《第84回》
●2011年10月のESOMAR3D会議で、MROC2.0という言葉が初めて登場しました。
3D会議では、2つのMROC関連の発表があり、本会議の前にMROCの世界的リーディングカンパニーである米国Communispace社による1日ワークショップも行われました。
Communispaceの創業者メンバーの1人に、日本の現在のMROCの状況を説明したところ、2005年ぐらいの米国の状況によく似ているとのことでした。
最近は、有名になり、日本から直接Communispace社の方にプロジェクトを相談する日本の企業が増えているそうです。具体的に、大阪に本社のある企業名を挙げられ、どのような企業なのかを尋ねられました。
●ESOMAR3D会議については、
http://www.minnanomr.com/2011/12/esomard.html参照。
●2011年2月のQRWEB2.0会議(マカオ)、6月のCASROでのMROC会議(ニューヨーク)、そしてESOMAR3D会議(マイアミ)でのMROC成功事例の発表といった一連のMROC関連会議に今年参加して、2011年世界のMROCはさらに進化したと実感しました。
●2011年のMROCの内外における進展をレビューする前に、
ForresterリサーチのリサーチャーであったTamara Barber氏(写真:現在、米国Affinova社のSr Director of Strategic Marketing)が、2011年1月に発表した
2010年までの欧米のMROC状況を総括し、今後を展望した記事(有料)を紹介したいと思います。以下で紹介するMROCについての彼女の予想のうちのいくつかは、2011年既に現実化されています。
●記事名は、
The Next Evolution Of MROCs by Tamara Barber
より詳細な内容については、原文をご参照下さい。
*************************
●要約:
・過去2年間(2009-2010年)でMROCは、(欧米において)有効な調査方法として認知され、そのビジネス・モデルが展開された。
・MROCは今後、単に定性インサイトの提供だけでなく、戦略的イノベーション・プロジェクトで使われるだろう。
・さらにその他のソーシャル・メディアやモバイルの利用によってより活性化するだろう。
・調査会社も、新規参入もあり、プラットフォームの提供からフルサービスの提供へ移行するだろう。
●本文:
(1)MROCは新局面へ
・2年前(2008年)にフォレスターが、WEB2.0を活用したより強固な定性リサーチ・プロセスを生み出すMRのソリューションとして、MROC概念を導入した。
・USでの過去2年間で、クライアント側が、MROCとその有効活用の方法を理解した。
・サービスの向上への要求と、モバイルやソーシャル・メディアの普及により、MROCがリサーチに活用される方法は、さらなる進化をとげるだろう。
(2)今後のMROCの展開の3方向
①製品開発初期において、より価値を提供するようになる。
・クライアントは、調査プロセスの初期の段階にMROCを組み入れるようになる。
・コュニティの方法の改善やROIの向上の要求によりこの傾向は進むだろう。
・事例として、共創エイジェンシーのPromise社との協働により、ダノンUKは、Active Snack PotとActivia Pouring Yogurtいうヒット商品を生みだした。
② モバイル利用の増加
・例えば、self-ethnography のような活動に対応するアプリ・ベースのモジュールが必要になる。
③既存ソーシャル・メディアとの連動
・Facebookに類似したプラッットフォームの開発。
(3)MROCビジネス・モデルのニューフレームワーク
・MROCの動向
①エンゲージメントの重視
・MROCの現在の議論は、コミュニティの規模(大きさ)についてではなく、「エンゲージメント」(参加者がコミュニティや対象ブランドや製品・サービスに対して絆を持つ)がポイントに。コミュニティの状態を示す指標でもあり、コミュニティの果たす役割としても重要。
②伝統的調査会社のMROCへの参入
・小さなエージェンシーも参入
(4) 以上からの示唆
・MROC市場の成長はゆるやかに継続する
・MROCのブームはUSでは一段落。リサーチ・ミックスに組み入れられるように、MROCが提供する価値の拡大に焦点が移行。
・一方で、MROCに対して保守的な見方をしていたクライアントと調査会社サイドが、自分たちのビジネスにどのように活用できるかを模索しだした。
・MROC市場の成長は続く:大手が拡大の新たな方法を開拓する一方、新規が参入してくる。
・その結果、
①MROC大手は調査会社の大手企業による買収か、提携が行われる。
・これまで、大手調査会社はMROCに対しては静観状態。
・これら大手企業による買収か提携がありうる。
②新規参入企業の失敗の可能性
・コミュニティ運営の正しい知識不足
③調査会社は、より強固な成功事例を作る必要がある
・コミュニティ・リサーチの成功事例の体系化が必要
************************
※最後に、上記の有料記事を提供していただいた(株)クロス・マーケティングに御礼申し上げます。
●2011年10月のESOMAR3D会議で、MROC2.0という言葉が初めて登場しました。
