《第42回》
今週のTOPICS
◆ツイッチャーからJMRXへ
リサーチャーのグループであるツイッチャーの会の名称が12月から、JMRXに変わります。
エクセレントなマーケティング・リサーチャーの集まりという感じの名前でしょうか。
リサーチャーのネットワークの輪を広げてゆきたいものです。
CSHH(Connect⇒Share⇒Help⇒Happy)が基本的アイディアです。
コネクトしあって、知識や経験を共有し、お互い助け合って、それぞれハッピーになりましょう、ということを目指しています。
【予告】12月14日か15日のいずれか、に勉強会(首都大学東京の朝野 煕彦教授の講演予定)のあと「2010年忘年会」を予定しております。会場が決まりましたら、詳細ご案内致します。
SurveyMLさんが、11月18日(木)にメーリングリストで、この案内をしてくれました。ありがとうございました。長文ですが、メールをご覧になれなかった方のために掲載します。
[surveyml:12635] マーケティングリサーチャーのネットワーク "JMRX"
萩原@TCI/MNRI です
Twitter 上でのマーケティングリサーチャーのコミュニティ 「Twittcher の会」が
マーケティングリサーチをはじめとするあらゆる調査に関する情報交換、議論など
活発な活動をしていることは、多くの方がご存知かと思います。
従来ツイッターでの意見交換は、ハッシュタグ #twittcher や #j_mr で行われてきましたが、
#jmrx (または #JMRX) に統一しようということでまとまりつつあります。
これは、英語におけるタグが #mrx (または #MRX)に統一されたことを受けたものです。
これによって、ツイッターで #jmrx を検索すれば、キーワードに関わらず、
調査関連の情報やツイートを見るとができるようになります。
http://twitter.com/#search?q=%23jmrx
同時に「Twittcher の会」も「JMRX」に名称変更とのこと。
https://twitter.com/Experidge/jmrx
JMRX をリサーチャーのグループ名にするのは素晴らしいアイディアですね。何しろ格好いい(笑
JMRA が会社のつながりなのに対して、ESOMAR のようなプロのリサーチャーのつながり
が形になるわけです。特に若いリサーチャーには魅力的ではないでしょうか。
英語圏の MRX は、Marketing Research Excellence を意味します。日本も同じ。
ぜひ多くの次世代リサーチャーが JMRX に集うことを願ってます。
萩原
◆この2週間の欧米でのMR会議
●TMRE
・11月17日ー19日、USフロリダ・オーランドで開かれたThe Marketing Research Eventです。
・Agenda
・会議についてのブログ 以下の「週刊リサーチ・ブロゴスフィア」にもいくつか含まれています。
・ツイッター
●ESOMARの定性調査会議
・11月16日ー18日にスペイン・バルセロナで開かれたESOMARのQualitative 2010:Foresight on moods and thoughts
・プログラム
・内容報告
・ツイッター#esoQUAL
●ESOMARのイノベーション会議
・11月14日ー16日に同じくバルセロナで開かれたESOMARのInnovate 2010:Innovation Detonation
・プログラム
・内容報告
・ツイッター#esoINO
*********************************
今週のHOSMR
・Ray Poynter, ’The Handbook of Online and Social Media Research: Tools and Techniques for Market Researchers’の内容紹介メモ(著作権の侵害をしないように、独断と偏見によるポイントの要約)の第10回目です。
・今週は、パート4の14章から17章を飛ばして、
パート5ブレイキング・ニュースの第18章 ニューMRです。
1.ニューMR入門
・2つの要素
①ランダムサンプリングに依拠しないMRの新しいパラダイム
②インサイト発見の方法としてのソーシャルメディアの活用
・ニューMRに含まれるもの
①ブログとバズ・マイニング
②MROCs
③プリディクティブ・マーケット
④ネットノグラフィ
⑤セミオティクス
⑥Weリサーチ
2.伝統的リサーチ・モデルの問題点
・定量調査
母集団からのサンプルの抽出+調査票による質問:
対象者(無作為確率標本)が、自ら進んで質問に回答する」ことが前提
2.1 ランダムサンプリングの前提
・全体を推定するには全体の70%をカバーする必要があるけれども、現状の調査ではその達成が困難
-カバー率の問題:①電話調査の場合、固定電話利用者率の低下、②インターネット調査の場合、インターネットユーザー率およびパネル参加率の問題、③会場テストの場合、繁華街を歩いている人の代表性の問題など。
-調査への参加率の問題:50%以下
-回答完了率の問題
・RDD電話調査の例
・オンライン・アクセス・パネルの問題点:95%以上の人がパネルに参加していない
2.2 人々は進んで回答し、また回答能力があるかどうかの前提
・「直接質問」への他分野からの信頼性への疑問:ニューロサイエンスや、行動経済学、社会人類学
・伝統的調査が調べている回答結果は、個人の意志や将来の行動を予測する上で大きな欠陥を持っている
・Mark Lindstrom ‘Buyology’ 2008:人々は自分の行動の理由を知らない
Mark Earls ‘Herd’ 2007:他人が買っているものを買っている
Dan Ariely ‘Predictably Irrational’ 2008:消費者は非合理的
2.3 伝統的リサーチ・モデルの問題点へのこれまでの対応方法
①クオターサンプル(割り当て法)
②ウエイティグ
③ノルムとモデリング(販売量予測)
④絶対値でなく相対値(トラッキング調査)-絶対値が正確でなくても、時系列での変化傾向は正しい
2.4 統計的有意差検定とパネル
・統計的検定:ランダムサンプルでかつ、サンプル誤差や測定誤差が0を前提
