2010年2月1日月曜日

Market Research - Adapt or Die

Market Research - Adapt or Die

少々ショッキングなタイトルです。

USのMCCというコンサルティング会社の
リサーチャーであるTracey Hope-Ross(VP of Research)
1月21日のブログのタイトルです。



●マーケット・リサーチ(MR): 適応か死か?

MRが時代の変化に適応するか、
時代に取り残されるかどうか、
という問題提起です。


●2008年のリーマンショックに始まった不況は、
2009年のリサーチ業界に大きな影響を与えました。
売上の低迷です。


●この不況が回復されれば、また元通り、
プロジェクトの発注が来て、売上が回復する
いう考え方もあります。

不況前のように、製品テストやトラッキング調査などの
定量調査や、グルインなどの定性調査を受注・完了
すれば経営の安定が保証されると考えられます。


●一方、この不況でクライアントの中には、
より一層、リサーチの有効性を再考したところもあります。

また、より戦略的にリサーチを活用していこうと思っている
クライアントもいます。

毎月行っていたトラッキング調査を半年とか
年に1度にするなどの動きもあります。


●さらにもう1つの動きは、
クライアントのマーケティング意思決定のベースが
「伝統的なリサーチ」以外からの情報によって
行われる動きも大きくなってきています。

調査会社の競合が他の調査会社だけではない
ということです。

ITの会社であったり、Eコマースの会社であったりします。

買い物サイトで取り込んだ顧客の大量の「口コミ」が
重要な消費者インサイトの情報源になるわけです。


New Entrants参照。
(もしGoogleやFacebookが、本気でリサーチ分野に
進出してきたならば。。。という恐ろしい話がでています)


●日本では、ご存知の価格.COM@COSME
CookPadのようなSNS会社が
現に調査会社の競合になっています。


●この動きの背景には、WEB2.0の進行による
消費者の声の爆発があります。
Socila mediaの拡大です。


●このような時代の変化に対して、
リサーチは現在、「変革」を迫られています。


●イギリスのResearch Magazineのサイトresearch.

年頭に2010年のリサーチ業界をOne Wordで表現すると。。。
という問いを業界関係者に尋ねています。

Market research in 2010: In a word...


●そこでは、「変革」や「再構築」「定性へのシフト」「エスノ」
などがあげられています。


●特にその中で、IT関連の調査で有名な
USのForrester Research社の

Reineke Reitsmaリサーチ・ディレクターが

「listeningリスニング」

という言葉をあげています。


●「消費者のニーズを理解するために
多くの調査は、

尋ねるaskingことを行っている。

数字の背後にあるストーリーを発見するために、

2010年には、リサーチは定性的なlisteningのツールを

装備すべきである」と彼女は述べています。


●今年のESOMARの年次大会の議題の1つが、

「The conversation revolution - The digital advantage - Are we questioning respondents or developing a dialogue with participants? 」

です。

調査も本音を言わない消費者に対して、
調査票で定型的な「質問」ばかりするのではなく、
消費者の自発的な会話を誘発して、
それに耳を傾ける方法の開発という
問題提起がされています。


●USの権威あるリサーチ団体である
ARF(Advertizing Research Foundation)

昨年からlisteningの重要性に着目して
その方法を探究しています。

先週の1月28日(木)にサンフランシスコで、

Winning With Social Media – ARF Industry Leader Forum ProgramARF Industry Leader Forum – Putting Listening to Work

というlisteningについての会議を開いています。

その会議模様はTwitterでも実況されていました。

●残念ながら、その会議内容については
まだフォローできていません。

幸いこの会議をリードしているのが
前職(Synovate)の同僚であったJoel Rubinson氏
(ARFのChielf Research Officer)です。

今後情報を入手したいと思っています。

●このlisteningも、

過去10年間のMRの大きな課題であった

「コンシューマー・インサイトConsumer Insight」の発見

の1つの方法と考えられます。

今後、このlisteningの議論から新たな方法が
確立されることが期待されます。


2010年のリサーチ・トレンドについては以下も参照:


Market Research: Ten Trends for 2010

Research in 2010 in 1, 2, 5 Words

Research in 2010 and the Decade Beyond


Marketing Research Trends for 2010 and Beyond

MR in 2010: One Word 
再定義創造的破壊がリサーチには必要)

What’s ahead for market research in 2010?



変革期にあるリサーチに関連して、以下も参照。


This Business Isn’t Fun Anymore

Is this business still fun?

The Market Research Piece In The Innovation Puzzle
Survey Research Resolutions for 2010

Six marketing research wake-up calls in 2009 


 
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