2011年5月30日月曜日

MROC導入コンサルティングのご案内

《第61回》

◆(株)MROCジャパンは、日本初かつ唯一のMROC専門のオンライン・マーケティング・インサイト・カンパニーです。

●昨年、MROCジャパンは、MROCの概念や海外の実例をブログやセミナーで初めてご紹介致しました。

また、海外のMROCサービスを行っている企業(イギリス:ブレイン・ジューサー社)において、MROC研修を受け、その内容のご紹介も行いました。
ブレインジューサー社 イノベーション・コミュニティの ご紹介


2月には、中国マカオで開かれたQRWEB2.0というオンライン定性調査の国際会議で、日本のMROC事例を初めて、海外に紹介致しました。
Tactical Co-Creation Community Research Method: The Case of MROCs in Japan

そして、4月の(株)クロス・マーケティングのMROCサービスの導入を全面的にサポートさせていただきました。MROC
MROC Japan and Cross Marketing roll out community offer



一部の企業で、従来からある「掲示板グルイン」をMROCと呼称して、サービスを提供している企業もありますが、MROCは、参加者(コミュニティ・メンバー)の特性や、活動内容の違い(Askingと自然な会話のListening)、活用ツールの違いにより、オンライン・グルインと異なるコミュニティ・リサーチのツールであることにご留意ください。

●最近、数社の企業の方から、MROC導入のサービス提供のお問い合わせをいただきました。お問い合わせ、誠にありがとうございます。

幸い、萩原さんの「次世代マーティング・リサーチ」やブログ、ツイッターなどをお読みになり、MROCをお知りになる方が増えております。

●一方、残念ながら、本の中で同時に、D社が「日本で最初にMROCを冠したサービスを提供」とご紹介されたので、市場では少々誤解が生じております。D社のサービス

D社さんのサービスは、欧米では、いわゆる「掲示板グルイン」(BBFG:Bulletin Board Focus Groups)と呼ばれているものです。1990年代後半にUSで作られたグルインをオンライン化した定性調査の1手法です。

実際、D社さんの説明を聞かれたクライアントさんが、説明内容が過去に行った掲示板グルインと同じであったので、MROCに、がっかりしたという残念な話も聞いております。

D社さん、正しいMROCの普及をお願い致します。(⌒-⌒)

MROCは、WEB2.0=CGMに起源を持ちます。関与度の高い人が、コミュニティを形成し、自発的な発言=自然な会話をリスニングすることによって、インサイトを創出することがメインのリサーチ・ツールです。

MROCは、現在進行しているオープンなソーシャルメディアの「ソーシャル・リスニング」活動をクローズドなプライベイト・コミュニティ空間の中で、生活者の声のリスニングを展開する新しいリサーチ・ツールです。

既存資産を活かしたコントロール性重視の手法」ではありません。調査をする側が事前に決めたことを一方的に尋ね(アスキング)、調査をコントロールするのでは、MROCは、コミュニティを形成し、メンバーの自発的な会話をリスニングし、想定外のインサイトを発見するもので、従来の調査の発想とは全く逆の考えに基づいています。

単に購入経験や性・年代などの対象者条件によって抽出された「対象者」が、モデレータの質問に回答してゆくアスキング主体のグループ・インタビューではありません。

また、コミュニティでの自然な会話を活性化するために、単に掲示板への書き込みだけでなく、チャットや、アンケート、写真や動画のアップなどのWEB2.0によるコミュニティ・メンバー間のコミュニケーションを促進するための機能がたくさん付加されている点も特徴です。

これによって、従来の同時性のグルインだけでなく、非同時性のグルインや、デプス(詳細面接)、エスノ(行動観察)、ダイアリー、さらには定量調査も含めたハイブリッド調査が可能です。

このことが、MROCが、「次世代MRのプラットフォーム」と呼ばれるゆえんです。

さらに、MROCは製品開発だけに特化したものではなく、ブランドやコミュニケーション、顧客ロイヤルティ、ショッパーインサイトなどマーケティング全般の課題解決に対応しています。


●残念ながら、ご興味を持たれても、MROCをいざ実際に行うとなると、

MROCとはそもそも何なのかとか、

具体的にどのように実施すればよいのか、

MROCのプラットフォームをどうすればよいのか、

参加者(コミュニティ・メンバー)の条件はどうか、

またどのように集めればよいのか、

オンライン・リサーチ・コミュニティの運営は誰が、どのようにすればよいのか、

リサーチ・コミュニティ・マネジャーの仕事のやり方はどのように行うのか、

参加者の謝礼はいくらぐらいがかかるのか、

参加者の数はどのくらいが適切か、

期間はどのくらいが適切か、

参加者の発言をどのように分析すればよいのか、

レポート・イメージはどうか、

などなど、

MROC実施にいたるまでの問題が山積です。

●このようなニーズにお答えして、MROCジャパンでは、

「MROC導入コンサルティング・サービス」

を広く事業会社や、代理店、シンクタンク、調査会社などへ行っております。

より具体的には、コミュニティ・リサーチの企画方法から、コミュニティ・ガイドの作成、最適なプラットフォームの選定とその使用方法のトレーニング、リサーチ・コミュニティ・マネジャーのトレーニングなどのサービスをご提供致します。

MROC導入にご興味がある企業や担当者の皆様、下記にお気軽にお問い合わせください。Shigeru.Kishikawa@mroc.jp

MROCジャパンでは、「次世代MRのプラットフォームとして有望なMROC(コミュニティ・リサーチ)」の日本市場への正しい導入と、有効な事例の遂行、健全なMROC市場の形成をミッションとして活動しております。


