<第136回> 第5回のプレビュー 2014年7月
● 第5回 <7月17日(木)>
(10) コミュニティ (8章)
(11) ソーシャル・メディア・リサーチ (9章)
(12) 新しく登場している調査方法 (17章)
今回も、テキストに掲載されていない用語や内容が多くでてきます。つまり、それだけ新しいリサーチの分野がどんどん進化しているということかと思います。その変化の内容を世界のMR会議に参加することによって、キャッチアップしている数少ないリサーチャーであるレイならではの講義になるかと思います。
以下の内容メモは、テキスト内容の概略を知る目的で、一読即訳での作業によるものですので、不十分な日本語である点について、ご了承いただければ幸いです。
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質問:
● 第8章 コミュニティ
Q1 オンライン・コミュニティとは?
Q2 リサーチ・コミュニティとは?
Q3 MROCとコミュニティ・パネルの違いは?
Q4 リサーチ・コミュニティのリクルートの方法は?
Q5 多くのリサーチ・コミュニティがプライベイトである理由?
Q6 多くのリサーチ・コミュニティが顧客をベースにしている理由?
Q7 多くのリサーチ・コミュニティがブランド明示である理由?
Q8 ブラインド・パネルの動機づけの方法は?
Q9 短期ー長期のリサーチ・コミュニティとは?
Q10謝礼の方法は?
Q11コミュニティにおけるリサーチの種類は?
● 第9章 ソシャル・メディア・リサーチ
Q1 ソーシャル・メディア・リサーチ(SMR)とは?
Q2 SMRができることは?
Q3 センチメント分析とは?
Q4 コンテント分析とは?
Q5 SMRの妥当性は?
Q6 クレーマーが多いSMR結果の偏りについて?
Q7 SMRのベネフィットは?
Q8 SMRは定性調査あるいは定量調査?
Q9 オンライン上で意見を共有する人とかかわることが可能かどうか?
Q10プライバシー問題は?
● 第17章 新しく登場している調査方法
Q1 モバイル・リサーチとは?
Q2 行動経済学とは?
Q4 ニューロサイエンスとは?
Q5 バイオメトリクスとは?
Q6 フェイシャル・コーディング(表情分析)とは?
Q7 インプリッシット・メジャメント(潜在的測定)とは?
Q8 エスノグラフィーに注目が集まる理由とは?
Q9 マス・エスノグラフィーやオート・エスノグラフィー、WEリサーチとは?
Q10ゲーミフィケーションとは?
Q11ビッグデータとは?
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解答:
第8章 コミュニティ
コミュニティは、消費者や、顧客、その他の関係グループとの双方向の会話を促進する注目を集めているアプローチです。
コミュニティは、他の新しい方法と同様、ユニークで進化しつづけている特徴を持っています。
Q1 オンライン・コミュニティとは?
1.ソーシャルネットワークや、掲示板、MumsnetやPatientsLikeMeなどのトピック・コミュニティなどのオンライン・システム上のコミュニティ
2.コミュニティの3つの要素
①プロファイルを語る能力:コミュニティ・ネームやアバターの使用。暗号的オンライン名やFacebookのようなプロファイル
②自分の意見を述べる能力:コメントの投稿や、場の設定、画像のアップ
③コミュニティ内の他のメンバーとの相互活動(会話)を行う能力:他のメンバーの投稿へのコメントや、接触や友人づくり、サブグループづくりなどの活動
Q2 リサーチ・コミュニティとは?
1.リサーチ・コミュニティ(RC)は、リサーチのためのコミュニティです。
特定の目的をもって作られたり、誰かがお金を支払って作るようなものです。
2.MROCsや、コミュニティ・パネル、掲示板グルインbulletin board focus groupsなどの形式があります。
3.RCは、次のような特徴を持っている点で、調査で使われる他のグループとは異なります。
①継続的である:数か月や数年に及ぶ
②非同期(asynchronous)である:同時に参加する必要はない
③継続的なエンゲージメントによって、結果が生まれたり共創される
④情報の蓄積を活用する
Q3 MROCとコミュニティ・パネルの違いは?
