2011年12月7日水曜日

第20回JMRX勉強会報告(2011年11月30日)

《第85回》

●2011年11月30日(水)に、GMOリサーチさんの会議室をお借りして、第20回JMRX勉強会を開催致しました。

毎度、会場を提供していただいているGMOリサーチ(株)ならびに運営をお手伝いしてくださる社員の皆様に深く感謝申し上げます。

●発表内容は、去る2011年10月27日と28日に、米国のマイアミで行われたESOMAR3D会議の内容報告です。

その会議で、震災後の日本人の価値観変化のソーシャルリスニング結果を発表された(株)ホットリンクの内山社長にプレゼンを日本語で再現していただきました。

また、共同研究をされたキリン食文化研究所の太田恵理子所長とのジョイント・プレゼンをしていただきました。

●ESOMAR3D会議に参加したGMO-JMIの五味さんにソーシャルメディアリサーチ関係の報告をしていただきました。

●最初に、同じく会議に出席しました私、岸川(MROCジャパン代表)の方から、会議の概要を簡単に説明させていただきました。

●最後に、日産自動車株式会社の高橋直樹氏から「デジタル調査の可能性と役割」と題して全体の総括をしていただきました。

ESOMAR3D会議については、第83回ブログを参照。

7:35-7:50 ESOMAR3D会議の概要(MROCジャパン代表:岸川茂)

7:50-8:10 ソーシャルメディアリサーチの新動向(GMO-JMI:五味達宏氏)

8:10-9:00 「日本の地震と津波」~ソーシャルメディアリサーチを使って震災後の日本人の価値観の変化を分析~(ホットリンク内山幸樹社長+特別ゲスト:キリン食文化研究所太田恵理子所長)

9:00-11:00 懇親会

※この日の発表内容の一部は、翌日発売の『宣伝会議』12月1日号に掲載されました。

●以下、当日資料です:




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2011年12月5日月曜日

「進化するMROC」 (The Next Evolution Of MROCs)の紹介

《第84回》

●2011年10月のESOMAR3D会議で、MROC2.0という言葉が初めて登場しました。

3D会議では、2つのMROC関連の発表があり、本会議の前にMROCの世界的リーディングカンパニーである米国Communispace社による1日ワークショップも行われました。

Communispaceの創業者メンバーの1人に、日本の現在のMROCの状況を説明したところ、2005年ぐらいの米国の状況によく似ているとのことでした。

最近は、有名になり、日本から直接Communispace社の方にプロジェクトを相談する日本の企業が増えているそうです。具体的に、大阪に本社のある企業名を挙げられ、どのような企業なのかを尋ねられました。

ESOMAR3D会議については、

http://www.minnanomr.com/2011/12/esomard.html参照。

●2011年2月のQRWEB2.0会議(マカオ)、6月のCASROでのMROC会議(ニューヨーク)、そしてESOMAR3D会議(マイアミ)でのMROC成功事例の発表といった一連のMROC関連会議に今年参加して、2011年世界のMROCはさらに進化したと実感しました。

2011年のMROCの内外における進展をレビューする前に、

ForresterリサーチのリサーチャーであったTamara Barber氏(写真:現在、米国Affinova社のSr Director of Strategic Marketing)が、2011年1月に発表した

2010年までの欧米のMROC状況を総括し、今後を展望した記事(有料)を紹介したいと思います。以下で紹介するMROCについての彼女の予想のうちのいくつかは、2011年既に現実化されています。

●記事名は、

The Next Evolution Of MROCs by Tamara Barber

より詳細な内容については、原文をご参照下さい。

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●要約:

・過去2年間(2009-2010年)でMROCは、(欧米において)有効な調査方法として認知され、そのビジネス・モデルが展開された。

・MROCは今後、単に定性インサイトの提供だけでなく、戦略的イノベーション・プロジェクトで使われるだろう。

・さらにその他のソーシャル・メディアやモバイルの利用によってより活性化するだろう。

・調査会社も、新規参入もあり、プラットフォームの提供からフルサービスの提供へ移行するだろう。

●本文:

