2015年3月20日金曜日

#144 第50回記念JMRX勉強会報告

 
<第144回> 第50回記念JMRX勉強会報告 2015年3月20日

お陰様で50回!

● 5年前の2010年5月10日に、第1回の「JMRX勉強会」(福井瑤子氏による 『インタビュー調査のすすめ方』 出版記念講演会)を開催致しましてから、今回で50回目をむかえることができました。

これまでに日本のMRを変革することをミッションとするJMRX活動に、ご協力いただきました多くの講演者の方々や会場提供社、参加者の皆様に深く感謝申し上げます。

100回を目指して、さらなるグレードアップを図りたいと思います。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

● さて、今回は、開催50回を記念致しまして、日本を代表するリサーチャーとプランナーのお二方をお招きして、以下の次第で勉強会を開催致しました。


刺激的で、レベルの高いご講演内容を無理やり、持ち時間わずか40分でご講演いただき、一部消化不良になり申し訳ありませんでした。

また、年度末で何かとお忙しいかところご参加いただきました58名のリサーチャーの皆様にも感謝申し上げます。お陰様で会場は満席になりました。

最後に(the last but not least)、今回も貴重な会場をご提供していただきました(株)ミクシィ・リサーチ様には深く感謝申し上げます。
  
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第50回記念JMRX勉強会報告

2015年3月19日(木) 19:30-21:00 @Mixiオフィス

(1) 19:40-20:20
「リサーチ革新なくしてプラニング革新なし
~広告会社のリサーチと、パートナー企業(リサーチ会社)に期待すること~」

伊賀聡(いがあきら)氏
株式会社 博報堂 
マーケティング戦略企画室 リサーチビジネス推進部
第1プラニング局 シニアマーケティングディレクター(兼務)

(2) 20:20-21:00

動経済学によるマーケティングリサーチの革新」
萩原雅之氏
トランスコスモス・アナリティクス株式会社 取締役副社長
株式会社マクロミル総合研究所 所長

 
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● かつて、前のP&G global head of MRであったKim Dedeker氏が、「Market research as we know it will be dead by 2020.(我々がマーケティング・リサーチと現在、理解しているものは、2020年までには消滅するだろう)」と予測しました。あと5年です・・・
 
その予測の当否はともかくとして、それを裏付けるかのように、欧米のMRは現在、急激に変化しています。
 
例えば、モバイル・リサーチや、コミュニティ、DIY、マイクロ・サーベイ、オートメーション、
テキスト分析、フェイシャル・コーディング、ソシャル・メディア・リサーチ、パッシブデータ、ゲーミフィケーション、ウエアラブル、ニューロ・マーケティング、バイオメトリクス、行動経済学、ビッグ・データ、シングルソース、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)
などなど、従来のMRに含まれていなかった数多くのツール・ボックスが出現してきています。

 
● そのようなグローバルのMR状況の中で、今後のMR動向に大きな影響を与えるであろう「行動経済学」について、トランスコスモス・アナリティクス株式会社 取締役副社長の萩原雅之氏 にご講演いただきました。

萩原氏もご講演の中で指摘されていますように、行動経済学は、サーベイの方法や回答の解釈への影響や、サーベイを超えた無意識/感情レベルの測定の分野において、これまでのMRに対して、重要な問題提起をしています。
 
● アメリカのMR情報サービス団体であるGreenbookが実施していますGRIT調査(GreenBook Research Industry Trends Survey)で3年連続で、世界で最もイノベイティブなMR企業に選出されているイギリスのブレインジューサー社のCEOであるジョン・キーロン氏も次のように言っています。

今後10年間に、行動科学Behavioral Scienceと、システム1リサーチツールは、オンラインやモバイル、ビッグデータ以上に、リサーチを根本的に変えてしまうだろう」と。 


ご講演をお聞きになって、この予測について、なるほどと思われた方もおられるかと思います。

● ご講演の中で言及されておられたように、2010年の7月15日に開催した第3回のJMRX勉強会、『「次世代マーケティングリサーチ」総ざらいー海外で注目される新技法は日本でも普及するのかー』と題して、萩原氏にご講演をいただきました。(当時は、JMRXを「ツイッチャー会」と呼んでいました。Twitterを使っていたリサーチャーが集まる会がその由来です)

http://www.minnanomr.com/2010/07/blog-post.html?updated-min=2010-01-01T00:00:00%2B09:00&updated-max=2011-01-01T00:00:00%2B09:00&max-results=48

日本のMRにとってエポック・メイキングな著書である氏の『次世代マーティングリサーチ』の「あとがき」で、ご指摘していただいているように、その時の講演が、その名著執筆のきっかけになっています。

同様に、今回の講演内容が、「次世代リサーチャー」への刺激になって、日本のMRの変革の1つの流れが生まれることを氏も期待されています。同感です。


● JMRX勉強会は、ソーシャルとアクションを標榜しています。つまり、

単に勉強会に出席するだけでなく、

①勉強会の後は、その内容について、議論をしあう!ソーシャル=双方向のコミュニケーションが重要です。
②実際の変化のアクションにつなげる!この勉強会からMROCが誕生したように、新しいMRツールボックスが生まれることを期待しています。

● 発表原稿: 


● 萩原氏のご講演に先立ち株式会社博報堂マーケティング戦略企画室リサーチビジネス推進部
第1プラニング局シニアマーケティングディレクター(兼務)の伊賀聡氏から、「
リサーチ革新なくしてプラニング革新なし~広告会社のリサーチと、パートナー企業(リサーチ会社)に期待すること~」と題して、ご講演をいただきました。 


残念ながら、ご講演内容は、所属会社の関係で「非公開」でございます。(公開可能な部分を入手できましたら、後日掲示させていただければと思います。ご了承下さい。)

● 博報堂のリサーチの興味深い取り組みが数多く紹介されました。

消費者ではなく、「生活者」の用語の使用の由来や博報堂生活総合研究所(1981年設立)の取り組みや、リサーチの質への問題提起など、非常にインスパイヤな内容でした。

リサーチは、もっと「クリエイティブになれ」や「マーケットアウトになれ」のご指摘は、深く肝に銘じなければと思いました。

『「生活者インサイト」こそ、プランニングのキードライバー』と、おっしゃるように、博報堂のリサーチ重視のカルチャーには、一リサーチャーとして、感謝するとともに、その取り組みを全力で応援してゆきたいと感じました。

● 今回、勉強会に参加されて、何かを感じた方、何かヤル気が出た方、何か業務に生かそうと思われた方などなど、どんどんTwitter(#JMRX)やFacebookで、発信お願い致します!
 

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