1.MROC(market research online community)
①主に定性調査
②メンバー数は、30-900人ぐらい
2.コミュニティ・パネル(Community Panel: CP) =Insight community
①定性と定量調査の両方が可能
②メンバー数は、通常は3、000-500、000人
Q4 リサーチ・コミュニティのリクルートの方法は?
1.顧客のコミュニティの場合は、クライアントの顧客リスト
2.そうでない場合は、
①ウエッブからの招待
②広告や雑誌などのパートナーとの取引関係から
③パネルからの購入
④他のベンダーからの購入
⑤広告からの購入
⑥他のソース(製品にリンク、ゲーム、電話や郵便、店頭などで直接)
⑦口コミ、友人、そのつながりを利用
3.エンゲージメントやクリエイティビティは、リクルートの時点から始まるので、エンゲージがあり創造性のある人をより積極的にリクルートする努力をする必要があります。
Q5 多くのリサーチ・コミュニティがプライベイトである理由?
1.RCの多くは、プライベートです。つまり、招待された人のみが参加できます。
参加には、パスワードの入力などの手続きが必要です。
2.プライベートである主な理由は、
①競合の関与を排除
②メンバーに特別感を与える
③第3者の介入からメンバーを保護する
④顧客の代表といったコミュニティの特別の参加資格を生み出す
⑤コミュニティを乱す人の排除を行う
Q6 多くのリサーチ・コミュニティが顧客をベースにしている理由?
1.過去1年間におけるMRの変化
顧客満足やNPS,ビッグデータ、CRMにみられる「代表サンプル」(general population)から顧客(customers)へのシフト
2.顧客フォーカスの理由(顧客コミュニティが人気になった理由)
①価値は、顧客の新規獲得よりも、顧客の維持にあるという事実から生じます。
②顧客は、関心のあるブランドのコミュニティに参加する傾向があります。
ブランドXが提供するサービスを改善するために、ブランドXの顧客が努力することは、結局その便益を享受することになります。
2-8週の短期コミュニティは、現金などの外的インセンティブで維持することができる一方、長期コミュニティは、目的の共有や相互評価などの内的インセンティブが必要です。
Q7 多くのリサーチ・コミュニティがブランド明示である理由?
1.コミュニティは、ブランディッド(ブランド明示)とブラインド(ブランド非明示)の2つに分類できます。
前者は、スポンサーの所有であり、ブランドのルック&フィールの特徴をもっています。
後者は、母親とか食べ物の種類、活動などのテーマやジャンルをもっています。
2.ブランドの顧客の重要な参加の動機の1つは、ブランドに自分たちの声を聞いてもらい、変化を起こしたいという欲求です。
この目的の共有は、ブランドのコミュニティへの参加ー聞いたり、反応したり、かかわったりの行動によって強化されます。
自分たちの声がブランドに聞かれるということは、コミュニティに、透明性や誠実さ(正直さ)、よりよい回答率をもたらします。
Q8 ブラインド・パネルの動機づけの方法は?
1.ブランドを改善しようとする共通の目的を共有することによっておこる参加動機に期待できないブラインド・コミュニティの場合、次の3つの動機づけがあります。
①テーマによる動機づけ:共通の関心の醸成
②インセンティブによる動機づけ:アクセスパネルに近似
③楽しさやエンゲージメント、ゲーミフィケーションによる動機づけ:プロセスを楽しくしたり、ゲームを提供したり、タスクを楽しいものにすることは重要である一方、メンバーを誘導したり、より敏感にさせるようなバイアスに注意する必要があります。
Q9 短期ー長期のリサーチ・コミュニティとは?
1.短期コミュニティ: 基本2-8週間程度。
いろいろな種類があるー数日や数か月
長期コミュニティ:予算的には年ベースの契約。無期限も可能
短期コミュニティのメンバーは長期よりも、少なくて同質の傾向
2.短期コミュニティは、長期よりも謝礼に依存する傾向:共通の目的意識の共有が難しいゆえ
この意味で、コミュニスペースCEO(現在はチェアマン)であるDiane Hessanは、短期のものは、コミュニティではないと主張しています。
3.短期コミュニティは、他の伝統的な調査方法の代替えとして、単一のリサーチ課題の解決のために使われる傾向。
長期コミュニティは、ブランドとメンバーが共通の目的意識を醸成し、深いコミュニティ意識が共有されます。
単にリサーチ問題解決の一部ではなく、リサーチのプラットフォームとして利用され、顧客とブランドがコンタクトするリソースの場として活用されます。
Q10謝礼の方法は?
