《第63回》
◆MROCと製品開発
・MROCによるマーケティング解決課題で最も適しているのが、
「製品開発におけるアイディア・ジェネレーション(新製品アイディアの創出)」です。
・コトラーも次のように言っています。
@kotler_bot 新製品開発は、アイデア創出。つまり新商品アイデアを計画的に探索することから始まる。優れた製品案がほんのいくつか出てくるまでに、企業は膨大な数のアイデアを創出しなければならない。
まさにMROCが最適な方法の1つと言えるでしょう。
●消費者と企業が新たな価値をともに作り出してゆくコ・クリエーション(共創)は、コトラーのマーケティング3.0においても非常に重要なコンセプトです。
参照:
①コトラーのマーケティング3.0
②生き残る企業のコ・クリエーション戦略 ビジネスを成長させる「共同創造」とは何か
③価値共創時代のブランド戦略
●(株)MROCジャパンのMROCサービスの中に、新製品のアイディア出しのための
「イノベーション・コミュニティ」というメニューがあります。
参加者人数やコミュニティ運営期間は固定していませんが、内容は、
該当製品カテゴリー・ユーザーでかつ、アイディア出しが得意な人である「イノベーター」、
同じく、周りの人に影響を与える人である「インフルエンサー」、
その製品カテゴリーの一般ユーザー「フォロアー」、
の3つのグループでコミュニティを構成します。
●例えば、コミュニティ期間が1カ月の場合ですと、
最初の2週間で、イノベータのグループにいろいろなアイディアを出してもらい、
次の1週間で、インフルエンサーの人に、イノベータが出したアイディアについていろいろ議論(共感できるかどうか、他の人に推奨するかどうかなど)をしてもらってブラシュアップを行い、
さらに最後の1週間で、一般ユーザーの立場から、フォロアーの人に、いろいろな反応を発言してもらい、最終アイディアに絞り込んで行く、という方法です。
イノベータが出した「尖った」アイディアは、アピーリングな場合はありますが、時代の先を行きすぎる場合もありますので、フォロアーの人の意見も聞くことによって、市場受容性も検証、あるいは高めるための改善点を抽出することが可能です。
もちろん最終的には、定量調査での受容性の検証が必要ですが。
●このコミュニティがうまく行けば、一部の質の低いメンバーを入れ替えながら、
「製品開発のアドバイザー・コミュニティ」
として、その後、継続運営してゆくというものです。
●マーケティングの担当者の方が想像もしていなかったアイディアや仮説を引き出せる可能性があります。
MROCは、従来のグルインやアンケートと異なり、消費者の生活の現場から「アイディア」や「意見」を収集することができるからです。
MROCは直接、課題の解を提示するものではありません。
企業の担当者の方と生活者が一緒になって、新たな価値を共創してゆくリサーチ・ツールです。
MROCは、まさにソーシャルメディアの価値共創時代における消費者理解の新たな有効なリサーチ・ツールの1つと言えます。
●そこで、JMRX勉強会では、イノベーション、製品開発の基本的な考え方を学ぶために、
私の前職時での上司であり、現在、グローバル企業をクライアントに、製品開発のコンサルタントをシンガポールでやられているニーズ・ゲインズ博士をお招きして、お話をお伺いする企画を立てました。
たまたま某グローバル企業の日本支社でのお仕事で来日する機会を利用させていただきました。
彼がMarketQuestという製品開発のソリューションのアジア地域の責任者であり、私がその日本での責任者であり、在職中の5年間は、製品開発のノウハウを数多く彼から学ぶことができました。
◆第15回JMRX勉強会開催!