(1)MROCは新局面へ

・2年前(2008年)にフォレスターが、WEB2.0を活用したより強固な定性リサーチ・プロセスを生み出すMRのソリューションとして、MROC概念を導入した。

・USでの過去2年間で、クライアント側が、MROCとその有効活用の方法を理解した。

・サービスの向上への要求と、モバイルやソーシャル・メディアの普及により、MROCがリサーチに活用される方法は、さらなる進化をとげるだろう。

(2)今後のMROCの展開の3方向

①製品開発初期において、より価値を提供するようになる。

・クライアントは、調査プロセスの初期の段階にMROCを組み入れるようになる。

・コュニティの方法の改善やROIの向上の要求によりこの傾向は進むだろう。

・事例として、共創エイジェンシーのPromise社との協働により、ダノンUKは、Active Snack PotとActivia Pouring Yogurtいうヒット商品を生みだした。

② モバイル利用の増加

・例えば、self-ethnography のような活動に対応するアプリ・ベースのモジュールが必要になる。

③既存ソーシャル・メディアとの連動

・Facebookに類似したプラッットフォームの開発。

(3)MROCビジネス・モデルのニューフレームワーク

・MROCの動向

①エンゲージメントの重視

・MROCの現在の議論は、コミュニティの規模(大きさ)についてではなく、「エンゲージメント」(参加者がコミュニティや対象ブランドや製品・サービスに対して絆を持つ)がポイントに。コミュニティの状態を示す指標でもあり、コミュニティの果たす役割としても重要。

②伝統的調査会社のMROCへの参入

・小さなエージェンシーも参入

(4) 以上からの示唆

・MROC市場の成長はゆるやかに継続する

・MROCのブームはUSでは一段落。リサーチ・ミックスに組み入れられるように、MROCが提供する価値の拡大に焦点が移行

・一方で、MROCに対して保守的な見方をしていたクライアントと調査会社サイドが、自分たちのビジネスにどのように活用できるかを模索しだした。

・MROC市場の成長は続く:大手が拡大の新たな方法を開拓する一方、新規が参入してくる。

・その結果、

①MROC大手は調査会社の大手企業による買収か、提携が行われる。

・これまで、大手調査会社はMROCに対しては静観状態。

・これら大手企業による買収か提携がありうる。

新規参入企業の失敗の可能性

・コミュニティ運営の正しい知識不足

③調査会社は、より強固な成功事例を作る必要がある

・コミュニティ・リサーチの成功事例の体系化が必要

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※最後に、上記の有料記事を提供していただいた(株)クロス・マーケティングに御礼申し上げます。

ESOMAR3D会議の内容をフォローするための参考資料

《第83回》

●12月1日発売の宣伝会議2011年12月1日号に、

「リサーチ業界でもソーシャルメディアの役割高まる」

の記事を寄稿しました。

ESOMAR3D会議の参加報告です。

●以下は、ESOMAR3D会議の内容を知るための参考資料です。

1)プログラム(クリックするとリンク先が表示されます)


2)会議での発表プレゼン資料

残念ながら発表のすべてのプレゼン資料ではありません。また公開されたもの資料の中でも一部外部公表できないスライドは削除されています。

しかし、このようなプレゼン資料の公開はESOMARにとっても初めての試みで、出席できなかったリサーチャーにとっては非常に参考になるものだと思います。

@surveyml氏もこれについて以下のようにツイート:


萩原 雅之 (ML管理人) なんと先日のESOMAR 3Dのプレゼン資料が一挙公開されてる。これはすごい、世界の先端リサーチャーが何を考えているのかまとめて手に入るとは!!日本中のリサーチャーたちに拡散すべき。 ow.ly/7vnz1 #jmrx
11月16日 HootSuiteから 

3)発表内容のより詳細を知りたい場合は、ESOMAR販売の発表ペーパーの購入をお勧めします。オンライン上から簡単に購入できます。

ペーパー購入サイト: 一部15ユーロ、すべてのペーパー150ユーロです。

4)ESOMAR自らの会議レポート

ESOMAR 3D Day 1

ESOMAR 3D Day 2

パネルディスカッションのまとめ

5)ESOMAR 3D 2011 Recaps  

ジェフリー・ヘニング氏による会議内容のレビュー・レポート。会議をレビューしたほとんどのブログが掲載されています。(それゆえそれらの資料のここでの紹介は省略します)。これはレビューには非常に便利です。

6)Philip SheldrakeのThe Business of Influence のSlideShare上のプレゼン資料
http://www.slideshare.net/Sheldrake/the-business-of-influence-esomar-3d-digital-dimensions-conference-2011

7)ESOMAR 3D プレビューブログ

8)この大会のプログラム委員会の委員長であったReg BakerのブログESOMAR 3D





#150 レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告

<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...