1.外的インセンティブ(extrinsic)と内的インセンティブ(intrinsic)
内的:賞賛や、傾聴、エンターテイメントや興味深い情報の提供(リサーチ結果のフィードバック、他のメンバーの意見の共有)
2.主な動機づけのトレンドは、内的になってきています。
外的は、短期コミュニティの基準に。
内的が、短期、長期ともに主な動機づけになるべきだと多くのリサーチャーは考えています。
3.外的インセティブの主要なタイプ
①懸賞、宝くじ
②週間ベスト投稿賞などの実績ベース
③現金:作業負荷が高く、謝礼額も高い場合
④ポイント・システム:収集後、商品や現金と交換
4.内的インセンティブの4つの動機づけ
①影響力
②名声や地位
③帰属意識
④情報: 企業の内部情報などを知る
Q11コミュニティにおけるリサーチの種類は?
1.短期、長期、コミュニティ・パネル別に考えると、
短期MROC 長期MROC CP
市場分析 △ △ △
アイデイエーション ◎ ◎ ◎
顧客の声 △ △ ◎
広告制作 ◎ ◎ ◎
広告テスト △ △ 〇
コンセプト・スクリーニング ◎ ◎ ◎
コンセプト予測 △ △ △
U&A △ △ 〇
価格調査 △ △ 〇
顧客満足 △ △ 〇
ミステリー・ショッピング 〇 〇 〇
◎ 非常に適切
〇 適切
△ 不適切
2.従来の調査を併用することによって、その応用範囲を拡大する方向にあります。
第9章 ソーシャル・メディア・リサーチ
SMRは、ビジネスの情報源の1つであり、リサーチ方法として、その役割や応用はさまざまです。
Q1 ソーシャル・メディア・リサーチ(SMR)とは?
1.SMRは、MR目的のソーシャル・メディア・ウッブサイト上で、自然発生した会話から得たデータを活用するプロセスです。
それらのサイトは、
①Facebookや、
②Twitter(マイクロブログ
③WordPress(ブログのホスティングサイト)
④YopuTube(ビデオサイト)
⑤Flickr(写真サイト)など
2.SMRに、オンライン・グルインや、SMウエッブサイトからのリクルート、サイト上での世論調査、SM内でのコミュニティの活用なども、SMRに含める人がいます。
3.SM上で創造された自然発生したコメントや意見、メッセージの収集や分析と、
それらのデータを使ったブランド・トレンドや満足度、他のMRの測定のレポート作成と、
SMRの狭義の定義をとる人もいます。
Q2 SMRができることは?
1.SMRは、他の調査に置き換わる場合がありますが、多くの場合はそうではないです。
2.SMRのキーポイントは、SM上で既に述べられたことに限定されていることです。
仮定的なことや、実験的なこと(2つのコンセプトの比較評価など)、ブロービングが必要なこと、一般の人々の間で話題にならないことは、SMRでは難しいか或いは不可能です。
3.サーベイは代表サンプルに焦点をあてますが、SMRの強みは、多くの人の声を聞くことができる点です。
グルインは、パーセプションや個人の意見について深く掘り下げることができますが、SMRは、数千や数万の人の意見を収集することが可能です。
4.SMRは、長期にわたる消費者の意見を調べる場合や、簡単に意見をトラッキングする場合、多くの変数を集める場合などに向いています。
Q3 センチメント分析とは?
