●Market Research - Adapt or Die
少々ショッキングなタイトルです。
USのMCCというコンサルティング会社の
リサーチャーであるTracey Hope-Ross(VP of Research)の
1月21日のブログのタイトルです。
●マーケット・リサーチ(MR): 適応か死か?
MRが時代の変化に適応するか、
時代に取り残されるかどうか、
という問題提起です。
●2008年のリーマンショックに始まった不況は、
2009年のリサーチ業界に大きな影響を与えました。
売上の低迷です。
●この不況が回復されれば、また元通り、
プロジェクトの発注が来て、売上が回復する
という考え方もあります。
不況前のように、製品テストやトラッキング調査などの
定量調査や、グルインなどの定性調査を受注・完了
すれば経営の安定が保証されると考えられます。
●一方、この不況でクライアントの中には、
より一層、リサーチの有効性を再考したところもあります。
また、より戦略的にリサーチを活用していこうと思っている
クライアントもいます。
毎月行っていたトラッキング調査を半年とか
年に1度にするなどの動きもあります。
●さらにもう1つの動きは、
クライアントのマーケティング意思決定のベースが
「伝統的なリサーチ」以外からの情報によって
行われる動きも大きくなってきています。
調査会社の競合が他の調査会社だけではない
ということです。
ITの会社であったり、Eコマースの会社であったりします。
買い物サイトで取り込んだ顧客の大量の「口コミ」が
重要な消費者インサイトの情報源になるわけです。
New Entrants参照。
(もしGoogleやFacebookが、本気でリサーチ分野に
進出してきたならば。。。という恐ろしい話がでています)
●日本では、ご存知の価格.COMや@COSME、
CookPadのようなSNS会社が
現に調査会社の競合になっています。
●この動きの背景には、WEB2.0の進行による
消費者の声の爆発があります。
Socila mediaの拡大です。
●このような時代の変化に対して、
リサーチは現在、「変革」を迫られています。
●イギリスのResearch Magazineのサイトresearch.が
年頭に2010年のリサーチ業界をOne Wordで表現すると。。。
という問いを業界関係者に尋ねています。
Market research in 2010: In a word...
●そこでは、「変革」や「再構築」「定性へのシフト」「エスノ」
などがあげられています。
●特にその中で、IT関連の調査で有名な
USのForrester Research社の
Reineke Reitsmaリサーチ・ディレクターが
「listeningリスニング」
という言葉をあげています。
●「消費者のニーズを理解するために
多くの調査は、
尋ねるaskingことを行っている。
数字の背後にあるストーリーを発見するために、
2010年には、リサーチは定性的なlisteningのツールを
装備すべきである」と彼女は述べています。
●今年のESOMARの年次大会の議題の1つが、
「The conversation revolution - The digital advantage - Are we questioning respondents or developing a dialogue with participants? 」
です。
調査も本音を言わない消費者に対して、
調査票で定型的な「質問」ばかりするのではなく、
消費者の自発的な会話を誘発して、
それに耳を傾ける方法の開発という
問題提起がされています。
●USの権威あるリサーチ団体である
ARF(Advertizing Research Foundation)も
昨年からlisteningの重要性に着目して
その方法を探究しています。
先週の1月28日(木)にサンフランシスコで、
Winning With Social Media – ARF Industry Leader Forum Program/ARF Industry Leader Forum – Putting Listening to Work
というlisteningについての会議を開いています。
その会議模様はTwitterでも実況されていました。
●残念ながら、その会議内容については
まだフォローできていません。
幸いこの会議をリードしているのが
前職(Synovate)の同僚であったJoel Rubinson氏
(ARFのChielf Research Officer)です。
今後情報を入手したいと思っています。
●このlisteningも、
過去10年間のMRの大きな課題であった
「コンシューマー・インサイトConsumer Insight」の発見
の1つの方法と考えられます。
今後、このlisteningの議論から新たな方法が
確立されることが期待されます。
●2010年のリサーチ・トレンドについては以下も参照:
Market Research: Ten Trends for 2010
Research in 2010 in 1, 2, 5 Words
Research in 2010 and the Decade Beyond
Marketing Research Trends for 2010 and Beyond
MR in 2010: One Word
(再定義と創造的破壊がリサーチには必要)
What’s ahead for market research in 2010?
●変革期にあるリサーチに関連して、以下も参照。
This Business Isn’t Fun Anymore
Is this business still fun?
The Market Research Piece In The Innovation Puzzle
Survey Research Resolutions for 2010
Six marketing research wake-up calls in 2009
◆
《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります。》
2010年2月1日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
#150 レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告
<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...

-
<第147回> 第52回JMRX勉強会報告 2015年5月29日 ● 5月29日(金)に、株式会社 ミクシィの会議室にて、下記の要領で、第52回JMRX勉強会を開催致しました。 タイトル: 「時系列データを用いた広告効果測定の実際」 発表者: 青島弘幸(...
-
<第119回> 2014年5月 ◆ 前回、ご紹介した 水越康介首都大学東京大学院ビジネススクール准教授の 『普通の人が、平凡な環境で、人と違う結果をだす「本質直観」のすすめ』( 2014年、東洋経済新報社)は、リサーチャーMUST-READの書です。 水越氏も「本...
-
<第149回> レイ・ポインターのMR白熱教室2015 第4回(最終回)報告 2015年6月23日 ● 第4回目のテーマは、 『データからストーリーテリング』 でした。 ● 7月にレイとの懇親会を予定しております。世界のMRのソート・リーダー(thought ...
0 件のコメント:
コメントを投稿