●6月23日(木)に、GMOリサーチ大会議室で、
シンガポールの製品開発・イノベーションのコンサルタント会社Tapestry Worksの代表である
ニール・ゲインズ(Dr. Neil Gains)博士に、
●「製品開発とイノベーション:成功するための3つのポイント」
(3 behavioural keys to successful research + innovation) について講演していただきました。
●会場ならびに、新しくできました社員食堂を懇親会会場に提供していただいたGMOリサーチ社に感謝申し上げます。
勉強会さらには懇親会にまでお付き合いいただきましたGMOリサーチ(株)代表取締役の細川慎一社長に深く御礼申し上げます。
また勉強会および懇親会の運営にご協力いただいたGMOリサーチの優秀な社員の皆様に感謝致します。準備、後片付けなど遅くまで御苦労さまでした。ありがとうございました。
●当日の通訳は、(株)トークアイ取締役の佐野良太氏にお願い致しました。ご協力ありがとうございました。
●博士の講演の前にGMOリサーチさんから新サービス:GMO Global Social Researchサービスのご紹介がありました。http://www.gmo-research.jp/gsr/
●事務局からのご連絡です。
今回は通常よりも欠席の方が多く、懇親会も事前申し込みいただいた方から10名の方の欠席が出てしまいました。それで、講師の方や通訳者の方への謝礼お支払や、懇親会費の補てんなどで、24,052円の赤字がでてしまいました。次回で補てんできますように願っております。
●懇親会に参加すると帰りが遅くなり、次の日のお仕事に差し支える可能性があります。事務局としましては、1人でも多くの方に懇親会にご参加いただき、ネットワーキングを広めていただきたいと思っています。
●JMRAはリサーチ会社の団体ですが、JMRXは、リサーチャー個人のネットワーキング・グループです。
JMRXは、リサーチに興味・関心のある方々のネットワーキングを目的としていますので。JMRX勉強会をきっかけとして、お互いコネクトし、情報をシェア(共有)、ヘルプしあい、MR業界もリサーチャーも、皆がハッピーになることを目指しています。(C-S-H-H)
●ぜひ懇親会にもご参加ください。個人的には、講演よりも重視しております。また時には、講演よりも役立つ収集や、ネットワークを築くことができると思っています。
JMRXではまた、次世代MRを担う、次世代マーケティング・リサーチャーへの応援も目指しております。若手リサーチャーの方の参加もお待ちしています。
●当日は、博士の47才の誕生日ということで、ケーキでみんなでお祝いをしました。(名前入りの豪華ケーキの写真を撮り忘れてしまいました)
●GMO社員食堂での懇親会の模様。
●当日の資料です:
●JMRX 勉強会、初の英語での講演はいかがでしたでしょうか?
日頃の英語学習の成果を発揮することができましたでしょうか。
文章の聞き取りから、単語の聞き取りのレベルまでいかがでしたでしょうか。
講師への英語での質問に果敢に挑戦していただいた参加者の方、ありがとうございました。
また、機会がありましたら「第3弾海外ゲスト・シリーズ」をやりたいと思っています。
●ところで、「思考と言語」という考え方があります。
私たちは、使い慣れた言語で「思考」しています。つまり、日本人の多くは、日本語で理解して、日本語で考えています。
英語で聞いて、英語で考えると、英語のスピーキングもすごく上達します。
多くは、英語で聞いて、日本語で理解して、日本語で考え、また、日本語で考えたことを英語に直して、英語で話すことになります。
●英語のプレゼンを英語で聞いて、英語の資料で補足して理解し、考える方法(英語は英語で)。英語を聞きながら、英語のプレゼン資料も読解しなければいけないので結構疲れます、
さらに、英語のプレゼンを英語で聞いて、日本語の資料で補足して理解し、考える方法、
また、英語のプレゼンを聞きながら、通訳の日本語と日本語の資料で補足して、理解し、考える方法。これは同時に2ヶ国語をフォローするので、頭は疲れます。
最後に、英語のプレゼンは無視して、通訳の日本語のみに集中して、日本語の資料で理解して、考える方法。
最後の方法が、普通の日本人にとって、最もエネルギーがいらなくて、理解も深まります。
●ということで、今回も、本当は、参加者の方のために、プレゼン資料の日本語版を作成した方がよかったのですが。。。
