/detail/523261/
http://www.japancorp.net/japan/Article.Asp?Art_ID=57888
http://www.value-press.com/pressrelease/104235

●ビジョン・クリティカル社の最新の動向資料(レイ・ポインターが執筆)をお読みください。

ビジネス(意思決定)における「スピード」の重要性を強調しています。いくら有効なインサイトであってもアクションを起こす意思決定のタイミングにまにあわなければ、リサーチャーの苦労もムダになるということです。

メーカーに在籍した時の経験から考えても、確かに相当量のリサーチャー(あるいはリサーチ会社)の労力と能力が、ムダに使われているという実感です。ビジネスですので、「お金」さえ払っていいれば(あるいは、いただいていれば)、それは大きな問題ではないかもしれませんが。
クライアント側にレポートが提出された時には(ひょっとしてそのレポートは徹夜で作成されたかもしれません)、既に意思決定が行われていて、次のステップに入っている時が結構ありました。(そんな時は、リサーチ会社の人には、次のアクションが既にとられていることは、口が裂けても言えませんでしたが。。。)

いかに「コミュニティ・パネル」が、このスピードの課題を解決できるかを日本のリサーチャーにも実感していただければと思います。

http://www.visioncritical.com/ebook-speed/?utm_source=Marketing&utm_medium=General&utm_campaign=Speed

レイ・ポインターの関連ブログ
http://vcu.visioncritical.com/2012/11/built-for-speed
その他のブログ
http://vcu.visioncritical.com/2012/11/community-panels-are-built-for-speed/


●海外のMROCやコミュニティ・パネル(CP)を日本で紹介しているうちに、今回それらを直接、自分で販売することになってしまいました。

私の現在のミッションは、日本に「コミュニティ・リサーチ」(CR)を普及・拡大させることです。NewMRの中で、CRはもっとも有効なものだと考えるからです。ニューロ/エスノや行動経済学も重要ですが、MR全体を変えるものではありません。CRは、2000年代のネット調査に続く、定量と定性の両方を含んだMRの大きな変革だと思います。

2年前にも、イギリスのブレイン・ジューサー社(BJ社)のCEOであるジョン・キーロン氏から直接、日本オフィス開設のお話をいただき、開設準備を進めていたのですが、BJ社の社内事情で、2010年の末に話が中断してしまいました。今回はそれが実現致しました。

欧米のものは、「文化が異なるので」、日本では通用しないとかのご指摘もありますが、

「日本MRの鎖国状態」打破するためには、海外MRの活用も必要かと思います。

文化の相違を根拠とする否定論や懐疑論に固執していると、MRのガラパゴス化は一段と進み、ますます「グローバル化」の波に取り残されるかと危惧します。

●テクノロジーの力でMRを変革しようとしているビジョン・クリティカル社(VC社)の日本進出を機に、日本にこれまでなかった新しいタイプのNewMR/インサイト会社を展開することができればと思います。

●VC社は、CP以外にも、モバイルやバーチャルチョッピング、拡張現実などの最新のテクノロジーを活かしたMR手法を世界で提供し、注目を集めている企業です。

2010年代の世界のMRをリードする企業として、チャレンジと変革を目指しています。

●VC社は、世界の調査会社との間に「パートナー」制度を推進しております。

自社で開発したテクロノジーを多くの調査会社に提供することによって、他の調査会社との間で競合するのではなく、調査会社が、そのクライアントとの間の顧客ロイヤルティをCPによって高めることによって、お互いWIN-WINの関係構築するビジネス・モデルを世界で展開しています。

日本でも多くの調査会社との間で、パートナー関係が生まれ、それらの企業のお役に立てることを願っております。

今後とも、何卒よろしくご指導、ご鞭撻の程お願い申し上げます。


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ビジョン・クリティカル社:東京オフィス開設のお知らせ

Tokyo, 2012年11月21日 11時00分 - (JCN Newswire) - マーケティング・テクノロジー・カンパニーであるビジョン・クリティカル社(本社カナダ・バンクーバー)は、アジア市場のサービス強化の一環と致しまして、この度東京オフィスを開設致しました。