・オンライン・アクセス・パネルのようなコンビニエンス・サンプルにおいて、母数の推定や検定の妥当性を示すために検定を行うのは無意味
2.5 伝統的MRのその他の問題
①スピード
②コスト
③インサイト不足:クライアントはビジネス・アドバイスを求めている。レコメンデーションであって、情報ではない。
2.6 MRが機能している理由
・サンプルがランダムサンプルでなく、質問が、人々の行動理由を明らかにしていないにもかかわらず、MRは機能しているのか。
①結果が検証される機会
②リスク低減
3.理論の欠如
3.1 パラダイムと方法
4.トライアギュレーション(Triangulation)
・1つの現象を異なった角度から、特定し、実証する方法=cross examination2つ以上の方法で結果を検証する
5.真実を語ることの本質
**********************************
週刊リサーチ・ブロゴスフィア
Weekly Research Blogosphere
*1週間の世界中のリサーチ関連の主なブログ・テーマを簡便に
レビューすることができる「週刊リサーチ・ブロゴスフィア」です。
興味をもたれたブログの詳細は、リンク参照。
⇒は投稿に対する個人的コメントです。
◆先週(11月7日-11月19日)分の世界のリサーチ・ブロゴスフィア
今回は、23ブログの50投稿をレビュー
《海外編》
1.Jeffrey Henning 's Vovici
1.Convenience Samples: Pros and Cons (11/9)
・コンビニエンス・サンプル法について。
2.Panels, Communities, Panel Communities & Community Panels, Oh, My! (11/11)
・パネルとオンライン・コミュニティ、ソーシャル・ネットワークの区別。
3.Don't Make Me Lie to You (11/14)
・調査への回答について。
4.Harry Potter and the Echo Chamber: Social Media Research Validity (11/17)
・ソーシャル・メディア。モニタリングについて。
5.Are Brands People or Religions?! (11/18)
・ブランドと宗教の関係について。(31と同じ投稿)
2.Joel Rubinson on Marketing Research
6.New media, old ways (11/10)
・デジタル化の進歩とその変化への対応の遅れ。
3.Rearch Rockstar
7.TMRE Through A Practical Lens (11/7)
・TMRE会議報告。
8.Market Segmentation, Southwest Airlines Style (11/9)
・TMRE会議報告その2
9.My Totally Unofficial, Brutally Honest 2010 TMRE Awards (11/9)
・TMRE会議報告その3
10.My Totally Unofficial, Brutally Honest 2010 TMRE Awards (11/11)
・TMRE会議報告その4
4.Tom H. C. Anderson - Next Gen Market Research
11.2010 NGMR Disruptive Innovation Winners Announced (11/9)
・NGMRのDisruptive Innovation受賞者の発表。
12.NGMR Award Winners Discuss Future of Research (11/11)
・受賞者による討論。
13.The Market Research Event in Pictures (1 of 3) (11/14)
・TMRE会議の写真①
14.The Market Research Event in Pictures (2 of 3) (11/15)
・TMRE会議の写真②
15.TMRE & NGMR Awards in Pictures (3 of 3)(11/16)
・TMRE会議の写真③
5.The Future Place Blog
16.Cluster Analysis, a qualitative technique in quant clothing - TARSK 15 (11/8)
・無料ウエビナーの報告。
17.A free webinar on Cluster Analysis(11/8)
・無料ウエビナーの紹介。
18.Why #heddlu is sometimes better than #police(11/12)
・ツイッターのハッシュタグについて。
19.The Cluster Analysis Webinar - rough cut(11/12)
・無料ウエビナーの報告。
20.Public Sector versus Private Sector targeting - Online & Social Media(11/15)
・private sectorと、public sectorのソーシャル・メディアの利用。
21.Interesting use of QR Barcode by NHS West Sussex on Facebook(11/16)
・Facebook上のQRコードの利用。
6.Random Sampling
お休み
7.Straight Talk with Nigel Hollis
22.Slow Marketing and the Long Idea(11/8)
・Slow MarketingとThe Long Ideaについて。
23.Can Ghana’s mobile operators avoid a price war?(11/11)
・ガーナの携帯電話市場。
24.Can you really measure value or is it all subjective? (11/18)
・価値の測定について。
8.LoveStats