博士の方に、6月21日(火)までに原稿を送ってくれるように依頼していたのですが、結局、勉強会当日になっても、残念ながら私の手元にプレゼン資料はありませんでした。
という事情で、参加者の皆さんには申し訳ありませんでしたが、英語の資料のままのプレゼンになってしまいました。事務局の方も始まるまで、発表の中身については知りませんでした。
英語の勉強のためには日本語資料なしでもよかったかもしれませんが。。。
●勉強会のあとなんとかお願いして、上記資料をシェアしてもらい掲載しております。それで、今回は、申し訳ありませんが、Slideshare上、download不可にさせていただきましたことをご理解お願い致します。
以下はその講演内容の一部のご紹介です。
●人間の行動(の意思決定)の多くは、無意識(サブ・コンシャス)や、言語以外のところで決定されていることは以前から主張されてきたことです。
それをなんとかして、文字や数字で表そうとしてきたのが、サイエンスでもあったわけです。
特にMR分野では、心理学や社会学から強い影響を受けています。
その一方で、この反省から、無意識の測定方法や、ニューロサイエンスの分野がこの10年ぐらいの間に注目されてきました。
●MRの目標は、人間の行動、特に購買行動を予測することです。
予測するためには、「①情緒や②行動、③コンテキスト」の理解が不可欠であると主張しています。
消費者の記憶や経験のデータ(D)は、その一部にすぎないと述べています。
The ABC and D of Human Behaviour (Consumer Understanding #13)参照
●最後に、これまでのリサーチは、言葉に頼り過ぎているのではないかと問題提起をし、
MRに対して、VOCALの重要性の提案で締めくくりました。
VOCALとは、Visual、Observational、Contextual、Analytical、Layeredの頭文字をとった頭字語アクロニムacronymです。
言葉による質問(Asking)への言葉による回答ではなく、
投影法のようなビジュアル(写真や動画など)な刺激への反応の重要性を指摘しています。
●さらに、観察調査(Observational research)の利用が、人間行動を理解する上での有効性ゆえに、今後さらに拡大すると予想しています。
これまでのグルイン・ルームでの対象者の表情や、ボディランゲージを観察するだけでなく、リアルな生活におけるリアルな行動を観察する必要性を強調しています。
●消費者の行動を理解する上で、消費者がおかれているコンテキスト、文脈を理解することも大切です。人間の意思決定は、状況によって変化する場合があります。
●行動を分析する上で、さまざまなデータ(リサーチのデータや、ソーシャルメディア上の消費者の声や営業データなど)の総合化あるいは統合化(Synsesis)が必要だと言っています。これは単にデータを定量的に処理するだけでなく、MRにおいて創造的な作業が要求されます。
●そして、最後に、人間行動は複雑で多面的なゆえに、より多様なアプローチが必要であると結論づけています。
●発表資料中のNudgeについては、
http://www.amazon.com/Nudge-Improving-Decisions-Health-Happiness/dp/0300122233参照。
The Principles of Design #17 – Nudge
また、プレゼン内で言及された行動経済学の
ダン アリエリー、Dan Arielyの予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」と、その続編
不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」も参照。
●以下のTweetも参照:
①RT @mr_edokko 昨日のゴリラはココに居た http://www.theinvisiblegorilla.com/videos.html
②@Experidge 参照)昨夜のニールの話の中のPaul Ekmanの7 core emotionsをBrainjuicerがFaceTraceとしてソリューション化 #JMRX http://ht.ly/5oWKU
●博士のブログ
①Doctordisruption
②Inspectorinsight
Twitterは、 @neilgains @tapestryworks