弊社は、2000年の設立以来、世界中にこれまで14のオフィスを展開し、100のグローバル・トップブランドの3分の1を含む600以上のクライアント企業様に、オンライン・リサーチ手法の1つであります『コミュニティ・パネル』のサービスを提供してまいりました。顧客や従業員、市民との強固なエンゲージメントの醸成が、ビジネスにとって重要性であるという認識の拡大に伴い、コミュニティ・パネル・ビジネスは世界中で持続的成長を遂げてきております。

「日本におけるコミュニティ・リサーチは、コミュニティ・パネルの導入によって、MROCsを超えて、ビジネスの意思決定に役立つ、価格以上の価値のある有効なインサイトをスピーディに提供する定量/定性調査のハイブリッド調査へと進化して行くと期待されます」と、ビジョン・クリティカル・ジャパン代表の岸川茂は述べています。さらに続けて、「日本の企業が直面する国内外の重大なビジネス課題の解決をサポートする上で、ビジョン・クリティカルが持つ長年のコミュニティ・パネルの成功体験と、最先端のプラット・フォーム・テクノロジーが、きっとお役に立つものと確信しております」

インサイト・カンパニーであるビジョン・クリティカルは、昨年アメリカの権威あるオンラインMR情報サービスである『グリーンブック』によって、世界中で最も革新的なリサーチ企業の1つとして評価されました。東京オフィスの開設によって、日本のパートナーとクライアント企業様への革新的なビジネス・サポートが可能になりました。

「ビジョン・クリティカルは、アジア市場に深くコミットしてまいります」と、グループCEOのスコット・ミラーは語っております。「有効で創造的なコミュニティ・パネルの活用によって、信頼できるアドバイザーとして、日本企業の皆様の成功をサポートする会社でありたいと願っております。また今回の東京オフィスの開設によりまして、日本の多くの調査関連の企業様と強固なパートナーシップ関係を築くことができればと存じます」

東京オフィスの詳細な情報は、 www.visioncritical.jp をご参照下さい。

ビジョン・クリティカル社について

ビジョン・クリティカルは、コンシューマー・インサイトの世界的リーディング企業であるとともに、最も革新的なソフトウエアの開発企業でもあります。これらによって精度の高いマーケティング・リサーチと、オンライン・テクノロジーのスピードとパワーの融合を実現している企業です。弊社は、北米やヨーロッパ、アジア、オーストラリアのオフィスで600を超える企業をサポートするなど「世界No.1シェアのコミュニティ・パネル・プラットフォームSparq」をはじめとする強力なソフトウエアと、リサーチ・ソリューションを提供しています。より詳しい情報については、 www.visioncritical.com を参照。

Twitter公式アカウント http://twitter.com/#!/visioncritical

メディア担当:
Thao Ngo
Vision Critical
+1-604-629-9387
media@visioncritical.com
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英文:

Vision Critical Announces Launch of New Tokyo Office


News - Published Date:
Tuesday, November 20, 2012
Tokyo, Japan – November, 20, 2012 – Vision Critical is pleased to announce further expansion into the Asian marketplace with the launch of their newest office in Tokyo, Japan. Since its inception in 2000, Vision Critical has expanded into 14 offices globally and serves more than 600 clients, including one-third of the top 100 global brands. The growth in Vision Critical’s online community panels continues to accelerate as clients worldwide seek to better engage their customers, employees and citizens.

“The adoption of online communities in Japan continues to evolve into larger, quantitative and qualitative-based community panels,” says Shigeru “Shiggy” Kishikawa, Vision Critical Managing Director, Japan. “With Vision Critical community panel platform and experience, we are well positioned to support the continuation of this evolution for the domestic and international business needs of Japanese clients.”
The company, cited as one of the most innovative market research firm by GreenBook, will be able to build upon their early success in Asia and directly assist Japanese partners and clients with creating and running effective community panels.
“Vision Critical remains deeply committed to the Asian marketplace,” says Scott Miller, Group CEO, Vision Critical. “We hope to work alongside our Japanese clients as trusted advisors to further leverage online communities and enable their success. I am very excited about this latest expansion and the potential to forge many strong partnerships in Japan.”

