●前回の2010年のトレンドの記事の中で触れたのですが、
早速ご質問をいただきましたので、
簡単に触れておきたいと思います。
●ご存知「エスノグラフィ」の説明は、
「エスノグラフィとは、社会学や文化人類学における、
インタビューや観察によるフィールドワークと調査記録を
まとめた文書のこと。
あえて事前に仮説を立てずに、定性調査を重ねて
豊富な情報から仮説を見つけ出すのが特徴。
従来型の消費者調査が仮説検証型とすれば、
エスノグラフィは仮説発見型といえる。
データベースやアンケート、グループインタビュー
などに比べて、より深く消費者の本音やこだわりに
迫ることができるという」(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20090209/324475/)
参照:http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMITi2000005012009
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMITi2000005012009
●行動観察調査のエルネット社http://www.lnet.co.jp/research/idea/kansatu.html
イード社http://www.iid.co.jp/tool/tool8.html
R and D社のhttp://www.rad.co.jp/random/53/11_ethno.html
デコム社http://www.decom.org/pages/video.html
●オンライン・エスノグラフィは、要はこれらを
オンラインで行うということです。
つまり、従来のエスノには、
1)対象者のリクルートや、準備、訪問、実施のための
大きな費用がかかることや、
2)実査とその後の分析に時間が必要ー
その間、マーケターは関与できないので、
新たな課題などへの柔軟な対応ができない、
3) 「自然な観察状況」とは言いながら、
依然、調査員(観察者)やカメラマンなどの
「割り込み」(intrusion)=目に見えないバイアスが
入る可能性がある。
といった欠点などがあります。
これに対して、
1)対象者の好きな時間に邪魔されずに自らカメラで撮影する、
2)オンライン・ダイアリーの記入。撮影内容を説明する、
3)製品使用以外にも買い物にも適用可能-買い物同行調査(Shop-along)よりもリアルである、
4)調査員/観察者がいないので、より自由に意見を記入することができる、
5)対象者は自分の考えや行動について、よりじっくり考えることも可能である、
6)観察期間に新たな調査内容のリクエストも可能である、
などの利点があると言われています。対象者への指示や協力が重要になる感じです。
●オンライン・エスノグラフィ(Online ethnography)は、
バーチャル・エスノグラフィ(Virtual ethnography)とか、
ウエッブノグラフィ(Webnography)、
リモート・エスノグラフィ(Remote ethnofraphy)、
デジタル・エスノグラフィ(Digital ethnography)
などとも呼ばれています。
歴史は、結構古く、1996年だそうです。下記参照。
Met the father of Netnography
●今後はMROC(コミュニティ)調査の中で行う頻度が
増えると思います。
●前職の調査会社でもエスノ方法はありました。
以前あるクライアントのところでエスノを説明したのですが、
担当者から「御社のエスノの方法には、
何か特別の分析方法がありますか」と尋ねられました。
担当者が期待していることはわかっていましたので、
「弊社のエスノには他社にないXX法という分析方法が
あるのが特徴です」と言いたかったのですが、
正直「残念ながら、ございません」と答えました。
●つまり、エスノをやれば必ずヒット商品や販売方法に
つながり、誰が分析しても
有効なインサイト抽出につながる「特別な分析方法」
はありません。
どの会社もこれまでの「実績」をアピールするケースが
多いと思います。つまり、経験豊富なスタッフがいる
といった話になります。
●ある意味、やってみなければわからないという面もあります。
最悪、マーケターやリサーチャーが自分の身の回りを「観察」したレベルの情報しか得られない場合もあります。
エスノの関係者の方には、ぜひこれまでの経験から、
ご自身のノウハウを体系化・理論化して、「XX法」といった
有効な分析方法をまとめて、いただきたいと思います。
●「マーケティング・リサーチの寺子屋」でも1月25日号に
「行動観察」が取り上げられていました。 参照下さい。
●Twitterでも、先週、トランスコスモス株式会社エグゼクティブ
リサーチャーの萩原雅之(はぎはら・まさし)氏が
『@surveyml: JMRAが「マーケティングリサーチャー」誌の
特集と連動した新セミナーシリーズを開始、
第一回は3月9日「今、脚光を浴びる行動観察」、
ビジネスエスノグラフィですね。ぜひRTを。