◆6月2日(木)、3日(金)ニューヨークで、MROCとソーシャルリスニングの国際会議が開かれます。

MROCの有効性や限界、問題点、将来などについて、Gongos Researchや、Vision Critical、Insites Consulting、Itracksなど欧米を代表するMROC企業が一堂に集まり、プレゼンとパネルディスカッションが行われます。

MROCジャパンも日本を代表して参加致します。
CASRO


第13回JMRX勉強会2011年5月度開催のご報告です。

●5月23日(月)、株式会社アイエムジェイの高見俊介氏による

「ロイヤルティリーダーに学ぶソーシャルメディア戦略」を開催致しました。

当日雨天にもかかわらず、総数44名の方のご参加をいただきました。

講師の高見さん、ならびに参加者の皆様、ご協力ありがとうございました。

●余談ですが、高見さんとは、同志社大学法学部の先輩・後輩関係でもあります。過日、ゼミの話で盛り上がりました。。。


●プレゼン資料は、
●ブログ記事: 「いまんとこの最適解」

JMRX【ロイヤルティリーダーに学ぶソーシャルメディア戦略】に行ってきた

「耐久消費財、サービスの既存顧客維持モデルに適した展開でした。ただ、提示いただいたフレームは新規かつ、工夫次第ではFMCGへも展開可能なもののように思います(その場合NPSでは表現がキツイ。)この点は、リサーチャーが研究の余地があると思います。」

●ビジネス課題やマーケティング課題として、「顧客ロイヤルティの向上」は重要です。

顧客ロイヤルティの「マネジメント」のためには、顧客のロイヤルティの「測定(メジャメント)」が不可欠です。

それゆえに、「顧客ロイヤルティ」は、マーケティング・リサーチの中でも、重要な課題の1つでもあります。

従来の顧客ロイヤルティの調査では、

顧客ロイヤルティを測定する指標として、推奨やリーピート購買などの複合指標や、顧客満足度などの全体指標(従属変数)と、それに影響を与える項目(独立変数:顧客経験、タッチポイント、コンタクト・ポイント)の評価を5点尺度で尋ねたりします。

重回帰分析などで全体指標に影響を与える項目を特定し、それらの評価の高低により、改善点の提案を行ったりします。

ソーシャル・メディア時代における顧客ロイヤルティの調査は、

上のプレゼン資料には含まれていませんが、ご著書の中(89頁)で、

顧客ロイヤルティの測定⇒「顧客の声の収集」⇒「顧客インサイトの発見」⇒ロイヤルティ向上のための改善アクションという「フィードバックループの構築」で図示されているように、

測定からアクションの間に、従来のアスキングによる消費者調査以外に、

顧客ロイヤルティを把握するためのソーシャルメディアの活用策(その1)が指摘されています。

すなわち、ソーシャルメディア上の口コミを傾聴するソーシャルリスニングと、

MROCの活用です。

●さらに、ソーシャルメディアを現状把握だけでなく、

「顧客をロイヤルカスタマーに変える」より実践的な改善アクションの提言といったソーシャルメディア活用策(その2)をご提案されています。

●このように、ソーシャルメディアの登場により、アスキング中心の従来の調査が、よりリアルな顧客の生の声を収集することができるリスニングの併用を行うというリサーチの変革が現在、進行しつつあります。

●ご著書では、顧客ロイヤルティの指標として、NPS(Net promoter Score)が採用されています。

上記プレゼン資料12頁からNPSの図がありますが、詳細は、ご著書40頁以下参照。

NPSの採用が、「顧客グリッド」(スライド13頁、ご著書130頁)の分類を可能にしています。

前前回のこのブログで、NPSの問題点についてはご紹介しましたが、

リサーチャーが、厳密性を求めるがゆえに、ビジネスの現実では、理解が難しく使えない指標よりも、

ビジネス・アクションをインスパイヤーinspired(刺激する、促進する、鼓舞する)簡単シンプルなNPS指標の有効性については、指標開発において、リサーチャーも大いに見習いたいところです。

●以下、プレゼンの詳細は、添付スライドに譲るとして、(より詳細は、ご著書を読まれることを強くおすすめ致します)

いくつか共感したポイントを

①リスニングにおいては、アクションに注力してデータを読む: 多くのデータから、重要度の優先順位をつけて、リスニングをアクショナブル・インサイトに導くこと。

②「究極の口コミを創出する」(ご著書71頁)ロイヤルカスターによる、コミュニティの構築。

③リスニングとアスキングの違い(スライド20頁、ご著書107頁)

④スライド48頁と49頁(ご著書190頁)の「ソーシャルメディアの活用範囲」と「顧客インサイトが関連するビジネス領域」は、MROCやソーシャル・リスニングがカバーするべきリサーチ領域を示唆するもので、非常に参考になります。

などなど、ご著書の中にはまだまだ参考になる図表がたくさん含まれています。

●ソーシャルメディア担当者や、次世代マーケティング・リサーチにご関心のある方(特にMROCやソーシャル・リスニング)、ソーシャル・メディア・マーケティングにご興味のある方には必読の好著です。

リサーチャー、特に、顧客ロイヤルティあるいは顧客満足度調査に関わっているリサーチャーの方にはぜひ、繰り返し読んでいただきたい文献です。

取り上げているテーマが多岐にわたりますので、やはり最低2回ぐらいは読まなくては、正確な理解が難しいのではないかと思います。

さらに、高見さんを代弁して言うと、「企業経営者の方々」にもぜひ読んでいただいて、ロイヤルティを企業経営の中心に位置付け、その文化を企業内に根付かせる実践(顧客中心文化の育成)に役立てていただきたいと思います。


来週6月6日号は、著者が海外出張のためお休みです。ご了承下さい。

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このブログは毎週、月曜日中に更新されます。

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