To learn more about the Vision Critical Tokyo office, visit: www.visioncritical.jp


About Vision Critical
Vision Critical pairs the world’s leading consumer insight specialists with the most innovative software developers, marrying the precision of market research with the speed and power of online technology. Serving over 600 global brands through offices across North America, Europe, Asia and Australia, Vision Critical creates powerful software and research solutions, including the world’s leading Community Panel platform. For more information, please visit www.visioncritical.com;and follow Vision Critical on Twitter at http://twitter.com/#!/visioncritical
 
Media Contact
Thao Ngo
Vision Critical
604-629-9387
media@visioncritical.com






 

JMRX勉強会11月度満員御礼


≪第108回≫

いよいよ明日開催です。

2010年5月のJMRX勉強会スタート以来、もっとも海外の大物リサーチャーのゲストかと思います。

先日予告致しましたように、11月26日(月)と27日(火)の両日、以下の2つの勉強会を開催致します。

お陰様で、両勉強会とも100名を超える参加で、目でたく「満員御礼」でございます。

http://kokucheese.com/event/index/61046/
http://www.facebook.com/events/490524804314824/
http://www.gmo-research.jp/topics/2012/11/gmo-3.html
http://borders.jp/seminar/20121127/

●NewMRの世界的Thought Leaderであるレイ・ポインター氏にMRの最新動向と、今後のMR動向、日本のMRへの示唆を語っていただきます。

当日はビデオも撮りますので、後日ビデオもご利用下さい。

JMA(日本マーケティング協会)の有料セミナーも実施
http://www.jma2-jp.org/seminars/seminar_detail/558

●26日の週は、この他、29日(木)に、JMRA(日本マーケティング・リサーチ協会)の年次会議も開催されます。まさに、「リサーチ・ウィーク」のようです。
http://www.jmra-net.or.jp/conference/

お時間が許す方は、ぜひご参加下さい。この続きは、会場で!

JMRX勉強会は、通常は7:30開始ですが、今回は7:00からですので、ご注意下さい。

*満員締切で参加応募できない方は、当日キャンセルもあるかと思いますので、ご連絡下さい。shigeru.kishikawa@experidgejapan.com

 

JMRXメンバーの集合知としてのリサーチ本出版


≪第109回≫

●9月6日の第100回ブログで、MRの集合知と題して、MRWiki計画をご案内致しました。
http://www.minnanomr.com/2012/09/mr.html#!/2012/09/mr.html

オンライン上にWikiを作る前に、そのきっかけ作りとして、JMRX参加メンバー(メンバー資格は、これまでJMRX勉強会に一度でも参加された方です)によるリサーチ本を予定しております。

それをベースにWikiを作成する予定です。

来年の春ぐらいの出版を予定しております。

出版社は既に決定しております。編集会議を無事通過して、あとは執筆のみです。

JMRXメンバーのリサーチャーの集合知としてのMR本です。

実際のリサーチ・プロジェクトの実施にすぐに役立つ実践的な本を目指しています。

課題解決事例や図解が豊富なMR本です。

●MRの企画から、データ収集、分析、報告書作成のリサーチ・プロセスをカバーします。

定量や定性調査、分析手法、次世代MRも含まれます。



●これからMRを学ぼうとしている方や、現在MRを使っている方などとの「情報共有」としてのMR本です。

MRはこのようにして行えばよいとか、このようなことを知っておくと便利だとか、現在リサーチの現場で活躍されている経験豊富なリサーチャーの方の知識や経験、コツを広く共有し、リサーチャーの「集合知」としてのMRができればと思います。

●何かリサーチについて、

この機会に語ってみたい方、
後輩や同僚のリサーチャーに訴えたいことがある方、
世の中に多くのMR本が出版されているけれでも、自分だったらこんな本が良いというアイディアをお持ちの方、
こんな内容だと初心者にもわかりやすいという考えをお持ちの方、
理解が難しい項目をわかりやすく解説してやろうという方
ご自身の最も得意とする分野の知識を(もったいないけれでも)少しはみんなと共有してやってもよいという方、
もっと実践で役立つMR本が必要だと思っている方、
1冊の本を書くほど時間や情報がないけれども、1章や1節、1パラグラフ、1行、1文ぐらいならMRの薀蓄を語れる方、
初めて商業出版に参加してみたい方、
門外不出のMRのコツ、シークレットをお持ちの方
この参加をきっかけに自分でも将来MR本を書いてやろうという方
こんなにわかりやすくて役立つMR本がほしかったと思っている方で、ご自身でそれを作ってみようと思う方
「MRはこれ一冊で」という本をつくってみようと思う方
あとの参加者該当条件の文章は考えて、ご自身に勝手に当てはめてください。。。

