2011年11月29日火曜日

JMRAアニュアル・カンファレンス・レポート (3)

《第78回》


潜在意識へのアプローチ:潜在意識反応測定法
(ジーエフケー・カスタムリサーチ・ジャパン株式会社  杉山 由佳氏)


●「潜在連合テスト(IAT)」の考え方と手法に基づき、「反応時間測定法」を適用して、潜在意識の測定にチャレンジした意欲的な研究成果。

●個人的には、私の「ベストペーパー賞」でした。


●潜在意識における知識間の結びつきの強弱を刺激に対する反応時間の速さ・遅さによって測定。反応時間が早いほど、結びつきが強いと考える。


ネスレ・キットカットの3つのパッケージに対するイメージ評価を反応時間測定法と、質問紙型アンケートの両方で行いその結果を比較。


反応時間測定法は、感情的態度の測定に適している


「潜在意識にアプローチすることにより、意識に上らないイメージ連想の多さを測ることができるため、特に商品選択に時間を要さず購入に至るタイプの商品評価においては、反応時間測定法は有用であると考えられる・


「顕在意識と潜在意識で評価にギャップがある場合は、建前と本音とでもいうべき評価の違いが潜んでいると考えるのがよいであろう」


「自分ではそう思っているとはまったく思っていないが、実は無意識にはそう思っている(感覚的に感じ取っていても、意識化できていない)」ような「イメージを盛り込むことによって、そもそも潜在していた価値を消費者に顕在化させ、ブランド・商品の魅力向上を導くといった活用が可能」


顕在意識はより合理的、潜在意識はより感情的、という、意識の質の差である。通常の質問紙型アンケートでは、回答者が合理的な判断によって回答した結果、感情的な態度よりも合理的な態度を優先しがちとなり、潜在意識レベルでは強い結びつきを示した感情的な態度は、やや背景へと退く傾向があるのではないだろうか」


反応時間測定法は、感情的・感覚的な訴求が効果を発揮する、ブランドロゴや商品パッケージ等のヴィジュアル表現の効果を測定する上で、従来の質問紙型アンケートよりも効率的な手法である可能性が想定される」




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以下、プレゼン中の私の個人的ノート。


●13:20-13:40




潜在意識


・なぜ潜在意識


従来調査手法の限界


言葉を介して意見を聞き取る調査のみでは


① 他者に好まれる発言をする


人に聞いてわかることはごくわずか


意識上、無意識下


消費者理解


顕在意識


潜在意識


プライミング法


3つ以上の評価OK


調査手法検討


概念のネットワーク


結びつきには強弱がある


「科学的」の例:連想ワード


概念間の結びつきの強弱=連想の速さ/遅さ


認識⇒反応の速さの測定


認識が促進される、阻害される


ネスレ:キットカット


反応時間を測定


ケーススタディ概要


4回実験調査


3製品PQRの評価


20-59歳男女キットカットブランド


実験(反応時間測定法)+アンケート調査


2011月9月


合理的態度、感情的態度


感情的評価をより引き出すことができる


気づかない態度にアプローチ


無意識の態度へのアプローチ


好き


買いたい


人に勧めたい


親しみを感じる


意識上評価と無意識下評価のズレ


活用の方向性


両方の調査を組み合わせにより新たな知見


包括的でリアルな消費者理解への可能性


感情面での差別化要因をさぐる

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