●以上のように、従来のサーベイやグルインの文字によるAskingを中心としたMRの改革を主張しています。
文字によるListeningが主体であるMROCへの示唆として、
①写真や動画による反応の測定や、
②ビデオによる観察、エスノの実施、
③現実の生活環境であるコミュニティ上でのリサーチの利点を生かして、生活上のコンテクストをより理解する、
④リサーチャーはMROCに取り組む際には、より創造的なリサーチを心がけ、統合的視点でデータを分析する、
⑤掲示板グルインだけでなく、エスノや詳細面接、アンケートなど複合的なアプローチを心がける、
点などがあげられるかと思います。
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このブログは毎週、月曜日中に更新されます。
◆MROCと製品開発
・MROCによるマーケティング解決課題で最も適しているのが、
「製品開発におけるアイディア・ジェネレーション(新製品アイディアの創出)」です。
・コトラーも次のように言っています。
@kotler_bot 新製品開発は、アイデア創出。つまり新商品アイデアを計画的に探索することから始まる。優れた製品案がほんのいくつか出てくるまでに、企業は膨大な数のアイデアを創出しなければならない。
まさにMROCが最適な方法の1つと言えるでしょう。
●消費者と企業が新たな価値をともに作り出してゆくコ・クリエーション(共創)は、コトラーのマーケティング3.0においても非常に重要なコンセプトです。
参照:
①コトラーのマーケティング3.0
②生き残る企業のコ・クリエーション戦略 ビジネスを成長させる「共同創造」とは何か
③価値共創時代のブランド戦略
●(株)MROCジャパンのMROCサービスの中に、新製品のアイディア出しのための
「イノベーション・コミュニティ」というメニューがあります。
参加者人数やコミュニティ運営期間は固定していませんが、内容は、
該当製品カテゴリー・ユーザーでかつ、アイディア出しが得意な人である「イノベーター」、
同じく、周りの人に影響を与える人である「インフルエンサー」、
その製品カテゴリーの一般ユーザー「フォロアー」、
の3つのグループでコミュニティを構成します。
●例えば、コミュニティ期間が1カ月の場合ですと、
最初の2週間で、イノベータのグループにいろいろなアイディアを出してもらい、
次の1週間で、インフルエンサーの人に、イノベータが出したアイディアについていろいろ議論(共感できるかどうか、他の人に推奨するかどうかなど)をしてもらってブラシュアップを行い、
さらに最後の1週間で、一般ユーザーの立場から、フォロアーの人に、いろいろな反応を発言してもらい、最終アイディアに絞り込んで行く、という方法です。
イノベータが出した「尖った」アイディアは、アピーリングな場合はありますが、時代の先を行きすぎる場合もありますので、フォロアーの人の意見も聞くことによって、市場受容性も検証、あるいは高めるための改善点を抽出することが可能です。
もちろん最終的には、定量調査での受容性の検証が必要ですが。
●このコミュニティがうまく行けば、一部の質の低いメンバーを入れ替えながら、
「製品開発のアドバイザー・コミュニティ」
として、その後、継続運営してゆくというものです。
●マーケティングの担当者の方が想像もしていなかったアイディアや仮説を引き出せる可能性があります。
MROCは、従来のグルインやアンケートと異なり、消費者の生活の現場から「アイディア」や「意見」を収集することができるからです。
MROCは直接、課題の解を提示するものではありません。
企業の担当者の方と生活者が一緒になって、新たな価値を共創してゆくリサーチ・ツールです。
MROCは、まさにソーシャルメディアの価値共創時代における消費者理解の新たな有効なリサーチ・ツールの1つと言えます。
●そこで、JMRX勉強会では、イノベーション、製品開発の基本的な考え方を学ぶために、
私の前職時での上司であり、現在、グローバル企業をクライアントに、製品開発のコンサルタントをシンガポールでやられているニーズ・ゲインズ博士をお招きして、お話をお伺いする企画を立てました。
たまたま某グローバル企業の日本支社でのお仕事で来日する機会を利用させていただきました。
彼がMarketQuestという製品開発のソリューションのアジア地域の責任者であり、私がその日本での責任者であり、在職中の5年間は、製品開発のノウハウを数多く彼から学ぶことができました。
◆第15回JMRX勉強会開催!