1.センチメンタル分析は、その発言内容が、肯定かあるいは否定かを決めるために、言葉やフレーズを評価するプロセスです。
量が少ない場合は、マニュアルで可能。多い場合は、コンピュータ利用。
2.2つの方法
①辞書分類
②自然言語処理(NLP:natural language processing system)
3.両社はそれぞれ弱点をもちます。
皮肉な内容は認識が困難
新しいスラングやアクロニム(頭字語)が理解されない
文法の間違いやミススペルも解釈が難しくなる
一般的には、機械によるスコア酔いも、人間によるスコアの方が妥当だと考えられています。
4.重要な問題は、結果が妥当かどうかです。
Q4 コンテント分析とは?
1.コンテント分析(CA)は、メッセージに含まれるトピックを評価するプロセスです。
「会議は、学習のよい場所です」の場合:「会議」と「学習」がトピックになります。
2.センチメント分析と同様、CAもマニュアル式と、機械による自動式があります。
人間によるコーディング作業(human coding)の方が、自動(automated system)よりも、精度が高いです。
3.メッセージの量が少ない時は、マニュアル方式の精度は高いですが、数千とか百万のように数が多い時は、自動化によって、早さや効率化が必要です。
4.同様に、重要なことは、できる限り、妥当であることです。
Q5 SMRの妥当性は?
1.SMRは比較的新しい手法です。
それゆえ、妥当性の測定や評価、改善が重要な課題
2. ベンダーがいかに妥当性を測定しているかを理解することが重要
Q6 クレーマーが多いSMR結果の偏りについて?
1.TwitterやFacebookは、非常に不満の人と、非常にハッピーな人の集まりです。
しかし、大量にデータを収集した場合、極端な意見は、中庸な意見や中立な意見によって中和されます。
同様に、あるブランドについて、数千や数百万のメッセージを集めた場合には、ここのメッセージの感情も、広範囲な見方を表すものになります。
Q7 SMRのベネフィットは?
1.ブランドや会社、カテゴリー、人々について、SM上で十分な数の発言がある場合、SMRから便益があります。
2.大きなブランドであっても、消費者向けでない場合、測定するためのSM上で十分な発言がありません。消費者向けでも、認知がない小さなブランドも同様です。
3.SM上で発言がない家族経営の小さなコーヒーショップの場合でも、コーヒーショップのカテゴリーから有益なデータがえられるかかもしれません。
Q8 SMRは定性調査あるいは定量調査?
1.答えは両方です。
発言録の形のデータ:定性調査が可能
センチメンタル分析やコンテント分析が装備されている場合:定量調査が可能(発言数や平均スコア、トピックや日付別など)
Q9 オンライン上で意見を共有する人とかかわることが可能かどうか?
1.SMRも他の調査と同様、多くの基準を順守しています。
SM内の人と特定して関与することは可能ですが、許可なくそうすることはできません。
2.メンバーとかかわるために、コミュニティに入る場合は、存在とその目的を明らかにして許可を得ることが必要です。
ESOMARのガイドラインを参照。
http://www.esomar.org/uploads/public/knowledge-and-standards/codes-and-guidelines/ESOMAR-Guideline-on-Social-Media-Research.pdf
Q10プライバシー問題は?
1.SMRの場合、別のプライバシー問題が発生します。
調査において、個人が特定されます。
2.発言を引用する場合は、プライバシーを侵害しないように注意することが必要です。
引用する場合は、レポートに含めないか、マスキングをすることによって、検索によって、個人が特定されないようにする必要があります。
第17章 新しく登場している調査方法
現在、注目を集めているトレンドについて説明します。
Q1 モバイル・リサーチとは?
1.過去10年間、MRにおける次の大きな出来事は、モバイルの拡大だと言われ続けてきました。
しかし、それは既に現実のものになっています。調査金額ベースで、モバイルは既に郵送調査なみになっています。またパネル会社によりますと、PCで実施される調査のおよそ10%がモバイルで行われているそうです。
2.モバイルの過去における問題点
①安くなった。実際、PCよりもわずかに高かった
②20-30分調査には向いていない。ブランド・トラッキングや、広告トラッキング、顧客満足度調査などの規模の大きな調査の調査票は長い
3.モバイルによる革新
①短い調査票: 特に若年層向け
②その瞬間(in the moment)の調査:購買時点、行動時点など
③スマホによる調査:対象者が協働者になり、自身や他の人の生活の一部を把握
Q2 行動経済学とは?
