<第131回> 時代の要請にあったリサーチ・トレーニングが必要 2014年7月
● IIeX会議のレビューの5回目のブログで、「ますます拡大するリサーチャーの役割」を報告しました。http://www.minnanomr.com/2014/06/iiex-na_27.html#!/2014/06/iiex-na_27.html
ITの進歩やマーケティング環境の変化など時代の変動に、MRはついていっていないと言われています。
欧米のMR業界の中でも、その危機感は強いようです。
それと関連して、将来のMR業界を支える優れた人材の教育の重要性が指摘されています。
このような現状下、例えば、アメリカの大学院のマーケティング・リサーチの授業で何を教えればよいかの議論が真剣に行われているようです。
これをテーマにしたパネルディスカッションが、会議の最終日に行われました。
アメリカのMR業界の重鎮のReg Bakerがモデレータになり、業界と大学関係者が討論しました。
4:20PM
Panel: Recruiting and
Training The Researcher
of the Future
Moderator: Reg Baker (RP Baker LLC)
Panelists: Charlotte Mason
(UGA MMR), Camille Nicita
(Gongos Research), Matt O’Mara (Cranbrook
Search Consultants),
Diane Bowers (CASRO)
● 従来のような統計理論や調査方法論、データ解析などの教育だけでは、現在のビジネスのMRに対する役割期待をみたすことは難しいでしょう。
ITやソーシャル・メディアの知識や、他の分野の知識(例えば、行動経済学や脳科学など)も必要でしょう。
残念ながら、まだそれらの知識は、MR教科書の中には体系化されていません。今後の課題です。
日本の大学ではさらに遅れていると推察できます。(^-^;
● リサーチャーのビジネス・スキルのトレーニングの必要性も議論されていました。
例えば、
コミュニケーション・スキルーこれはますます必要性が増大しています。データを収集して、分析結果を図表だけで提示するだけでは、マーケターの方は動いてくれません。
リーダシップ力や、問題解決力、チームワーク力、協働スキル、起業家精神、イノベオション志向、さらには、リサーチのグローバル化に対応するクロス・カルチャー・スキルなどです。
統計学を習得するだけでも結構ハードルが高いのですが、いろいろなスキルを身につける必要性がどんどん増し、リサーチャーはますます忙しくなります。
その努力に見合うリターンを得るために、ビジネスにおけるリサーチの価値を高めるのが先か、或いは自分のリサーチャーとしての価値を高めるのが先か、悩ましいところですが。。。
日本でも有能な次世代マーケティング・リサーチャーの育成が急務かと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