概要と申し込みは http://ow.ly/16CDL #j_mr』と
つぶやかれてました。
内容は、「JMRAトピックスセミナー~なぜ、生活者が
見えにくいのか~ 今、脚光を浴びる行動観察
3月9日(火)13:00~16:00」です。
残念ながら、その特集号を読んでいませんので、
ここに書かれているようなことが既に掲載されて
いるかもしれません。
●ところで、Twitterで、マーケティング・リサーチ関連
のことをつぶやいた場合に、
上のように(半角スペース)#J_MR(半角スペース)を
つけていただくと(大文字、小文字は問いません)、
MR関連のつぶやきが一挙にまとめて見られます。
これをハッシュタグと言います。
これは非常に便利な機能です。
●ちなみに、海外のMR関連のハッシュタグは、
#MRや、 #marketresearch、 #esomar、 #qrca、 #qual、 #focusgroups、 #quant、#marketing_research、#marketingresearch、#QRWEB、#research、#mroc、#Netnography、#insights20、#consumerinsights
などがあります。
●この1週間だけでも、次に様な投稿があります。例えば、
ーHow online observational techniques help qualitative researchers keep pace with the speed of consumers
(オンライン観察調査によって、定性リサーチャーがいかに消費者のスピードについて行けるか)ーホンダのケース
ーダノンのケース
●また、世界のマーケテイング・リサーチャーの
Twitterの listsは、
http://twibes.com/のmarket_research 。
現在400名ぐらい登録されています。
◆《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります》
早速ご質問をいただきましたので、
簡単に触れておきたいと思います。
●ご存知「エスノグラフィ」の説明は、
「エスノグラフィとは、社会学や文化人類学における、
インタビューや観察によるフィールドワークと調査記録を
まとめた文書のこと。
あえて事前に仮説を立てずに、定性調査を重ねて
豊富な情報から仮説を見つけ出すのが特徴。
従来型の消費者調査が仮説検証型とすれば、
エスノグラフィは仮説発見型といえる。
データベースやアンケート、グループインタビュー
などに比べて、より深く消費者の本音やこだわりに
迫ることができるという」(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20090209/324475/)
参照:http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMITi2000005012009
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMITi2000005012009
●行動観察調査のエルネット社http://www.lnet.co.jp/research/idea/kansatu.html
イード社http://www.iid.co.jp/tool/tool8.html
R and D社のhttp://www.rad.co.jp/random/53/11_ethno.html
デコム社http://www.decom.org/pages/video.html
●オンライン・エスノグラフィは、要はこれらを
オンラインで行うということです。
つまり、従来のエスノには、
1)対象者のリクルートや、準備、訪問、実施のための
大きな費用がかかることや、
2)実査とその後の分析に時間が必要ー
その間、マーケターは関与できないので、
新たな課題などへの柔軟な対応ができない、
3) 「自然な観察状況」とは言いながら、
依然、調査員(観察者)やカメラマンなどの
「割り込み」(intrusion)=目に見えないバイアスが
入る可能性がある。
といった欠点などがあります。
これに対して、
1)対象者の好きな時間に邪魔されずに自らカメラで撮影する、
2)オンライン・ダイアリーの記入。撮影内容を説明する、
3)製品使用以外にも買い物にも適用可能-買い物同行調査(Shop-along)よりもリアルである、
4)調査員/観察者がいないので、より自由に意見を記入することができる、
5)対象者は自分の考えや行動について、よりじっくり考えることも可能である、
6)観察期間に新たな調査内容のリクエストも可能である、
などの利点があると言われています。対象者への指示や協力が重要になる感じです。
●オンライン・エスノグラフィ(Online ethnography)は、
バーチャル・エスノグラフィ(Virtual ethnography)とか、
ウエッブノグラフィ(Webnography)、
リモート・エスノグラフィ(Remote ethnofraphy)、