1.行動経済学(behavioral enonomics:BE)は、以下の業績から脚光を浴びるようになりました。
①Nudge (Richard Thaler and Cass Sunstein)
②Predictably Irrational (Dan Ariely)
③Thinking Fast and Slow(Daniel Kahneman)
キーポイントは、多くの決定は、意識や合理的な思考に基づいていないということです。
これは、調査で対象者が真剣に回答していたとしても、
人々が行おうとすることと、
実際行ったこと、その理由とが一致しないということを意味しています
2.BEは、過去のMRの知見を検証するとともに、新たな発見をもたらしました。
前者には、
①場所や、精神状態、社会的状況などの行動のコンテキストが、選択を変える可能性がある。
②質問の仕方が、回答を変える可能性がある(質問順序やアンカリングなど)
③人々は、決定の背後にある動機を語ることができない
後者には、
①製品評価のプロセスは、対象者の製品の味方によって変化する
②人々は、他人のマネをする傾向がある:無意識による市場での将来の行動は、調査での質問の意味を失わせる
③ある行動は、単に自動的な習慣(auto-programmed habit)の場合がある:ある製品の購買に深い意味がない
Q3 ニューロサイエンスとは?
1.ニューロサイエンス(ニューロ)は、ブレイン・サイエンスとも呼ばれ、ニューロ・マーケティングと関連します。
MRにおけるニューロの考え方は、fMRIのようなデバイスによって、人々が考えていることを推測することが可能であり、質問をする必要がなくなるということです。(行動経済学の問題提起を解決できる)
2.ニューロの初期の関心はなくなり、現在は、広告テストの分野に焦点をあてています。
3.ニューロは、覚醒(arousal)とバレンス(valence)の2つの次元の認識や解釈に重点を置いています。
覚醒とは、脳が活動的か、受動的などうかを測定 ( 感情の興奮度合い)
ヴァレンスは、魅力と嫌悪を測定(感情のpositiveとnegativeの度合い)
4.ニューロの問題点
①デバイス使用が割高や不便
②反対推定(reverse inference)問題
③脳の働きが未解明
参照: http://wpedia.goo.ne.jp/enwiki/Issues_in_fMRI
Q4 バイオメトリクスとは?
1.バイオメトリクス(バイオ)は、アイ・トラッキングやGSR(galvanic skin responseー発汗の程度を測定する/嘘発見器)や、fMRIスキャナーや、EEGSなどのニューロサイエンス・デバイスなど、多くの測定方法を使います。
2.バイオは、対象が、刺激への反応を測定するようなニッチの場合に使います。
例えば、広告テストーアイトラッキングを使い、どこを対象者が見るかを調べたり、ニューロで、広告のどの箇所が反応を起こしているか調べます。
同様に、ウエッブサイトのテストーアイトラッキングで対象者がどこをみているか、GSRで、サイトの反応をチェックします。
Q5 フェイシャル・コーディング(表情分析)とは?
1.フェイシャル・コーディングは、ニューロやバイオの他の選択肢です。
刺激への反応を測定します。
顔の表情は、反応を反映することをごまかすことは難しか、あるいは不可能であるという考えに基づいています。
2.多くは手動で行っていますが、機械化もされています:ビデオカメラやウエッブカメラの使用
Q6 インプリッシット・メジャメント(潜在的測定)とは?
1.IMは、直接質問に頼るのではなく、内的モチベーションに近づこうとするものです。
1つの方法は、回答の速度をみるものです。
これは、メッセージがアピールするものであれば、素早く答え、そうでなければゆっくりと答えるとという前提によるものです。
2.https://implicit.harvard.edu/implicit 参照
Q7 予測市場とは
1. PMは、James SurowieckiのThe Wisdom of Crowdsのアイディアに基づいています。
Iowa Electronic Marketsの事例が有名です。
PMの基本的な考え方は、「人々は、自分のことよりも、他人の行動をよりよく予測することができる」というものです。
2.テストの方法:
複数のコンセプトが提示された時、それぞれのコンセプトの
販売する割合と、購入する割合のような「取引き」について聞かれます。
3.PMの利点は、代表サンプルで調査を行う必要がないということです。
Q8 エスノグラフィーに注目が集まる理由とは?
