2010年2月8日月曜日

2010年のリサーチ・トレンド (続き)

先週のブログで、USの権威あるリサーチ団体である
ARF(Advertising Research Foundation)

listeningの提唱

について触れました。

さっそくUSから、関連の情報を送ってもらい、資料を入手しましたので、ご紹介したいと思います。

(株)エクスピリッジ社のもう1つのブログである

Digital Consumer Planner

の方で紹介しますので、そちらをご覧ください。


●先週のブログでは、もう1つのテーマについて言及しました。

それは2010年のリサーチ・トレンドについてでした。

別にいくつか関連の資料がありましたので、
少し付加したいと思います。

●まず、アメリカの有名な調査情報サービス団体である

Quirk's

が先週2010年版のDirectoryを出しました。https://www.quirks.com/index.aspx

その中に、Research 2010: more work, more data, same budgets
という記事がありました。

その中で、2010年のトレンドとして、
以下のようなことが指摘されていました。

-不況が調査機能の再構築reinventをもたらす。

-リサーチャーにとって2010年は
エキサイティングな年になる。

-現在、リサーチャーが数字の処理ではなく、
調査に付加価値を付けることを容易にしてくれる
変革が起こっている。

例えば、MRオンライン・コミュニティや、
モバイル調査、オンライン・エスノグラフィ調査など。

-調査部門への「高品質のインサイトを早く提供する」
という要求のプレシャーがますます強まる。

-消費者のブランドに対する関与engagementや、
情緒emotionを明らかにすることが重要。

-調査会社以外の技術を主力にする会社
(インターネット関連の会社)が、リサーチに
参入してくるので、調査に詳しくない人々が、
調査に関与して、調査の誤用をまねく恐れがある。

-それを防ぐには、リサーチャーは、
他の調査との文脈(context)で、
これらのオンラインから得たインサイトを
分析することが重要。

-USでは、今後オンライン関係のベンダーが
15-20%成長する。

-また、クライアント企業の内部で、既存調査データの
再分析によるインサイトの分析の要求も高まる。
これは、社内の調査予算のコスト減につながる。

-クライアントの調査会社の選定が厳しくなり、
調査会社への要求も高まる。
調査会社は競争を生き抜くためには、
「ユニークさ」が求められる。

-リサーチャーには、調査予算を使う正当性を
主張することが要求される。

-景気回復後の調査費用のアップは困難。
げるためには調査の付加価値アップが必要。


●また、Trends That Will Shape Market Research In 2010は、
後から2009年はマーケティング・リサーチ(MR)にとって、
ターニング・ポイントの年であったと言われるかも
しれないと述べ、

2010年は、social mediaにより、リサーチの変革が
行われると述べています。

●Virtual storeテストなど先進的な手法を駆使する
カナダの調査会社であるVisionCritical
CEOであるAngus Reid でも
How the recession is reshaping researchの中で、

同様に後世、MRの業界史の中で、
「この不況がMRの革命に火をつけた」と呼ばれる
可能性があるとも語っています。


●要約すると、

不況により、既存の調査は、コンシューマー・インサイトの
発見を目指し、よりROIを考慮した効果的・効率的調査に
進化する方向に向かっています。

同時に、Social mediaの発展に呼応した新たな
調査手法が開発されつつあります。


●以下の資料も参照:

Peering through the gloom to brighter times ahead 

分析の重要性や、リサーチの有効性を証明する上での
ケース・スタディの共有(クライアント企業は共有したがらない)
の必要性について言及ー成功事例の共有。

US— Researchers are hopeful that the industry will soon see a return to better times – but concerns persist that the downturn has created problems for the business that will prove hard to fix.

不況のMRへの影響についての
全米512人のリサーチャーへの調査結果(フルレポートResearch Industry Trends 2009 Survey

A Time of Transition

2010 predictions – research for research's sake is over
調査のための調査の終了

Predictions 2010: What Will Happen In Market Research:Ten Trends That Will Shape Consumer Market Research In 2010
有料資料です。

Are Surveys Heading For Extinction? The Approaching Storm

Post-recession, a new world order for MR ◆


《このBlogは毎週月曜日の午前中に更新されます。月曜日がお休みの時は火曜日の午前中です。また臨時に更新されることがあります》

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