2014年6月25日水曜日

#125 IIeX NA会議報告 (3) MROC

<第125回> MROCは共創コミュニティへ 2014年6月

● 前回述べたように、今回のIIeX会議では、MROC関係のセッションは、以下の2つでした。

1) 3日目の9:40からのUSのKLコミュニケーション社の「瀕死のMROC-顧客との協働の方法The Impending Death of MROCs: How Do I Collaborate With Customers Now?」と、


2) 3:20からのPanel: The Great Methodology Debate: Which Approaches Really Deliver On Client Needs?でした。


● 1つ目のセッションについては、その日のうちに、Facebookにプレゼン資料をアップしました

まだ公式にはどのプレゼン資料も公開されていません。これは、会議中にデジカメで撮影したものです。それで見づらくなっています。ご了承下さい。

今回は参加者が多くて、会議中にスライド撮影をするのが大変でした。前半2日間は大会議室でしたが、最後の1日は、比較的小さな会議室に分かれてセッションが同時進行しましたので、撮影に成功しました。☺ (という裏話つきです)

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=814464355243970&set=pcb.814465025243903&type=1&theater

・ コミュニスペースのMROCビジネスの成功にもかかわらず、MROCの先進国であるUSでも日本同様、MROCは問題を抱えているようです。

KLコミュニケーションズ社のSean Holbert氏によると、MROCの問題とは、価値の低下や予算の問題、作業負荷の大きさなどです。

これらの問題の重要性から、プレゼンのタイトルが「瀕死のMROC」と少し大げさになっています。

KL社は、USの中でも早くからMROCビジネスを展開した企業の1つです。
http://www.klcommunications.com/

MROCの価値をアップさせる1つの方法として、KL社は共創CoCreationを提案しています。

単にアイディアやコンセプトを評価したり、考えや意見を共有するだけでなく、コミュニティメンバーがアイディアを生み出し、コンセプトを開発したり、ソリューションや経験を協働して行こうとするものです。

これは、MROCが共創コミュニティにとってかわられるというものではありません。MROCの価値をより高める方法として、共創という活動が重要であるということです。MROCの活用の方法のバリエーションの1つとして捉えた方がよいかと思います。

● 2つ目のセッションの方は、MRの新手法の

①Text Analytics(TA)、
②Social Media Monitoring(SMM)、
③MROC、
④Mobile、
⑤ニューロマーケティング

の中で、どの手法が最も有効かというテーマで、それぞれの分野の世界的第一人者が討論したセッションでした。

Panel: The Great Methodology Debate: Which Approaches Really Deliver On Client Needs?
Moderator: Lenny Murphy (GreenBook)  司会
Panelists: Tom Anderson (Anderson Analytics), TA

Niels Schillewaert (InSites Consulting),  MROC
Michalis Michael (Digital MR),  SSM
Mark Michelson (MMRA), モバイル
Steve Genco(Intuitive Consumer Insights) ニューロ

各自がそれぞれの手法の利点を以下のように説明していました:

>ニューロ: 第2世代に入り、多くのベンダーが参入し、より科学的になり、方法論も透明性がアップしたと主張。さらに、オンラインにより、調査の規模の拡大が可能になったということです。これまで機材やコストの関係で、少人数しかテストできなった点が改良されつつあるとのことです。

>TA: これまでの情報の80%が、過去2年間に生まれて、その多くは、非構造データだそうです。それゆえ、TAの重要性がますます高まっているとのこと。これまでのTAはすべてを解決可能と言いがちでまわりをがっがりさせたけれども、近い将来、次世代TAの出現により飛躍的にその有効性が増加するとのこと。

パネラーのAnderson氏の直前のブログに対するコメントで、Adriana Rocha氏は、この討論の必要はなく、勝者はいないと主張しています。そして、今後のMRは、1つの手法に頼るのではなく、協働作業であるべきだと述べています。

MR cores will be based on collaboration, integration and continuous knowledge generation/ curation

Battle of the Methodologies
http://blog.odintext.com/?p=824&fb_action_ids=812683822088690&fb_action_types=og.likes&fb_source=feed_opengraph&action_object_map=%7B%22812683822088690%22%3A649317065150096%7D&action_type_map=%7B%22812683822088690%22%3A%22og.likes%22%7D&action_ref_map=%5B%5D

モバイル: その他の手法を結びつけるデータ収集のチャネル的存在である。タイムリーに実施できる点が大きな特徴。

パネラーのMichelson氏も、直前のブログで同様なコメントをしています。

Mobile vs. MROC vs. Social vs. Text Analytics? Really?
http://www.threadsqualitative.com/uncategorized/mobile-vs-mroc-vs-social-vs-text-analytics-really/

>SMM: TAと重複する部分が多いけれでも、トラッキングできる点が大きな優位点。

>MROC: 包括的な手法(holistic)である。つまり、コミュニティの中で、モバイルもTA、SMMも活用することが可能。場合によっては、ニューロも可能。

・お互い相互補完の関係であるけれども、

TAはまだ未完の部分が多い点で、これらの手法の中では、最も今後が期待される手法であると、TAのパネラーのAnderson氏が最後に主張。

● その他のIIeXレビュー資料

1)  Innovate or ?
http://regbaker.typepad.com/regs_blog/2014/06/innovate-or-.html
2)  Innovation in MR
http://researchaccess.com/2014/06/innovation-in-mr/

1)と2)は同じ内容です。

著者は、MRの新しい手法の中で、モバイルとMROCを除いて、あまり成功していない理由の1つは、それらの新しい方法が、MR業界以外の人々によって、テクノロジーにフォーカスして開発されたため、MRのクライアントのニーズに合致していない点にあると指摘しています。早くて、安い以外の新たな価値をクライアントに提供しきれていないとも指摘。

そう言えば、会議で、

早くて、安くて、スケイラブル(規模を大きくできるかどうか)で、モバイル+アルファが何かといった問題提起がありました。

同様な指摘は、Research Business Daily ReportのBob Lederer氏によっても行われています。
https://www.youtube.com/watch?v=Z1MmHEEq7cA&feature=youtu.be

MRのアイディアなしのテクノロジーだけでは、真のMRのイノベーションにならないと。

Lederer氏がちょうど私の席の横に座っていましたので、自己紹介をしました。彼は、会場で集めた多くの名刺をせっせとパソコンに入力していました。DMを配信しているそうです。

 

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