2014年6月26日木曜日

#126 IIeX NA会議報告 (4) インサイト・コミュニティ

 
<第126回> 今後はモバイルやコミュニティが拡大 2014年6月

● インサイト・コミュニティのビジョン・クリティカル社は、今回のIIeX会議のスポンサー企業の1社でした。

さらに、以下の3セッションでプレゼンを行いました。

1) 1日目の12:20PM
Micro Workshop presented by Vision Critical:
Gamifying the Future - Releasing the Insights About
the Future of Insights Through Gamification
Ray Poynter (Vision Critical)

2) 2日目の11:20AM
Building The Enterprise Insights Platform Of The Future
Andrew Reid (Vision Critical)

3) 3日目の2:00PM
New Skills for a New Era
Ray Poynter (Vision Critical)

でした。

● 最初のセッションは、VC社ディレクターのレイ・ポインター氏によるワークショップです。

これは私も参加していました。いつかのグループに分かれて、与えられたテーマで議論するものでした。内容は、紙に書かれたリサーチの課題をいくつか与えられて、それらを解決するためのリサーチ・デザインを考えるものです。

結果は、モバイルやコミュニティの手法を使う頻度が高ったということです。例えば、ある製品カテゴリーの新製品を考える場合、参加したリサーチャーの多くは、従来のグルインではなく、MROCや、モバイル・エスノなどの新手法を積極的に使う傾向があったということです。

特に次の4つの手法の活用提案が多かったそうです。

1. Smartphone Ethnography 2. Mobile Diaries 2. Insight /Online Communities 3. Geofencing/Tagging
 


この結果から、ポインター氏は、将来のMRの手法の傾向として、モバイルやコミュニティが主流になるだろうと予測しています。

もっともIIeXのようなイノベーションを目的とした会議の参加者の意見である点は考慮する必要があるかと思います。

ワークショップの詳細は、下記を参照。
http://www.visioncritical.com/blog/iiex-2014-workshop

● 次のセッションは、

ビジョン・クリティカル社の創業者であるあるアンドリュー・リード氏の発表です。

現在、カスター・レボリューションが起こっている。それに対応するためには、カスタマー・コラボレー-ション(CC)が必要であると提案。

マーケティング・オートメーションのパワーを活用して、それを実現するために、Enterprise Insights Platformの構築が重要であると主張。それによって、カスタマー・セントリックが可能なると。
要は、顧客中心を実現するために、顧客と協働できるプラットフォームを導入・活用することを提案しています。(結局それがVC社のインサイト・コミュニティのプラットフォームということですが)

● 最後のセッションは、再びレイ・ポインター氏の「新しい時代に必要なニュースキル」と題したプレゼンです。

ポインター氏は次の9つのスキルが重要だと言っています。

なぜ9つかというと、あとの1つは聴衆(読者)が考えて付け加えてもらうためだそうです。ソーシャルやビッグデータの時代に、リサーチャーとして保有すべき「スキル」は何だと思いますか?

http://www.visioncritical.com/blog/9-tips-how-thrive-modern-insight-professional

1.コミュニケーションのスキル
2.協働が重要collaboration
The ability to scope, resource, and manage a multidisciplinary project is probably going to be more important than any specific insight skill.
3.因果関係と相関関係の違いの理解
4.何事も疑う気持ちsceptical
Insight professionals are going to need to be the truth tellers.
5.先見の明が必要ー新さに可能性を見出すSee the potential in the new
6.不確実な現在に対応するためベイジアン思考の採用Bayesian thinking
7.妥当性を上げるためにトライアンギュレーション手法を採用Triangulation
8.翻訳能力を向上させる:クライントの課題を消費者に翻訳し、消費者の声をクライアントに翻訳して届ける:トランスレーター
The insights business is mostly about being a translator.
9.インサイトをわかりやすくー何をすべきかを説明するスキル:イリュミネーター
insights should work like the door to the refrigerator: when you open it, the light comes on.
















● 余談ですが、右の3人の方の写真、誰だかわかりますか?
アメリカで教育を受けた人ならすぐにわかるかと思います。

ポインター氏のプレゼンの中で、文化背景の違いがプレゼン理解に影響すると感じた例です。文化というよりは、個人の教養の問題かもしれませんが。(^-^;

上記の5番目のスキルに関連して、橋と鉄道の建設ニーズから、鉄の重要性を感じ、鉄鋼業を起こしたカーネギーの先見性に触れています。

左から鉄道王、コーネリアス・ヴァンダービルトhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%88

石油王、ジョン・ロックフェラーhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC

鋼鉄王、アンドリュー・カーネギーhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%82%AE%E3%83%BC

● 3人のVC社関係者以外のプレゼンとして、

3日目の
10:20AM
New MR in New Europe: Tesco Case Study
Dinko Svetopetric
(MRevolution Sp. z o.o)
がありました。

これはVC社のパートナー企業であるホーランドのワルシャワにある調査会社MRevolution Sp. z o.o.が、インサイト・コミュニケーションの事例を発表したものです。

これも当日に会場で撮影したプレゼン・スライドをFacebookにあげておきました。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=814471791909893&set=pcb.814472281909844&type=1&theater

世界12か国でスーパーを展開するイギリスのテスコ社が、ポーランドでインサイト・コミュニティを活用して、顧客の維持拡大に成功している事例の紹介です。

テスコが顧客との新しいコミュニケーションの方法を開拓。顧客も参加を楽しむ。テスコの関係サプライヤーも価値を共有。企業、顧客ともWIN-WINの関係を構築したとのことです。
 

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