2011年11月29日火曜日

JMRAアニュアル・カンファレンス・レポート (4)

《第79回》

 "伝統的な調査手法と“傾聴”から見えてきたこと -自主調査「東日本大震災被災者アンケート」-"
(株式会社サーベイリサーチセンター  " 岩崎 雅宏氏、石川 俊之氏")

●surveyml 萩原 雅之 (ML管理人)氏

昨日のJMRAカンファレンスで最も印象に残ったのは、ベストペーパー賞を受賞したサーベイリサーチセンターの研究発表「伝統的な手法と"傾聴"から見えてきたこと」だ。傾聴面接調査法という新しい考え方が提示された http://ow.ly/7CHnv #jmra2011


surveyml 萩原 雅之 (ML管理人)氏


(続き)震災被災者を対象に、調査員面接なのに「対象者が話したい、聴いてもらいたい」と思っていることを時間をかけて引き出す真摯な試み。構成的質問なのに非構成的な回答も許容する。"傾聴"はソーシャルメディアだけではない。 http://ow.ly/7CHsV #jmra2011


hayanana hayashi nana

今まで見聞きした”傾聴”は、精神論的なものだったり、”ask"をせずにひたすら”listen"というリサーチの現場からは非現実的に思える(かつ個人でSNSを眺めたり文化人類学だったりとの違いが分からない)ものだったり、いまいちピンとこなかったが昨日のSRCさんの発表は腑に落ちた


hayanana hayashi nana


私もこれ、面白かった。傾聴の具体的な手法をまとめたところが。RT @surveyml (続き)震災被災者を対象に、調査員面接なのに「対象者が話したい、聴いてもらいたい」と思っていることを時間をかけて引き出す真摯な試み。構成的質問なのに非構成的な回答も許容する


と参加者の皆さんから高い評価を得ています。

●災害調査への貢献は大きいと思います。

●『「質問紙に基づく定量調査」をベースとしながら、通常の自由回答とは異なる「対象者が話しだすまで待ち、話し終わるまで聴き、記録する」、「設問意図と異なるエピソードも遮らない」等の応答法を採り入れた。・・・「傾聴面接調査法」を実施することで「生死を分けた意識・行動」の一端をとらえることができると考える』

●『「傾聴面接調査法』は、質問紙調査では聞き取れない被災時の辛い体験や想定外の状況における避難行動や愛他・同調行動などの本音を聞くことができた。”傾聴”とは、多くの辞典では「耳を傾けて、共感的に聴くこと」などと説明されている、・・・心理カウンセリングなどで活用されている専門的相談援助スキルの1つである』

『面接調査は、あくまでも伝統的な調査手法であるが、調査員が”傾聴スキル”を身につけることで、より有効な調査手法への進化は期待できる』

●(所感)ここでいう「傾聴」は、ソーシャルリスニングで使われている「リスニング」ではありません。タイトルだけを見て、伝統的な面接手法と、ソーシャルリスニングのハイブリッド手法の結果の発表かと最初、誤解していました。

●傾聴面接法は、「災害調査」では威力を発揮することが今回実証されました。

しかし、詳細面接(デプス)との違いや、大量サンプルでの訪問面接調査において、1人あたりに面接所要時間、それに伴う調査員の手当てや訓練、対象者の謝礼などのコスト面の問題などがあり、通常のテーマでは実施上のハードルが高いのではという感じがしました。


********************


●13:41-14:00




・訪問面接+傾聴


調査員による面接


災害調査


派生災害後1か月で実施


災害課題の課題


迅速性


調査の方法:調査員介在型調査の必要性+傾聴


調査遂行時の対応力


画一的・統一的アプローチではなく


生死を分けた意識・行動


災害社会心理学的な視点で代表的行動の


傾聴面接調査法


調査概要


451サンプル


4月15日から3日間


宮城県


20才以上男女


調査準備と調査員研修(コミュニケーション、ヒアリング力の高い調査員)


調査実施上の留意事項(現場活動イメージ)


集められた多くのエピソード


津波来襲の確信度


避難行動のエピソード


愛他行動


津波や地震の伝承


経験の逆機能


単純接触効果


調査中に対象者から自発的発言の中に重要なポイントが含まれる可能性


中立に話を聞くことができる


調査員+傾聴スキル=訪問面接調査の進化


調査企画者が気づかない貴重なエピソードを得ることができる


⇒時間、コストの問題


詳細面接との違い


定量分析可能しかし、


定量と定性の融合


●コーヒー・ブレイク 14:10-14:30

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