●6月23日(木)に、GMOリサーチ大会議室で、
シンガポールの製品開発・イノベーションのコンサルタント会社Tapestry Worksの代表である
ニール・ゲインズ(Dr. Neil Gains)博士に、
●「製品開発とイノベーション:成功するための3つのポイント」
(3 behavioural keys to successful research + innovation) について講演していただきました。
●会場ならびに、新しくできました社員食堂を懇親会会場に提供していただいたGMOリサーチ社に感謝申し上げます。
勉強会さらには懇親会にまでお付き合いいただきましたGMOリサーチ(株)代表取締役の細川慎一社長に深く御礼申し上げます。
また勉強会および懇親会の運営にご協力いただいたGMOリサーチの優秀な社員の皆様に感謝致します。準備、後片付けなど遅くまで御苦労さまでした。ありがとうございました。
●当日の通訳は、(株)トークアイ取締役の佐野良太氏にお願い致しました。ご協力ありがとうございました。
●博士の講演の前にGMOリサーチさんから新サービス:GMO Global Social Researchサービスのご紹介がありました。http://www.gmo-research.jp/gsr/
●事務局からのご連絡です。
今回は通常よりも欠席の方が多く、懇親会も事前申し込みいただいた方から10名の方の欠席が出てしまいました。それで、講師の方や通訳者の方への謝礼お支払や、懇親会費の補てんなどで、24,052円の赤字がでてしまいました。次回で補てんできますように願っております。
●懇親会に参加すると帰りが遅くなり、次の日のお仕事に差し支える可能性があります。事務局としましては、1人でも多くの方に懇親会にご参加いただき、ネットワーキングを広めていただきたいと思っています。
●JMRAはリサーチ会社の団体ですが、JMRXは、リサーチャー個人のネットワーキング・グループです。
JMRXは、リサーチに興味・関心のある方々のネットワーキングを目的としていますので。JMRX勉強会をきっかけとして、お互いコネクトし、情報をシェア(共有)、ヘルプしあい、MR業界もリサーチャーも、皆がハッピーになることを目指しています。(C-S-H-H)
●ぜひ懇親会にもご参加ください。個人的には、講演よりも重視しております。また時には、講演よりも役立つ収集や、ネットワークを築くことができると思っています。
JMRXではまた、次世代MRを担う、次世代マーケティング・リサーチャーへの応援も目指しております。若手リサーチャーの方の参加もお待ちしています。
●当日は、博士の47才の誕生日ということで、ケーキでみんなでお祝いをしました。(名前入りの豪華ケーキの写真を撮り忘れてしまいました)
●GMO社員食堂での懇親会の模様。
●当日の資料です:
●JMRX 勉強会、初の英語での講演はいかがでしたでしょうか?
日頃の英語学習の成果を発揮することができましたでしょうか。
文章の聞き取りから、単語の聞き取りのレベルまでいかがでしたでしょうか。
講師への英語での質問に果敢に挑戦していただいた参加者の方、ありがとうございました。
また、機会がありましたら「第3弾海外ゲスト・シリーズ」をやりたいと思っています。
●ところで、「思考と言語」という考え方があります。
私たちは、使い慣れた言語で「思考」しています。つまり、日本人の多くは、日本語で理解して、日本語で考えています。
英語で聞いて、英語で考えると、英語のスピーキングもすごく上達します。
多くは、英語で聞いて、日本語で理解して、日本語で考え、また、日本語で考えたことを英語に直して、英語で話すことになります。
●英語のプレゼンを英語で聞いて、英語の資料で補足して理解し、考える方法(英語は英語で)。英語を聞きながら、英語のプレゼン資料も読解しなければいけないので結構疲れます、
さらに、英語のプレゼンを英語で聞いて、日本語の資料で補足して理解し、考える方法、
また、英語のプレゼンを聞きながら、通訳の日本語と日本語の資料で補足して、理解し、考える方法。これは同時に2ヶ国語をフォローするので、頭は疲れます。
最後に、英語のプレゼンは無視して、通訳の日本語のみに集中して、日本語の資料で理解して、考える方法。
最後の方法が、普通の日本人にとって、最もエネルギーがいらなくて、理解も深まります。
●ということで、今回も、本当は、参加者の方のために、プレゼン資料の日本語版を作成した方がよかったのですが。。。
博士の方に、6月21日(火)までに原稿を送ってくれるように依頼していたのですが、結局、勉強会当日になっても、残念ながら私の手元にプレゼン資料はありませんでした。
という事情で、参加者の皆さんには申し訳ありませんでしたが、英語の資料のままのプレゼンになってしまいました。事務局の方も始まるまで、発表の中身については知りませんでした。