などなど、

「一文や一行」参加でも結構ですので、ご参加下さい。著者全員の名前を表示致します。

ちなみに誠に申し訳ありませんが、印税はすべて、JMRXの活動費にあてたいと思いますので、ご了承お願い致します。飲み会費用はここから出るかと思います。

本の作成過程で、本の中に収録できなかった部分は、MRWikiの中に掲載する予定です。商業出版では、どうしても頁数に限定があり、すべてを語れません。その部分は「続きはネットで」になります。

よろしくご協力お願い致します。

与えよ さらば与えられん。 Give and take.(新約聖書)


 

第32回JMRX勉強会報告: ESOMAR Congress報告


≪第107回≫

2012年10月31日(水)に、(株)ビデオリサーチ社のミーティングルームをお借りして、第32回JMX勉強会を開催致しました。

今回のテーマは、「ESOMAR Congress 2012:Accelerating Excellence」と題して、

9月9日から12日まで、アメリカのアトランタで開催されました第65回ESOMAR会議への参加報告を私が行いました。

勉強会告知:http://kokucheese.com/event/index/57313/

ESOMARの会議案内: http://www.esomar.org/events-and-awards/events/global-and-regional/events2012/congress-2012/23_congress-2012.overview.php

●65回のESOMAR Congressの歴史の中で、初めてアメリカで開催された記念すべき大会でした。

写真は、ベストペーパー賞を受賞したイギリス・ブレイン・ジューサー社のTom Ewing氏の発表風景です。

●余談ですが、アトランタは、US留学時代に一度、訪れたことがある都市で、その時は、マーティン・ルーサー・キング牧師のMartin Luther King Jr. National Historic Siteに行きました。また、コカコーラやCNNの本社がある都市で、「風と共に去りぬ」の著者であるマーガレット・ミッチェルの生誕地としても有名です。町の真ん中を南北に走るピーチツリー通りの街並みが美しかった印象が強く残っています。

http://www.axisatl.com/attraction.html
http://homepage3.nifty.com/cardiff/usa/MLKnationalhistoricsite.html
http://allabout.co.jp/gm/gc/77419/
http://janeinmydream.blog10.fc2.com/blog-entry-162.html

●さて、会議の方ですが、数あるESOMARの会議に中でも、さすが年1回開かれる本会議とあって、ESOMAR AP(アジア・パシフィック)会議やESOMAR3D会議のような地域会議や専門会議と比較して、その内容の充実ぶりが際立っています。各国、各社、各リサーチャーが競って優れた発表を行う場として、リサーチャーとして一度は参加する価値があるかと思います。ちなみに来年(2013年)は、トルコのイスタンブールで開かれる予定です。

●当日発表資料

 

2012年10月度第33回Jmrx勉強会資料 from Shigeru Kishikawa

ESOMAR会議で発表された34のプレゼンを次の6つの最新動向にそって、そのポイントを説明致しました。
①ソーシャル・リスニング、②MROC、③モバイル・リサーチ、④行動経済学、⑤ニューロサイエンス/バイオメトリクス、⑥リサーチ2030


●いずれも意欲的で非常に刺激的な発表内容でした。

MROCの有効活用事例の紹介や、行動経済学のMRへの活用による既存MRのグレードアップの方向性の示唆、2030年(あと18年後)のMRのあるべき姿を見据えたMRの新たな挑戦の事例など、今後のMRを考える上での大きなヒントをえることができる内容がいっぱいでした。新しい挑戦意欲がわくMR会議でした。

写真:CommunispaceのCEOダイアン・ヘッセンの発表

●会議の内容をよくフォローしていただいた次のブログも参照
「いまんとこの最適化:JMRXに久々にいってきた」
http://d.hatena.ne.jp/mshino55/20121031/1351689364





 

#150 レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告

<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...