3D会議では、2つのMROC関連の発表があり、本会議の前にMROCの世界的リーディングカンパニーである米国Communispace社による1日ワークショップも行われました。
Communispaceの創業者メンバーの1人に、日本の現在のMROCの状況を説明したところ、2005年ぐらいの米国の状況によく似ているとのことでした。
最近は、有名になり、日本から直接Communispace社の方にプロジェクトを相談する日本の企業が増えているそうです。具体的に、大阪に本社のある企業名を挙げられ、どのような企業なのかを尋ねられました。
●ESOMAR3D会議については、
http://www.minnanomr.com/2011/12/esomard.html参照。
●2011年2月のQRWEB2.0会議(マカオ)、6月のCASROでのMROC会議(ニューヨーク)、そしてESOMAR3D会議(マイアミ)でのMROC成功事例の発表といった一連のMROC関連会議に今年参加して、2011年世界のMROCはさらに進化したと実感しました。
●2011年のMROCの内外における進展をレビューする前に、
ForresterリサーチのリサーチャーであったTamara Barber氏(写真:現在、米国Affinova社のSr Director of Strategic Marketing)が、2011年1月に発表した
2010年までの欧米のMROC状況を総括し、今後を展望した記事(有料)を紹介したいと思います。以下で紹介するMROCについての彼女の予想のうちのいくつかは、2011年既に現実化されています。
●記事名は、
The Next Evolution Of MROCs by Tamara Barber
より詳細な内容については、原文をご参照下さい。
*************************
●要約:
・過去2年間(2009-2010年)でMROCは、(欧米において)有効な調査方法として認知され、そのビジネス・モデルが展開された。
・MROCは今後、単に定性インサイトの提供だけでなく、戦略的イノベーション・プロジェクトで使われるだろう。
・さらにその他のソーシャル・メディアやモバイルの利用によってより活性化するだろう。
・調査会社も、新規参入もあり、プラットフォームの提供からフルサービスの提供へ移行するだろう。
●本文:
(1)MROCは新局面へ
・2年前(2008年)にフォレスターが、WEB2.0を活用したより強固な定性リサーチ・プロセスを生み出すMRのソリューションとして、MROC概念を導入した。
・USでの過去2年間で、クライアント側が、MROCとその有効活用の方法を理解した。
・サービスの向上への要求と、モバイルやソーシャル・メディアの普及により、MROCがリサーチに活用される方法は、さらなる進化をとげるだろう。
(2)今後のMROCの展開の3方向
①製品開発初期において、より価値を提供するようになる。
・クライアントは、調査プロセスの初期の段階にMROCを組み入れるようになる。
・コュニティの方法の改善やROIの向上の要求によりこの傾向は進むだろう。
・事例として、共創エイジェンシーのPromise社との協働により、ダノンUKは、Active Snack PotとActivia Pouring Yogurtいうヒット商品を生みだした。
② モバイル利用の増加
・例えば、self-ethnography のような活動に対応するアプリ・ベースのモジュールが必要になる。
③既存ソーシャル・メディアとの連動
・Facebookに類似したプラッットフォームの開発。
(3)MROCビジネス・モデルのニューフレームワーク
・MROCの動向
①エンゲージメントの重視
・MROCの現在の議論は、コミュニティの規模(大きさ)についてではなく、「エンゲージメント」(参加者がコミュニティや対象ブランドや製品・サービスに対して絆を持つ)がポイントに。コミュニティの状態を示す指標でもあり、コミュニティの果たす役割としても重要。
②伝統的調査会社のMROCへの参入
・小さなエージェンシーも参入
(4) 以上からの示唆
・MROC市場の成長はゆるやかに継続する
・MROCのブームはUSでは一段落。リサーチ・ミックスに組み入れられるように、MROCが提供する価値の拡大に焦点が移行。
・一方で、MROCに対して保守的な見方をしていたクライアントと調査会社サイドが、自分たちのビジネスにどのように活用できるかを模索しだした。
・MROC市場の成長は続く:大手が拡大の新たな方法を開拓する一方、新規が参入してくる。
・その結果、
①MROC大手は調査会社の大手企業による買収か、提携が行われる。
・これまで、大手調査会社はMROCに対しては静観状態。
・これら大手企業による買収か提携がありうる。
②新規参入企業の失敗の可能性
・コミュニティ運営の正しい知識不足
③調査会社は、より強固な成功事例を作る必要がある
・コミュニティ・リサーチの成功事例の体系化が必要
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※最後に、上記の有料記事を提供していただいた(株)クロス・マーケティングに御礼申し上げます。
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