英語の勉強のためには日本語資料なしでもよかったかもしれませんが。。。
●勉強会のあとなんとかお願いして、上記資料をシェアしてもらい掲載しております。それで、今回は、申し訳ありませんが、Slideshare上、download不可にさせていただきましたことをご理解お願い致します。
以下はその講演内容の一部のご紹介です。
●人間の行動(の意思決定)の多くは、無意識(サブ・コンシャス)や、言語以外のところで決定されていることは以前から主張されてきたことです。
それをなんとかして、文字や数字で表そうとしてきたのが、サイエンスでもあったわけです。
特にMR分野では、心理学や社会学から強い影響を受けています。
その一方で、この反省から、無意識の測定方法や、ニューロサイエンスの分野がこの10年ぐらいの間に注目されてきました。
●MRの目標は、人間の行動、特に購買行動を予測することです。
予測するためには、「①情緒や②行動、③コンテキスト」の理解が不可欠であると主張しています。
消費者の記憶や経験のデータ(D)は、その一部にすぎないと述べています。
The ABC and D of Human Behaviour (Consumer Understanding #13)参照
●最後に、これまでのリサーチは、言葉に頼り過ぎているのではないかと問題提起をし、
MRに対して、VOCALの重要性の提案で締めくくりました。
VOCALとは、Visual、Observational、Contextual、Analytical、Layeredの頭文字をとった頭字語アクロニムacronymです。
言葉による質問(Asking)への言葉による回答ではなく、
投影法のようなビジュアル(写真や動画など)な刺激への反応の重要性を指摘しています。
●さらに、観察調査(Observational research)の利用が、人間行動を理解する上での有効性ゆえに、今後さらに拡大すると予想しています。
これまでのグルイン・ルームでの対象者の表情や、ボディランゲージを観察するだけでなく、リアルな生活におけるリアルな行動を観察する必要性を強調しています。
●消費者の行動を理解する上で、消費者がおかれているコンテキスト、文脈を理解することも大切です。人間の意思決定は、状況によって変化する場合があります。
●行動を分析する上で、さまざまなデータ(リサーチのデータや、ソーシャルメディア上の消費者の声や営業データなど)の総合化あるいは統合化(Synsesis)が必要だと言っています。これは単にデータを定量的に処理するだけでなく、MRにおいて創造的な作業が要求されます。
●そして、最後に、人間行動は複雑で多面的なゆえに、より多様なアプローチが必要であると結論づけています。
●発表資料中のNudgeについては、
http://www.amazon.com/Nudge-Improving-Decisions-Health-Happiness/dp/0300122233参照。
The Principles of Design #17 – Nudge
また、プレゼン内で言及された行動経済学の
ダン アリエリー、Dan Arielyの予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」と、その続編
不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」も参照。
●以下のTweetも参照:
①RT @mr_edokko 昨日のゴリラはココに居た http://www.theinvisiblegorilla.com/videos.html
②@Experidge 参照)昨夜のニールの話の中のPaul Ekmanの7 core emotionsをBrainjuicerがFaceTraceとしてソリューション化 #JMRX http://ht.ly/5oWKU
●博士のブログ
①Doctordisruption
②Inspectorinsight
Twitterは、 @neilgains @tapestryworks
●以上のように、従来のサーベイやグルインの文字によるAskingを中心としたMRの改革を主張しています。
文字によるListeningが主体であるMROCへの示唆として、
①写真や動画による反応の測定や、
②ビデオによる観察、エスノの実施、
③現実の生活環境であるコミュニティ上でのリサーチの利点を生かして、生活上のコンテクストをより理解する、
④リサーチャーはMROCに取り組む際には、より創造的なリサーチを心がけ、統合的視点でデータを分析する、
⑤掲示板グルインだけでなく、エスノや詳細面接、アンケートなど複合的なアプローチを心がける、
点などがあげられるかと思います。
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