デジタル・エスノグラフィ(Digital ethnography)
などとも呼ばれています。
歴史は、結構古く、1996年だそうです。下記参照。
Met the father of Netnography
●今後はMROC(コミュニティ)調査の中で行う頻度が
増えると思います。
●前職の調査会社でもエスノ方法はありました。
以前あるクライアントのところでエスノを説明したのですが、
担当者から「御社のエスノの方法には、
何か特別の分析方法がありますか」と尋ねられました。
担当者が期待していることはわかっていましたので、
「弊社のエスノには他社にないXX法という分析方法が
あるのが特徴です」と言いたかったのですが、
正直「残念ながら、ございません」と答えました。
●つまり、エスノをやれば必ずヒット商品や販売方法に
つながり、誰が分析しても
有効なインサイト抽出につながる「特別な分析方法」
はありません。
どの会社もこれまでの「実績」をアピールするケースが
多いと思います。つまり、経験豊富なスタッフがいる
といった話になります。
●ある意味、やってみなければわからないという面もあります。
最悪、マーケターやリサーチャーが自分の身の回りを「観察」したレベルの情報しか得られない場合もあります。
エスノの関係者の方には、ぜひこれまでの経験から、
ご自身のノウハウを体系化・理論化して、「XX法」といった
有効な分析方法をまとめて、いただきたいと思います。
●「マーケティング・リサーチの寺子屋」でも1月25日号に
「行動観察」が取り上げられていました。 参照下さい。
●Twitterでも、先週、トランスコスモス株式会社エグゼクティブ
リサーチャーの萩原雅之(はぎはら・まさし)氏が
『@surveyml: JMRAが「マーケティングリサーチャー」誌の
特集と連動した新セミナーシリーズを開始、
第一回は3月9日「今、脚光を浴びる行動観察」、
ビジネスエスノグラフィですね。ぜひRTを。
概要と申し込みは http://ow.ly/16CDL #j_mr』と
つぶやかれてました。
内容は、「JMRAトピックスセミナー~なぜ、生活者が
見えにくいのか~ 今、脚光を浴びる行動観察
3月9日(火)13:00~16:00」です。
残念ながら、その特集号を読んでいませんので、
ここに書かれているようなことが既に掲載されて
いるかもしれません。
●ところで、Twitterで、マーケティング・リサーチ関連
のことをつぶやいた場合に、
上のように(半角スペース)#J_MR(半角スペース)を
つけていただくと(大文字、小文字は問いません)、
MR関連のつぶやきが一挙にまとめて見られます。
これをハッシュタグと言います。
これは非常に便利な機能です。
●ちなみに、海外のMR関連のハッシュタグは、
#MRや、 #marketresearch、 #esomar、 #qrca、 #qual、 #focusgroups、 #quant、#marketing_research、#marketingresearch、#QRWEB、#research、#mroc、#Netnography、#insights20、#consumerinsights
などがあります。
●この1週間だけでも、次に様な投稿があります。例えば、
ーHow online observational techniques help qualitative researchers keep pace with the speed of consumers
(オンライン観察調査によって、定性リサーチャーがいかに消費者のスピードについて行けるか)ーホンダのケース
ーダノンのケース
●また、世界のマーケテイング・リサーチャーの
Twitterの listsは、
http://twibes.com/のmarket_research 。
現在400名ぐらい登録されています。
◆《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります》
1 件のコメント:
こんにちは。この記事を読んでオンラインマーケティングリサーチについて非常に良い勉強になりました。私は現在、MBA課程で、netnographyの創始者であるR.Kozinets教授の下で研究を行っています。
先日、同教授のMBA学生達向けに、netnographyをわかりやすく紹介する目的で30分程度のプレゼンテーションを行いました。よろしければ、下記のリンクにアクセスしていただければと思います。(ご質問等あれば、ご連絡ください)
プレゼン資料:http://www.slideshare.net/elpinchito/netnography-overview-and-how-to-schulich-school-of-business-mba-class-social-media-marketing-by-robert-kozinets
プレゼン動画:http://www.youtube.com/watch?v=UWApBu2ERTU&feature=g-all-lik&context=G2406cc9FAAAAAAAAAAA
コメントを投稿