25.Data Tables: The scourge of falsely significant results #MRX (11/9)
・統計的検定について。
26.A Do Not Call list for the internet. Primed for failure? #MRX(11/10)
・The Do Not Call listについて。
9.The Surrvey Geek
27.FTC vs. MR: A Fight to the Death?(11/8)http://regbaker.typepad.com/regs_blog/
・Best Practices Act (HR 5777)について。
10.Insites Blog
28.Communities, what’s in a name: natural vs. research communities(11/15)
・ナチュラル・コミュニティとリサーチ・コミュニティ併用のメリットについて。
29.The NewMR Virtual Festival(11/16)
・NewMR Festivalイベント紹介
30.Why listening & having real conversations is the new asking(11/17)
・リスニングとコミュニティの重要性について。
11.The Researcher's Perspective
31.Are Brands People or Religions? (11/17)
・ブランドと宗教との関係。
12.Future of Insight
32.Insight Management (11/13)
・将来のMR部署にInsight Management Systemが必要。
13.Voices of CMB
33.Three Quick Takeaways from Day One at The Market Research Event(11/9)
・TMRE報告。
34.Five Questions About South Street Strategy Group (11/9)
・South Street Strategy Groupについて。
35.Three More Take-aways From The Market Research Event: Innovation and Evangelization (11/15)
・TMRE報告。
36.Will 2011 be the Year of the Cloud? (11/18)
・Cloud Computingについて。
14.The Forrester Blog
37.The Data Digest: Forrester's Global Online Population Forecast 2009 To 2014 (11/12)
・オンライン人口の予測。
38.Insights From US Hispanic Behavior Can Drive Success In The Mexican eCommerce Market (11/15)
・メキシコeコマース市場について。
39.The Data Digest: How Consumers Complain About Poor Service (11/19)
・サービスへの不満の伝え方の調査結果報告。
《国内編》
15.MARKETING RE-SEARCH BLOG
40.Co-Creation for common interests (11/16)
・「活発な議論のためには、リクルートの方法や、モデレーターやリサーチャーの関わり方などが気になるところ。リサーチャーはどういう役割になっていくのでしょうか。」
16.Marketing Research Watch
お休み
17.マーケティング・リサーチの寺子屋
お休み
18.tanoue40's Blog
お休み
19.アウラなブログ
41.六次の隔たりと三次の影響 (11/19)
・「六次の隔たりはミルグラムの有名な実験、その後のダンカンワッツらの地球規模の実験で確かめられた「あらゆる人が平均して六次の隔たりで相互につながっている」というものである。」
20.きまぐれ リサーチャーどうでしょう
42.日本初のMROC標榜したサービスがリリース (11/15)
43.「調査すれば答えがでる・・・」という究極な幻想(11/17)
・「実査が早くなった→調査プラニングも早くやらなければいけない
結果として、調査プラニングを精緻化しないままリサーチをやるというケースも散見されます。」
21.いまんとこの最適解
44.新人のころの記録 (11/10)
・「その後、色々な思いを経て今に至るわけですが、こうして新人時代の記録が残していたのはよかったなぁと思います。」
45.お薦めする本 (11/12)
・このブログでの紹介を見越して、私の本もお薦めに入れてくれています。ありがとうございます。
「図解入門ビジネス 最新マーケティング・リサーチがよーくわかる本―市場の因果関係を読み解く (How‐nual Business Guide Book)
⇒実戦的で、網羅性もある良書。辞書代わりに手元においておきたい。」
46.Japan.R (11/13)
・「今月末にJapan.RというRユーザーのコミュニティが一同に会するイベントがあるようです。」
47.MROCs(11/15)
48.金銭報酬は「やる気」をくじく 脳科学実験で裏付け (11/16)
22.みんなのMR.COM
49.課題解決力をつけるには? (11/8)
23.Digital Consumer Planner's Blog
50.ブランド・リスニング(傾聴)事例の紹介 (3) 新製品開発とイノベーション その4 (11/4)
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《このBlogは毎週金曜日中に更新されます。金曜日がお休みの時は土曜日中です。また臨時に更新されることがあります》
2010年11月19日金曜日
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