1.エスノは新しいトピックではありませんが、近年注目を集めています。その理由は、
①録画機器の操作の簡単かと低価格化:録画の方がクライアントへの影響が強い
②従来の定量調査や伝統的な定性調査よりも、より深い理解を求めるクライアント・ニーズの高まり
2.エスノは、あるがままの人々の生活を研究するものです。
エスノの主要なツールは、観察observationです。
観察手法が、質問や議論などのMRの他の方法と区別する点です。
3.家庭での食事における新鮮な食べ物や準備された食べ物を理解するプロジェクトにおいて、エスノでは、家庭を訪問し、食事の方法を観察します。
ビデオ録画がエスノのデータになります。分析を行い報告書を書きます。
4.エスノは、他の方法よりも、より割高で、時間もかかります。
他の手法が当該のリサーチ課題を解決できない時に活用されます。
行動経済学やニューロサイエンスなどの知見が、どの行動が観察によって、よりよく調査することができるかの示唆を与えてくれます。
5.ネットノグラフィーnetnographyは、エスンの応用の1つです。オンライン上でのエスノです。
例えば、オンライン・コミュニティに参加した人を対象に、彼らのオンライン上での相互作用を通して、人々の生活を探索するものです。
Q9 マス・エスノグラフィーやオート・エスノグラフィー、WEリサーチとは?
1.これらの3つの方法は多くの部分が重複しています。
リクルートされた対象者が、リサーチャーや、協働者、情報提供者の役割を果たします。
2.マス・エスノグラフィーは、参加者の周りの世界の探索に参加者を巻き込みます。
オート・エスノグラフィーは、参加者の生活の一部を把握するのにスマホのようなツールを使います。
イギリスにおけるMass Observation projectの例:500人の市民の生活ノートを1937年から1950年代まで収集
3.WEリサーチは、伝統的なトップダウン方式の調査(MEリサーチ)から、より協働的な調査への変化を表します。
WEリサーチは、オート・エスノやマス観察を含みます。
またクラウドソーシングやある種のコミュニティも含みます。
Q10ゲーミフィケーションとは?
1.ゲーミフィケーションは、それまでもアイディアや実践がありましたけれども、2011年にMRにおける主要なテーマになりました。
ゲーミフィケーションの主なアイディアは、
リサーチは、しばしば退屈なものであるので、サーベイへのエンゲージメントを上げ、対象者の経験を改善し、回答率を上げ、データの品質を向上させることをゲームの世界から学ぶべきであるということです。
2.多くの場合、サーベイやグルインをゲーム化することを意味していません。
ゲームの世界からの学習を意味しています。
GMIのVice President InnovationであるJohn Pulestonは、次のような発見をしています。
単に思いつくすべてのブランドを上げてもらうよりも、「60秒で」思い出すブランド名を自由にあげたもらった方が、より回答が得られた。
3.ゲーミフィケーションのキーとなる要素は、
①より良いデザイン
②より良いワーディング
③ナレイティブ・フローの改善
④ユーザー・フィードバックの改善
4.Bernie Malinoff(President element54) やJon Pulestonは、ゲーミフィケーションは調査の結果を変える可能性があるので、注意が必要であると指摘しています。
、
Q11ビッグデータとは?
1.ビッグデータは、市場の全体像と消費者の全体像を構築するための大規模なデータセットの複合体です。
例えば、ウエッブ・トラッキングデータた取引データ、ロイヤルティ・カードデータ、CRM情報と、MRデータとを結合したものです。
2.ビッグデータを所有し活用することは、組織が調査を行い、コミュニケーションをし、消費者に販売する方法を変える破壊的なチャレンジであると考えられています。それゆえ、MRに大きな影響があるかもしれません。
ビッグデータは、会計からMRや、ソフトエウア開発や評価など広範囲なフィールドやプロセスに関連しています。
しかし現状では、ビジネス・インテリジェンス(BI)に大きな影響を与えると考えられます。