2011年11月29日火曜日

JMRAアニュアル・カンファレンス・レポート (2)

《第77回》

ソーシャル・メディアを活用したショッパー・インサイトの把握
(株式会社マクロミル上田 雅夫)

●従来のショッパー・インサイトの調査手法の欠点を補う方法として、ツイッターの利用を試みた非常に興味深いチャレンジングな研究です。

店頭観察調査の実施実現の難しさ(お店の協力など)や、サーベイ調査による対象者の記憶の問題など、購買時点の態度・行動をより正確に測定する方法がショッパー・インサイトの発見では求められています。

ITの進歩は徐々にその可能性を高めています。

その1つであるツイッターを利用して、より精度の高いショッパー・インサイト調査の確立を目指した研究です。

●外部の人からつぶやきが見れないように(参加者間はお互いの発言は見られるの返信やRTは可能)、調査用のツイッターのアカウントと設定し、買い物について自由につぶやいてもらう方法。会話を妨げないように主催者側の発言は原則1日1回。

●提出ペーパーによりますと、この調査によって、

①十分な発言が得られた、
②RTや引用により会話が成立
③購買理由において非価格の比率は低くない
④購買理由は日々変化する

点を明らかにし、ショッパーインサイトの発見に、ソーシャルメディアであるツイッター活用の有効性を検証しています。

●(所感)モバイル調査の1つです。モバイル・アプリでも可能だと思います。

ソーシャルメディア・モニタリングでも、ショッパー・インサイトはリスニング可能でしょう。

また、MROCの中での展開も可能です。エスノ的観察も実施可能でしょう。

このように、ITの進歩は、ショッパーインサイト・リサーチの可能性を大きく拡大してくれるものと期待されます。


******************************

以下、プレゼン中の私の個人的ノートです。

●12:58-13:20

はじめに

調査概要

調査結果

・ショッパーインサイトへの関心の高まり

Deloitteの研究

・これまでの購買意識のアプローチ方法

既存手法ではショッパーインサイトの測定が難しい

Twitterプラットフォームを活用するメリット

1440万人

即時性の高いコミュニケーション

文章ではなくつぶやき⇒本音の収集

全国25-34才

iPhone所有者で、日常的にツイートしている人が対象

50人―42人

調査用のIDを取得

自発的発言、働きかけは必要なものに限定、最小限

期間中のツイート数

1人当たり1-2ツイート

毎日約半数がツイート

書き込みのあった購入業態

CVS,スーパー

書き込みタイミング

何かしたタイミング

メンバー間の相互作用:会話が見られた

同一個人の状況の変化:購買理由が状況に依存

発言内容

感想が6割、理由が4割

購入理由で非価格の理由の比率が高いープロモーションに活用

結論

1) 気分の変化:気が緩み購入

⇒気分を変化させる売り場を作る

2) ネットの影響:ネットの記事の影響

⇒リアルとバーチャルの連動

3) 店頭における推奨:オススメ

⇒適切な推奨

実験調査の長所

コミュニティによる相互作用だけでない

記憶に頼らずに意識・態度を変化

時間軸の行動(背景・状況)

表現の多様性(写真、絵文字)

短所

構造化する必要がある調査に不向き

SMRの今後の展望と課題

場所・時間に制限されない

他の調査への応用(耐久財の購買過程、契約型サービスの満足度調査)

位置情報、購買情報

全員ができるわけではない

0 件のコメント:

#150 レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告

<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...